2025年4月27日のM3-2025春でリリース。
CHUNITHM VERSE(SEGA)に提供した「Crush the Dystopia」と新曲5曲が収録。
M3-2025春のイベント特典として、本作1枚を購入すると御船麻砥描き下ろしのB2サイズポスターが2枚まで付く。
ジャケットのイラストについて、SEGAからは筐体のものを使用してもらっても構わないと言われていたが、他の収録曲のイメージに関わってくることもあり、御船麻砥に描き下ろしをしてもらった経緯がある。
当初はCrush the Dystopiaを抜いた5曲入りのミニアルバムになる予定で、ARCADIAは元々は全く違うテイストの曲になるはずだった。
しかし、楽曲解禁と使用許諾が出たタイミングでCrush the Dystopiaをリードトラックとして収録することとなり、ARCADIAはCrush the Dystopiaに対応する楽曲として変更された。
・収録曲
1. Crush the Dystopia
作詞:TERRA 作曲:a2c・Masahiro“Godspeed”Aoki
アーティスト名義は「MintJam vs Masahiro “Godspeed” Aoki」。4/18よりストリーミング配信されている。
同じ世界線の話だが楽曲としては交わってこなかったCHUNITHMのキャラクター、バーニッシュとG.O.D.がサウンド面の合作からキャラとしても完全に交わった設定。
テーマは「絶望郷からの脱出」。「G.O.D.の人ならざる力を吸収したバーニッシュが一時闇に落ちるもその力を維持したまま正気に戻る」といったストーリーがある。
Bメロ前の英詩コーラスは、G.O.D.がバーニッシュのメンタルに揺さぶりをかけつつもバーニッシュが抗っているイメージ。
中盤にGuiltyのメロディが使われている。そのGuiltyを超える熱量が必要とのことで、該当メロディのあとにギアを上げるため スラッシュメタルが使用されている。
スラッシュメタルの要素がある楽曲としてはWeed Spiritや緋宴があるが、ど真ん中のスラッシュメタルはこれが初めてである。設定上必要と考えられたのとリミッターを解除する意味を込めて使用された。
歌メロ部分の制作はa2cが担当し、イントロ・中間ソロ(間奏)・アウトロ・オーケストレーションの制作はGodspeedの担当。
Godspeedからの提案で20年ぶりのギターバトルが繰り広げられており、-Z-(Rival)のアウトロにあったハモリソロのオマージュが当曲のアウトロに入っている。
Gopspeedが自身のnoteにて「Crush the Dystopiaと振り返る」と題し 当曲の解説などを記事にしている。
2025年7月16日に、CHUNITHM10周年を記念する形で、a2c・Godspeed・TERRA三名による当曲の演奏・歌唱動画がアップされた。
このバージョンは「G.O.D. Version」と冠され、Godspeedによって当曲の真の姿を暴き出すアレンジ・ミックスがなされている。原曲同様 Gopspeedが自身のnoteにて解説などを記事にしている。
G.O.D. Versionの場合、名義は「Masahiro "Godspeed" Aoki vs MintJam」となる。原曲ともにGodspeedのソロ作品集アルバム「Chronicle II」に収録される。
2. Voice of the Lost World
作詞:TERRA 作曲:a2c
作曲におけるコンセプトは「EDMっぽいデジタルなサウンドに有機的なサウンド」。
イントロや間奏のフレーズも自身がかつてから沸々とやりたかったもので、a2cは「今アルバム中での傑作」と評している。
ストリングスはescapeの収録と同様のことを行っており、十数人になるストリングスのセクションを宅録で疑似的に再現して、よりセクションが演奏している形に近づけている。
その疑似的再現をバイオリンとビオラでも行うことにより更に厚みと空気感が出て、そこに打ち込みが混ざるとピッチも安定しゴージャスなサウンドになるとのこと。その環境は白井崇陽からも発明だと評されている。
コーラスの音色をそれ用の音作りでリニューアルしており、ファズがコーラスの一本一本にかかっている。
歌を録ったときには弦がなく、最終的にこれほど壮大な曲になるとは思っていなかったようで、このファズの音色で前に出てくるコーラスを録って結果的に正解だったとのこと。
歌詞はロマンティックな曲のイメージから「ビビッドかつ抽象的」を」コンセプトに広げていった。
ギターソロの最後のブリッジのところにJUDGEMENT DAYのギターモチーフが使われており、これはa2cがMintJamの活動における伏線回収的な意味合いを込めて意図的に入れている。
3. Urban Warriors
作詞:TERRA 作曲:TERRA
歌詞のテーマは「仕事に恋に、頑張れニッポンのサラリーマン!」。抽象的な歌詞の前曲とは対照的に、直接的な応援歌である。
制作中の仮タイトルは「シンコペーションSus4」。サビがほぼ全小節シンコペーションをしていて、爽やかな雰囲気のサスフォーが細かく出てくることから。
そのまま制作すると普通のポップスになる可能性があったところを、もっちりしたアナログ感のある音で制作することで爽やかな曲を芯の太い音で表現している。
バンドサウンドで決める曲であるため、シンセなどの音数を少なく制作している。また、サビを腕白な感じにするために若干イレギュラーなコードを使っている。
Synthesizer VのEriを使った女性バージョンと、その音源とAI生成を使用したPlot Videoを公開している。
4. in fact
作詞:TERRA 作曲:a2c
シティポップや80年代、スウィング系好きのa2cによる趣味全開な曲。自身のルーツである90年代のサウンドに寄せている。
歳をとっても恰好がつくような年相応に渋い曲を目指していて、テーマは「イケオジ」「大人こそ趣味・遊びを謳歌しよう」。
youtubeチャンネル「aのアジト」は、子供の成長するプロセスには遊びが大事であることが大人にも言えるということを体現しており、自身のアウトドア趣味をyoutubeで発信しているa2cとしても共感できた詞である。
5. 5:18 a.m.
作詞:TERRA 作曲:TERRA
コロナ禍のときには構想があった曲で、Interludeでの収録が可能だったが、TERRAがInterludeを全体的な雰囲気で見たときに「違うな」と思い今作での収録となった。
歌がない箇所が多いのは意図的なもので、「歌に頼らない歌物」を目指した楽曲。
バッキングの伴奏が変化していっていることからも「変化」をコンセプトにしていて、だんだんと夜が明けていく様子を表現している。歌詞そのままが伴奏になっている。
リバーブを多く使っており、滅茶苦茶にならないよう住み分けに苦労した。また、気持ちを込めた感じを表現するために、歌(特にコーラス)を限界まで後ノリしている。
Synthesizer VのEriを使った女性バージョンを公開している。
6. ARCADIA
作詞:TERRA 作曲:a2c
バーニッシュと10年来の付き合いになるTERRAがバーニッシュ愛をまとめた歌詞で、世界観としては、「Crush the Dystopiaの後にどこへ旅立つのか」。
a2cが歌詞に触発されて、2番Aメロの最初に光の蝶を連想させるバイオリンのフレーズを入れている。
アウトロでソロをやりながらフェードアウトしていくという構成を考えていた中で、a2cがかつてよりしたいと思っていた白井崇陽とのリードプレイによる掛け合いを実現した。
ソロが不得手だった白井崇陽がパターンを試行錯誤しており、a2cもバイオリンのソロも踏襲するようなフレーズを入れ直したりしている。アウトロについて、TERRAが尖っている若さを感じると評している。
ギターソロの間奏の部分は、一山超えて新境地に来たという雰囲気をイメージしている。
a2cとしては珍しくタイトルから曲の発想をしている。これはa2cの好きなTHE ALFEEのアルバム「ARCADIA」からエスニック×ハードロックな要素をインスパイアを受けている節があるため。
また、坂崎が12弦アコースティックギターを弾いているアルバムからも同様にインスパイアを受けており、Beyond the EternityやBridged to the sunもその具体例である。
ラフ状態の当曲を聴いた御船麻砥が「ジャケットデザインに遺跡でも入れておきますか」と提案した。
7. Crush the Dystopia (Vocal Off Track)
8. Voice of the Lost World (Vocal Off Track)
9. Urban Warriors (Vocal Off Track)
10. in fact (Vocal Off Track)
11. 5:18 a.m. (Vocal Off Track)
12. ARCADIA (Vocal Off Track)