下記はDev Diary #3 - Views & Ideologiesの日本語訳です。
誤訳等ありましたら更新をお願いします。
こんにちは皆さん!
イデオロギー間の争闘は第二次世界大戦、冷戦、そして「テロとの戦い」の中心です。そしてそれはEspiocracyの中軸でもあります。
リチャード・ファインマンの言葉を借りれば、イデオロギーをゼロから形成するために、ゲームは最初に宇宙を創造します。1946年以前の歴史的なイベントやプレイヤーのキャンペーン(軍事侵攻からベストセラーの本まで)中に発生するイベントは物理的な結果だけではなく、住人や個人のアクターの精神的な反応も受けます。このリアクションはビュー(意見、世界観や信条の混合体)によって表現されます。
ビューはイデオロギーを形成します。しかしそこで終わらず、いくつかのビューはイデオロギーの主義よりも多くなり得ます。それらは記憶の集合体、文化の伝達、長年の不平不満、例外主義、差別、神話、陰謀論、そしてその間にある全ての物事を表しています。
転記:人々がもつビューが変わることによって、イベントは住民や非国家人物へ影響を与えます。ターン中、獲得したビューは先のイベントにつながる決定に影響します。
このシステムにおいて、ビューは原因と結果を本質的に結びつけます。それらはアクターとリアクションによって作られて結果へ帰結する決断の背景にある理由を提供します。さらに、ビューは時間の経過に伴う発展と特定の決定の両方で他のビューに影響を及ぼし、ビューのオーケストラによって歴史のシンフォニーが奏でられます。そしてあなたは上演の中央でそのアンサンブルを(バイオリニストを暗殺したりピアニストを恐喝することで)修正するのです。
Example Views (ビューの例)
技術的には、ゲーム中のビューは主題へ向けた内部の状態のことです。状態は「賛成」*1のように簡単なものや、「憤り」のような複雑なものもあります。主題はゲーム中に存在、実行できるすべてのものに影響を及ぼします。
冷戦中の政治的決定や住人の生活を支配した、ただ一つの象徴的なビューがあります。
転記:核戦争の恐れ。最近の影響力:+3.04 ニューヨーカーレポート, +0.12 集合記憶。 主要な原因:広島への原爆投下(1945年)。他の主題への影響力:-0.6 戦争, +0.1 宗教, +0.7 軍事。直接的な効果:核戦争への準備, 決断の停滞。直接的に
その有病率は原子爆弾による被爆者についてのジョン・ハーシーのレポートによって増加しました。このビューは他のビューへの強い繋がりを持ち、保持者は戦争を回避したいですが、同時に彼らは防衛のための軍事能力の拡大を支持します。意思決定するにおいて直接的に、我々が恐れを抱くように、ときによっては準備への動機づけをし、ときによっては交戦を遅らせます。ソビエトの指導者は核戦争を恐れて無鉄砲に朝鮮戦争へ参加するのでしょうか?子供が核からの避難*2を教わっているようなとき、人々は戦争を挑発するような候補者に票を入れたがるでしょうか?何十年にも及ぶ恐怖の生活は、広島や長崎の地獄を知らない世代に対してどのような影響を与えるのでしょうか?
ビューは通常地方特有で、それらの原因は似ている場合があります。例えば、ドイツの住人は以下のビューとともに始まります。
転記:戦後の罪悪感。最近の影響力:+0.10 集合記憶。主要な原因:ホロコースト(1942-1945)。関連:-0.8 暴力, -0.6 軍事, -0.5 戦争, -0.2 国家。直接的な効果:賠償金を厭わない、攻撃的な決断を避ける
このビューはカール・ユングにより集団的罪悪感*3と認められたものです。これについて論争がないわけではありませんが、隠された先入観はありません。つまり、ゲームでは仮定について明確にしています。戦後の罪悪感による平和の効果は強力です。それは住人や政治家に数十年間にわたり迫り、おそらく21世紀に入っても続いています。このビューを持つ住人に対して戦争に駆り立てることは可能でしょうか?愛国心の高いビューは汚名に耐えられるのでしょうか?外国の権力者は国際的関心に反抗してこのビューを使い、悪用しようとするのでしょうか?
転記:"Diese Schandtaten: Eure Schuld!" - "これらの暴力:お前らの罪だ!" 米国旧陸軍省によるキャンペーン
Example Ideology (イデオロギーの例)
Espiocracyにおけるイデオロギーは共通のメンテナーとソース(原因)をふくむビューの階層的なリストによって表されます。
転記:政府のイデオロギー - スターリン共産主義。ビュー:ヨシフ・スターリンへの狂信、独裁への賛成、産業への注力、地主への非難、共産主義*4への賛成、労働者の団結、農家の団結、資本主義に対する反対、国家方針の優越、資本家階級への反対、階級闘争の恐れ、植民地主義への反対、一国の社会主義。 ソース:マルクス (1867-1883)による資本論、レーニンの成果 (1893-1923)、スターリン憲法(1936)。
(ビューは特別な名前を持つことがあります。ここで、「一国の社会主義」は孤立主義に賛成するビューのことで、理想ではありませんが決断の影響力モデルとしては十分良いものです。)
リストはまだ定まっていません。ビューとそれらの順序はまだまだ発展します。変化(新しいソースの導入にいたるまで)はメンテナー(指導者や政党、その他のアクター)によって作られ、メンテナーはイデオロギー全体やその成分であるビューを広めます。住人によるイデオロギーの支持はそのビューと住人のビューの間に依存し、それは政体により認知され利用されています。そしてこれは双方向性です。住人とイデオロギーは相互に影響し合います。その上に、特別な理由が提供されると、いくつかのイデオロギーは直接支持または反対されます(共産主義への反対のビューなしにマッカーシズムは起こりえません)。
ここでいうイデオロギーとは政治的なイデオロギーとして理解され、通常は政党や政治的運動、さらにはゲリラ兵などのアクションを促すものです。
転記:他の政治的イデオロギー。社会民主党(45%, SPD) キリスト教民主同盟(23%, CDU) ナチズム・ファシズム(20%, 違法) 自由民主主党(11%, LDP)
イデオロギーはかなり細分化されています。共産主義やソビエト共産主義を持つだけでは不十分です。スターリン主義の変種はEspiocracyが目指すレベルです。ここでいう目指すものとは、スターリン主義が東・南ヨーロッパに押し寄せたことを許し、後に修正主義者によって引き継がれ、そして中ソは有名な「7割の正解、3割の過ち」と評価したような一連の出来事を示します。これはシミュレーションで強く活用されます。イデオロギーは宗教の宗派のように分裂し、一般的なイデオロギーはより詳細なシステムの土台として使われ、いくつかのアクターは新しい政治的アプローチを作成可能です。
イデオロギーの国際的な広がりはこれまでの冷戦と同様にゲームの中心です。イデオロギーの間では外交がコントロールされます。似たようなビューを信じている国の間では友好的な関係となるのは自然ですね。逆に、単に敵対的なイデオロギーあることで敵意は煽られます。地図はイデオロギーによって色付けされます。イデオロギーの助長、つまり据え付けや押し付けはゲームに勝つための主要な方法の一つです。
Interacting with Views & Ideologies (ビューとイデオロギーの相互作用)
諜報機関はビューとイデオロギーの間の相互作用に関して申し分なく理想的です。アクターをターゲットにしたりプロパガンダを行うことで、下記のことが可能になります。
- 選挙への影響
- 社会的な衝突を炎上・加速させる
- ストライキ・暴動・内乱の扇動、
- 既存のイデオロギーの形成
- イデオロギーの排除(合法的に、完全に、どのようにしてスターリン主義が排除されたか覚えていますか?)
- アクターのビューの変更
- イデオロギーとビューの製造
- 外国のプロパガンダに対抗する
- あなたの働きかけによりビューを扱う
Final Remarks (最後の備考)
スクリーンショットはまだまだ製作途中のものです。今回触れた多くのトピックは更に別の開発日記にて広げるつもりです。要するに、開発日記は短い紹介にすぎません。Espiocracyではビューやイデオロギーの実装はもっともっと存在します(例えば、主題はword2vec-inspiredのシステム*5によって作られています)。ぜひご自分の手で試してみてください!
次の開発日記は"Populations"です。
もしEspiocracyをウィッシュリストに入れてないのなら考えてみてください。
そして、Espiocracyの小さなコミュニティーも発足しました。
"We are governed, our minds molded, our tastes formed, our ideas suggested, largely by men we have never heard of" - Edward Bernays