Seed-NANOHA_神隠しStriker'S_Extra

Last-modified: 2007-11-19 (月) 14:51:00

Extra:選びし未来
シン・アスカ

「シンはこれからどうするの?」
最後の模擬戦が終わってシャワーを浴びたあと二次会の様子を離れて見ていたシンに話しかけてきたのはフェイトだった。
「さぁ、どうするんでしょうね?」
とぶっきら某に答えると目の前を通りかかったウェイターのもつトレーからシャンパンの入ったグラスを手に取るシン。
グラスの中、透明感を帯た金色の液体を覗き見る。グラスの表面に出来た気泡が浮き上がっては弾けてゆく。
「はやてからも聞いたけど…、結局、C.E.捜索はJS事件のせいで進まなかったって聞いてるし…。」
シンがグラスを口許に運び傾けようとすると、それをフェイトに横から取られた。
「そっか…、私たちに協力したのはまずかったね…。キラもあんなことになっちゃったし…。」
グラスに視線を落とすフェイト。
「でも、結局は俺たちが決めたことだし、嫌だったら最初の時点で断ればよかったんだ。
だからフェイトやはやて、なのはに責任はないと思うし、俺は後悔なんかしてない。」
再び付近を通りかかったウェイターからシャンパンのグラスを受けとるシン。
「でも、ホント…どうすっかなぁ~…。」
シンがグラスを傾けようとすると再びフェイトに取られてしまう。
「何かやりたいこととかないの?」
両手にグラスを持ったままのフェイトをしばらく見つめるシン。
首を傾げるフェイト。
「まずは、この世界のこと…知ろうと思ってる。何にも知らないし…。しばらくは食堂かどっかでバイトしたりしながら食い繋いでいこうかって考えたり…。」
三度目、シンは再びウェイターの運んでいるグラスを手にとった。
「じゃあしばらくは私の下で働いてみる?毎日って言うのは無理だけど…、私が教えてあげるよ。
勉強に使ってた本とかも貸してあげるよ?」
「…いいのか?」
世話になりっぱなしのシンは気まずそうな顔でフェイトに視線をやる。
フェイトは微笑んで頷いた。
「助かる、じゃあとりあえずはその方向で…。」
シンはグラスを口に運んでいく。フェイトは再び、横から取ろうと思ったが、両手にはすでにグラスが二つ。なので
「駄目だよ、シンは未成年でしょ?」
注意することにした。
「C.E.では成人してるし、堅いこと言うなよ。
それに、こんなのジュースみたいなもんだろ。」
シンがそういって飲みほすとフェイトが持っていたグラスの片方を手にとり、グラスを少し上にあげ、乾杯の仕草をする。
険しい顔をしていたフェイトだったが、しばらくすると深く息を吐き、はにかみながらシンの持つグラスに近付けた。
「「…乾杯…。」」

Extra:見舞い
キラ・ヤマト

JS事件から数日後。
「お~す、キラ!元気にしてっか~?」
「…………。」
ベッドに腰かけているキラにヴィータは陽気な声で挨拶する。
「フリーダムはちゃんと修理できるみたいだから安心しろ。はやてがマリーに直接頼んだんだから感謝しろよ!」
見舞い品のフルーツの盛り合わせから小さい林檎をとるとヴィータは林檎にかじりついた。
それからヒョイッとベッドの側にある折り畳み式の椅子に座る。
「そうだ、今度フォワードメンバーと最後の模擬戦やるんだ。」
シャクっと水気の帯た林檎をかじる音が響く。
「だからよ……、それまでにはちゃんと起きてさ…。
アイゼンでお前をぶっ叩かせろよ…。」
一点を見つめたまま微動だにしないキラを見つめるヴィータ。
「じゃーな、あたしはお前と違って暇じゃねぇんだ。
また来るからよ…。」
ヴィータは部屋から出ていった。

しばらくして…。
ノックする音がキラの病室に再度響く。
「入るぞ、キラ・ヤマト。」
入ってきたのはシグナムだった。
「相変わらず…と言ったところか…、お前は怪我ばかりしているな。まぁ今回のは怪我…というのはおかしいが…。」
シグナムもヴィータ同様に椅子に座る。
「今朝は…ヴィータが行くと行っていたが、ヴィータは来たか?」
返事はない。
「そうか、来たか…。まぁヴィータからも聞いているかもしれんが、4月28日に最後の模擬戦をやる。
お前も参加してくれると私としては…いや、全員が喜ぶんだがな…。
まだ時間はある、ゆっくり時間をかけて癒せ。またな…。」
病室からシグナムは出ていった。
(種死&リリカルなのはさん) (神隠しへ戻る)