ジュノクエスト/ジュノ上層/デリケートな時計塔

Last-modified: 2011-11-09 (水) 01:43:43

・デリケートな時計塔

依頼者:
 ガルムート(Galmut)
  / ジュノ上層・民家
依頼内容:
 「時計塔の油」が切れそう。
 天晶堂に行けば手に入るかも……。


Collet : ねぇ~、ガルムート兄ちゃ~ん!
Galmut : おうっ、コレットか!
 もうすぐで仕事が終わるからちょっと待ってろよ!
Collet : うん!
Collet : ガルムート兄ちゃんが、毎日
 時計の歯車ひとつひとつに油を塗ってるから
 あの時計塔は絶対正確なの!
Galmut : ハァハァ……。うっす、元気か?
 学校にはちゃんと行ってるのか。
Collet : う、うん、ぼちぼちね。
Galmut : なんだよ、“ぼちぼち”って。
 ハッキリしねぇなぁ……。その様子だとやっぱり
 まだ行ってないんだろ?
Collet : うん……。でもお兄ちゃんのおっきな声を
 聞いたら、ちょっと元気になった!
Galmut : そうか! 子供は元気が一番だな。
 な、あんた!
Galmut : よしよし、ピッタシだ。
 ヘヘヘ、オレ、あの時計塔の整備をやってんのさ。
Galmut : 最初は地味な仕事だと思ったんだけどさ、
 こいつがやってみると、結構おもしれぇんだ……。
Galmut : あの時計は整備にちょっと手を抜くと、
 すぐにスネておかしくなっちゃうんだよ。
 すげえデリケートなんだよな。
Galmut : で、毎朝オレが整備し、ネジをまいた
 時計の鐘が鳴るだろ? するとまるで、
 オレがこの街の目覚ましになったような気分さ。
Galmut : 時計を掃除してると、毎日同じ人が
 決まった時間に時計塔の前を通って行って、
 挨拶してくれる。
Galmut : たまに常連さんが通らない日があったり
 すると、どうしたんだろうって心配になっちまったり
 してな。
Galmut : いつも通るキレイな人がいてさ……。
Galmut : それがある日、男と楽しそうに
 歩いてるのを見ちまってガッカリしたり、とか……。
Galmut : まあ、そんな話はいいや。
 とにかくこの仕事をしてるといろんなことが
 あって……、オレがみんなの役に立てるのが
 うれしくてさ。
Galmut : たいしたことしてねぇのに、な。
 おかしいだろ? へヘッ。
Collet : クスクス……。
 うん! おかしいよ、お兄ちゃん……!
Galmut : お前さんに言ってんじゃねえ。
Galmut : さぁて、オレもそろそろ帰るとするよ。
 気をつけてな!
Galmut : あんたも。じゃ、また明日!
Galmut : 誰かと思ったら、あんたか。
 せまいとこだけど、まぁ入んなよ。
Galmut : 珍しいもんがいろいろあるだろ。
Galmut : へへ、ガラクタばっかだけどな。
 オレにとっちゃどれもある人から譲り受けた
 大切なものばかりなのさ。
Galmut : おっとっと、そっちは寝床だ!
 カンベンしてくれ!
Narihira : お~い、元気にやっとるかい?
Galmut : お、ナリヒラの爺さん!
 噂をすればなんとやら、だな。
Galmut : まだくたばってなかったのか?
Narihira : ヘヘヘ、お前らとは
 体のつくりが違うんじゃて!
Galmut : ヘッ、相変わらずだな。
Narihira : どうじゃい調子は?
Galmut : もちろんキチンと動いてるさ。爺さん、
 もしかしてあの鐘の音が聞こえないのかい?
Narihira : 最近、耳が遠くてのぉ。
 ……なんてぇのはウソじゃ。ちゃあ~んと
 聞こえとるわい!
Narihira : ちとばかし鐘の音がにごっとるよう
 じゃがな。そろそろ油をさしてやらんと……。
Galmut : チッ、なんだよ。心配して損したぜ。
Narihira : ほう、お前さんにも友人がたずねて
 来るようになったか。結構結構!
Narihira : 知っとるか、おぬし。
 こやつは今ではこんなだが、ちょっと前はそりゃ
 ひどかったんじゃぞ。
Galmut : や、やめてくれよ、爺さんッ!
Narihira : ホッホッホ、いいじゃないか!
 こいつがこの街に来たのはもうかれこれ
 3年ぐらい前になるかのぉ。
Narihira : こやつは一旗あげようって躍起に
 なっとった。一生懸命、それこそ朝から晩まで
 働いとったの。
Galmut : そうそう、もうすぐ自分の店を
 開けるかも、ってぐらい金を貯めたんだけど……。
Galmut : 情けねぇ話、サギにあっちまって
 もう、スッカラカンさ……。
Narihira : それ以来、こいつは荒れとってなあ……。
 もう金輪際、誰も信じるもんかっていうような、
 すさんだ目をしとったのぉ。
Galmut : そんなオレに、時計塔の仕事をやらねぇか
 って言ってくれたのが、爺さんだったんだ。
Galmut : 最初はまたオレをだまそうとしてんじゃ
 ねぇかと思ってたんだが、やってるとだんだんと
 楽しくなってきてさ……。
Galmut : 一生懸命サビを落として油を指して……。
 1人でようやく整備を終えた時に、聴こえてきた
 鐘の音の響き……。今でも耳に残ってるよ……。
Narihira : ま、おかげでわしは引退して楽させて
 もらっとるがな。
Narihira : あ、そうじゃ、肝心なことを言い忘れ
 とった。
Narihira : 例の時計塔の油だが、今、獣人たちが
 暴れとるせいで品薄らしいぞ。どうにかせんとな。
Galmut : えっ、ホントかよ? あれがねぇと……。
Narihira : 天晶堂なら扱っとるかも知れんな。
 ああいう店とはつきあいたくはないんじゃが……。
Galmut : むむ……、そうだ。
 なあ、あんた、もしよかったら時計塔の整備に
 使う時計塔の油を取ってきてくれないか?
Galmut : な、頼むよ。あの時計はちょっと手を
 抜くと、すぐにスネておかしくなっちゃうんだ。
 えらくデリケートなんだよ。
Galmut : そいつはありがたい! よろしく頼むぜ。
Narihira : とりあえずはジュノにある天晶堂に
 行ってみるといい。

 
 
 

Galmut : あぁん……、誰だい?
Galmut : あぁ、あんたか……。
 せっかく取ってきてもらって悪いが、もうそいつは
 必要ないんだ……。
Galmut : あの時計塔は壊してしまって
 海からの物資を運び上げるクレーンを
 建てることになったんだとさ。
Galmut : ……もう決まっちまったんだ。
 どうにもならないさ。
Galmut : 時計塔の油は受け取っておくよ。
 とりあえずありがとよ。これ、取っておいてくれ。
Galmut : ちょっとでも何かを信じようと
 思ったオレがバカだったってことだな……。
Narihira : ガルムート、わしじゃ。
 そこにおるんじゃろ?
Narihira : おぉ、お前さんかい。ガルムートは
 どこへ行きおった?
Narihira : あやつ、留守か。
 なに、時計塔の取り壊しの話をしとったと?
 それでガックリきとったか。
Narihira : しょうがないヤツだな。
 時計塔保存の嘆願書をもらって、署名を集めて
 持って行けば、計画を中止させることが
 できるかもしれぬのに……。
機工士の軍手を手にいれた!
1200ギルを手にいれた!