その他の変色原因

Last-modified: 2012-02-18 (土) 22:30:05

食べ物やタバコのヤニ以外にも下記のような原因があります。

加齢によるもの

歯には半透明のエナメル質の内側に象牙質という黄色い層があります。生えたての歯の象牙質は淡いクリーム色をしているのですが、肌の老化と同じように年々この色が濃くなります。
またエナメル質も毎日の歯磨きや食事などで薄くなり、内側の象牙質の色がみえてきます。また、長期間に紫外線を浴びた場合でも象牙質が茶色に変色してきます。

抗生剤テトラサイクリンによるもの

テトラサイクリンとは、テトラサイクリン系抗生物質の総称で、以前は風邪薬のシロップとして一般に使用されていましたが、歯に対する副作用が1962年に初めて報告され、最近では使用が控えられていますが、現在でも呼吸器疾患や、皮膚疾患などに使用されています。その副作用とは、歯の象牙質や骨に沈着することです。
歯の形成期(0~12歳)頃に服用すると、着色してしまいます。この着色は紫外線によって濃くなるため、生えたての歯は着色がなくても、数年で色が濃くなってきます。光が当たる前歯の色が特に目立ってきます。

フッ素によるもの

歯の形成期に多量のフッ素を摂取すると、歯に白い斑点ができたり、一部分が茶褐色に変色することがあります。この白斑の症状が、軽い場合はホワイトニングで改善できますが、白斑が大きい、あるいは茶褐色が強い場合にはホワイトニングで白くならないことがあります。

補綴物(詰め物)によるもの

アマルガム
歯科治療において従来から頻用されてきました。特に上下奥歯の咬合面(かみ合わせの部分)にできた虫歯の治療には今までもっともポピュラーな歯科材料です。成分は銀、スズ、銅、亜鉛、そして水銀が含まれており、治療し数年後にその中の水銀が溶け出すことが原因で、歯が黒く変色するだけでなくさらには人体に悪影響を及ぶす可能性が判明しており、多くの病院では数年前から使用が中止されています。

銀歯(ぎんば)
保険適用の金属の詰め物は、上下の前歯(左右犬歯から犬歯まで)以降の後ろの歯につめたり、被せたりします。この材質も長年お口の中に入っていると、黒く変色してくる場合があります。そしてこの材質もアマルガム同様に歯を黒く見せます。

レジン(合成樹脂)
上下前歯の歯間にできた虫歯治療によく使用されます。治療し数年後材質が劣化し、色が変色し歯が黄色くみえます。

歯の土台
歯の神経を取らなければならないほど虫歯が大きく進行した場合には神経の治療後、歯の根に金属の土台を立ててきました。特に保険適用の金属はアマルガムや銀歯のように、その成分が溶け出し歯の根が変色します。
すると歯肉が薄い方は、変色した歯の根の色が歯肉から透けて見えることさえあります。すると被せ物の周囲の歯肉が黒くなると、たとえ被せ物は変色しなくても、お口の中は黒く見えます。

歯の神経の処置、化膿によるもの

根管治療
虫歯になり歯の神経を抜いて、歯の中に薬を詰める処置(根管治療)の後歯の色が黄ばんできます。

打撲
転倒などにより神経が痛み化膿すると、急に歯が変色するわけではありませんが、徐々に歯の色が黒くなってきます。