京急2100形

Last-modified: 2024-04-27 (土) 17:37:00
Keikyu-Type2100-73.jpg

京浜急行電鉄(京急電鉄)の鉄道車両。

概要

京急線の快特用車両として1998年に登場。
車内は、居住性を重視し、転換クロスシートを採用。京急電鉄のみならず関東私鉄で唯一のオール転換クロスシート車両である。
アルミニウム製車体。前面デザインは600形?をベースとした流線型形状とした。先頭車正面窓下のワイパーカバーには、形式名(2100)がスリット状の打ち抜き文字で表現されている。これは分割併合時にスリットを通して連結器を見通せるようにしたためである。内装はCasual&Free/「若者と自然のエリア」をコンセプトとし、メルティな乗り心地、ソフトでやさしい深く透き通るような客室空間を演出した。
8両編成×10本。

一躍有名になった「歌う電車」

制御装置はドイツ・シーメンス社製のGTO素子「SIBAS32(シーバス32)」によるVVVFインバータ制御を採用した。発車時の電動機、インバータ装置から発する磁励音が音階に聞こえることが特徴で、このことから鉄道ファンの間では「ドレミファインバータ」や「歌う電車」とも呼ばれている。*1

更新

本形式と新1000形アルミ車両(1~5次車)?で採用したシーメンス社製の電機品は、日本製の機器とは仕様が異なり、特に保守面において不利な点があったため東洋電機製造製のIGBT素子を使用した2レベルVVVFインバータ制御装置(PGセンサレスベクトル制御・1C4M制御方式)への置き換えが開始された。この機器更新は2015年3月の2133Fをもって全編成への施工が完了した。
主電動機は東洋電機製造製の1時間定格190kWのかご形三相誘導電動機に交換された。駆動装置や台車の変更はない。

その他は次の通り。
  • 冷房装置をCU-71H-G2に交換。
  • 空調装置操作器を浦賀寄り運転台に追加設置。
  • 各ドア上部に1台、17インチ液晶ディスプレイ・停車駅案内枠設置。
  • 液晶ディスプレイは600形・新1000形10次車以降とは異なるデザインとなり、東京メトロ16000系などと同様にアニメーション表示がある。
  • ドアチャイムを設置。新1000形10次車以降に採用されたドアチャイムが使用されているほか、誘導音も動作する。
  • ドアの色調をアイボリーからホワイトへ変更
  • 優先席のモケットの地と柄の配色を反転。
  • 車内照明を蛍光灯からLED灯による間接照明に変更。
  • 車端部窓の開閉可能化。この部分のみはカーテンが縦引き式(ロールアップカーテン)に変更された。
  • 排気扇を半減。
  • 車両の前面非常口部分にけいきゅんのステッカーを貼り付け。
  • 客室窓枠下の帯など、部品の交換。
  • 車上情報管理装置の設置。
  • 2017年5月1日からのウィング号とモーニング・ウィング号の全席指定化に伴い、同年4月までに補助席も含む全ての席に座席番号が割り振られた。

現在は全編成とも更新を完了した。

運用

  • 快特
    泉岳寺駅・品川駅~京急久里浜駅・三崎口駅間を運転する。日中時間帯は土休日の一部列車を除く泉岳寺駅発着快特の全列車に使用される。
    • 平日夜間「イブニング・ウィング号
    • 平日朝「モーニング・ウィング号
  • 朝及び土休日夜間:特急急行*2
    立席定員が少ない上に2ドアで乗降に時間が掛かるため、平日朝ラッシュ時最混雑時間帯の本線上り列車には「モーニング・ウィング号」および女性専用車両の設定対象外の品川駅行き快特(金沢文庫駅まで特急)を除き使用されない。
    午前中のみ空港線への乗り入れがあり、平日は4回、土休日は1回羽田空港へ乗り入れる。本線の堀ノ内駅~浦賀駅間は平日朝しか運用されない。また、逗子線は定期運用はないものの、稀に事故や悪天候等による運用変更で代走として充当されることがある。

ラッピング

Keikyu_2100_series_at_Hatchonawate_Station_(47985559523).jpg

↑2代目KEIKYU BLUE SKY TRAINとなった2133F

Keikyu_2100_BLUE_SKY_TRAIN_TRA_local_20160306.jpg

↑台湾鉄路管理局とのコラボレーションで特別ラッピングを行った2133F
2133Fは「KEIKYU BLUE SKY TRAIN(京急ブルースカイトレイン)」として運行。元々は2005年より2157Fがこのラッピングを行っていたが更新に伴い2015年に終了し、2133Fがこのラッピングとなった。
2016年2月22日~6月5日に、台湾鉄路管理局との友好鉄道協定締結1周年を記念し、台鉄で活躍する客車(普快車)と2133F「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」の車体色が類似していることから、2133Fの車体と排障器にラッピングを施して、台鉄列車の普快車のデザインとしたラッピング列車を運行した。車両の前後には友好鉄道協定を記念したヘッドマークを掲出していた。当初は3月26日で運行終了予定だったが、好評だったことから6月4日まで運行を延長することとなった。なお、何らかの都合で翌5日までこのラッピングで運行を継続している。

余談

  • 当初は羽田空港と成田空港を結ぶエアポート快特への投入が検討されていたため、先頭車は地下鉄線への乗り入れに必要な非常用貫通扉を装備するが、2扉・クロスシートという構造から東京都交通局が定期列車としての乗り入れを認めなかったため、自社線内のみで運転されている。このため、8両編成12本の製造計画に対して10本が落成したところで車両の増備は新1000形に移行し、2100形の製造は2000年に終了した。
  • 編成が10本のみであるため、検査や工事などでの入場時には3扉の1500形?・600形・新1000形が代走する。

カオスバトルでは

初出は不明。

作者の扱い ※追記求む
  • 東武快速
    カオスバトルNo.3で初参戦。この時からドレミファインバーターを使用していた。カオスバトルNo.5でも同様。
    尚、カオスバトルAdvance -2-では警笛を使用した。
    今後は、短編カオスバトル其の11にも登場する予定。
    東武快速のお気に入りであるためか京急電鉄の車両の中では比較的多く参戦している。

  • シーメンスGTO-VVVF(ドレミファインバーター
  • 東洋IGBT-VVVF
  • 警笛

コメント

Tag: 鉄道 電車 私鉄 京浜急行電鉄 京急 東京都 神奈川県 歌う電車


*1 但し、回生ブレーキの失効速度が8~6km/h前後と高く、停車時には音階は聞こえない
*2 急行は朝の一部列車のみ