SEED-クレしん_17-211

Last-modified: 2010-01-23 (土) 18:16:21
 

2009年のクリスマス!だゾ

 
 

 キーンコーン~♪ カーンコーン~♪

 

「せんせーさよーなら~~~!」

 

マユ  「やたー!今日で2学期もおしまい、明日から冬休みぃ~~♪」
エル  「その前に今日はクリスマスイヴだね♪」
コニール「にしても……」

 

しん  「お、マユちゃんたちだゾ」
ネネ  「ほんとだ~」
エル  「あら。かすかべ防衛隊のみんなこんにちは~」
風間君 「小学校終わって今帰りですか?」
マユ  「うん!きょうが終業式なんだ♪」
マサオ君「僕たちも今日で幼稚園終わりだよ」
エル  「ということは。みんなして明日から楽しい冬休みなんだね♪」
しん  「にしてもマユちゃん荷物多いね~どうしたの?」
コニール「なんてことはない。学校の荷物を家に持ち帰るのをサボってただけだ」
マユ  「え、えへへ……絵の具とか体操着とかをちょっと、ね」

 

エル  「にしても今夜は楽しみ」
ボー  「クリ、ス、マスだしね」
マサオ君「サンタさん僕たちにプレゼントくれるかなあ~」
マユ  「がんばったからちょっぴりだけど成績上がったし通知表はばッちり!
     今日はお兄ちゃんなんか怖くないぞー!」
しん  「オラ今年はアクション仮面のフル可動フィギュアをお願いしよっと♪」

 

 とまあ小学生に園児組はプレゼントに胸ふくらませていたのであった。
 一方その頃、アー区エンジェル公園前派出所では……

 

カガリ「おい。前々から気になっていたのだが……毎年この時期になると騒がれる『三太』とは一体何者だ?」
サイ 「三太? ああ、サンタクロースのことか?」
カガリ「そうだ。そのザ○ダクロスだ」
トール「……それじゃ百式似のスーパー作業用ロボットだよ。カガリはクリスマス知らないのか?」
カガリ「そんな西洋の風習など知らん。うちは仏教一筋の家だからな」
サイ 「えーつまり、サンタクロースというのはだな……」

 

カガリ「ふむ……
    クリスマスの夜にトナカイに牽かせたソリに乗って、エントツから入って子供にプレゼントを……」
トール「夢のある話だよよなー。なあサイ、お前何歳までサンタ信じてた?」
サイ 「そうだな俺は……」
カガリ「それは家宅不法侵入ではないか!」
サイ 「は?」
カガリ「なにがプレゼントだ?一方的に怪しげな品物を置いて帰るとは……
    毒ガスや爆弾テロの恐れが充分ある!」
トール「あ、あのちょ」
カガリ「容姿は血で染まったかのようなまっ赤な服を着たヒゲ面の男か。これまた怪しすぎる……!」
サイ 「……おいおい。なんか話が変な方向に」

 

カガリ「よし!今夜は防犯強化だ! 夜通しパトロールしてその三太なる不審者を絶対捕まえるぞッ!」
トール「え―――ッ! こ、この寒い時期に夜通しなんて……」
サイ 「あーあ、サンタのこと教えなきゃよかったなあ」

 

 * * *

 

 そしてクリスマスイヴの夜もふけてきた頃。ハイム・ニクバナレに赤い服を着た影が……

 

 ピンポーン!

 

フレイ「はいは~い……て、あらシン? なによそのサンタの格好」
シン 「(小声で)どうもこんばんわフレイさん……マユの奴もう寝ました?」
フレイ「え? ああ、あの子夜更かし苦手だからもうぐっすり。あ……そうか、もしかして今年も?」
シン 「ええまあ……じゃ、ちょっくらお邪魔します」
フレイ「どうぞどうぞ♪」

 

 サンタの格好をしたシンが、忍び足でそ~っとマユの部屋に入る。
 フレイのいうとおりマユは熟睡していた……べッドの片隅に大きい靴下が吊り下げてある。

 

シン (今年一年よくがんばったなマユ……んじゃ、靴下にクリスマスプレゼント入れとくぞ)
マユ 「ん~サンタさ~ん……むにゃむにゃ」

 

フレイ「毎年毎年サンタさん役ご苦労様」
シン 「ま、10歳にもなっていまだにサンタ信じてる妹の夢を壊したくないですから」
フレイ「なにか飲んでく?紅茶くらい出すわよ」
シン 「いえ夜も遅いしマユが起き出すと面倒だからさっさと帰ります。それじゃ……
    マユのことよろしくお願いします、フレイさん」
フレイ「ええ。それにしてもまったく、いいお兄さんねえシンは」
シン 「……そうでもないですよ。じゃあ失礼します」

 

 帰り道、サンタの格好でぶらぶら歩いて帰るシンであった。が……

 

シン 「いいお兄さん、か……まあ兄貴としてマユにはできる限りのことやってやりたいんだよな……
    単に兄馬鹿かもしんないけどさ」

 

サイ 「火の用心~(カンカン!)マッチ1本火事のもと~~(カンカン!)」
トール「でも今時マッチを日常で使う家庭なんてあんのかな」
カガリ「三太はどこだ三太は……まて!あそこを歩いているのは……」
トール「え?あ、人影が」
カガリ「鮮血のごとき赤い服、茫々に生えたヒゲ(実は付けヒゲ)……間違いない!
    あれが世紀の凶悪犯三太の野郎だ!」
サイ 「いつからサンタが凶悪犯に…」
カガリ「逮捕するぞ! 2人とも続け!」
トール「えーいきなり逮捕って! 普通まずは職務質問だろ?」
カガリ「うるさい!とにかく後を追うぞ!」

 

シン 「……ん?なんだ……? 後ろから誰かにつけられてるような……」
カガリ「(小声で)三太に逃げられないようにそ~と尾行するぞ」
シン 「な、なんか不気味で怖いな……こ、このあたり暗いし…」
カガリ「もう少し…もう少しで顔が見れる距離に……」
シン 「……なんか気味悪いから走って帰ろう!それッ」

 

トール「あ、逃げた」
カガリ「尾行に気づかれた? 走るということはやはり犯罪者だな!みんな追うぞ!」
サイ 「やれやれ……てあれ?おいトール、あそこの家の塀を越えて出てきた男って」
トール「あ、もしかして……カガリ!」
カガリ「なんだ!」

 
 

ナタル「うーむ……つまりあれか? サンタを追いかけていたら留守の家に忍び込んでいた泥棒を捕まえた、と」
サイ 「嘘のような本当の話なんです」
ナタル「誉めるべきなのか怒るべきなのか。迷うなあ」
カガリ「三太め~まんまと逃げたな! 来年こそは必ず逮捕してやる~ッ!」

 
 

 (おしまい)

 
 

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