ドロップキック

Last-modified: 2021-04-25 (日) 06:46:20

ドロップキック【どろっぷきっく】(Skill)

  • 格闘スキルのコンボ「パワー」の3番目に位置するスキル。
    仰向けに飛び上がって相手に蹴りをいれ、ヒット後は後ろ受身を取る。現実のプロレスなどでも見られる。いわゆる「かかと落とし」とは別物。
  • ダメージ倍率はなんと最大800%とスマッシュを凌駕するべらぼうなもの。しかもスマッシュのようにアタックに一方的に負けるということもなく、よほど早い段階でなければスキルは中断されず(あるいは即時発動)、のけぞらされようと吹き飛ばされようと、モーションに入ってさえいれば発動する「あたり」の強さも備えている。
    • 後ろ受け身とは言うが、よく見ると一度背中から地面に激突し、その後起き上がっている。土や芝生のうえならまだしも、石畳などでは当人にもダメージは大きそうだ……。
  • ターゲットの後方までスプラッシュダメージを入れる。ランクが上がることで、スプラッシュ角度や距離が大きくなっていく。直撃した敵はまっすぐ吹き飛んで長いダウン状態になり、吹き飛んだ敵に接触した敵は、スプラッシュダメージを受け短めの強制ダウン状態になる。
    ターゲットのディフェンスやカウンターは無視され、攻撃による感知はターゲットした相手のみ(ウィンドミルなどと同様に、!!を出すのは1体)である。
    • ウィンドミル同様、敵を巻き込んで吹き飛ばす効果があり、見た目よりも長い直線距離に判定を持っている。そのため、時として味方に敵を配達してしまうどころか、フレイマーなどの長い拘束時間を持つスキルを阻害してしまう。
      巻き込まれてダウンした敵は、短い硬直しか受けないうえにターゲットを取る能力がないため、直後にアタックを仕掛けられた場合、その味方はかなり高い確率で攻撃を受けることになる。
      考えなしに蹴り飛ばしていると、自身がパーティーから蹴り飛ばされてしまう可能性もある。ド派手で爽快なのでついつい乱発したくなるが、状況を見てコンボを止めるという選択肢も採る必要があるだろう。
      • 反対に、このとてつもない吹き飛ばし性能を活かして味方の強力な範囲攻撃に蹴り込むというテクニックも存在し、エリン武闘大会などで必要とされることもある。
  • ドロップキックは長い強制ダウン攻撃のため、そのままダウンアタックにつなげることが可能。ただし、地形を利用するなどして吹き飛ばし距離を調節しないと攻撃が届かないことがある。ダウンアタックのランク9からは大体繋がるようになるが、安定して当てるのであれば、ランク5あればまず大丈夫だろう。
    • 回線に左右されるが、最速であれば武器持ち替えからのダウンアタックという芸当も可能。

余談

  • プロレスでは、飛び上がったり、前方回転や横回転から相手を蹴りつけ、空中で仰向けの姿勢で後ろ受身を取る「正面式」と、蹴りつけてから後ろ宙返りしてうつ伏せに前受身を取る「バク宙式」に大別される。
    前者は主に重量級の選手が用いる重厚でパワフルな技で、後者は主に軽量級の選手が用いる華麗でスピーディな技である*1*2
    マビノギでは前者の様式であり、「パワー」のコンボの締めにふさわしく、強烈な一撃となっている。着地後はすぐ動けるようになるが、そのあとのヘッドスプリング(寝ている状態から両手で体を支え、腹筋で体を起こし、逆立ちになってから起き上がること)も要注目。
    • ちなみに、ドロップキック、ヘッドロック、アームドラッグ(※諸説あり)はプロレスの三本柱と呼ばれ、基本技でありながら、これらが使いこなせていない選手は一流とは呼ばれないという。
    1. ドロップキック
      全身のバネを使ったムーブで、インパクトの瞬間に全身が一直線に近いこと、両足が揃っていることなどがポイント。正面式は当たるまで、バク宙式は当たってからの滞空時間が長いほうが見栄えが良く、美しいとされる。女子プロレスの選手はどんなに疲れていてもこの技だけは綺麗にできなければいけないといわれ、若手選手は徹底的にドロップキックを鍛えられ、身に着けるという。
      ドロップキックは1メートル以上の高さまで飛び上がる瞬発力が必要である点と、技がどのような当たり方(場合によっては当たらないことも含め)をした場合でも受け身を取らなければならないため。特に受け身に関しては自分の身を護るという意味でも必要不可欠。往年のとある女子プロレスラーは修業時代に「寝ててもドロップキックができる」という逸話を持っている選手もいるのだとか。
    2. ヘッドロック
      両腕で相手の頭を抱え込み締め上げる技だが、実は両腕で締めるのではなく、両腕で「ロック」して全身をねじるようにして「絞り上げる」という。上手な選手のものは頭の痛いツボを的確に押さえてくるため、メチャクチャ痛いらしい。また、固め技のため、伝わりにくい静止状態でも観客の目を引きつけるような表現力や説得力を持たせることが重要と言われている。といってもただの痛め技などでは決してなく、万力のような力の漲る全身でねじり上げる姿は「頭を抱えて締め上げる」というわかりやすさから、逆に観客に痛みが伝わりやすいのだとか。また、「つなぎ」としての意味合いも持ち、スピードやパワーのある攻防のあと、一旦「固め技」で観客の目を落ち着かせてから次の動作へ移る「静と動」の「静」とみる向きもある。
    3. アームドラッグ
      走ってきた相手の腕を巻き込み、投げ飛ばす技術。巻き込み投げとも。両者が交錯する瞬間や滞空時間などで技量が解るらしい。うまい選手ほど相手も自分も長く空中にとどまり、スローモーションに見えるほどだという*3。このアームドラッグはかける側・かけられる側が全身を使ったムーブのため、特に難しいテクニックと言われている。どちらかだけの技量が優れていても技が崩れたり不格好になってしまい、見栄えが悪くなってしまう。一説には投げ飛ばした両者の着地が同時であるとか、受け身の綺麗さや次の動作への流れなどもポイントと言われており、見る人が見れば選手の力量が一発でわかってしまう奥の深い技らしい。

*1 全日本プロレス所属の大森隆男選手は重量級でありながら後者のバク宙式を得意としており、鍛え上げられた長身と業界随一のフォームは「ドロップキックの教科書」と呼ばれるほど完成度の高いものと言われている。かのジャイアント馬場氏も大森選手のドロップキックには太鼓判を押していたという。
*2 マビノギのドロップキックは、特に軽量級選手の行う「前方回転式」ドロップキックに最も酷似している。ドロップキックの名手ともなれば、クルリと軽やかなジャンプからピンと張ったキックは「花が咲くような」と形容されることもある。
*3 三沢光晴選手(故人)は若手時代からこの技が得意で、和田京平氏から「日本の選手で本物のアームドラッグができるのは三沢だけだろう」と言われたほど。