中原の都市国家。
六王国時代はカシール王国の田舎町で、領主はアーヴィンだったが、
彼が姿を隠し、フィーアを経由してニナが領主になってからは大都市になった。
さらに、ハサエルが「癒しの国」として発展させ、中原の都市国家を束ねる帝国となる。
その設立の経緯により、国王が治めているが、教皇庁の影響力が大きい。
枢機卿のラウギスたちや聖杯騎士団がエルドの墓で壊滅してからは大学院も影響力を持つようになる。
ハサエルが建国した古代サザンと中興のサザンは、疾病の流行によって区切られる。
死亡者はサザンの地下のカタコンペに埋められ、ここはリコルの時代に「サレンの地下」と呼ばれ、〈暁に祈る者〉という教皇庁の転覆を目指す組織の基地になった。
また、疾病が流行していた数十年の間、生存者は別の都市へ避難していた。
六門世界の中で、天上・奈落の門に最も近いため、「聖都」と呼ばれる一方で地下からは魔物が出没する。
また、竜界への扉もここにあり、異界とつながりやすいのかもしれない。
そのため国王の下に聖都防衛が設立されている。
マリアの時代聖都防衛隊には500人程度が所属し、またエンジェルネストもこの下部組織にあたる。
聖都防衛隊の本部には、ジェオ・マテリー監察官が所属している。
なお、サザンには王立軍が2000人常駐している。
マリアの時代の国王はアラナティウス、その妻はイエナで、王子はイスファン。
リコルの時代の宰相(〈摂政〉)はリカルド、大審問官(と、おそらく諜報部門の長)はミロ・ジェラコート、軍の総司令官はルクロス。
大学院学長のキーレンが権力を握ってからは、リカルドは軟禁される。また、宮廷魔術師にキーナンと共に魔神「ルシファージュ」に仕えるレティナンが就いた。
彼らに協力するズボラーダ伯爵も発言力を増した。
しかし、リコルによって彼らの陰謀が暴かれてからは王宮の権力が拡大し、
百年戦争時代は国王軍が大きな勢力となっている。
この時代の特務庁の長はバルサス。
国王の親衛隊は白銀騎士団。
街全体を東西にオランニュ河が流れており、石橋も多い。
また、王城と河は隣接しており、橋の中には王族がサザンの外へ脱出するための通路が隠されている。
東部には大学院、北部には大聖堂などのエルド教関係の建物がある。
西区には上流街や槍兵通りなどがある。
南の郊外には「髑髏山」といわれる丘がある。
かつての戦乱で死亡した人間たちの髑髏が積まれている。
A.R.300年頃の一回目のエレメンタルストーム発生時には「三角塔」と呼ばれる《嘆きの石》を動力にした結界発生装置を創ったが、完全にはエレメンタルストームを防ぎきれなかった。
千年後の六芒世界時代にはアルデ・バランと呼ばれている。
ブリオたちの歴史では、百年戦争後にソラステルを併合し、「千年皇国」サザン帝国となる。
施設
- アルール
北サザンにある、ブリオの時代の学生向けの茶店。 - カルナー・バザール
リコルの時代、北部にあったバザール。 - 教皇庁
- 黒水晶の塔
かつての三角塔を内包した塔で、サザンの観光名所の一つ。 - コーネル宝飾店
マリア編で登場。《虹のつまった指輪》などの高級な宝石類を扱う。 - ゴールデンロード
北サザンの一等地 - ザグリー
リコル編で登場したオークションハウス。 - スカラブ城
サザンの近くにある王族の別邸。 - 大学院
- 闘技場
イエルの時代には、奴隷闘士の戦いが行われていた。
リコルの時代には、主に大学院の召喚術師同士の戦いが一般的だったが、好成績による恩赦を求めて囚人が召喚術師と戦うことが合った。
ロビンの時代には、各地から集まった召喚術師だけが大会に参加していた。 - 転送魔法陣
《ストーン・サークル》とマナライト鉱石によって、《ゲート》と《テレポート》の効果を発揮する。
サザンの他の大都市にもあり、各地を繋げている。
百年戦争末期、軍隊の輸送手段としてモンブランによって貸与された後、長距離輸送の手段として発達した。 - 博物館
《地獄の大公サルガタナス》を封印する像を納めていた。大学院との関係は不明。 - バルゼーの牢獄
王城に隣接した牢獄。もともとは王族が立てこもる要塞だった。 - 大公衆浴場
温浴、冷浴、熱浴(サウナ)とそろっている上、小規模な図書館や運動場もある社交の場。
お忍びで来た国王もいるらしい。
マリアの時代は混浴の浴槽と、男女別の浴槽があったが、リコルの時代は混浴になった。