嵐を呼ぶ!春日部温泉旅行だゾ
2日目<その5>
【決勝戦 レイ・上尾組 vs Wしんちゃんズ】
メイリン「長かった卓球大会も、いよいよ決勝戦を残すのみとなりました!
郷さん、どっちのペアが勝つと思いますか?」
剛太郎 「う~ん難しいですね…お互い、かなり高度なコンビプレーで勝ち上がってきましたから…」
純一 「それでは第1セット、レイペアのサーブで開始します。それでは…ピーーーーーー!」
レイ 「いくぞシン!しんちゃん!」
シン 「こい!たあ!」
メイリン「お互い1歩も譲らない激しい攻防が続いています!
あ!レイが上尾先生の眼鏡を取りました!いよいよエンジン全開か?」
上尾 「たりゃーーー!(バキッ)」
しん 「おおう!て、手がしびれるゾ…」
シン 「球の軌道は容易く読めるが…こうも力任せの打ち方で来られたんじゃ、持ちこたえるだけで精一杯だ……!」
メイリン「第1セットはレイ・上尾先生が取りました!これは思ったより一方的な試合になってきたようです…」
草津 「うむ…上尾先生の攻撃の手をなんとか押さえ込まなければ、しんのすけ君達に勝ち目は無さそうだね」
メイリン「あ、今第2セットが始まりました!果たしてしんちゃんペアはこの不利を乗り越えられるのか!」
~第2セット~
上尾 「うりゃ!(バキョ!)」
シン 「く…もうこれ以上は、持ちこたえられ…」
オルガ 「なあ、あの先生の顔って初めて見たけど…けっこうかわいくね?」
クロト 「あ!それボクも思った!あの可愛さであのきっぱりした態度と物言いがいいよな~」
上尾 「え?……そ、そんな…」
しん 「今だゾ!(カコーン!)」
レイ 「つ…しまった!」
純一 「7-4!しんちゃんペアのサーブです!」
上尾 「ご、ごめんなさい。レイ君……」
レイ (まずい…上尾先生に、今までの殺気じみた覇気が感じられない…これはまずいか…?)
メイリン「何故か上尾先生、急に動きがぎこちなくなってきました!
そのスキを突いてしんちゃんペアの猛烈な追い上げ……今、第2セットを取りました!」
草津 「う~ん。おだてられるのに弱いのかな?あの先生は…」
レイ (上尾先生はミスを連発している。もう頼れないか…ならば!)
~第3セット~
純一 「それでは、しんちゃんペアのサーブで最終セットを開始します。それでは…ピーーーーー!」
シン 「レイ!このセットも俺達が貰った!とりゃ!」
レイ 「シン、今こそ俺の奥の手を見せてやる…必殺・ドラグーンスマッシュ!」
シン 「な、なにぃーーーー!」
メイリン「こ、これは!ラケットで打つ時、正体不明の回転をボールに加える事で
台に当たったときに予測できない方向へ球が跳ね返っています!
レイ選手、まだこんな奥の手を用意していたとは!」
レイ 「どうだ!ランダムに跳ね返る打球を返す事など出来まい!それもう1つ!」
シン 「う…くうううう(パキーン!)だあああ!」
レイ 「何?返しただと……うお?」
純一 「1-1!しんちゃんペアのサーブ!」
メイリン「シン選手も遂にSEEDを覚醒させました!ドラグーンスマッシュを返しています!」
剛太郎 「これで勝負は五分五分になりましたね。後は勝利への思いが強い方が勝ちます!」
レイ 「ま、負けん!俺は負ける訳には…!」
シン 「俺達だって……負ける訳には行かないんだあー!」
しん 「オラも助太刀するゾーー!」
上尾 「お、およばずながら私も…」
メイリン「1点、また1点と両者が取り合い、1歩も譲らない攻防が続いております!
そしていよいよ…19-18!しんちゃんペアのマッチポイント!
これを決めればWしんちゃんズの優勝です!」
しん 「これで最後だゾ!てい!」
レイ 「この一撃に全てを賭ける…!行くぞシン!しんちゃん!
全力ドラグーンスマッシュ!!」
バシィィィィィン!!!
シン 「見えるぜ!軽く返して…う?お、重い…そ、そんなバカな…!」
メイリン「す、すごい!シンのラケットに当たったボールが跳ね返らずにそのまま回転しています!
こ、これは…シン選手、押し切られるかも……?」
しん 「あきらめちゃダメだぞ!おらも力を貸すぞーー!ん~~~!!」
メイリン「シンのラケットを後からしんちゃんが押しています!
あ…だんだん押し返してきている!…これはもしかして…」
レイ 「ば、ばかな!俺の渾身のスマッシュを、そんな…」
シン 「よ、よ~し行くよしんちゃん!切り裂け!」
しん 「運命!」
2人 「デスティニースマッシュ!!」「だゾ!」
バシィィィィィン!!!
レイ 「こんな球、俺達だって返し…うわ!」
メイリン「ああ!しんちゃんペアの渾身のスマッシュにレイ、ラケットが跳ね飛ばされた!そしてボールは床に…
試合終了!卓球大会を制したのはWしんちゃんズだーーー!」
しん 「うほほ~い!勝ったぞ~~!」
シン 「やったなしんちゃん!俺達が優勝したんだぜ!」
メイリン「素晴らしい試合でした!
最後はシンとしんちゃんが作品の垣根を越えて、2人が協力した末に得られた勝利でした!
正に友情の勝利と言えるでしょう!」
上尾 「す、すいません…私が足を引っぱったせいで…」
レイ 「いや、あなたはよく頑張ってくれましたよ。俺に悔いはありません…
全力で戦って、敗れたのだから……」
* * *
【表彰式】
草津 「じゃあこれが優勝トロフィーと賞品だ。おめでとう、しんのすけ君。そしてシン君」
しん 「いや~オラ、照れるぞ~~」
シン 「あ、そうだレイ。この賞品のノートパソコン、お前にやるよ」
レイ 「え?…い、いや、そんな物を受け取る訳には…」
シン 「遠慮すんなよ。元々上尾先生のノートパソコンが壊れちまって困ってたからこの大会に参加したんだろ?
俺達には必要ないもんだし、貰っておいてくれよ」
レイ 「シン…お前…」
しん 「ほい、お米引き換え券と化粧品。無駄使いするんじゃないゾ?」
みさえ 「く…あんたに言われると何か腹立つわね…!」
マリュー「ははは…しんちゃん、ありがとね」
キラ 「うう…まだ腰が痛い…もう一度温泉に入ってくる」
アスラン「俺もそうするか…」
シン 「あれ?もう夕方か。温泉旅行2日目も、もう終わりか。
もう明日には帰らなきゃいけないんだな…残念なような、そうでもないような…」
しん 「シン兄ちゃん!みんなお風呂入りに行くって言ってるゾ~~?」
シン 「ああ!俺もすぐ行くよ!」
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