アルディハラ

Last-modified: 2024-03-24 (日) 17:09:49

オリジナル

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綯魄(とうはく)(こう)(しょく)(せん)]アルディハラ

 

プロフィール

 シリウス王の第一子にして、レクルスの姉。王国第一王女こそがアルディハラである。
 5歳にして学問都市で博士号を取得し、10歳の時には政治の場にも姿を現した王国屈指の天才。その能力を国民のために惜しげなく使える人格者だが、スキンシップがやや過剰で好意を勘違いさせてしまうのが玉に瑕。

 

「癒術を支える。それが私の目指す武器だ」

 
  • 綴り(一例): Aldihara
  • 出身: 王国
  • 性別: 女
  • 年齢: 30歳
  • 職業: 王国第一王女
  • 武器: 共鳴心弓
  • 趣味: 妹との団欒、武器開発
  • 性格: じょうひん
  • 一人称: 私
  • 実装日: 2022年5月21日
     

ユニット情報

  • レア: ☆5
  • 属性: 炎
  • 武器種: 弓矢
  • リーチ: 後衛
  • スキル
    • 双心一体の咆哮
    • 持たざる王女の矜持

ステータス(外部リンク)

容姿

  • 背景なし

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  • 立ち絵

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  • SD

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    攻撃モーション
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    被ダメモーション
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    撤退時
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    GIF
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  • 表情差分

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  • プロフィール等
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  • 外見特徴
    • 容姿:
    • 服装:
    • 武器:
    • 鈴:

イラスト・X(旧Twitter)へのリンク

ユニットイラスト

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詳細

  • 名前の由来
    牡牛座の1等星、アルデバランから(父であるシリウス王はおおいぬ座の1等星シリウスから)。
  • 2つ名
  • ユニットストーリー(ネタバレ防止につき折りたたみ。メイン2部13章読了後を推奨します)

「……なぜですか、アルディハラ様。」
「全ての罪は、レクルス様を攫った私にあるというのに。全ての罰は、レクルス様を危険に晒した私にあるというのに。」
「全てはあの方への独りよがりな憎しみで、身勝手に動いた私の責任なのに……!」
「なのになぜ、私と共に牢に入ったのですか! アルディハラ様!」
「……そう、つれないことを言わないでくれ。悲しくなってしまうじゃないか。」
「君は私すら知りえないほどに私を理解し、いつも私のために行動してくれていたのを知っている。なら、君の行動は私の行動で……、」
「君の憎悪は、我が憎悪……だ。私の影。」

 

<村>
♪危機との対峙
ファーブニール「グルルァアアアアアッ!」
「きゃあああああ!?」
メルク「こっちなのです! 早く逃げるのですよー!」
ユウ「ここは俺たちに任せて、早く!」
村のお姉さん「た、頼みました、癒術士さん! どうか……村を守ってください!」
レクルス「当然です! ヴァル、援護をお願いします!」
ヴァライフェ「はっ! やぁあああああ!」
ファーブニール「グルルルルッ!」
ヴァライフェ「なにっ!?」
メルク「ヴァライフェさんの攻撃が、弾かれてしまったのですよ!」
ヴァライフェ「胴回りの輪はそのためのものか! 厄介な……っ!」
ファーブニール「グルルルルッ!」
ヴァライフェ「はぁあっ!」
ユウ「レクルス様、今のうちに!」
レクルス「はい、二人がかりなら……!」
チュンカ「チュチューン!」
ユウ、レクルス「えっ!?」
メルク「ファーブニールの声に、呼び寄せられてしまったのです!?」
「チューン!」
ユウ、レクルス「うわぁああああ!?」
ヴァライフェ「レクルス様、ユウさん!」
ファーブニール「グラァアアアアア!」
ヴァライフェ「くっ! 邪魔を、するなぁあああ!」
ファーブニール「グルルラァアアアア!」
「ヴァル、そのまま振り抜きたまえ。」
ヴァライフェ「……!」
ヴァライフェ(私とファーブニールの間に小さな玉が!?)
「そのまま、砕くんだ。」
ヴァライフェ「……オォオオオオオ!」
ファーブニール「グルルラァアアアアアア!?」
ヴァライフェ「閃光!? これでは私の目も……!」
ヴァライフェ「……眩しくない?」
「人とモンスターの目には構造が違うものが多くてねえ。それはモンスターにだけ効く光を放つ閃光玉だよ。」
「さぁ、隙は作った。そこから……そうだね。5分。うん、5分は一人で頑張りたまえ。」
ヴァライフェ「あ、あなたは……!」
♪アーティスティック・ガンナー
アルディハラ「まずは、レクルスからだ。」
レクルス「お……、お姉様!?」
ユウ「えっ!? お姉さまって……ああっ!?」
チュンカ「チュチュン!」
メルク「後ろなのです! 危ないのですよ!」
アルディハラ「それ。」
チュンカ「チュンッ!?」
アルディハラ「持ち運ぶときは手の平サイズ。投げればチュンカ100匹は、優に捕らえられる捕獲ネットだ。」
アルディハラ「おまけに肌に優しい素材で出来ていて、アロマの香りまでついている。捕まったのにリラックスできると評判の逸品だ。」
チュンカ「チュ、チュン……。」
チュンカ「……ぐ~。」
アルディハラ「フフフ、良い夢を。」
チュンカ「チュ、チュン……!」
アルディハラ「おやおや、そう睨まないでくれ。ほら、これをあげるから。」
チュンカ「チュンッ!?」
アルディハラ「取っておいで~。」
「チュ~ン!」
ユウ「モ、モンスターが……、」
メルク「行ってしまったのですよ……。」
アルディハラ「あのデコイはモンスターの認識に作用してね。一瞬だけだが、攻撃の優先度を変更できる。」
アルディハラ「とはいえ、本当に一瞬だ。ほら立ちたまえ。君たちの出番はこれからだろう?」
ユウ「は、はい。ありがとうございます……。」
レクルス「お姉様……。」
ファーブニール「グルルラァアアアア!」
ユウ、レクルス「……!」
ヴァライフェ「アルディハラ、様っ!」
アルディハラ「うん、5分だ。偉いぞヴァライフェ。よくぞ持ちこたえた。ご褒美にチューしてあげようか。」
「結構です!」
「フフフ、それじゃあネットで捕らえた方は任せたよ。」
レクルス「あっ、お姉さ……!」
「……ティンクルシード、セット。」
レクルス「……!」
アルディハラ「ティンクルシードとの共鳴を開始。目標同調率は30パーセント。」
アルディハラ「すぅ……、はぁ……。」
アルディハラ「すぅぅぅ……、グルルルァァ……!」
アルディハラ「……クフフフフ、君の力を借りるよ!」
アルディハラ「同調安定! 双心結合! 第一機能を展開! さぁ、火竜の咆哮を聞くがいい!」
ファーブニール「グルルルルルルッ!」
アルディハラ「スゥゥゥ……!」
アルディハラ「グラァアアアアアアア!」
ユウ、レクルス「……!」
ユウ「い、今のって……。」
レクルス「モンスターの、鳴き声……?」
ファーブニール「グ、グルルルッ!?」
アルディハラ「ハァァアアアア……っ! ヴァルゥ、コレヲ!」
ヴァライフェ「これは……特製捕縛ロープ! やぁああっ!」
ファーブニール「グルルゥウウ!?」
ヴァライフェ「レクルス様、ユウさん!」
レクルス「は、はい!」
ユウ「届けっ!」
♪光ある時間
ファーブニール「ぐ……、ぐるるるっ。」
アルディハラ「オ見事。さァ、残りのモンスターもヨロシク頼むよ。」
アルディハラ「私には……ンンンッ、どうしようもないからね。」

 

チュンカ「ちゅちゅん。」
ユウ「ふぅ、これで最後だ。」
レクルス「みなさん、ご安心を! もう大丈夫です!」
村の青年「お、おお! 本当だ……。」
村のお姉さん「ありがとう、癒術士さん!」
アルディハラ「……。」
ヴァライフェ「先端さえ接触すれば後は自動で対象に巻き付く……。相変わらず便利な品ですね。」
アルディハラ「ゴホッ、グルルル……、こほっ。コストがバカ高いのだけが難点だね。ま、量産化は私の分野じゃない。」
アルディハラ「んー、ンー……。よしっ、喉も戻った。いやはや一生あの声かと、一瞬焦ったよ。」
ヴァライフェ「そうです。さきほどのは……。」
アルディハラ「この子には物理攻撃が弾かれるとわかっていたから、友達の強靭な喉を少しばかり借りたのさ。」
アルディハラ「感情に訴えれば、さすがの君も動じてくれるかと思ってね。」
ファーブニール「ぐ、ぐるるるっ!」
アルディハラ「ふむ、思ったより怖がらせてしまった……。すまないね、ファーブニール。」
アルディハラ「私にも癒術が使えれば、こんな目にあわせないですむんだろうけど。」
「お、お姉様……。」
アルディハラ「っと、そうだそうだ。」
アルディハラ「間に合ってよかったよ、レクルス。」
レクルス「……どうしてここに? 話では、まだ王都にいるはずでは……、」
アルディハラ「サプライズというヤツさ。君の驚く顔は、私にとって何よりの御馳走だからね。フフフ、ご馳走様でした。」
「レクルス様のお姉様って……まさか。」
メルク「みゅ~、有名人なのですよ。」
ユウ「そりゃそうだろ。なんたって、自分が住んでる国のお姫様……、」
「そ、それじゃあ、あの人が……。レクルス様に対してクーデターを仕掛けたっていう?」
ユウ「えっ?」
村の青年「そうだ、間違いない。妹君が王になるのを納得できずに、刺客を送り込んだって噂だけど……。」
村のお姉さん「あの優しそうな人が? 本当に?」
アルディハラ「……。」
ヴァライフェ「まってください、みなさん! それに関しては……!」
アルディハラ「ヴァール。」
アルディハラ「しーっ。事実を否定したところで、どうにもならないよ。」
ヴァライフェ「し、しかし……。」
ユウ「それじゃあ本当に……?」
メルク「とても信じられないのですよ……。」
メルク「って、みゅみゅ!? ということは、レクルス様とお姉様は!」
ユウ「あっ!」
レクルス、アルディハラ「……。」
アルディハラ「さてレクルス、覚悟はいいかな?」
レクルス「……はい。」
ユウ「まっ……!」
♪4月1日の癒術士と共に
アルディハラ「レークールースー♡」
ユウ「えっ。」
アルディハラ「あぁ、可愛い可愛い私の妹。しばらく見ないうちに、ま~た可愛くなってしまって! 罪な子だ。それほど世界を魅了してどうするつもりだい?」
レクルス「きゃは~! も~うくすぐったいですよ、お姉様~!」
アルディハラ「これはお姉様をメロメロにした罪を犯した罰だよ。さぁ、おでこチューの刑を執行しよう。ちゅっ、ちゅっ!」
レクルス「きゃあ~!」
ユウ「……すごく。」
メルク「仲がよさそうなのですよ……。」
ヴァライフェ「あ、まずい。」
メルク「みゅ?」
アルディハラ「やーやーやー、君達もお疲れ様! ご褒美をあげようね。ちゅっ、ちゅっ、ちゅ~。」
ユウ「おわっ!?」
メルク「みゅわ!」
ヴァライフェ「ははは、ありがとうございます……。相変わらずお好きですね。」
アルディハラ「フッフッフ、相変わらず好きだとも。」
アルディハラ「だが一番好きなのはレクルスのおでこだ! さぁ~、食べちゃうぞ~。」
レクルス「きゃは~!」
村の青年「ほ、本当に、あの人がクーデターを?」
村のお姉さん「何かの間違いじゃないかしら……。」
♪光ある時間
メルク「実際のところ……どうなのです?」
ヴァライフェ「まぁその、嘘ではないですね。そういう事実はありましたし、実際その罪で、監獄都市に入られていたこともありました。」
ユウ「ガ、ガッチガチじゃないですか!」
ヴァライフェ「ええ、ガチガチのガチです。以前はもう少し、クールな方だったのですが……。」
アルディハラ「聞きたいかい? 私と看守のトレンディーなストーリーを……。」
ヴァライフェ「以前は隣になった囚人との、ハードでボイルドなストーリーだと、おっしゃっていませんでしたか?」
アルディハラ「それね。」
メルク「ゆ、ゆるいのですよ……。」
ヴァライフェ「まぁ昔はともかく、今は心から信における方です。それは私が保証しましょう。でなければレクルス様が、頼るわけがありません。」
レクルス「あ、そうです。その件です! お姉様、頼んでいたものは……。」
アルディハラ「フフフ、見せてあげるよ。というか、今持っているコレなんだけどね。」
アルディハラ「さぁ、立ち話もなんだ。村人諸君、どこかにレクルス達が休める場所はないかな?」
村のお姉さん「あ、それなら紹介所が……。」
アルディハラ「いいね。では披露はそこでしようか。ほらほら、バンダナの癒術士君も行った行った。」
ユウ「お、俺もですか?」
アルディハラ「当然だとも。私の武器は癒術士のためにあるのだからね。」
ユウ「癒術士のための……武器?」
ヴァライフェ「見ればわかりますよ。ほら、行きましょう。」
「みゅ~、興味津々なのですよ……。」
村の青年、村のお姉さん「……。」
アルディハラ「ああ、そうそう。」
村のお姉さん「わっ!」
村の青年「あ! あの、助けていただいたのに、失礼な口を……!」
アルディハラ「明日には追加の駐在騎士が来てくれるはずだ。以降はもう少し、安全になると思うよ。」
村の青年「えっ?」
アルディハラ「こんなところにファーブニールが出現するとは……。すまない。私達が把握しきれていなかった。」
アルディハラ「周辺の村ともあわせて警備体制を見直す。もう少しだけ、時間を貰えるだろうか?」
村のお姉さん「は、はい。」
アルディハラ「ありがとう。」
村の青年、村のお姉さん「ふわっ!」
アルディハラ「では、私はこれで。」
村の青年、村のお姉さん「……。」
村の青年、村のお姉さん「しゅき。」

 

<夜・紹介所>
アルディハラ「と、いうわけで。」
アルディハラ「これを100パーセントの力で使えば、モンスターが出現する前に穴を塞ぐことは可能だ。理論上はね。」
レクルス「わぁ……素晴らしいです、お姉様!」
アルディハラ「センキュー、マイシスター。」
ユウ「本当に……いい武器ですね、これ。倒すための武器じゃないっていうのが、特に。」
メルク「捕獲もできるなんて、便利なのですよ~。」
アルディハラ「お気に召してよかったよ。もちろん武器である以上、相手を倒すだけの威力はあるけれど……、」
アルディハラ「基本的なコンセプトは『戦う前に勝つ』、これだ。レクルスの『モンスターを傷つけたくない』という、癒術士としての思想とも相性バッチリだろう?」
アルディハラ「君はいつも、そのことで心を痛めていたからね。」
レクルス「えへへ。」
メルク「みゅふふ、愛されているのですね。」
レクルス「ふふふ、そうでしょう、そうでしょう! お姉様は世界で一番、癒術士のことを、考えてくれているんですよ!」
メルク「みゅ? いえ、そうではなくて……。」
アルディハラ「……フフフ。」
アルディハラ「とはいえ、これらの武器はまだ試作品。本当に効果的なのかを調べなくてはいけないし、癒術士と連携した時のデータも欲しい。」
アルディハラ「そこで、君だ。」
ユウ「俺?」
アルディハラ「私の武器のデータ収集に付き合ってもらいたい。もちろん、給料は弾むつもりだが……どうだい?」
メルク「みゅ~、まさか王女様から直々に、ユウさんをご指名とは!」
レクルス「私が推薦したんですよ~! 私の知る限り、一番信頼できる癒術士ですから!」
ユウ「ハ、ハードル上がるなぁ……。」
ユウ「だけど俺でいいなら、ぜひ。モンスターを傷つけずに癒せるのなら、俺もその方がいいですから。」
アルディハラ「ありがとう、助かるよ。」
アルディハラ「それじゃあ景気づけといこうか! レクルス、この袋をパンと叩いてごらん?」
レクルス「なになに、なんですか、お姉様! パァン!」
アルディハラ「睡眠薬が飛び出す。」
レクルス「すやぁ。」
ヴァライフェ「レクルス様ぁ!?」
メルク「景気づけとはいったい!?」
アルディハラ「フフフ、この子の寝顔は我が国の至宝だなぁ。」
メルク(すごくツヤツヤされているのですよ……)
アルディハラ「いやぁ、すまないすまない。久しぶりにあってテンションが上がってしまった。」
アルディハラ「ヴァル、悪いけどレクルスを宿に。手配しておいたからね。」
ヴァライフェ「無駄に手回しのいいことで……。では少し、失礼しますね。」
ユウ「お、おやすみなさい。」
レクルス「おやふみなひゃい……。」
ユウ「挨拶出来てえらい……。」
アルディハラ「心配はいらない。むしろ、いつもよりグッスリ眠れて疲労回復もバッチリ。お父様は肩こり腰痛も治ったと言っていたよ。」
メルク「国王陛下にも使ったのです?」
アルディハラ「フッフッフ、まぁそれはいいじゃないか。そんなことより、これでようやく……、」
アルディハラ「大事な話ができる。」
♪在りし日々
ユウ、メルク「……!」
ユウ「アルディハラ……様?」
アルディハラ「君達はレクルスからの信頼も厚く、私のことを仲間として受け入れた。だから、先に話しておくのがフェアだと思ってね。」
ユウ「話しておく……?」
アルディハラ「そう、私の本心を。」
アルディハラ「……の、前にだ。ユウ君、君は何歳で癒術を発現させた?」
ユウ「えっ、俺ですか?い、いくつだったかな。」
ユウ「すみません。昔のことだからよく覚えてなくて……、」
アルディハラ「いや、十分だ。それぐらい小さい頃から、そして自然と使えるようになったということだね。」
アルディハラ「……羨ましい限りだ。」

 

「どうして、どうして? どうして私にはお父様みたいな力が現れないの?」
「お父様の娘なのに! この国の王女なのに!」
「お願い、誰か教えて! 私にも、癒術を……!」

 

アルディハラ「……。」
ユウ「アルディハラ様?」
「ユウ君、私はね。」
アルディハラ「癒術が嫌いさ。昔も、今も。」
ユウ「えっ!?」
メルク「で、でもさっきは!」
アルディハラ「癒術士のために武器を作っている。それは本心だし、事実だとも。しかしそれと嫌悪感の同居は別に矛盾しない。」
アルディハラ「私は君達全員が、無職になればいいなって、そう思いながら武器を作っているよ。」
ユウ「む、無職!」
アルディハラ「そうさ。田舎に帰って、お嫁さんでも見つければいい。」
アルディハラ「レクルスだって、城で一日中、遊んで暮らせばいい。」
ユウ「……。」
アルディハラ「ま、そうしてくれないから、私はこうして武器を作っているんだけれどね。せめて、あの子の傷を減らせるように。」
アルディハラ「だけど、それでもあの子は癒術士だからと、私の武器では守ってあげられない場所へと言ってしまう。」
アルディハラ「だから私は今も、癒術が嫌いなのさ。」
ユウ、メルク「……。」
アルディハラ「レクルスが気に入るってことは、君もその口だろう?」
ユウ「……そうかも、しれません。」
メルク「というか、そうなのです。」
ユウ「うっ。」
アルディハラ「フフフ、メルク君の気持ちはわかるよ。」
アルディハラ「安心したまえ。君を無理に止めるつもりはない。癪だけれど、今は癒術士こそが対モンスターの要だからね。」
アルディハラ「でも、私は諦めないよ。いずれは必ず君達癒術士に頼らなくてもいい……、そんな世界を、武器を作ってみせよう。」
ユウ「俺の旅に同行したいっていうのは、そのためですか。」
アルディハラ「察しのいい子だね。もちろん、君をわざと危険に晒すような真似はしないけど。」
アルディハラ「何も包まずに言ってしまえば、私は君のことを、実験材料として見るだろう。」
ユウ「……。」
アルディハラ「さぁ、それでも。私を旅に連れて行ってくれるかな? 今ならまだ、断ってくれても……。」
ユウ「大丈夫です。」
メルク「よろしくお願いするのですよ!」
アルディハラ「……信頼できるのかい、私を。」
メルク「なのです! だってアルディハラ様が嫌っているのは癒術であって……、」
ユウ「レクルス様では、ないですから。」
アルディハラ「……。」
アルディハラ「フフフ、そうだね。私は癒術が大嫌いだけど……、」
アルディハラ「ユウ君達のことは、好きだなぁ。」

 

<屋外>
アルディハラ「……ふぅ。」
アルディハラ「いやはや、さすがレクルスが一目置く子達だ。好きになってしまうなぁ、ああ言われたら。」

アルディハラ「だから、もう警戒しないでいいよ。……私の愛しい影。」
「……承知しました。」
アルディハラ「護衛、お疲れ様。姿を見せておくれよ。ご褒美のキスができないだろう?」
「私にそれを受け取る資格はありません。あなたが私と共に、罪を背負ってくださったその時から。」
アルディハラ「背負ったんじゃない。言っただろう? 君の憎しみは私の憎しみだ。」
アルディハラ「当時の私が、レクルスに嫉妬し、憎しみを抱いていたのは紛れもない事実だったし……、」
アルディハラ「君が動かなかったら、私が自分自身の手で、あの子を裏切り、深い心の傷を負わせていただろう。」
「……では、まだ続けられるのですね。」
アルディハラ「ああ、行くとするよ。どこまでも、誰とでも。」
アルディハラ「レクルスに、私の愛が伝わるまで。」
「……。」
アルディハラ「フフフ、あの子ってばまだ、私が武器を作るのは癒術士全員のためだと思っている。もちろん、彼らの事も考えてはいるけどね。」
アルディハラ「その根幹にあるのはあの子なのに……。私に愛されているという自信が持てないのさ。」
アルディハラ「だけど、あの子がそう思うようになったのは私の罪だ。清算しないといけない。」
「どんな罰を、受けてでも。」
アルディハラ「……。」
アルディハラ「来てくれるね、私の影。」
「もちろんです。その罪は、私の罪なのですから。」
アルディハラ「フフフ、キスしてあげられないのが本当に残念だよ。」
アルディハラ「それじゃあ続けようか、私の影。私の咎。レクルスに傷を負わせた、許されざる大罪人として……、」
アルディハラ「彼女に愛を、伝える旅を。」

  • 登場ストーリー
    • メインストーリー第二部「常夏の国篇」
  • その他プロフィール
    • フルネーム:
    • 家名:
    • 現在地:

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