マユ達が通っているかすかべ小学校の裏手には、数十年前まで使われていたという木造建ての旧校舎が存在する。
今はもう使われてはいなく、窓は塞がれ、生徒の立ち入りは禁止されているが……
昔からこの校舎にはいろいろと不気味な噂が存在すているらしい。
つまり………その幽霊とかそういう類のシロモノの噂が……
※ ※ ※
ギル 「と、いうわけで今年はこの旧校舎を使って納涼肝試し大会をする事にした」
レイ 「反対の賛成なのだ。ギル」
クリス 「肝試し、ですか?それはどういう……」
ギル 「話は簡単さ。今から2人一組で順番に旧校舎に入ってもらう。
そして校舎最深部に置いてある証を取って帰ってくると」
ニール 「ああ要はお化け屋敷みたいなものか」
レイ 「当然、中には脅かし役がスタンバっている………腰を抜かさなければいいがな」
ネーナ 「はは、所詮十代のおこちゃま連中がやってるお化けでしょ?
始めからそうと分かってれば驚くわけないって♪」
ミハエル「ま、楽勝だな」
レイ 「………」
~その頃、旧校舎内では
カガリ 「おい。もうすぐ00の連中が校舎に入ってくるぞ。みんな準備できてるか?」
キラ 「もちろんさあ~~。いちま~い、に~ま~~い……」
風間君 「番町更屋敷のつもりなんだろうけど、コスプレ写真数えられても怖くないですよ……」
アスラン「んじゃ俺の仕掛けを見てくれ。この紐をひっぱるとだな……」
アウル 「大量のコンニャクでも降ってくんのか?」
アスラン「いや。俺が苦労して作った1/1平○唯、秋○澪、りっちゃんにムギちゃんフィギュアが
萌え萌えおでむかえ」
カガリ 「ふんッ!(フィギュアに正拳突き)」
バキャッ!
アスラン「ギャ――――!?」
ルナ 「う~ら~めしや~~~…………どうシン?メイクといい演技といい、まさに迫真もんでしょ?」
シン 「す、すげえルナ……! 本物のバケモノみたいだ! いや、バケモノそのものだ!」
ガスッゴスッボコボコボコッ!グリグリ…………グシャアッ!
しん 「おー……すごいゾシンにいちゃん。顔が本物のオバケみたい」
シン 「そ……そいつはどうも……がふっ」
マユ 「うらめしや~☆どうお兄ちゃん?マユのゆーれーは?」
シン 「……もう俺に感想なんか聞くな」
そんなこんなで納涼肝試し2009inかすかべ小学校旧校舎! ついにその幕が上がった!
ニール 「一番手は俺たちか。ま、シン達のお手並みは意見といくかな?」
アニュー「雰囲気に飲まれなければ、無様に驚くことはないと断言できますしね」
??? 「いらっしゃ~い! せっかくの肝試し、みなさん存分に楽しんできてくださいね♪」
ニール 「おう。んじゃさっそく…………………ん?」
アニュー「……あら?」
……一時間後……
シン 「………来ないな」
しん 「脅かされ役が全然来ないゾ」
オルガ 「なにやってンだよ。こちとらエアコンもない所で汗だくで待ち構えてるってのによー」
ラクス 「道に迷ってるのでしょうか?」
キラ 「もう少し待ってみよう」
……さらに30分後……
アスラン「やはり来ないな……」
風間君 「おかしいですね? いくらなんでもそろそろ来るはずじゃあ」
シン 「仕方ないな。みんな待っててくれ俺とマユとで様子見てくる」
マユ 「それじゃ、ちょっと入り口まで行ってきまーす」
しん 「おみやげにアイス買ってきてね~♪」
そんなこんなでアスカ兄妹は旧校舎の入り口まで様子を見に戻ってきた。そこで見たものは………!
マユ 「あれ? なんでみんなしてこんな所で寝てるの?」
シン 「いや気絶しているようだ。しかしなぜ……」
エル 「うー……本当になぜなんでしょう?」
マユ 「あ、エルちゃん?こんなとこで何してるの」
エル 「案内役だから私。
でも私が挨拶するたびにみんな『ぎゃー!』てなって、逃げるか気を失うかしちゃうの……
なんで?」
シン 「…………エルちゃん。君の体、透けてるぜ」
エル 「え……? あ、いけないっ思わず幽体離脱しちゃってた!」
マユ 「あー。つまりみんな幽体離脱エルちゃんを本物の幽霊と勘違いしたのかな?」
シン 「だろうな。なんだよ案外みんな根性ねえの」
マユ 「あ、そゆこと言うんだ? いつかの肝試しではエルちゃんのコレでお兄ちゃんも気を失ったくせに~♪」
シン 「うるさい」
エル 「あ、あの。この人たちどうすれば……」
※ ※ ※
こうして、納涼肝試し大会2009は入り口で全員気絶&逃亡で終了した。
ちなみに、気絶者の介抱に追われたシンやギルがオバケ役のことをすっかり忘れ去ってしまい、旧校舎の扉にカギをかけてそのまま帰ってしまったため、閉じ込められたキラ達が完全密室の旧校舎から決死の脱出劇を行うという事件があったのだが……
それはまた別の話である。