第×▽話 「最凶スーパーミーアファン列伝だゾの巻 いきなり完結編」
種において過去の例がそうであったように……今回のそれも唐突に決定した。
キラ 「ねえねえ、みんな聞いた?遂にミーアさんが東京ドームでライブをやるみたいだよ!」
風間君 「つ、遂にミーアさんも、こっちの世界でのスターダムに伸し上がりましたね!」
ハイネ 「こりゃあ何としてでも観みいかなきゃならんなあ。」
ネネちゃん「しかもライブにラクスさんが友情出演かあ~~やるわねえ♪」
アスラン 「よし! いい位置でミーアを応援するためにも全員分のS席を確保だ!
今日からみんなでチケット前売りの日まで全員二交代制で……並ぶぞ!」
「おお~~~ッ!!」
※ ※ ※
そして数ヶ月がすぎ……遂にコンサートの日がやってきたのだった。
シン 「きたァァァ! 遂にこの日が、きた!」
しん 「チケットをチェックだゾ!」
シン 「おおおお輝いてるぜ! まさにプラチナペーパ~~! さあ、ドームへ出発だしんちゃん!」
しん 「出発おしんこ~~♪」
こうしてWしんは野原家を出て東京に出発したのであった。
シン 「うう……たまらないなあこの湧き上がる昂揚感。
この一歩ごとに会場に近づいてると思うとさらにゾクゾクするんだよな~」
しん 「しかもこのゾクゾクには僅かながらの不安感もあるから、さらにゾクゾクするんだよね~。
ねえシン兄ちゃん。今日のこんさーと、ちゃんと行われるのかな?」
シン 「だ、大丈夫さしんちゃん。朝の新聞にちゃんと予定とおりやるって書いてあったし!」
しん 「じゃあ……もし火事で東京ドームが燃えていたら?大地震でドームが壊れちゃったとしたら……」
シン 「い、いやいやドームほどの近代建造物がそうそう簡単に燃えたり壊れたりしないさ!」
しん 「じゃあもし……戦争がおきたら? 東京で」
シン 「はははっまさか。それこそありえ――――――なッ?!」
道の角を曲がったシン達の目に飛び込んできたもの。
それは……戦車に何故か瓦礫の山と化してしまった町の姿であった。
シン 「えッ?あ、な、せッせせせせせん……戦車?!」
戦車の砲手はシン達を見るや、いきなり備え付けの機関銃を向けて標準をあわせ……ためらいなく撃った!
ドガガガガッ!
シン 「うわあああッ?! しんちゃん、逃げろ――――ッ!」
しん 「おお~~~?」
2人はひとまず自販機の影に隠れた。
シン 「なんなんだ……なんなんだこれは! 戦争か?これは戦争なのか?
もしかして北の某国あたりが日本に侵略してきたのか? そ、それじゃ、それじゃ……!」
しん 「シン兄ちゃん……まさか辛い戦争の記憶が蘇って……」
シン 「それじゃ、今日のミーアさんとラクスさんのコンサートはど――なるんだァ―――――ッ!」
しん 「そっちの方なの~?!」
シン 「も、もしかしてちゅッちゅッちゅ中止か?!
く、くそう!よりにもよってこんな大事な日に戦争なんか始めやがって!ぬおおおおおおおッ!」
久々に怒りの化身となったシンは戦車に突撃した!
神業的な動きで銃弾をかいくぐって……
シン 「また戦争がしたいのか! あんた達はあああああっ!」
砲手にそれはそれは見事なあびせ蹴りを喰らわせたのだった。そして……
シン 「戦争がしたいのなら……ぐうう~~~明日やれ明日ッ! 砲身ひしぎ十字固めッ!」
バキッ!(戦車の砲身をへし折った)
シン 「どうだ!」
しん 「シン兄ちゃん! 向こうからも戦車が来るゾー!」
シン 「えっ!?……う、うわ!」
ドガ――――ンッ!
2台の戦車の砲撃がシンを襲う……
そのとき!何者かがシンの襟首掴んでしんのすけの所へ放り投げた!
シン 「いて!」
しん 「おお~お帰り~♪」
???「大丈夫だったかい2人とも!」
シン 「キラさん?!」
キラ 「しんちゃん、僕の背中に乗って!シン君行くよ!」
シン 「え、ちょちょっと待ってくださいよ―――?!」
ドカーン!ドカカ―――――ンッ!
しん 「おおうオラ達にんきもの~~♪ みんなオラ達を狙ってるゾ~~」
シン 「そんなわけないでしょ――!」
キラ 「くそッ! 何処の国の戦車かは知らないけど、滅茶苦茶撃ってくるなあ!」
シン 「キラさん、どこへ行くんですか!」
キラ 「決まってるじゃないか。東京ドームさ!」
シン 「え……で、でもこれじゃ中止なんじゃないんですか! だって戦争中なんですよ?」
キラ 「バカ!客の全部がそう考えてドームに行かなかったとしたらどうなると思うんだい!」
しん 「……どうなるの?」
キラ 「僕達が行かなかったらドームがシラけてしまうじゃないか。そんなのミーアさんとラクスに失礼じゃないか!」
シン 「あッ……あああああ!」
キラ 「例えどんな状況にあっても、チケットを買った以上は必ず会場へ行く!
それでこそミーア・キャンベルのファンだッ!……そうだろ?シン君」
シン 「は……はい!」
~水道橋駅西口、ガード下~
キラ 「くそ――っ西口も戦車でいっぱいじゃないか。ドームへの道が全部塞がれている」
シン 「一体なんなんだこの戦争は……!」
キラ 「シン君、ここからなら君としんちゃんの2人で歩いてドームまで行けるよね?」
シン 「……え?」
キラ 「僕が突破口をつくる。君たちはそこを抜けてドームへ行くんだ……ミーアさん達の事、頼んだよ」
しん 「キラ兄ちゃん?」
そう言い残すとキラは戦車郡に向かって猛然とダッシュした!
キラ 「でやああああああッ!」
シン 「キ、キラさ―――――――んッ!!」
キラ 「この一瞬だけでいい!僕にア○ター能力を!
抹殺のォォラスト・ブリットォォォッ!」
ズガガ―――――ンッ!
シン 「キ、キラさ―――――――んッ!!」
一瞬の大爆発の後……そこにキラの姿はなかった。
そこにあるのは……爆発炎上した戦車の残骸のみ……
しん 「キ、キラ兄ちゃん!」
シン 「そ……そんな……」
そして。遂にシンとしんのすけはコンサート会場である東京ドームに辿り着いた。だが…………
シン 「あッ!ああ……」
しん 「東京ドームが壊れちゃってるゾ……」
シン 「スタンドも……めちゃくちゃだ……舞台も……中止……やっぱり中止か! ちくしょう!」
しん 「シン兄ちゃん」
シン 「なんなんだ……なんなんだ俺は。なんなんだアイドルのファンって!
肝心のアイドルがいなきゃファンなんて……なにも出来ないただのバカじゃないかッ!」
しん 「むっ。なに言ってんのシン兄ちゃん!」
シン 「しんちゃん?」
しん 「オラ達にはまだやれる事があるじゃない!」
シン 「え?……あっ!そうだ、ある!あるぞ! まだ俺には!ミーアファンには!出来る事があるじゃあないか!」
しん 「そんじゃいくゾ~!ミ~ぃア!」
シン 「ミーィアーッ!」
2人 「ミーア!ミーア~~!」
廃墟のドームに響くミーアコール。それはまさに本物のファンにしかできない魂の叫びであった……
そんなとき。
「なんでミーアさんのコールだけなんだい!」
バキッ!(シンの喉にをラリアット)
シン 「ぐはッ?!」
キラ 「やるんならラクスコールでしょ! ラークース!ラークース!」
しん 「あっキラ兄ちゃん生きてたの?」
キラ 「あたり前田の二ールキックさ! 当たり前じゃあないか!」
アウル 「ふう、ようやく辿り着いたぜ」
シャニ 「やはり歌はCDよりも生で聞くのが一番だしな……」
カガリ 「でも死ぬかと思った……よく生きてたな私たち」
ムウ 「さすがに東京じゃあMSは使えないしな」
レイ 「気にするな。俺は……」
ルナ 「もう! 2人ともさっさと先に行っちゃうんだもの、追いつくのに必死だったわよ!」
ステラ 「うぇ~い。みんな無事みたい~」
シン 「あ――ッ! みんなもあの戦火をくぐりぬけてここまで来たのか?!」
アスラン「当たり前だ」
マリュ―「だって私達は」
ハイネ 「ミーアちゃんのファンなんだぜ!」
シン 「み、みんな……」
ヴィーノ「さーて俺の席はっと……」
キラ 「ラクスの出番のときは前の席代わってよ?」
ヨウラン「おう」
アスラン「シン、それにしんちゃん、君らも座れよ」
Wしん 「え?」
「みんなで開演を待とうぜ」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ちゅん……ちちち……
シン 「……夢だったのかよ、これ」
しん 「む~ひどく生々しい夢だったゾ……」
ルナ 「オチとしては最低ね、これ」
みさえ「みんなー。はやく顔洗って朝ごはん食べちゃいなさーい!」
シン 「うう~~なにかがものすごく納得できない気がするぜ……」