味山只人

Last-modified: 2021-05-18 (火) 16:52:28

味山只人は『凡人探索者』シリーズ三部作の登場人物であり、同作の主人公である。

目次

プロフィール

  • 本作開始時点で29歳
  • 生年月日:1999年3月21日
  • 出生地:広島県広島市北広島町
  • 職業:会社員→探索者
  • 二つ名:凡人探索者、星屑野郎、耳男

人物

趣味は趣味は釣りと自炊とTVゲーム。好物はハニーバー。ライフワークにサウナを習慣にしている。深層心理の世界は静かな山の中の渓流の光景。

外見

黒い髪に、栗色の瞳、平均的な日本人顔。短い手足に分厚い胸板をしている。

性格

自分を臆病で、思慮深く、慎重な人間だと思い込んで利他的なふりをしているが、その本質は重度の利己主義者。他者を必要とせず、他者に本質的に依存せずに生きていけてしまえる愛が必要ない人間。それでいて仲間や友に対しての情に厚く、その為なら自分を捨てて利他的、自己犠牲、大胆にして蛮勇となる。ソフィ・M・クラーク曰く、アレタ・アシュフィールドとは相容れず正反対なのに、辿り着く結果は同じで、二人は似ていると評している。
死ぬことよりも安全、尊厳、誇りを奪われることに恐怖する。味山只人にとって恐怖とは自分を殺すものであり、恐怖は戦う力で殺すものであるため、それらのためになら才能がなくても、訓練されたわけではもないのに、戦い、殺し、生き残ることができる。
成すべき宿命も、選ばれし運命も、貫くべき信念も、恵まれた才能もない凡人だから、特別に憧れ、莫大な力を手に入れることを願っている。また特別ではないから、敵対する者には使えるものはすべて出し惜しみせずに利用して殺す思想をもつ。

経歴

過去

両親と弟と共に過ごしていたが小学生の頃に両親が事故で他界し、父方の祖父・味山初彦に引きとられる。弟は出来が良く、人が良い性格に育ったが、味山只人は正反対に隣町の中学生を一人づつ闇討ちしたり、ボクシングの試合を見た影響で喧嘩したくなりいじめっ子グループに乱闘を挑んたりして地元で有名な悪ガキとして育つ。近所で一緒に遊んでいた空野一夏とは幼馴染の関係。

『凡人探索者』シリーズ

凡人ソロ探索者は現代ダンジョンに酔いながら恐ろしい怪物に立ち向かうようです。

学校を卒業後、会社に就職するも社会人生活によるストレス、挫折、倦怠感にまみれながらサラリーマンを三年間こなしていたが、会社で行われた健康診断にて探索者の適性があると判明してからは会社を辞めて探索者となる。フレッシュマン制度にて貴崎凛と坂田時臣の指導役として同じ班となり、その後貴崎凛と坂田時臣のチームに編入するが半年後に坂田時臣との暴行事件が起きてからはソロ探索者へ戻った。

2028年7月17日。遺留品捜索依頼中に"耳"と初遭遇。"腕"の翡翠を通じて、一時的に"腕"の部位保持者となり、自衛軍と合流して撃退あるいは逃亡を図るも"耳"と共に沈殿現象に巻き込まれる。同時期に調査依頼を受けて急行していたアレタ・アシュフィールドが独断で味山只人が巻き込まれた沈殿現象に自ら飛び込み、アレタ・アシュフィールドと共に"耳"を撃退する。その後に"腕"が敵対したため単独で"腕"を撃退したことで、"耳"と"腕"を撃退した報酬として"耳"から耳糞を分け与えられる。三年後に"耳"との決着を約束し、そのために強くなることを決意し、アレタ・アシュフィールドからのスカウトにより補佐探索者となる。

凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ

『凡人ソロ探索者は現代ダンジョンに酔いながら恐ろしい怪物に立ち向かうようです。』で描かれた"耳"との遭遇戦後、味山只人はアレタ・アシュフィールドの補佐探索者となり、この際ソフィ・M・クラークとその補佐グレン・ウォーカーを含めたアレフチームが結成される。2028年10月21日に遠山鳴人の捜索依頼を受理し、バベルの大穴二階層、大草原へ侵入する。その調査の直後、"耳"との偶発的遭遇を果たす。グレン・ウォーカーと共に殿を務め、重傷を追うも撃退する。*1その後、病院で目覚めた味山只人は、アレタ・アシュフィールドに統合しかけていた"彼女たち"を打ち払う。それから神秘の残り滓である鬼裂と出逢い友人となる。
バベル島防衛戦にてバベル島を防衛することを選んだことで貴崎凛が人知竜によって端末化、味山只人が貴崎凛を殺害する。*2のちにアレタ・アシュフィールドが"彼女達"と統合。アムネジア・シンドロームが発動したことでアレタ・アシュフィールドに関わる記憶が上書きされ、記録からも味山只人はアレフチームには居なかった事になる。
記憶を失った味山只人は委員会に利用され"腕"の部位保持者として日本指定探索者となり、"指定怪物種"に認定されたアレフチームのソフィ・M・クラークとグレン・ウォーカーの二名を、探索者組合からの指示により殺害するためにルイズ・ヴェーバー、スカイ・ルーン、ロイド・アーダルベルド、アナスタシア・ホーレンらと共にバベルの大穴の深層へと向かう。ソフィ・M・クラークとグレン・ウォーカーの両名を自ら殺害した後に、アレタ・アシュフィールドの消失と委員会に利用されていた事に気付く。受けた借りを返すために人類軌跡の7つのうち6つを殺害、世界人口を7割殺害、惑星から未来を奪い取り、人類史上最大最悪の大罪人に認定された。*3
のちに味山只人はバベルの大穴最下層へ到達し"彼女"と戦ったものの、"腕"では勝つことはできず敗北する。*4しかし最下層へ到達した報酬として二周目を得る。*5二周目で"彼女たち"に勝つために、目的が合致した"腕"と共に世界を欺く計画を画作する。味山只人への賛辞と別離への惜しみに鬼裂は再び味山只人と縁を結ぶために呪を組みあげ、味山只人は二周目へと進んだ。

二周目の味山只人は2028年8月に"耳"と初遭遇し『凡人ソロ探索者』と似た経歴を歩みながらも、"彼女たち"に勝つためには"耳"の部位保持者だけである必要があったため、樹心限界に関連した記憶を失う。"耳"の報酬として得た自分にだけ聞こえるヒントと、"耳"の権能を使いながら残された3年間で強くなるために探索を続けていく。この頃に夢の中でガス男と出会う。ソロ探索中に人知竜の端末となった樹原希との戦闘を行った後、王大校から譲られた九千坊のミイラをカレーにして食す。同日、グレン・ウォーカーと鮫島竜樹とあめりやへ遊びに行き、雨霧に気に入られる。

2028年9月13日。遠山鳴人捜索任務では一週目と似た経歴を歩む。同様に病院で目覚めた味山只人は、アレタ・アシュフィールドに統合しかけていた"彼女たち"を打ち払う。病院を退院後、再び"彼女たち"と遭遇するも、その前に王大校から譲られたはじまりの火葬者の腕によって守られる。一周目の鬼裂が結んだ呪によって、二周目の味山只人と鬼裂はお互いの記憶がないものの再会を果たし、味山只人は鬼裂の骨粉をココアに混ぜて食した。
アレタ・アシュフィールドの補佐探索者として一部の探索者に知られていたが、アレタ・アシュフィールド休業記者会見後のデモンストレーション時に鬼裂の業を見せつけたことで、一般人にも名が知られることになる。

グレン・ウォーカーと鮫島竜樹と共にあめりやの娘たちとの合コンへ行くも、坂田時臣と再会するも追い返す。それからあめりやの雨霧、夕顔、朝顔と共におでんを食べる。夕顔と朝顔の本名が九天玄女、白水素女である事と、公文書館へ向かうことを勧められる。鮫島竜樹と立神英明と共にカスミトラの討伐探索を行い、立神英明によって調理されたはじまりの火葬者の腕の餃子を食す。公文書館にて神秘の残り滓に関連した書物を読んだ後、「帰路に、つく」を読み、鈴田廻からのこの世界の違和感に対するメッセージを受け取る。
2028年10月。探索者表彰会にてルイズ・ヴェーバーとの腕相撲に勝利する。

2028年11月26日のバベル島防衛戦にて人知竜によって端末化した東條に殺害されるも"耳の血肉"にて蘇る。貴崎凛の手紙を読み、どちらを見捨てても飯が不味くなるという理由だけで、すべてを救うには人の身を捨てるしかないため、自らを火葬し強制的に"耳の化身"を発動させる。本来なら"耳"に飲み込まれるはずだったそれは、神秘の友人達によって制御下に置かれた。こうして味山只人でも、河童でも、鬼でも、原人でも、そして"耳"でもない。"耳男"が誕生した。

ヒロシマ〆アウト〆サバイバル

技能

腑分けされた部位

"腕"の部位保持者

二周目からは"腕"の部位保持者であることを世界から隠し続けるために、味山只人の記憶を忘れさせられた。

  • 樹心限界
  • 継木された右腕

"耳"の部位保持者

"耳"と"腕"を撃退した報酬として”耳”から耳糞を分け与えられる。

  • 耳の業
    • 耳の性癖
    • 耳砲
    • 耳の性癖砲
  • 耳の大力
  • 耳の血肉
    • 耳の軍勢
  • 耳の化身
    • 耳男

神秘の残り滓

九千坊

  • 九千坊の子分
  • 九千坊の尻子抜き
  • 九千坊球磨川絵巻物語

鬼裂

  • 鬼裂の盟友
  • 鬼裂の呪血式

はじまりの火葬者

  • 2人目の火葬者
  • たいまつの右腕

墓石の最前

"其"を求めた"彼女"は、"其"の残滓を持つあなたが"其"である貴方になるまでの物語を愉しみ、貴方にならなければ幾度もやり直しを繰り返した。そうした永劫の物語で生まれた"彼女"の犠牲者達である"52番目の星"の集合体が"彼女たち"で、"凡人探索者"の集合体が"墓石の男たち"だ。味山只人はその凡人探索者達の墓石の最善にして最前、そして最後の残機である。
いままで受けた屈辱の借りを返すために"彼女たち"戦にて"墓石の男たち"は最初で最後の力を味山只人に貸した。

脚注


*1 上級探索者、遠山 鳴人の遺体は確認出来ず。現場の状況から対象の生存は絶望的と推測。"序"
*2 『凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ』49話 鬼裂 渓流 再会
*3 『凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ』84話 罪名、1.5部
*4 『凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ』83話 アレタ・キサキ・ユートン・イン・パーティ そのⅤ
*5 『凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ』150話 大いなる罪よ、神を嗤え