Seed-Crayon_6-434_1

Last-modified: 2008-07-11 (金) 17:53:16

レイナ剣狼伝説再び!だゾ
【前編】

 

~某高校~

 

??? 「シャニ君、お願い!もう頼れるのはあなただけしかいないの!」
シャニ 「………ふう、しょうがねえな」

 
 

~その日の夕方。あ~くえんじぇる☆にて~

 

オルガ 「はあ?剣道の試合の助っ人ぉ?…何だそりゃ」
シャニ 「…俺が普段世話になってる女からの、たっての頼みでな……断れなかったんだよ」
クロト 「だからって、何で俺達にその話を持ってくるんだよ。お前1人でそいつの助っ人をやりゃいいだろ?」
シャニ 「その試合ってのはな……女子の、それも5対5の団体戦なんだよ」
ムウ  「へえ…剣道にも団体戦ってあるのか。で?」

 

シャニ 「なんでもよ……うちの高校には女子剣道部があるらしいんだが、ここ数年新入部員がまるで来ないんだと。
     俺のダチのそいつ…七瀬ってんだが、先輩共が卒業していった後も1人で頑張ったんだそうだ。が……
     公式の大会となるとさすがに1人じゃ、な」

 

シン  「でも、剣道の大会なら団体戦ばかりじゃない、個人戦だってあるじゃないですか。そっちの方で……」
シャニ 「もちろん剣道部をひとりでやっていくようになってからは、個人戦オンリーで出場したんだそうだ。
     ちなみに、結果は2年連続地区大会優勝……全国大会でも常にベスト8位以内に残ったんだとよ」
風間君 「はあ。すごい人なんですね~……その七瀬さんって人」

 

マリュー「2年、か…なるほど。だから最後の大会だけは、念願の団体戦に出場したいとシャニ君に頼んだワケね。
     その……臨時の剣道部員になってくれる人を連れてきてもらって、自分と共に大会に出てほしい、と?」
シャニ 「ま、そんな所だ……じゃあ本題に入るぜ。
     七瀬を除いたあと女4人……誰でもいい。剣道、やれ」

 

          *          *          *

 

ルナ  「剣道…って言われてもねえ。刀の扱い方はザフトじゃ、あんまり習わなかったし…」
ステラ 「ナイフなら少し自信あるけど……春日部に来て使い方忘れちゃった」
カガリ 「子供の頃に男の子に混じってよくチャンバラはやったものだがな。
     だが、さすがにちゃんとした剣道の話になると」
シャニ 「よし。3人はお前らで決まりな」

 

ルナ・カガリ「ち、ちょっと待て!まだ受けるなんて言ってな」
シャニ 「だまれ。後ひとり……誰がいる?」

 

マリュー「えへへ…私はどう?こう見えても昔は……」
シャニ 「うっせえ。ババアは引っこんでろ
マリュー「だ、誰がババアよッ!この……!」
ムウ  「まあまあ、マリュー。こらえて、こらえて、な?」

 

オルガ 「条件は、少なくとも年齢が学生くらいである事。それと、当然の事ながら運動神経が優れていることだな」
クロト 「あと女性でなくちゃダメなんだろう?ナチュラルや春日部の住人だとキツいんじゃね?」
シン  「それから考慮するに年齢面ではタリア店長、アイシャさん、ナタルさん、マリューさんとかはダメ……と」
キラ  「運動神経の面ではラクス、メイリン、フレイなどは難しいね。ミーアさんはこの町に今居ないし、
     マユちゃんは……論外すぎるか」

 

シャニ 「ちっ。居ないじゃないか。あと1人だというのによ……」
しんのすけ「待ったー!いるゾ!ひとりだけ……ものすごく強いおねいさんがッ!」
シャニ 「なんだと?しんのすけ、誰だそいつは?」

 

しん  「まあまあ…慌てない慌てない。最後の1人に相応しい、剣道が強いおねいさん……それは……!

 

     レイナおねいさんだゾ!

 

レイ  「ブーーーーーーッ!」 ←コーヒー噴きだした
シン  「うわッ汚ったねえ!」

 

ムウ  「レイナ?レイナ・デュランダル……あの都市伝説の少女か。
     確かに以前キラ達が目撃した腕前が本物なら、かなりの戦力になると思うがな。
     でも彼女はこの町に居ないんだろう?」
しん  「議長さんにお願いして春日部に来てもらえばいいんだゾ!」
キラ  「ああ、レイナさんか。いいねえ……彼女はまさにストライクフリーダムだったよ……はぁ」 
シャニ 「そうだな……しょうがねえ。他に心当たりが無いしな。いっちょ頼みに行ってみるか」
しん  「よ~しみんな、出発おしんこ~~!」

 
 

 ……そして、しんのすけ達はみんなでまたずれ荘に向かい、あ~くえんじぇる☆にはシンとレイだけが残った……

 
 

シン  「な、なあレイ……」
レイ  「断るッ!
シン  「ま、まだ何も言っていないだろう?」
レイ  「どうせ、また女装しろって言うのだろう?あんな事は2度とごめんだッ!
     第一、レイナが俺の女装だとバレたらどうなる?俺は、もうこの町に住めなくなってしまう!」
シン  「そりゃそうだが……しかし」
レイ  「なんと言われようが、イヤなものはイヤだ!それにシン……あの事はお互い忘れると言ったはずだ。
     もしこれ以上、俺に無理強いする気なら、俺もみんなにバラすぞ?
     お前の人にはとても言えないあんな事とかこんな事とか……」
シン  「わ、分かったよ!言わない!もう言わないって!
     (スーパーでおつり間違えたなんて話、言い触らされちゃたまんないしな)」

 
 

レイ  (ふう……だがやはり何か、イヤな予感がする。このまま何事もなければいいのだが……)

 

          *          *          *

 

 それから2週間後……春日部市民体育館で、高校剣道の団体戦が行われたのだった。

 
 

ルナ  「はっ!面ッ!(パーン!)」
審判  「面あり1本!そこまで!」

 
 

しん  「おお~!みんな強い強い~~。これで決勝戦に進出だゾ!」
キラ  「でも結局、レイナさんは来なかったか……ちょっと残念だったな」
ラクス 「………キラ?(ギロッ)」
キラ  「い、いやラクスその……何でもないです。はい」
シャニ 「とりあえず、5人目が後から来るってことにしといて4人で団体戦に挑んだわけだが……
     まあ、うまくいったんならそれでいいさ」
クロト 「さすがにコーディネイターとエクステンデットの、それも元軍人だしな。
     いくら畑違いの剣道でも生半可な奴じゃ、相手にならないみてぇだ」

 

シン  「……レイ。ちょっとルナ達の様子を見に行かないか?」
レイ  「む?別に構わんが……どうしたシン?」
シン  「少し気に掛かる事があって、な」

 
 

ルナ  「はあ、はあ……うっ!左腕がこんなに腫れているなんて……
     さっき喰らった小手ね。もう左腕は使い物にならない、か」
ステラ 「ス、ステラもう疲れちゃった……みんなすごく動きが速いんだもん。ついていくだけでやっとだよ……」
カガリ 「ぜー、ぜー……な、情けない。普段から訓練していてこの様とは……せ、せめて柔道だったら」
七瀬  「みんな!あとひとつで終わりなの……がんばって!」
3人  「お、お~~~……!」

 
 

シン  「やっぱりか。あいつ等、見えない所で結講ダメージ喰らってるみたいだったからな」
レイ  「みんなボロボロだ!あんな状態で試合を続けていたなんて……ん?
     シン。お前なんで俺をここに連れて来た?」
シン  「さあ…?ま、いずれにしても俺は無理強いはしないぜ?ある事ない事バラされたんじゃたまんないからな」

 

レイ  「お前………ふん。仕方ない奴だ。ならば……そろそろ覚悟を決める、か!」
シン  「へへ、そうこなくちゃ!頼むぜレイ!」

 

          *          *          *

 

??? 「胴ォ!
ルナ  「うあっ!(パーン!)」
審判  「胴1本!それまで!」

 

七瀬  「ル、ルナマリアさん!お、お腹大丈夫ですか?!」
ルナ  「ちょっと吐きそうだけど、まあ何とか……
     それよりごめん。先鋒カガリさん、次鋒ステラ、そして中堅の私と
     助っ人全員が、相手の先鋒に3人抜きされちゃって」
七瀬  「それは……しょうがないですよ!むしろ今まで、よく頑張ってくれたと感謝しているくらいです!
     あとは私が……!」

 

審判  「かすかべ高校の副将はまだかね?
     副将が居ないのなら、大将が次の試合に出るという事になるのだが」
七瀬  「は、はい!次は大将の私がで」

 
 

??? 「お待ちください!

 
 

 その瞬間……会場の全ての人間が、突如現われたその人物に注目した。
 無骨な剣道の防具を着込みながらも、絶体的な可憐さと凛々しさを強烈に感じさせる絶世の美少女。
 その名は……

 
 

しん  「レイナおねいさん!
キラ  「フ、フリーダーァァム!遂に来たーーー!」
クロト 「あれが…噂の美少女伝説か。たしかにすげえ美人だ……!」
シャニ 「驚いたなこりゃ」

 
 

レイナ 「かすかべ高校女子剣道部、第4の助っ人レイナ・デュランダル……参上、ですわ」
七瀬  「あ、あなたは一体……?」
レイナ 「だから言ったでしょう?第4の助っ人だ、と。
     あなたが良く知っているシャニ・アンドラスに頼まれて参上しました。
     私が来たからにはもう安心ですわ……審判!」
審判  「は、はい?!」
レイナ 「かすかべ高校の副将として、私が次の試合に臨みます……よろしいですわね?」
審判  「あ、ああ……いいでしょう。では両選手、前へ!」

 
 

レイナ 「ではみなさん、待っていてくださいね。10分で決着をつけてきますから♪」
七瀬  「は、はあ……ル、ルナマリアさん。大丈夫なんですか?あの人?」
ルナ  「分かりません。私はその目であの人の腕前を見たことは無いですから。
     でも……もしあの人が、しんちゃん達の言う通りの実力だとしたら……勝てる!」

 

シン  「さて、これからが本番だ。頑張れよレイ……いや、剣狼レイナ・デュランダル!

 
 

戻る