グループの種類
<グループによる対人支援の歴史>
18世紀 イギリス セツルメント運動
19世紀末 YMCA運動
そして20世紀・・・
・内科医プラットなどにより心理治療への展開が図られた。
・アメリカの心理学者 K.レヴィンは集団における人間の行動の法則性について、「グループ・ダイナミクス(集団力学)」として理論化を始めた。「Tグループ」と呼ばれる集中的グループ活動による人間関係改善のトレーニングへと発展し、NTL(national training laboratory)などを中心に普及した。
・日本では、1960年代からTグループやベーシック・エンカウンターグループが紹介され、エンカウンター・グループの中でも、ファシリテーターが主導権をとって、課題を与えたりエクササイズさせたりする「構成的エンカウンター・グループ」を國分康孝が紹介した。
・R.W.トーズランドらはグループを「意図的に作られたグループ」と「自然に誕生したグループ」をあげている。意図的につくられたグループはさらに、「治療的グループ」と、「課題グループ」に分けられる。
○グループとは
①参加者が共通の目的を持っていること
②参加者間に相互のやりとりがあること
③それらは基本的に対面的なものであること
コンテントとプロセス
コンテント・・・グループが取り組んでいる課題や、作業、あるいは話している事柄など。要するに「内容」。
プロセス・・・グループの進行と一緒に流れている雰囲気や各人の感情、あるいは関係性の変化など。
○グループのダイナミズム
プロセスに目を向けた会話、相互作用がグループ内で発生すると、ダイナミズムが生まれる。ダイナミズムとはメンバー間の力動で、相互の言語的、非言語的なやりとりの活発さを示す。
ジョハリの窓
自分も知っていて、他人も知っている・・・パブリックの領域
自分が知っていて、他人は知らない・・・プライベートの領域
自分が知らなくて、他人は知っている・・・ブラインドの領域
自分も知らなくて、他人も知らない・・・アンノウン(未知)の領域
☆ブラインドとアンノウンを減らすためには、他人からフィードバックをもらう。
☆プライベートとアンノウンを減らすためには、自己開示(ディスクローズ)する。
グループの発達
○形成期
メンバー全員が不安と期待を抱いている状態。
○混乱期
最初の緊張から放たれて、わりと各人が自由になる。すると、葛藤が生じたり、一体感が無くなったりする。
○規範形成期
自分たちなりの一体感を取り戻す。グループ独特のルールが明示的、あるいは暗黙的に受け入れられる。グループが自立的、自律的に活動するようになる。
○展開期
グループが課題を遂行していくようになる。他人からのフィードバックも受け入れられる余裕ができる。
倫理上の配慮
①守秘義務
②参加者を守る。
③グループの目的と参加条件などをきちんと説明し理解が得られるようにする。
④ファシリテーターは常にファシリテーションにかかわる自己研鑽を積む必要がある。