唾液の働き
Last-modified: 2010-11-16 (火) 16:50:47
物理的作用
- 潤滑作用
粘膜を唾液が覆うことにより、咀嚼・嚥下・発声を容易にする。
- 粘膜保護作用
分泌される唾液には粘性タンパク質のムチンが含まれています。
ムチンは水分を多く含む分子構造をしており、粘膜や食べ物を覆う作用があります。
粘膜の表面を覆ったムチンは乾燥を抑える保湿効果があるほか、食物などの外部からの刺激に対し口腔内の粘膜を保護する作用があります。
また、食べ物を覆うと同時に口腔内に付着している細菌も取り込み、これらを食塊として胃へ移動させて、塩酸などで殺菌させる働きがあります。
唾液中には、口腔粘膜のただれや消化管粘膜の潰瘍を予防するような物質(上皮成長因子EGF)が存在します。
胃潰瘍があると生体はEFGを増加させます。
摂食後の胃の酸性度はやや低くなり、EGFは機能しやすくなります。
また、神経節や神経線維の成長を促進させるNGF(神経成長因子)を含んでいます。
- 咀嚼の補助作用
- 洗浄作用
口腔内入った微生物・異物・食物残渣等は唾液にトラップされ、嚥下されて胃液よって処理される。
化学的作用
- 消化作用
アミラーゼによる伝ぷんの消化。意義は少ない。
- 溶解作用(溶媒作用)
食物中の味質を溶解し、味覚の発現を助ける。
- 緩衝作用
酸・アルカリに対する中和作用。温度の希釈。