概要
- 楽曲やキャラクターを解禁できるモードの一つ。条件の達成にはいわゆるスタミナに相当する「Astral Melody(生命の旋律)」が必須であり、長期的に進めることが望ましい。
全体の流れ
- チャプターのロックを解除。
- 各パートに進み、楽曲を一定回数プレイ(モード不問)。
- 「Astral Melody(=スタミナ)」を使用して指定された楽曲をプレイ(難易度不問)。
- 各パートのすべての楽章をクリアした後、中央の「Complete」を押すことでストーリーと楽曲を開放。
チャプター1 (Initium)
滅びかけた命を救うため少女は力強い音楽を奏で始めた。
そんな彼女の目の前に音楽の精霊『ノア』が現れた。
ファンタズマ詳細
キャラクターアンロック | 500エネルギー | |||||
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No. | 報酬 | Free Play | ミッション | Complete Cost | ||
Title | 消費スタミナ | |||||
1 | Heart to Heart (feat. Sara★M) | 1 | 右記より1曲選択 | 夏色レモンタルト Feat.薛南 | 10 | 10 Astral Melody |
OSHIKOME☆HEAVEN'S COOKING | ||||||
Color Scammer | ||||||
Neon tetra | ||||||
2 | Hello, Stranger | 1 | 右記より1曲選択 | Altale | 20 | 20 Astral Melody |
∀ | ||||||
Snow Desert | ||||||
5 | 右記より1曲選択 | Libera me | ||||
Maze | ||||||
Giselle | ||||||
3 | 九尾《Kyubi》 | 1 | L2 -Reminiscence- | 30 | 50ダークマター | |
1 | Astral Resonance (Revive Edit) | |||||
5 | Revival of Kalpa | |||||
4 | Binary Wonderland | 3 | 右記より1曲選択 | Phoenix Wing | 40 | 100ダークマター |
Red Snow pt.3: Black Flare | ||||||
Second Revolution | ||||||
HAELEQ∩INZ -the clown of 24stairs- | ||||||
4 | 右記より1曲選択 | Rainy Waltz | ||||
Soda Pop | ||||||
Raindrop | ||||||
Aeronautica | ||||||
4 | 右記より1曲選択 | VERUM-proximus | ||||
Sultan Madness | ||||||
Lemuria | ||||||
Monster | ||||||
5 | 右記より1曲選択 | Skyline | ||||
Cirrus | ||||||
Ēvocator | ||||||
The Breeze | ||||||
5 | conflict | 4 | 右記より1曲選択 | Touch Me (feat. kuripurin) | 50 | 150ダークマター |
Dai ni Wakusei Keikaku ~2nd planet o.p.~ | ||||||
With You | ||||||
5 | 右記より1曲選択 | Eschatology | ||||
Sadalsuud | ||||||
Kaleidosc0pe | ||||||
5 | 右記より1曲選択 | Seven days of Genesis (Violin:Scarlette) | ||||
Flugel | ||||||
Rrhar'il | ||||||
8 | Avataar ~Reincarnation of Kalpa~ (強制リスクモード) |
ストーリー
- 幕開け
- 序章
??: (...パ...!)
??: (...カルパ!)
??: (...呼び出してくれるのを待ってるから!)
- 序章
- 1章. 日常生活の喜び
- プロローグ
アステ: カルパ様、本日のお茶はかなり特別なものですよ~
アステ: どうぞお試しください。
宇宙の復興のため、生命を救おうと演奏する日々。
そんな日々の中、適度にお茶を飲みながらリラックスした時間を過ごしている。
私を支えるために準備してくれたのだろう。
私はアステに感謝し、彼女の渡してくれたお茶を一口飲んだ。
お茶のほろ苦さからアステの温かさが伝わってくるようだった。
メロ: あっ、それは! 「ラプチャー」の奴! 苦労して調達して後で楽しもうとしてたのに!
メロ: あれ、メロのは?
メロが慌てて隠し場所を確認している。
メロ: ゲゲッ! どうやって見つけたの? 上手く隠したつもりなのに...
アステ: フフ~ン。 私が見つけ出せないとでも思ってた?
アステ: 私がプレアデス内のお宝の隠し場所を全部把握してるって知らなかった?
アステ: まぁ念のために、メロが管理しているものは文字通りなんでも知ってるわ。
アステ: 要するに無駄よ。
メロ: じゃあ、私が今まで保管してきたお茶も... 全部...?
メロ: ...お姉ちゃんの馬鹿!アステ: あら、メロったら怒っちゃって。
アステ: 隠してもそのまま忘れちゃっているから私が管理してるだけなんですが...
アステ: あぁ、メロならすぐ帰って来るでしょうから、ご心配なさらず。
少しばかりメロのことを気に掛けたがすぐにティータイムを再開した。
お茶を半分ほど飲み干したところでドアが少し開いた。
わずかな隙間からメロがこちら側を覗いていた。
メロ: お姉ちゃん... 返してよ...
メロ: 集めるのにすごい時間がかかったんだよ...
メロの様子を見て気の毒に感じた一方で、無性にメロのほっぺたをつねりたくなった。
アステ: えぇ、もちろん返すから戻ってきなさい~メロが席に着く。
メロ: ...
アステ: 私が代わりに管理しようとしただけで、メロから奪おうとしたわけじゃないわ。
アステ: 以前失くした時すごく悲しい思いをしたんでしょう。
メロ: う...うん。
アステ: それにカルパ様に飲んでもらったのも、メロだったらやるんじゃないかって思ったからよ。
アステ: もし気分を害したのであればもうやらないわ。ごめんなさい。
アステの謝罪を聞いてメロは機嫌を直したようだ。
メロ: 分かった! 私も何も言わないで出て行っちゃってごめん!
短くも幸せなティータイムの間に起こった小さなハプニングは平和的に終わった。 - ステージ1
宇宙の光を取り戻すにはこんな温かく美しいムードで演奏すればよいのだろうか。
そんなことを考えながら、音楽を頭の中で構築していった。 - エピローグ
???: (...カルパが日々を大切に思う気持ち、こっちにも伝わって来たよ!)
...しばらくして、頭の中に声が響いた。
声の主が何者か尋ねたがすぐに声は止んでしまった。
その声は何者なのか、何なのかは分からない。
だが声が止んだ後、声が力を及ぼしたかのように懐かしい旋律が頭の中を駆け巡った。
- プロローグ
- 2章. 生命の演奏と見知らぬ少女
- プロローグ
アステとメロとの大切なティータイムを終え、今日もこの荒廃した宇宙に向けて演奏を始める。
演奏をするときはいつもここを訪れる。
ここは宇宙の中心。生命の母である巨木、ユグドラシルを奉る神殿があったと言われている。
今やすべてが崩壊し、目の前に広がるのは惨状のみ。事実、ここの巫女は宇宙が死なないよう正常性を保つという役割を担うためにユグドラシルと繋がっているらしい。
アステとメロがそう教えてくれた。
ここは無数の命と向き合い再生させるために演奏するためのうってつけの場所なのかもしれない。生命の根源、『アストラ』。
生命には独自のアストラがある。
私はその音を何となく聞くことができた。
私の演奏でそれらを元のアストラへと戻す手助けすることができた。
死にゆく生命に力を与えることができた。だが今は記憶を失っている。
生きている時の姿を思い出せないために、助けを求めている生物へ応じたくても試行錯誤を繰り返さなければならなかった。
とはいえ現状私にできることは... 本来の力を取り戻すまで演奏するだけ。
一体だれがこんなひどいことを... - ステージ1
カルパ: (もしかして...)
カルパ: (いえ、この曲は彼らのアストラとは調和しない。)
カルパ: (彼らのアストラは元々どのように光っていたの?) - ステージ2
カルパ: (これでもない...)
カルパ: (助けたいのに...)??: (もう少し...)
カルパ: (元の姿に戻したいのに...)
??: (もうちょっと... 心から... 念じて... )
カルパ: (思い出せない...)
カルパ: (本当にこれが正しいの...?)??: (カルパに届くまであと少し...!)
- エピローグ
??: (...ルパ...! 私の声が聞こえる...?)
自責の念に駆られ立ち尽くしていると、突然声が聞こえた。それは昔聞いたことがある声。
目の前にあったはずの楽器が消失した。
声の聞こえた方へ目を向ける。そこには少女がいた。
真っ白な髪に澄んだ青い瞳。
彼女とは初めて会ったはずだがどこか親しみを感じた。??: 会いたかったよ! 私の助けが必要?
??: あら、覚えてないよね。私はノア!
ノア: カルパが演奏し続けてくれたおかげで、この姿に戻れたんだ。
ノア: またこうして話せるようになって幸せ!
カルパ: 以前にもお会いしてたのですね。
カルパ: 何も思い出せないんです。あなたのことも私のことも... かつての宇宙のことも...
ノア: 私はずっとカルパのそばにいたよ!
ノア: 目で見えるものだけじゃなく、心の中で感じてみて!
カルパ: ...ヴァイオリンさん?
恐る恐る名前を呼ぶと彼女は嬉しそうに笑い始めた。
ノア: アハハ! そうそう、カルパはいつもそう言ってたっけ~
ノア: 宇宙を元の姿に戻したいんだよね?
ノア: でもどうすれば分からない、と...ノア: 私の手を握って! 目を閉じて心の中でメロディを想像して!
ノア: カルパを過去へ連れて行くよ!
すべてが突然だった。
しかしどこか懐かしい感じがした。
彼女の手が温かかったから?
それとも彼女の言動が見慣れていたから?
私は目を閉じ、彼女に導かれるがままに暗闇の中を進んだ。
- プロローグ
- 3章. 少女との旅路
- オープニング
ノア: 私と繋がっている今なら思い出せるはず!
ノア: ここが昔どんな場所だったかを...
ノア: 思いついた曲を演奏してみて! - ステージ1
ノア: いい感じ! 具体的に私たちを過去へ導いてくれる手掛かりを見つけたよ!
ノア: 記憶は過去をより鮮明に見せてくれるはず... - ステージ2
ノア: いいね! 宇宙と共鳴して過去へと通じる道が開いたよ!
ノア: このまま演奏し続けて! - ステージ3
ノア: 開いてきたね。復興のプロセスは大変で疲れるけど、その姿はとても美しいんだ。
ノア: この過程を理解したら過去へ向かうのに大いに役立つはずだよ! - エンディング
ノア: 最後の手掛かりを見つけたよ!
最後の手掛かりを見つけると、周囲の空気が一変したのを感じた。
ノア: ゆっくり目を開けてみて。
目を開けると、目の前には先ほどまでの崩壊具合が嘘であるかのように立派な神殿が建っていた。カルパ: ...ここはどこですか?
??: ちょっと、そこで何しているんですか! ユグドラシル様がお待ちです!
遠くに人影が見える。
よく見ると、その少女は狐のような見た目をしていた。
いや、少女みたいな狐か?カルパ: 誰ですか?
??: ミホです! まったく、今日はなんだか様子がおかしいですよ。
ミホ: 今日は修行の最終日だから緊張しているのでしょう。
カルパ: 最後の...何ですか?
ミホ: 忘れてしまったのですか! ユグドラシル様と適合するための修行です。
ミホ: ついて来てください!
私はしぶしぶ少女へ付いていった。
- オープニング
- 4. ユグドラシルと巫女
- オープニング
目の前に広がる少女の柔らかそうな尻尾に興味を引かれる。
その尻尾を枕にして昼寝をしたらどれほど幸せなのだろうか。ノア: (... アー... マイクテスト... カルパ、聞こえる?)
少女と歩いているとノアの声が聞こえてきた。
カルパ: ヴァイオリンさん~、どこに行ったの~、私を一人にしないで~
私の声が聞こえたのか、狐の少女ミホが振り返る。
私が気まずそうにしていると、彼女も気まずそうに歩き出した、
ノア: (驚いた? 今のノアはさっきみたいにカルパにしか認知できないんだよ。)
ノア: (だからさっきは独り言を話す不思議ちゃんに見えたんだろうね。)
カルパ: (...どうしたらノアと話せるのかしら。)
ノア: (今みたいに心の中で話したら伝わるよ。カルパとノアは一心同体だからね。)
カルパ: (それでは、この状況について説明してください。ここはどこで彼女は何者なの?)
ノア: (ノアが端的に教えてあげるね!)
ノア: (少し前に言った通り、ここはカルパがいた神殿の過去の時間軸だよ。)
ノア: (過去へと戻るにはかなり大変だけど、カルパとノアはそれをやってのけたんだ!)
ノアは褒めてくれと言わんばかりの勝ち誇ったような表情を浮かべた。
そんなノアが可愛い子犬のように見えて、私は褒める代わりに彼女の頭を撫でた。
ノア: (ノアは犬じゃないよ! でも嬉しいからもっとやって!)
ノアは嬉しそうだ。そんな彼女を見て私も笑みがこぼれる。
ノア: (そして可愛らしい尻尾を持つ少女の名前はミホ。)
カルパ: (もう知ってます。)
ノア: (...グスン)
私はまた彼女の頭を撫で慰めた。
ノア: (...ミホはユグドラシルの巫女。)
ノア: (彼女に付いていけば、カルパの求める答えが見つかるはずだよ!)自分の役目を果たしたと思ったのか、ノアは満足げな表情で姿を消した。
ミホの後を追いながら私は考えを整理する。
失われた記憶と荒れ果てた宇宙。
命を救うために必要な、アストラに適するハーモニー。
悩み込んでいた私の前に現れたノア。
彼女の力で出会えたユグドラシルの巫女、ミホ。
行き先には何が待っているのだろうか...?[ボフッ]
深く考え込んでいると何か柔らかいものにぶつかった。
これは...尻尾?
ミホ: キャッ!!
驚いて耳を立てて後ずさるするミホの様子を見て申し訳ない気持ちになった。
ミホ: 狐族の尻尾に勝手に触らないでください!
カルパ: ごめんなさい。 少し考え事をしていて...
ミホ: まったく、種族が違うんですから気遣ってください!
ミホ: 次からは気をつけてくださいね。気をつける意味合いで頷いた。
これでもかというほどの柔らかさを全身に受け、沈んだ気分が回復した。
ノア: (ずるい...)
ノア: (...あっ! 到着したみたい!)
ミホ: さて、ここがユグドラシル様が祀られている「瞑想の神殿」です。
ミホ: 毎日訪れますがユグドラシル様の絶大なエネルギーにはいつも驚かされます。
ミホ: ここで最後の修行へ励みましょう。ではお入りください。 - ステージ1
ミホに続いて神殿へ入ると、目の前には果てしなく続く階段が広がっていた。
異質だがどこか親しみあるエネルギーを感じる。
これが...アストラだろうか?
ミホ: この気を感知したようですね。
ミホ: ふふっ、でもまだこれからですよ。
ミホ: 元素の力と星座について理解することで、ようやく数あるアストラの中から自分に必要なものを選択することができるようになるのです。
アストラ毎に生命の演奏をする必要がある私にとってそれは、大いに役に立つだろう。
ミホ: 今回は"先輩"として特別にお手伝いいたします。
ミホ: 前回学んだ星座の特徴を思い浮かべながら演奏してみてください。言葉の意味は理解できない、だが何故か懐かしさを感じる言葉をつぶやいた。
やがて私たちの周りに熱く激しい炎のようなアストラが集まる。
ミホ: 最も私たちの起源に近しい、熱く激しい炎の力。
ミホ: 気が集まりました。では炎の演奏を始めてください。
炎の演奏とは何なのか考えていると、ノアの声が聞こえてきた。
ノア: (ノア先生が教えてあげる♪)
ノア: (宇宙には12の星座があるんだ~)
ノア: (ユグドラシルから力を与えられた12本の生命の木と守護者が各星座を守っているの。)
ノア: (その中でも炎の力を司るのは、おひつじ座にいて座、そしてしし座だよ!)
ノア: (この3つの星座の守護者を思い浮かべながら演奏すれば炎の演奏が完成するの!)
カルパ: (でもその情報だけでは足りないわ。)
カルパ: (彼らに会ったことがないのだから。)
ノア: (うーん... だったら、完璧には行かないかもしれないけど、ノアが代わりに思い浮かべてみる。)
困り顔を浮かべながらノアは姿を消した。
ミホ: 守護者のことを思い出せないのでしょう?
ミホの言葉を聞いて深く頷いた。
ミホ: まったく、もう少し真面目に修行に臨んでもらわないと!
ミホ: ...仕方ない。少しずつ教えますので、彼らのことを想像しながら演奏してください。ミホ: 継承の力で先祖の知恵を借り、無垢なヒツジ族を守る者。
ノア: (平和を愛する温もりを持つおひつじ座の守護者。ノアと同じくらい親切な人だよ!)
ミホ: 防御の力を持つ、精霊たちと共生する叡智なエルフ族を導く者。
ノア: (気配り上手で心配性ないて座の守護者。その心はとても暖かいんだ。)
ミホ: 変化の力を持つ、戦闘と強さを重んじる巨人族を導く者。
ノア: (勇猛で圧倒的なパワーを持つしし座の守護者。ガオー! 怖いだろー!)
カルパ: (...)
守護者を想像しながら感じたアストラに自分を託し、私は演奏を始めた。 - ステージ2
ミホ: 不完全な演奏ではありましたが、足りない部分を補うのが先輩の役割ですから。
ノア: (ノアも頑張ったけど、正確に姿を想像するには無理があったね。)
カルパ: (いえ、大分助かりましたよ。あの鳴き声は余計でしたが。)
ノア: (え?)
ミホ: 次は、水の演奏に取り掛かりましょうか。先程とは正反対の爽やかなアストラが集まる。
ミホ: 活力に調和、柔和さを秘める水の力。
カルパ: (ノア、今度は水ですね。)
ノア: (水の力を司るのはうお座にさそり座、後はかに座!)
大きく息をついてから周囲のアストラに集中する。ミホ: 回復の力を持つ、水の中を自由に動き回ることのできる魚人族のリーダー。
ノア: (うお座の守護者はとってもきれいな歌声なんだ。ノアも上手になりたいな! ア~♪)
ミホ: 魅了の力で裏の世界を牛耳る者。
ノア: (さそり座の守護者は義理と人情を重んじるんだ。あのカリスマ性に嫉妬しちゃうよ。)
ミホ: 増幅の力で溢れる感情を抑えるため、自らをサイボーグ化した機械蟹族の統制者。
ノア: (かに座の守護者は本当に感情を失くしてしまったのかな? 後で聞いてみよう。)ノアの言葉を聞き終え、私は自分が感じたアストラに集中した。
- ステージ3
ミホ: まだためらいが見られますが、全体的に素晴らしい演奏でした!
ミホ: これで工程が半分終わりました。少しはユグドラシル様のことを感じてもらえましたか?
私はそれをじっと感じ、黙ってうなずいた。
ミホ: では、次は土のエネルギーです。
[ドシン!]
ノア: (うわっ! 大きな地震! びっくりしたー!)振動と共に彼女の下に巨大なエネルギーが集まるのを感じた。
ミホ: 続いてはすべての命が生きるのに欠かせない大地の力...
ミホ: そんな生命の根幹を司る土の力を持つのは、おうし座にやぎ座、それからおとめ座です。
ノア: (うぅ... この守護者の中には危険人物が...)
カルパ: (? 誰がですか?)
ノア: (後で話すよ。)
カルパ: (分かったわ。では一人ずつ教えてください。)ノア: (OK♪ ノア先生に任せなさい♪ 毎日来れるとは限らないから、しっかり書き取りなさーい♪)
ノア: (では... まずはおうし座の守護者!)
ノア: (欲望の力を使って、輝かしさと美しさを重視する黄金の都を治めているの!)
ノア: (おうし座の守護者は勝つための純粋な欲望と貪欲さを象徴するんだ~ ぞっとするよ。)ノア: (つぎは... やぎ座の守護者ね!)
ノア: (叡智の力を通じて彼女は研究を行い、宇宙の文化的発展と文化的交流を進めているんだ!)
ノア: (やぎ座の守護者は探求心に溢れているから、しょっちゅう研究しているんだよ。うっ、ノアには決して真似できない...)ノア: (最後は... おとめ座の守護者!)
ノア: (草木と対話できる能力を使って育てた作物をプレゼントするのが好きみたい!)
ノア: (おとめ座の守護者は多方面で優れていて模範的なんだ!)
ノア: (でも今の守護者が作ったクッキーは食べないほうがいいよ。絶対だからね!)ノア: (よし、授業はここまで。ちゃんとメモできた?)
私は演奏を開始した。ノアがそれほどまでに力説したクッキーを食べてみたいと思いながら。
ノア: (...いやいや! 絶対に食べちゃダメだよ! 何があっても知らないからね!) - ステージ4
ミホ: グッジョブ! 力について知り、正しく理解すればもっと美しい演奏になるでしょう。
ノア: (今後彼らと出会えたらもっといい演奏になるはず!)
カルパ: (彼らとともに演奏できる日が楽しみです。)
ノア: (カルパ! ノアとも一緒に演奏してくれるよね?)
カルパ: (えぇ、そのうち。)
目を輝かせながらノアは頭を可愛らしく揺らす。
歩きながらコロコロ笑うといった楽しそうな反応は癖になるかもしれない。ミホ: 最後は風の力です、頑張りましょう。
ノア: (ついに最後だ! 風の力を司る星座は...)
カルパ: (みずがめ座、てんびん座、ふたご座よね?)
ノア: (せ、先生の仕事を盗るだなんて、ひどい...)
ノアが涙を浮かべ消失してしまった。
後で美味しいデザートでも持って行ってあげようかな?
ノア: (マカロン♪ マカロン♪)
いえ、その必要はなさそう。軽くて爽やかな風が髪をなびかせる。
ミホ: 炎に水、土によって形成された命。
ミホ: 生命の音色に絶え間ない輪廻を与えるのが、風の力なのです。
風が心を一層軽くしてくれたような気がした。
ミホ: では風の力を司る守護者について説明します。準備はよろしいですか?ミホ: 超人の能力を持ち、不毛な環境を克服した人々の代表者。
ミホ: みずがめ座の守護者として注目される人は羨望や人気を集めるそうです。
ミホ: むしろ、そうでないと守護者になるのは難しいのかもしれませんね。ミホ: 均衡の能力を持ち、どんな罪にも適切な代償を払わせる最高裁判所判事。
ミホ: てんびん座の守護者はいつでも厳しく公平な判決を下し、法の強制力を保っているそうです。
ミホ: 内緒で少しサボるくらいなら大丈夫...なはず...ミホ: 紐帯の力によって、天使と悪魔が共存する天空都市を護る者。
ミホ: ふたご座の守護者は生まれながらにして離れることのできない運命を背負っているそうです。
ミホ: 離れられない以上、名かは良さそうですね。ノア: (マカロン♪ マカロン♪ マカロン~♪)
どこかから聞こえてくるノアの声を無視しつつ、風の演奏に取り掛かる。 - エンディング
ミホ: グッジョブ。風の力までも我が物にできましたね!
ミホ: これほどまでに早く習得するだなんて! 私ですらかなりの時間を要したのですが...
ミホ: あなたの功績は先輩として誇らしいと同時に嫉妬もしてしまいそう。
ミホ: さて、四大元素の力と12星座の力を受け入れる準備はできましたか?
私は黙ってうなずいた。
ミホ: では、目を閉じてください。膨大なアストラの流れが私を包み込むのを感じた。
(それは熱く強烈な)
(それは快活で柔和な)
(それは頑丈で誠実な)
(それは軽くて自由な)
4つの元素と12星座のアストラが私を包み込むのが感じられる。
それと同時に立つのもやっとなほどの疲労が押し寄せる。私は気を失ってしまった。
ミホ: すべてのエネルギーがバランスを取り一つとなった今、...ユグドラシル様へと通じる道が開く。
- オープニング
- 5. 隠されし過去の真実
- オープニング
[チュン...チュンチュン...]
鳥のさえずりと木の葉がそよぐ音が聞こえる。
ミホ: あら、気が付きましたか?
カルパ: ...アステ... あと5分だけ...ミホ: 起きてください!
やっとの思いで目を開けると。ミホのモフモフとした尻尾に包まれていることに気が付いた。
至高のモフモフを惜しみながらも体を起こす。
目の前に見えるのは、思い切り頬を膨らませたミホ。
そんな彼女の背後には...
果て無く続く巨大な木の幹がある。
生命の母、世界を支える木。
そんな複数の異名を持ち合わせる原初の大樹、『ユグドラシル』。
その荘厳な景色に圧倒され、私は言葉を詰まらせた。ミホ: フフフッ、ユグドラシル様の存在感に驚いたのでしょう?
ミホ: まあ私も初めて見たときはその壮大さに驚きを禁じ得ませんでしたが。
ミホ: さて、ユグドラシル様から発せられるエネルギーを感じることはできますか?
川の流れのごとく穏やかで、時に激しい気を感じた。
ミホ: それこそがこの宇宙全体の生命の流れ、『アストラルライン』です。
ミホ: そしてアストラルラインが光を失ったり破壊されたりしないように星々を管理するのが、我々ユグドラシル様に仕える巫女。
ミホ: 先程までの厳しい特訓はすべてこのためです。本当にお疲れさまでした。
ミホ: では早速アストラルラインの調整を...といきたいところですが、調整中に消耗したエネルギーを補給するために少し休憩しましょう。
話し終えるとミホは背後から敷き物と香ばしい香りが漂うカゴを取り出した。
...一体どこからだろう?
ノア: (カルパ! 起きたんだね! 急に倒れたから心配したよ...!)
カルパ: (心配をかけさせてごめんなさい。きっと私の演奏が未熟なせいね。)
ノア: (カルパのせいじゃない。まだ記憶が不完全だからだよ!)
ノア: (守護者に会いさえすれば、もっといい演奏ができるはず!)
カルパ: (そうね。彼らと会うのが楽しみね。)
ノア: (うん! ノアも楽しみ!)
ノアと話していると、アールグレイの落ち着く香りが辺りに充満していた。
ミホ: お茶を淹れました。冷めないうちにお飲みください。
湯気の立ち上るティーカップをミホから受け取る。
ノア: (そういえばカルパ、あの中から美味しそうなマカロンの匂いがするね!)
ノア: (ノア、マカロンだ~いすき♡ マカロンと相思相愛なんだ~♡)
ノア: (カルパ、早く私に食べさせて!)
ノアが指を差した白いマカロンをつまんで口に運ぶ。
一口食べると、マカロンの甘さが口の中いっぱいに広がる。
ノアは幸せそうに笑みを浮かべた。マカロンの味を共有できたようだ。ミホ: ...あの~、お願いがあるのですが。
振り返り彼女のほうを見ると、ミホは手に半月状の赤いくしを手にしている。
カルパ: どうしましたか?
ミホ: 毛をとかしてもらえますか? 私ひとりじゃどうにもならなくて...
一度頷き、私は彼女の丸まった尻尾の毛をとかし始めた。
ミホは気持ちよさそうに、すっきりとした表情で伸びをした。
巨大で緑豊かなユグドラシルに、爽やかな風。
それにミホとノアのそれぞれ楽しむ姿。
幸せな休憩によって疲労が取れて行った。 - ステージ1
ミホ: さて、ある程度力が回復したようですし、そろそろ本格的に巫女としての役目を果たしましょうか。
ミホ: 近頃、ユグドラシル様から流れ出るアストラルラインが弱まっています。
ミホ: 一方で、ユグドラシル様を取り囲むアストラルラインが強まっているんです。まるで、何か脅威に備えているかのよう...
ミホ: ユグドラシル様ほどの巨大な力を持つお方が恐れるものを見つけ出すために...
ミホ: アストラルラインの流れに逆らって、ユグドラシル様の過去へ向かいましょう。 - ステージ2
ユグドラシルを包み込むエネルギーの流れ。
それは確実に初めて見たアストラルラインであったが、演奏をし始めるとどこか懐かしさと親しみを感じた。
記憶を失う以前に、このアストラのことを知っていたのだろうか?
次々と疑問が浮かぶ...
私は願った。求める答えがこの果てにあることを。
ユグドラシルを取り囲むアストラルラインを一つずつ除去していく。 - ステージ3
ノア: 凄いよカルパ! それがラストだよ!
ユグドラシルを取り囲む最後のアストラルラインを遡ると、ユグドラシルの過去へと近づいているのをひしひしと感じた。
ミホ: 私の補助があったとはいえ、これだけの時間でこのフェーズまで来るだなんて。
ミホはエネルギーを使い果たしたようで、私に残った力を分け与えてあげたかった。
カルパ: これほどまでに大変な作業を一人でこなす『先輩』の方がもっとすごいと思いますよ。
ミホ: と...当然です! なぜなら私は『先輩』なのですから!
満足げなミホを見て思わず笑ってしまった。
ミホ: あっ、今笑いましたね? 先輩をからかうだなんて酷い...
ミホは頬を目いっぱい膨らませて言った。
ミホ: ...と、冗談はこれくらいにしましょうか。これで最後ですので再度集中してください。
ミホ: さあ目を閉じて、ユグドラシル様の隠れたアストラを感じてください。
ミホ: ユグドラシル様が誕生した瞬間を...
ミホの言葉に耳を傾けながら、私はアストラに没頭した。 - ステージ4
広大な宇宙を生み出した生命の母。
[添付]
ユグドラシルの在りし日の姿を確認すべく、私は目を開けた。カルパ: あれは...若木?
あの神々しく荘厳な大樹はどこへ行ったのか、目の前には小さな若木しかなかった。
ミホ: 驚きましたか? これが宇宙の始まりなんですよ。
ミホ: まだ小さいですが大きな力を秘めています。
ミホ: 自身を守るためにアストラルラインを纏っている様子が分かりますか?
ミホの言った通り、アストラルラインを身に纏う若き日のユグドラシルを確認できた。
ミホ: これはつまりユグドラシル様が誕生するよりも前から脅威が存在していたということです。
ミホ: 私自身、さらに過去へと進んで事実を確かめたいと何度も思いました。
ミホ: ...ですが、その都度これ以上進むのを躊躇させる何かを感じるのです。
何を恐れているのだろうか?
小さな若木から恐れや悲しみを感じる。それに伴い私の心も痛い。
ユグドラシルと心を通わせたせいか、涙が止まらない。
さらに過去へと戻ればこの脅威が何か分かるだろうか?
ミホ: ユグドラシル様の思いを感じることができましたか? 私でさえ見たことがない過去に触れたようですね。
ミホ: もしかして... あなただったら真相にたどり着けるかもしれません。
ノア: (カルパ、ストップ! それ以上は...!)
宇宙の真相... すべての始まり...
私を止めようとしたノアの声が遠ざかっていく。
静かで深い闇に引き込まれるかの如く、私は演奏にのめり込んだ。 - エンディング
カルパ: ...
カルパ: ...どれほどの時間が経ったのでしょう?
カルパ: 暗くて広大な海を泳いでいる気分。自分の進むべき道を見失いそう。
カルパ: でも恐怖と悲哀の感情がだんだんと強まっているおかげで、私が向かうべき根源へとたどり着けそうね。
カルパ: ユグドラシルとは異なる記憶が流れ込んでくる。
カルパ: 喜び、興奮...
カルパ: 増幅、復活、生命の演奏...
カルパ: 幸せな記憶はこれほど長く続かない。???: ^%..@..?
悲しみ、裏切り、そして怒りの感情。
その感情はやがて破壊的なエネルギーへと変わる。
(やめて...)
???: ^%!@^$!#@$
得体のしれない不安が忍び寄る。
(やめて!)
???: $!@##@$
割れそうなほどの頭痛がする。
痛みに悲鳴を上げる。
宇宙のすべてが壊されていく。
(お願い、やめて...!)
宇宙中から悲痛の叫びが聞こえる。
何が彼らを悲しませ、苦しませるのか?
耐え難い苦痛に耐えながらより深く奈落へと進む。
闇に包まれながらユグドラシルからエネルギーを奪取している何者かが見える。
その目は怒りと悲しみに満ちている。
あの人影が私を見ているように見えるのは私の錯覚だろうか?
???: @#%!%...!!
割れんばかりの頭痛はひどくなる一方だ。
私はユグドラシルとの同化がだんだんと弱まっているのを感じた。
- オープニング
- 幕切れ
静かだ。
竜巻の如く激しかった気の流れはもう感じられない。
演奏によってエネルギーを消費し切ってしまったせいだ。
もう動けない...
(ピチョン)
何か温かいものが顔を伝う。
それと同時に私の元へと力がゆっくりと戻って来るのを感じた。
ここは... 崩れた神殿?
...どうやら私は現在へと戻ってこれたようだ。
子供のすすり泣く声が聞こえたので、私は声の方向へと顔を向けた。
泣いていたのはノアだった。
ノア: カルパ... 大丈夫?
体を起こす過程でかすかに頭痛がしたが、ノアに心配をかけさせないようにうなずいた。
ノア: ごめんなさい... カルパが深みに行く前に止めるべきだったよ...!
カルパ: 平気よ... 少し頭が痛いくらい。
カルパ: でもノアと過去へと旅したおかげで、私が行くべき道が分かったわ。十二星座を旅しながら守護者に出会い彼らを理解すること。
そして生命の演奏を通じて彼らの星座に活力を取り戻すこと。
散らばったユグドラシルの欠片である12の生命の木を再び結びつけ、ユグドラシルの力を取り戻し宇宙を本来の姿へと戻すこと。
その過程がどれだけ難しいものだとしても、これ以上人々を悲しませるわけにはいかない。カルパ: ノア、私と一緒に来てくれますか?
ノア: うんうん! ノアとカルパはいつも一緒だよ。カルパ: ノア! どうしたのですか!?
何かを隠しているかのようにノアは弱々しく笑った。
ノア: へへ... 実はね、少しでも早く起きれるようにカルパに生命力をちょっとだけ渡したんだ。
ノア: それでこの姿を維持するのが... 少し大変になっちゃって...
ノア: ははっ... もう限界かも... 元の姿に戻って回復しなきゃ...
ノア: 戻ってきた時のために... 美味しいマカロン... 用意しておいて...ノアが消えた場所にはヴァイオリンが置かれている。
ヴァイオリンからはかすかではあるがノアの気が確かに感じられた。
何故だかすぐまた彼女に会える気がする。
ある程度身体を動かせるのを確認してから、私は立ち上がりヴァイオリンを拾い上げた。
アステ: ...間違いなくここにいるはずよ、メロ。
メロ: 最初からメロがそう言ってたじゃん! お姉ちゃんのせいで4か所も無駄足を踏んだのに。
アステとメロの姉妹喧嘩が聞こえる。
アステ: カルパ様、やはりここへいらっしゃったのですね。
メロ: お姉ちゃんと私がどれだけ探したと思ってるの?
カルパ: 少し考え事をしていました。
カルパ: ところで、ここから一番近い星座はどこでしょうか?
アステ: ここからですと...『おとめ座』ですね。
カルパ: そこへ連れて行ってくれますか?
アステ: もちろん! メロ、久しぶりの旅路よ。急いで準備して。
メロ: よーし、メロ様に任せろ!おとめ座にはどんな守護者がいて、どういった文化が発展しているのだろう?
ノアとはいつになったら再会できるのだろう?
そう思った矢先、遠くから出発の準備をしていたプレアデスからエンジン音が聞こえてきた。