ステラだよー。今日はね、しんちゃんちに晩御飯をお呼ばれしたの。
そんな訳でステラ、野原家に行ったんだけど……
シン 「う~ん……ひろしさん帰ってくるの遅いな。今日はステラが来るから早く帰るって言ってたの……」
ステラ 「ステラ、ちょっと待ちくたびれちゃった」
銀の介 「しょーがない男じゃのう。どれオラが駅まで迎えに行ってきてやるべ」
しん 「ほっほ~い! オラも行くオラも行くオラも行く~~!」
銀の介 「ほいじゃあ2人で行くべ。行くぞしんのすけ♪」
しん 「ほ~い♪」
シン 「う~ん、あの2人で大丈夫かなあ。俺も行った方が……」
♪プルルルル、プルルルル……♪(電話の呼び出し音)
シン 「はいはーい(ガチャ)はい野原で……なんだアスランか。どうしたんだよ……ええ?
俺、そんな伝票なんかしらないぞ? 先方は確かに俺宛で渡した……? しょうがないな、
俺がこれからミネルバに確認してくるからさ。うん……うん。じゃあな(ガチャ)」
ルナ 「どうしたの?」
シン 「うん。ちょっと仕事で手違いがあったらしくてさ。これから俺ミネルバに行ってくるよ。じゃ!」
ルナ 「じゃ!じゃあないでしょ!……ふう、私も行くわよ。
シンに任せっきりにしてたらまた何かミスしそうで怖いわ」
みさえ 「シン君たちも大変ねえ……あっ!そういえば……夕方の買い物でトイレットペーパーを買い忘れていたわ!
ま、まだスーパー開いてるかしら? このままじゃあ今夜はトイレで大をもよおしても、お尻ふけないわよ?!」
むさえ 「おー、おー、こちらも大変ですなあ。じゃみさえ姉、がんばって買ってきてねえ~~♪」
みさえ 「なに言ってんのよ! あ・ん・た・も行くの!」
むさえ 「ええ~~!なんで私までぇ!?」
みさえ 「荷物持ち!ひまは私がおんぶして……
ステラちゃんごめんねえ~。すぐに帰ってくるつもりだけど、なんだったら先に食べちゃっててもいいから♪」
むさえ 「私だってお腹すいているんだけどなあー……」
みさえ 「うるさいわね! それじゃ、いってきまーす!」
ひまわり「たーい♪」
ステラ 「あ…………誰も、いなくなっちゃった」
~そして、その40分後~
ひろし 「ただいま~。いやすまんね、父ちゃんにしんのすけ。わざわざ駅まで迎えに来てもらっちゃってさ?」
銀の介 「ほんとにだらしない男たい。臭いのは」
しん 「足の裏だけにしとけ~~!」
ひろし 「う、うるせえ!……ん?」
シン 「ただいまー。なんだよ……事務所のデスクの下に落ちてたじゃないか伝票。
アスランのやつめ、俺に確認入れるより先に自分でちゃんと探せってんだよな。ったくよ……おっ?」
ルナ 「まあまあ。アスランだってわざとじゃ……あら?」
みさえ 「ただいま~~。ふうギリギリセーフだったあ……」
むさえ 「ぜー、ぜー。は、走らされるとは思わんかったばい。姉ちゃんの人使いの荒さはあいからわずと……んん?」
ひまわり「たあ~?」
帰宅したみんなが見たもの……それは、おかずが並んだテーブルの前でひとり、正座して待ってるステラだった。
ステラ 「……あっ!みんな帰ってきたあ。ね、ね、はやくみんなでご飯にしよ? ね?」
シン 「もしかして……ステラ、俺達が帰ってくるまでず~と待っていたの、か?」
ステラ 「え?う、うんそうだよ」
みさえ 「先に食べちゃってても良かったのに……おかず、冷めちゃったでしょう?」
しん 「そうだゾ~? みさえなんか、オラが幼稚園に行っている間にひとりだけバクバク美味しいもん食べて……」
みさえ 「そこ! 余計なこといわない!」
ステラ 「…………ひとりは……やだ……」
ルナ 「え?」
ステラ 「ひとりで食べるごはんは……おいしくないもん。
どんなに美味しいお料理でも……ひとりじゃおいしくないもん!
だからステラ、みんなで食べるのがいいの! ひとりで食べるのはイヤ!
みんな、みんなでいっしょのごはんがいい!」
銀の助 「ステラちゃん……」
むさえ 「……ま、そうよね。ひとりで食べるごはんほど味気のないものはないもんね?」
ひろし 「そんじゃ、みんな揃ったところで晩飯にするか?」
みさえ 「そうね♪ じゃあみんな、ごはんよそるからお茶碗だしてー?」
しん 「ほーい♪」
ルナ 「んじゃこっちはお味噌汁ね? 熱いから気をつけてよ」
シン 「あちち……ほいステラ、お前の分だぜ」
ステラ 「うん。ありがとシン……」
ひろし 「んじゃあ今日もみんなで……」
みんな 「いただきまーす!」
ステラ 「おかわり~♪」
しん 「おうおう。ステラおねいさんはほんと、よく食べますなあ~」
ステラ 「うん!だって本当に美味しいんだもん……みんないっしょだと、ね♪」
【おまけ】
~今日の晩ごはん、他の人たちの場合~
ラクス 「キラ~ごはん出来ましたわよ~♪」
キラ 「はいはーい……って、うえ~また松茸ごはんなの?」
ラクス 「しょうがないですわよ。まだまだ沢山あるのですから」
キラ 「うう……オーブのマルキオ導師も、こんなに松茸を山ほど送ってくることないのに……そうだ!
こんなにいっぱい松茸があるんだもの、いっそみんなにおすそ分けしよう!」
ラクス 「ああ、おすそわけですか……キラにしてはいいお考えですわね?」
キラ 「じゃあこのダンボール一箱分を、とりあえずアスラン達に……
それじゃさっそく行ってきま~す!(出かけていった)」
エル 「う~ん。もしかしてキラお兄ちゃん……さりげなく逃げた?」
~そんな訳でまたずれ荘~
キラ 「ふう、やっと着いたよ。これ届けたら帰りにラーメンでも食べて帰ろ……(ピンポーン!)
アスランいる~?」
しーーん……
キラ 「あれ?いないのかな……(がちゃっ)ドアのカギは開いているみたいだけど。
アスラ~ン……どうしたんだろ?部屋の中まっくらだよ……
え? あ、な、なに? ち、ちょ……うわあああああ!?」
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『貧乏人間の歌』
部屋にか~くれていっきっる♪ 俺たちゃ貧乏人間なのさっ
人にはとても見せられぬ 獣のような飢えっぷり♪
「早く人並みの生活をしたい!」
暗いさだめを ふ~き飛ばせ~♪
イザーク! ディアッカ! 二コル!
貧乏人間♪
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アスラン 「……で? お前ら部屋を訪ねてきたキラを襲って、キラが持ってきてくれた松茸を強奪して喰ったのか。
どうだ、生の松茸は美味いか? ん?」
イザーク 「香りがキツいが、まあそれなりには喰えるな」
ディアッカ「空腹にまずいもん無しってね。グレィトッ!!」
二コル 「ううっ……この人達といっしょくたにされる、自分が情けないです……しくしく」
キラ 「いたた……何て言うか……今更いうのもなんだけど、アスランって凄い人達と生活しているんだねぇ……」