生徒を統べし人形

まえがき

今回のSSは、突発的に書いたものでストーリー性はほぼ皆無です。
本文中に出てくる見慣れない異変名はそのときのテンションが生み出した副産物です。
最後に、本編では霊夢が出てきますが、口調がイメージと違うっていう人はブラウザの戻るを押してくださいな。

本編

霊夢：
まったく・・・ようやく現世異変終わったと思ったら、次は何なのよ・・・。
魔理沙は魔理沙で、この学園で珍しい茸があったからって夢中になっちゃうし・・・。


現世異変から３日後、紫と共に学園と幻想郷の間の結界を修復した後のことだった。
あの戦いの時、どうも学園がおかしいということで、教頭のてんこぬ先生が霊夢に話していた。


霊夢：
でも、話通りね・・・異変が終わったっていうのに、学園への道が異様に長い。
それに、弾幕を撃ってくる毛玉や妖精が多いわね・・・。


ただの弾幕ではなく、各々が鮮明な意思を持っているかのごとく、重く、厄介な弾幕。
中には、紫のスペルカード「波と粒の境界」のような弾幕を使ってくるのもいる。
他にも、自分の周囲に弾を出し、ひとつひとつの性質を変えている。
霊夢に向かって放たれる「自機狙い弾」。
樹や地に当たると跳ね返る「反射弾」。
５方向に向かって飛ぶ「５ウェイ弾」をズラして連射。
明らかに現世異変よりも質量が重く、掠り応えのある弾幕。


霊夢：
それぞれの意思にしては鋭すぎるわね・・・てことは、遠隔操作か。
？？？：
げげっ、霊夢！？
霊夢：
あんた・・・あの時の異変にもいたわね。


現世異変の際にも、霊夢はこの生徒に意外とてこずらされた。
学園中にある仕掛けを操り、自分で製作した毛玉達も操っていた。
そして、今までの弾幕の仕掛けも、すべてこの人－－－－にとりとバイクさんであった。


にとばい：
覚えられてたんだ・・・嬉しいのか悲しいのか。
霊夢：
正直に答えなさい。今までの毛玉や妖精も、全部あなたなのかしら？
にとばい：
う～ん、普通に答えると面白みないからなあ・・・。
ここは博麗の巫女らしく、あれでいくしかないっしょ。


先手必勝と言わんばかりに、にとばいさんが即座にスペルカードを宣言する。


にとばい：
早速行くよ！ 操符「インビシブルサークル」！


何もないところから弾幕発射直前の閃光が縁のように描かれ、閃光からは全方位に３６発の米粒弾が展開される。


霊夢：
ただの米粒じゃ・・・ないわよねぇ。
にとばい：
ご明察！それだけだったら何も面白くないからね！


すべての米粒が「反射弾」だった。
霊夢は以前にも、似たような弾幕を受けたことがある。紅霧異変後に戦った悪魔の妹、フランドール＝スカーレットのスペル。
あの波紋が規則正しく発射されているようなものである。
それ故に、霊夢は対処方法を知っていた。


霊夢：
残念ね・・・隙だらけよ！


霊夢がにとばいさんの足元へ向けて護符を飛ばす。
お祓い棒を目前に出し、ぼそりとつぶやいた。


霊夢：
宝具「陰陽鬼神玉」。
にとばい：
ちょ、危なっ・・・！


間一髪で鬼神玉をかわしたが、同時に弾幕を形成していた「見えない物体」の統率が乱れ、スペルとして成り立たなくなった。
霊夢が札を投げた場所は、規則正しく発射されるが為に生じる絶対安置。さらにそこでなければ、統率が取れない場所となっていた。


にとばい：
これが駄目なら・・・これでいくかな。 操術「アナログホーミング」！


続けて出したスペルカードでは、一発の大型弾が発射された。
そのスペルカード名から、その弾の性質を推測することもできる。
発射されたのは幻想郷では滅多に見ない（というか霊夢しか使ってない）ホーミング弾。
ただ、その動きはとてつもなくぎこちないものだった。


にとばい：
あちゃー・・・やっぱりまだ安定してないや・・・８方向しか向かない。
霊夢：
まだ試作のスペルみたいね。これなら早めに終わ
にとばい：
らないんだよねぇ、残念ながらっ！
霊夢：
っ・・・そういうことなのね・・・！


ホーミング弾という性質だけではない。
にとばいさんから放たれる大きめの米粒弾とホーミング弾がぶつかると、大量の米粒弾となりばらまかれる。
さらに厄介なことに、米粒弾の速さはばらばらで、ホーミング弾自体がぎこちないため、予測が難しい。


にとばい：
さあさあ、どんどんばら撒いていくよー！
霊夢：
ここで使うのは気が引けるけど・・・仕方ないか。夢符「封魔陣」！


ホーミング弾が接近すると同時にスペルの発動。
弾自体が消失し、これもスペルカードとして成立しなくなった。


霊夢：
予想以上に手間取ったわね・・・さあ、次は何かしら？
にとばい：
この前よりも厄介だねぇ。それじゃ、最後といこうか。 全操「ダブルウェーブ」！
霊夢：
ちょ、それは卑怯でしょ！


１枚目のスペルで使った「見えない物体」から閃光が２つ放たれる。
しかもその２つから放たれる弾幕は、右が青の米粒、左が赤の米粒で再現された「波と粒の境界」だった。


にとばい：
こんなに早く来ると思ってなかったんだから仕方ないでしょ。
毛玉の中でこれが使えるのがいたから、トレースして持ってきたんだよ。
霊夢：
あーもう、紫の奴・・・今度半殺しにしてやる！
悪いけどあんたも半殺しよ！
にとばい：
八つ当たりにも程があるのでは！？
霊夢：
問答無用っ！ 神霊「夢想封印」！


本格的に霊夢の八つ当たりスペルが始まった。
まずはそれぞれの「見えない物体」に夢想封印（１枚ずつ）。


にとばい：
え、ちょ、待・・・１体につき１枚・・・？
霊夢：
さーて、言い残すことはあるかなぁ？
にとばい：
えーと・・・その１発は紫とかのに向かない？

こうして無事に、霊夢は道中ボスを倒し、先へ進む。
後半も、やはり質量の多い毛玉と妖精による多重弾幕。
さっきよりも連携が鋭くなり、弾幕の隙を見つけては埋まり、再び探すという作業の繰り返し。


霊夢：
さっきのにとばいだっけ・・・あいつのことも考えると、やっぱり操作系ね。
こりゃ早いこと、操縦者を叩いて終わらせないといけないかしら。


数十体の雑魚を打ち落とし、漸く弾幕が静かになった。
そこにさっきの「見えない物体」が出現し、霊夢めがけて特色のある５ウェイ弾を放ってくる。
発射元も直線のように並んだり、「卍」のように形を取っていたり、演出が少々入ってるのが面白かったり。


霊夢：
さて・・・そろそろ黒幕の出番かしらね。
前の現世異変でも、すべての毛玉を操作してたのはあなたなんでしょう？
ドックン：
ご明察。
霊夢：
率直で悪いけど、すぐさまこの重弾幕を放つ毛玉達の操作を止めてもらえるかしら？
結界もまだ不安定だから、少しの反動で人里へ漏れるわよ。
ドックン：
その心配はなし。
この毛玉達の弾幕は、ネちょ学の敷地内しか効果がないようにされてるからね。
霊夢：
その設定・・・ああ、現世異変の黒幕さんがやらかしたのね。
あっちのほうも、後で叩いておかないと駄目ね。
ドックン：
そういうことだし、僕はきっちりここで「けじめ」をつけさせてもらおうかな。
私立ネちょネちょ学園生徒会長、ドックンドール。いきますよ。


ドックンさんの腰から伸びるワイヤー先には、個々で弾幕を放つ人形がくくりつけられていた。
人形自体の数は少ないものの、放たれる弾幕はどれもスペルカードクラスの弾幕。
これでスペルカードではない。


霊夢：
普通の弾幕でこの分厚さは・・・あまり見たことないわね。
あいつらは意外と規則正しいし、どれも似たようなのだったけど・・・明らかに今までとは違うわね。
ドックン：
さて、最初はこれで挨拶として、次はこれで応えようか。 壱操「鏡狂人形 ～ ミラードール」。


すべての人形をしまい、また別の人形を展開させる。
今度は人形からの弾幕は軽くて薄く、逆にドックンさん自体から放たれる弾幕のほうが規則があるが厚い。
さっきとの大きな違いは、スペル名のとおり、すべての人形が「鏡」を持っていることだった。


霊夢：
あの人形・・・もしかして、こういうことかしらね。


霊夢が弾幕の中を縫いながら、人形のひとつに針を投げつける。
ぶつかった瞬間、人形の鏡から１０ウェイ弾幕のズラし連射が放たれた。
ドックンさんが弾幕で相手の動きを束縛し、かつ、霊夢は人形の合間を縫って針をスペルに当てるしかなかった。


ドックン：
さて、初回からこのスペルはきつかったかな。
霊夢：
甘えないことね・・・人形なら、別のやつで慣れてるのよ。


霊夢が人形のほうへ向けて座布団弾を放つ。
弾は人形をおおきくそれ、外れたかのように見えた。


ドックン：
・・・慣れてたなら、気がついたって訳か。


座布団弾は弧を描き、人形の後ろにあったワイヤーを切った。
同じような弾がすべての人形へ放たれ、「鏡人形」はぼとりと地面に落ちた。


霊夢：
これで１枚目終了。
ドックン：
ふふ・・・やっぱり、これだけじゃ勝てないか。
それじゃ、久々に思いっきり「遊ぶ」ことにしようか。

あとがき

突発的に１０枚もスペル考えられません・・・ドックンさん、サーセンｗｗｗ
（１０枚というのは、各シリーズのExのスペルは１０枚ほどだからです）
今回ドックンさんにExボスをお願いするにあたって、アリスを使ってるということと名前から
「人形」をモチーフにした弾幕を想像させてもらいました。
ちなみに、にとばいさんが道中ボスとして出させていただいたのは、ほぼなんとなくです。
やっぱり名前から、何かいじってそう（操作してそう）なイメージがあったので、ドックンさんと相性いいかなと。
この後の展開は全く考えてません！てかスペルだけ考えるので頭パンクした！
何より、文花帖９時間ぶっ続けの脳じゃ考えられることがあまりない！


最後、言い訳みたいになってしまった・・・。
この後の話はできるだけ完結したいなとは思います。弾幕化は考えてます。（ボス、中ボスのみ）
今作成中の「咲夜使いによる咲夜のための咲夜だけの弾幕集」が完成してからですが。

感想スペース

コメント欄:

• 流石エクストラ。雑魚からの弾幕も洒落にならない！ そして、僕がエクストラボス！ 最初のスペカから面倒くさそうな感じが凄いしてて実に僕好みｗ -- ドックンドール? 2011-11-05 (土) 05:28:47