カガリ巡査と警察犬ルージュ・2
カガリ 「おっ、しんのすけじゃないか。シロの散歩か?」
しんのすけ「おお~カガリおねいさんじゃあ~りませんか。今日もいい男っぷりですなあ」
カガリ 「お前、わざと言ってるだろ。つっこまんからな」
しん 「…ちぇ、つまんないゾ…おおルージュも久しぶり~」
ルージュ「ワン!」
シロ 「キ、キャン…!」
しん 「どうしたシロ?ルージュはシロに噛み付いたりはしないゾ?」
カガリ 「はは…ルージュは勇猛な警察犬だからな。おとなしいシロにはちょっと恐いかもな」
しん 「んも~、シロがだらしないと飼い主であるオラが恥をかくんだぞ?もっとしっかりしてもらわないと」
シロ 「ワゥン…」
(む、無茶言わないでよシンちゃん…だってあのひと、あからさまにボクを威嚇してるんだもん)
カガリ 「そういえば今まで言う機会がなかったが、ルージュはメスなんだ。
シロ、情けないオスはメスに嫌われちゃうぞ~?」
しん 「ふむふむ…何かシロとルージュを見てると、母ちゃんの尻に敷かれている父ちゃんを連想しますなあ」
カガリ 「シロがルージュと?はははっいくらなんでもそれは絶対ないだろ。
(ピピッピピッ…)む?無線が…何の連絡だ?」
ノイマン《カガリ巡査、ついさっきその近所のコンビニで強盗が押し入った。
被疑者は徒歩でその辺りに逃げ込んだ模様。
ただちに付近の警戒、パトロールに当たられたし》
カガリ 「了解!…しんのすけ、私達は仕事に戻る。お前達も早く家に帰れ…行くぞルージュ!」
ルージュ「ワン!」
しん 「がんばってね~」
* * *
カガリ 「…確か無線での情報だと犯人はオレンジのジャンパーを着ているとか…むっ!さっそく怪しい人物を発見!
ちょっと君。話を聞きたいのだが…」
??? 「な、なんですか?俺、怪しい者じゃないですよ?」
カガリ 「今このあたりに逃走したコンビニ強盗を探していてね。ちょっと所持品を見せてくれないかな?」
??? 「う…うう……うるせえ!いきなりサツに捕まってたまるかぁぁ!」 ←カガリに拳銃を向ける
カガリ 「け、拳銃を持っている…!」(そんな事、無線で言ってなかったぞ…ノイマン副長め!)
ルージュ「ウゥ~~~…ワン!」
カガリ 「よ、よせルージュ!」
犯人 「ヒッ!こ、こいつ!」
パン!
ルージュ「キャン!」 ←足を撃たれた
カガリ 「ル、ルージュ!」
犯人 「つ、ついでにお前もだ!」
パン!
カガリ 「うわ!う…ぐっ!」(ルージュに気をとられて油断した…くっ、肩が…くそ…どうする?!)
犯人 「へっ…へへっ。(良心の糸が切れた)俺、一度人を撃ち殺してみたかったんだ…
お前で経験しちまおうかな?へへっ……」
カガリ (くっ…助けて!アスラン…キラ…しんのすけ!)
ルージュ「グルルルル…ワン!ワン!」
犯人 「何だぁ?血まみれのくせに、いっちょまえに俺様に向かってこようってのか?
おもしれえ。まずワン公、お前から…」
カガリ 「や、やめろおぉぉぉぉぉっ!」
その時、物陰から飛び出す1匹の白いわたあめが!
シロ 「ワン!」
犯人 「うお?顔に何か白いものが張り付いて…!何だこりゃ!離れろこの……」
しん 「カガリおねいさん大丈夫?!」
カガリ 「しんのすけ?シロ…何でここに来た!危ないから帰れってあれほど…」
犯人 「うっ…くそ!この!」 ←シロを引き剥がした
シロ 「キャン!」
犯人 「くそ!お前ら…俺を舐めやがって!全員まとめて撃ち殺して
??? 「う~んそれは無理だと…思うな!」
いつの間にか犯人の後ろに立ってたキラが、脇固めをかける。
犯人 「ぐえ!な、何だお前ら!?」
キラ 「ねえアスラン。僕、久しぶりに心底頭にきたんだけど……折っちゃっていい?」
アスラン「それだけじゃ足りないな。腕だけとは言わず骨という骨を全部折ってしまえ。キラ」
キラ 「了解。…ねえ君、僕のきょうだいに怪我を負わせるってどういう事か……
体 で 思 い 知 っ て よ ね ……!」
犯人 「ヒッ!や、やめ……ぎやああああああ!」
* * *
~翌日、警察病院~
しん 「カガリおねいさ~ん元気してる~?お見舞いに来たゾ」
カガリ 「拳銃で撃たれて元気なワケないだろ…まったく。
でもありがとな。あそこでしんのすけやシロ、キラにアスランが現われなかったら、
私もルージュもやられていたかもしれない」
しん 「いや~そんなに感謝されるとオラ照れるなあ~」
カガリ 「……いや。よく考えるとしんのすけは何もしてなかったような。なあ、ルージュはどう思う?」
ルージュ「ワン!ワン!ぺろぺろ…」
シロ 「キャン、キャゥン…」
しん 「あれ?ルージュがシロのお顔をぺろぺろ舐めてるゾ?何か、昨日と態度が全然違うね」
カガリ 「ああ、どうもあの時、コンビニ強盗に勇敢に飛びついていったシロをもの凄く気に入ったようだ。
ルージュは臆病者は大嫌いだが、勇気のあるヤツはすぐに惚れてしまう所があるんだ」
しん 「ふ~ん。良かったねシロ。頼もしい恋人ができて」
シロ 「キャウン…」
(勘弁してよしんちゃん…一応、ボクにはメグちゃんというガールフレンドがいるんだよ?とほほ…)