XXXIIスレ102 氏_平和を維持せしめる者

Last-modified: 2009-09-21 (月) 04:43:58

「い、いけません」

 

そう呟くラクスの声にいつもの張りは無く、押し返そうとする手にも力は無かった。
シンはその手をつかみ、強引に彼女に迫る。

 

「へぇ、そういってる割には抵抗が薄いんじゃないんですか?議長」
「そんなこと・・・」
「あぁ、『初めて』の時も、そうでしたね。たいした抵抗もせずに、俺の下で」
「それは、貴方が!!」
あの時のことを言われ、ラクスはシンに顔を向ける。
自然入ってきたその瞳に、呑まれる。

 

あの時、自分を侵した瞳。
神聖なものを見るのでもなく、仲間を気遣うのでもなく、
ただ、雌(オンナ)を見る雄(オトコ)の瞳。
アスランにも、キラにも、誰にも向けられたことのないその瞳に、
その紅い色彩に呑まれる。

 

「あの時、なんですか?もっとはっきり言ってくれないと、わかりませんよ?」
「それは・・・その・・・」
つと、ラクスは眼をそむけた。
彼を受け入れることも、拒みきることもできずに。

 

それを見たシンはただ笑みを浮かべただけでラクスを机の上に押し倒す。
美しい桃色の髪が執務室の机に広がる。
シンは、そっとラクスにのしかかるようにして、彼女の耳元でささやく。

 

「いいか、ラクス・クライン」

 

彼の言葉が、耳を震わせ。
彼の吐息が、肌を刺激する。
歌姫、世界の統治者、救世の女神。
そう称される自分を、ただの女として見るその瞳、その言葉に酔いしれる。

 

「お前は、俺のものだ。だから、お前は全てを捧げて、世界に奉仕しろ」

 

それが

 

「お前が傷つけ、捨て去り、そして見捨てた者達に対する代償だ」

 

いつも、彼に嬲られるときの始まり。

 

「お前に自由などない。お前に在るのはただ、この平和を永劫に続けるための歯車という役割だけだ」

 

彼女が始めて抱かれた時と同じように。
彼女が、何度も抱かれているときと同じように。
まるで呪詛のように絡みつく彼の命令(言葉)。

 

「わかったか?ラクス・クライン」

 

耳元から離れ、眼前に紅い瞳が映る。
彼は応えを求めている。
そして、自分が応える言葉はいつも決まっている。

 

「は・・・い。我が・・・君」

 

これからのことを期待して言葉が震える。
うまく口から出てくれない。
瞳はとろけたように潤んでいるのを自覚する。
呼吸が速い。
己の脚が、汗でない何かで濡れている。

 

彼は、その言葉に大して興味を抱くことは無く、耳元で再び呟く。

 

「いい夢を見せてやるよ、ラクス・クライン」

 
 
 
 

俺には、ここまでが限界だった・・・これ以上望む方はわっふるわっふると、
と尊敬する19氏の真似事をしてみる。