目次
【とある夏の日の話】
土の 中に いる ▽
「……はい?」
あぁ、なんだ埋まっているだけか……。
「いや、何で埋まってるんだ自分!」
要石だからって言われたら終わりだけどさ!
でも唐突に土の中は無いよ!
グレゴール○ムザもびっくりだよ!
いや、あの人は毒虫になってたけどさ!
とりあえず落ち着け自分。
まず状況を確認してみよう。
状況:埋まっている
「確認するまでも無いじゃないか!」
ネちょ学に入って数週間……⑨組に所属することになった自分だが要石であることは隠した方がいいかと思っていたのだが……。
一瞬でバレた。
いや、まさかドアが開くと共に上から黒板消し……の変わりか何かなのか、人形が落ちてきて爆発が起こるとは思わないでしょ……。
めでたく粉砕された自分は購買印のアロン○ルファで事なきを得た……。
実際、人じゃない……そもそも有機物でもない自分は色々と異端なのかと思っていたのだが。
この学園はそんなレベルではなかった。
何処からともなく梨を持って現れるしーなさん。
常に酔っているのか酔っていないのかわからないが、いろんな意味で凄い人泥酔さん。
クレスタを壊されるてんこぬ教頭。
さらにクレスタを破壊する吸血鬼やら普通の人やら……。
まあ、とりあえずそんな感じで打ち解けるのは速かった……。
「…何故回想シーンが入った?」
と、とりあえず当面の問題はこの埋まってる状況を何とかする事!
いや、要石だから埋まっておけって突っ込みは無しの方向で!
あれは他の要石の役目だから!
「そうだ、人型になれば何とか!」
泥酔さんにもらった(ぶっかけられた)薬のお陰で人型⇔石になれる自分。
この手を使わない理由は無い!
「……」
人型になったのはいいのだけど…。
「何処かでコレ見たな…」
見事に下半身が埋まっていた。
あれ? これ何処かの妖怪に見えね?
「……要石さんなんで【てけてけ】の真似してるんだ?」
「そうだ! 【てけてけ】だ! あの無駄に腕力のありそうな上半身だけの妖怪!」
思い出せてよかっ……
「……朧月さんいつからそこに?」
「グロテスクな変身シーンの前くらい」
「つまり全部じゃないか! しかもグロテスクな変身シーンって何!? ともかく助けてくださいよ! 」
「いや、面白いかなってwww」
ケラケラと笑うこの人は朧月さん。
少々前まで【ヘタレ】といった名前だったらしいのだが、
「ヘタレのままではだめだ!」とかいった出来事の後、この名前を名乗っているらしい。
……因みにとある出来事で彼女が出来たとか。
「……なんだか助けてくれない事の外に、やけに妬ましい事を思い出しまして。 ちょっとこのミニ要石投げていいですか?」
「ちょ、その要石何処から出した!? そして投げる!? 何処に!?」
「そりゃ、まあ、朧月さんの顔面に。 時速120㌔くらいで。」
「顔面吹っ飛ぶよ!?」
「大丈夫ですよ。スーさんに向けて投げられる自分よりは遅いし、質量もありませんから」
「スーさんが大丈夫でも俺はムリだ!」
まあ、顔面が無くなるとマズいので中止。
「それより引っ張ってくれませんか?」
「あー、おっけー。」
両手を持って ぐー っと引っ張られる。
パキン
「パキン?」
「ああ、大丈夫です。 多分上半身と下半身がパージしただ……」
……あれ?
「ぎゃぁぁぁあああああああ!?」
ネちょ学に二人分の悲鳴が響く。
「やばい! 割れた! 二つになった! 早くアロン○ルファを! もしくはセメ○インを!」
「いやいやいやいや! 要石さんそんなんで大丈夫なのか!?」
「まあ、ただ単に二つに割れただけですし……」
実際そう焦る必要はなかったりもする。
一度ホントに粉々にされた時も大丈夫だったし……。
「やっほぅ(´・ω・` ) 悲鳴が聞こえたから来て見……要石さんが【てけてけ】になってる!」
「いや、どんだけ【てけてけ】メジャーなんですか」
さっきの悲鳴を聞いて見に来たポコピンさん
ネちょ学の横にポコピン亭なる定食屋を開いた張本人であり店長でもある。
ネちょ学ではこの手の悲鳴は日常茶飯事で、生徒も先生もよっぽどの事でなければ出てこないのだが。
ポコピン亭は最近オープンしたため、悲鳴に慣れていないポコピンさんが直接出てくることが多い。
一体そのあいだポコピン亭はどうなっているのか……。
「それ大丈夫なのですか(;´・ω・)? 全力でヤバイような気がしますが……」
「大丈夫ですよ、ヴィクト○ーガンダムがボトムアタックした後と同じ程度ですから」
因みに投げられるとトップボトムアタック……どころじゃないな。
「しかし……要石さん。腰から下が石に戻ってるけど……?」
「あぁ。 どうも基準となるのが注連縄のあたりみたいで、注連縄に直接触れてない部分は要石に戻るみたいで……」
と、要石の下側……下半身に当たる部分を引っこ抜く。
「とりあえずこんな風に断面にアロ○アルファを塗ってパイルダーオンすれば・・・・・・上手にくっつきましたー」
「便利ですね(´・ω・)」
「まあ……便利っちゃ便利なんですが……」
このせいでたまに容赦なく割られるのは問題だと思うんだ……。
つい先日は要石水球に使われたし……そもそも球でしょ? 要石で代用しちゃだめでしょ。
「ところでポコさんはともかく、朧月さんは何故まだ学校に? 下校時間はとっくに過ぎてますし……ハッ、まさか青春を謳歌していたなんてことは!」
「な、なんだってー!」
「ねぇよ!」
まあ、そりゃそうだ。
ぱたもふさんはこんな遅くまでいるわけないしね。
日はとっくに落ちて、辺りは闇の中に包まれている。
「ああ、その事なんだけど。 ここ最近ネちょ学に出るらしいんだ。」
……まあ、夏だしそりゃ出ますよね。
「変質者ですか? それとも変態? ドMって線も濃厚ですね」
「全部出るよ! 昼間でも! 結構頻繁に!」
「頻繁に出てますね(´・ω・` )」
確かに夏じゃなくても出る、頻繁に。
「お化けだよ! お化け! 幽霊ともいう!」
ですよね~、お化けですよね。
そりゃ夏ですし!
「最近ネちょ学の怪談の二段目、体育館の首なし男の目撃例が多発しているのさ。」
「……一段目は?」
「番号は気にしない! というわけでその怪談を目撃しに行くことになって、その途中で偶然で要石さんを見つけたわけだ。 ちなみにポコさんは強制連行する予定」
「既に強制連行が決定!?」
ポコさんが即座に反応した、ご愁傷様。
「んじゃ自分はここらで……」
「勿論要石さんも強制連行ね」
……ですよねー
IN.体育館
「……んで、朧月さんいったいどうするんですか? 首なし男を見つけた後」
「このニトばいさん特性の霊写デジタルカメラで激写する。」
霊写すのにデジタルカメラって……最近の技術は進んでるんだな……。
「ところでポコさんがガタガタ震えているのですが」
「((((((´・ω・))))))ガタガタガタガタガタガタ」
「手振れ補正機能も搭載しているから大丈夫」
……最近の技術は進歩してますね。
「それはそうと、要石さんは幽霊とかお化けとか大丈夫なの?」
「幽霊とかお化け? そりゃ勿論、できれば出会いたくもないし、出会ってしまったら世界最速の速度をもって撤退するか瞬間的に意識を手放しますよ」
「………」
あれ? 何か変な事言った?
「ま、まぁそろそろ時間……静かに、足音が」
遠くから足音が聞こえる、足音はだんだんと大きくなる。
「((((((´゚ω゚))))))ガダガダガダガダ」
ポコさんの揺れも大きくなる。
「だいぶ近づいてきたけど……なんか足音変じゃないか?」
「ですね、なんか重厚な足音が……」
ガシャ、ガシャと何か機械が足踏みしているような音がする。
「…! アレは!」
体育館の扉から大きな影が入ってきた。
重厚な鎧を身に纏った首から上の無い、文字通り首なし男が現れた。
ついでにポコさんが倒れた。
「デュラハン……でしたっけ? つい先日らいぶらり~さんが召喚したとか言ってた……。」
「だな。 ただ、らいぶらり~さんが召喚してたのとはなんだか違う気がしなくも無い。」
「まあ、出所はわかりましたね。 怪談はデュラハンが徘徊していた……それが誰かの目に触れたんでしょう。」
「ん? ああ……そういうことになるかな……?」
朧月さんは首をかしげているが、召喚されたデュラハンは大方図書館が出所だろう。
「まあ、そういうわけで―――」
両手をデュラハン向けて突き出す。
「要石さんなn
「死ねぇぇぇえええええ!」
指先から赤いレーザーが掃射される。
レーザーは一瞬にしてデュラハンに到達し、その鎧を串刺しにする。
「ちょwww いきなり何をwwww」
「さっきも言いましたが、お化け系統は死ぬほど苦手なんですよ! どこかの大食い幽霊ならまだしも、学校の怪談系とか恐怖系の幽霊は特に!」
言いながらも、レーザー掃射。
「という訳で、ビビリ損だったこのやり場の無い怒りをあのデュラハンへ!」
「八つ当たりじゃないか!」
そうとも言う。
「……ん~? あれ? 何が…なんだかSFチックなことになってる(・ω・)!」
ポコさんが起きた。 その間もデュラハンはレーザーによって蜂の巣にされていく。
「おいおいおい! デュラハンこっちへ近づいてくるぞ!」
「そりゃデュラハンは中身空ですし……ってこっちへ来てる!?」
ポコさん再び卒倒。 しばらく起きないほうがいいかもしれない。
「何の! スペルカード!」
懐からカードを取り出す。
この学園に来て一度も使っていなかったカード。
こんなところで出すのも惜しいけど、今のテンションならそんなことは関係ない!
「全人類の―――」
まっすぐ向かってくるデュラハン、既に避けるすべは無い。
「非想天!」
辺りは赤い閃光に包まれた。
【とある夏の日の次の日の話】
「……で、体育館は半壊。 いったい何をやったの?」
現在、自分は瀟洒!先生の指導を受けていた。
「いや、本来はちょっとでやめとく筈だったんですよ。 なんというか……その場のノリと勢いでやらなきゃだめかなーと思いまして……」
「それで、体育館は半分を残して焼け野原。 文字通り半壊ね。」
瀟洒!先生がナイフを構えた。 非常によろしくない。
「そ、それに最近ストレスが溜まってまして! この機会にストレス発散をしておこうかなんて……あんまりストレスが溜まると石密度に影響しますし……」
石密度、人で言うところの骨密度である。 勿論高いほど硬いが、ストレスにかなり左右される。
「それは大変ね。 じゃ、覚悟はいい?」
弁解の余地はもう無かったらしい。
しばらくの間、地面に刺さっている要石にナイフが刺さっているのが目撃された。
「でもおかしいよな、やっぱり。 体育館に出る首無し男は、確か小柄な男だったって話だったのに……」
朧月さんが、そんなことを言っていたが。 聞かなかったことにしよう。
あとがき&謝罪をする程度のスペース
本来1週間程度で仕上げるはずのSSが数ヶ月放置されてるってこと、よくありますよね~
全力で失礼しましたo,.,rz
今回出演いただいた、朧月さん、ポコさん、瀟洒!さん どうもありがとうございました~
…苦情がありましたらなんなりとo,.,.rz
ちなみに、今回登場したオリジナルスペカの性能
【全人類の非想天】
:どこぞやの天人が使う全人類の緋想天を広角で発射する荒業。
威力もがんばってそのままにしてしまったため、射程が短い。
おおよそ半径30~50メートルほどが射程圏内。 発射角は60度~180度まで
要石が持っていいスペカなのかと怪しいが、その後しばらく何もできなくなる。
回避後は割るなり投げるなりご自由に(´;ω;`)
次はちょっと趣向を変えたものをお届けしたいと思います。
ではそのときまでまた~(・ω・)ノシ
追記:リィさんに指摘されたところ修正しました~
どうもありがとうございます(´-ω-))
コメントスペース
コメント欄:
- ギャグのキレがいいなぁ。ちょこちょことくすりとしてしまう。妬ましい。しかし、誰だろうね。要石水球なんて考えた人。酷い人ね。そして、体育館が半壊とか……。出力あり過ぎw そして、射程30~50メートルは十分、射程が長いと思うよ! オリジナルはどれだけ射程長いんだ……。うん、今回も楽しませてもらいましたー! 面白かったよ! -- ドックンドール? 2009-09-03 (木) 06:10:10
- オリジナルは天界から地上に届く位の射程ですかねぇ、一瞬で無に帰したデュラハンの冥福を祈りつつ次回作を楽しみにしてます -- ファンネル@漏斗? 2009-09-03 (木) 08:21:11
- ポコさんが食べられる以外の方法でここまで面白くなるとは思わなかったwww(酷 ところで朧月さんの言ってた「集合する」って誰と・・・?まさか幽r(ry 続きも楽しみにしてます~ -- リィ? 2009-09-03 (木) 09:51:16
- 作品読んだ後にドックンさんのコメ見て更に吹いた。あなたでしょうがw ギャグがいい感じに出てて面白かったですw ポコさんめっちゃ震えとるし、なんか要石さんの体も面白いことになってるしww -- 酒飲みスーさん? 2009-09-03 (木) 13:15:28
- いやぁー面白かった!wwwSSまた書きたくなったよwそれと、いいかい皆、スーさんと俺の体の耐久ドは違うのよ?スーさんにやるようなことを俺にしてしまっていては死んでしまいます、おk? -- 朧? 2009-09-05 (土) 01:42:39
- ホラーな話(?)なのに、なんかほのぼのとイイ感じ。 ポコさんめっさ可愛いジャナイカ。 でも、連れて行った意味がないような…?w 要石さんが苦労人のイメージでもう固定されちゃったのは内緒デス。 -- 闇夜? 2009-09-27 (日) 10:18:01