健康な歯を保ちたいあなたへ/定期健診(メインテナンス)

Last-modified: 2010-12-13 (月) 16:18:52

虫歯予防のためブラッシング等日々のケアを行うことは必要ですが、それだけで安心はできません。日常のケアだけではどうしても手が届かないところを補完するため、歯科医院を定期的に訪れ、メインテナンスを受けることが、早期発見・早期治療のために重要です。メインテナンスの間隔は、通常は3ヶ月。保険が適用される場合、費用は3000円程度です。

 

メインテナンスの内容

 
  • お口の中の検査
    →虫歯や歯周病の有無、プラークコントロールの状況を調べます。必要に応じて唾液検査、細菌検査も行います。
     
  • 歯のクリーニング(PMTC、「専門家による機械を使った歯のクリーニング」)
    →歯と歯の間、歯と歯肉の境目等、歯ブラシが届きにくい所、汚れがたまりやすい所のクリーニングを行います。必要に応じてフッ素を歯の表面に塗布し、虫歯予防効果を高め、歯質を強化します。
     
  • スケーリング(歯石取り)
    →歯石は誰の歯にもついています。ほうっておくと歯肉を圧迫し、歯周病の原因ともなります。自分で取り除くことは難しいので、定期的に専用の器具で、ブラッシングでは除去できない歯石を取り除くことが必要です。
     
  • お口の中とその周辺の粘膜の検査
    →お口の中や舌、唇、口角等の粘膜にできる炎症(口内炎)には、お口の中やその周辺に原因があるものと全身的なところに原因があるものとがあります。口腔粘膜は「全身の鏡」といわれており、口の中の健康状態は全身の健康状態と密接に関連しています。したがって、体全体との関係性をも見据えることのできる適切かつ十分な学識・経験のある歯科医に診断してもらうことは望ましいことといえます。
     

かかりつけの歯科医

私たちの身近にいて、病歴や体質、家族がかかったことのある病気のことなどもよく知っているかかりつけの医師を持つことが望ましいようにかかりつけの歯科医を持つことが歯科疾患の予防のために重要です。定期的な専門的ケアを施してもらえる信頼できるかかりつけの医師を見つけたいものです。虫歯・歯周病などの予防から治療まで幅広い対応をしてもらえたり、家族全員がかかりつけになれば、その人の歯についての生活環境も十分に理解され、それを予防や治療方針に生かすことができるなど、様々な利点があります。

 

歯科医院の選び方

かかりつけの歯科医がいない場合、歯科医院の選択に戸惑う方も多いことでしょう。患者と医師の相性の問題もあり、また個人ごとにそれぞれ重視する要素も違ってきます。まずは、歯が痛くなる前に、一度、時間のあるときにメインテナンスを兼ねて、通院してみたいクリニックに、歯石取りのため訪問してみてはいかがでしょうか。虫歯などが見つかり、早期治療にもつながるメリットもあるからです。

 
  • 清潔感が感じられるか
    訪問したとき、安全安心のためにも、建物の新旧に関わらず、清潔感のあるクリニックであるかをチェックしましょう。衛生面への配慮が不足していると、感染症の危険があります。診療器具などきちんと滅菌処理されているか、紙コップや術者のグローブなどディスポーザブルが可能ものは患者ごとに新しいものを用いているかなど衛生管理の姿勢を見ましょう。
     
  • 最新の機材を導入しているか
    機材が旧式だったり、粗末だと日進月歩の治療技術の進歩がフォローされないで、相変わらず古い治療が行われている恐れがありますので、治療機器が最新のものであるかどうかもチェックしたい点です。
    例えば、最新のデジタルレントゲンは、通常のレントゲンよりも放射線被爆量が少なくてすみます。
    また、先のとがった針で歯を触診する「探針」は歯面をキズつけ、再石灰化を妨げる可能性が高いので、現在では、レーザー光の反射を解析して虫歯を探す、虫歯検知機器を導入しているクリニックもあります。これは、「探針」のように鋭利な器具で歯に触れないので、歯を痛めることもなく、歯の状態を調べることができます。
     
  • 診断力はあるか
    最新の機材の導入もさることながら、それ以上に歯科医師の診断力は重要です。診断によって治療が変わります。診断が的確でない場合、治療期間の長期化、治療費の高騰化、転院の必要、症状悪化などにつながりかねず、患者にとって大変な損失となります。口の中全体を診て、単なる対症療法ではなく、根本治療につながる治療計画を提案できる、診断力のある歯科医が求められます。口腔に生じる様々な疾患に対して、問診、臨床所見、検査所見をもとに的確な診断をし、適切な処置を施せる歯科医師であるかどうか見極める必要があります。判断はなかなか難しいと思いますが、当初は歯科医の経歴や歯科医との対話の中で判断するか、通院したことのある人の意見などを参考にするとよいでしょう。
     
  • コミュニケーションができるか
    まず歯科医が患者の話をよく聞き、また、よく患者をよく見た上で、十分な説明をしてくれること。すなわち、歯科医と患者が十分なコミュニケーションをとることができることが、よい診断にとっても、患者の安心にとっても重要です。