諏訪子の現状(仮)

Last-modified: 2014-05-06 (火) 14:51:30

目次


本編


諏訪子「・・・空気を読んで出てきたのはいいけど・・・」
まだ朝靄(あさもや)の残る田んぼ道を、ゆっくりと洩矢諏訪子が歩いていた。
時刻は未だ辰(現在の午前八時)を刻んだばかり。
いつもの帽子を片手で整えながらため息を吐いた。
諏訪子(神奈子め・・・こっち(幻想郷)に来てから遠慮しなくなったな)
自分達のような存在(信仰の薄い神)が定着できる場所に来たのはよかったが。
どうもあの二人は私が居にくい空気を作る。
実際、早苗と神奈子が幸せになるなら自分はいいのだが・・・
諏訪子「あーっ!!やめやめ!!湖に行こうっと」
感情の落とし所に関して・・・やはり自分はまだまだのようだ。
そう感じながら足早に湖への道に歩き出した。




~ 湖 ~




チルノ「カエルを凍らせるのはやっぱりやめらねないね♪」
・・・とりあえずこの妖精を如何してやろうか・・・
カエル(ある意味ミシャグジ)に関係するこの妖精の行動は目に余る。
何度注意しても聞かないのはやはりこの妖精の性格なのだろうか。
諏訪子「・・・おい」
チルノ「あたいったら最強ね~♪」
諏訪子「おい!!」
チルノ「らんらんる~♪」
無視かこのやろう・・・坤(地を創造する能力)使ってやろうか・・・
とりあえず深呼吸。
諏訪子「おい!!馬鹿妖精!!」
声を全開にして言ってやる・・・湖全体に響いたのはちょっとやりすぎたかもしれないけど。
チルノ「?」
振り返ったチルノがこっちを見た。
・・・片手に氷漬けのカエルを持って。
チルノ「・・・ん?巨大カエルじゃない、どうかしたの?」
・・・落ち着け私、色々我慢だ、コイツ相手に本気になっても仕方ないのはよくわかったろう。
諏訪子「・・・とりあえずカエルを凍らせるのはやめろ」
チルノ「へ?なんで?」
首を傾げる馬鹿妖精。
・・・こいつ・・・本気で言ってるのか・・・
諏訪子「昨日も説明したはずだぞ?」
チルノ「?」
だめだ・・・なんか顔が引き攣ってるのがわかる。
落ち着け・・・うん落ち着こう私。
チルノ「あ!?」
諏訪子「・・・思い出したか?」
ため息をつく、とりあえずこれで話が・・・
チルノ「でっけぇー!!でっかいカエルはっけん!!」
私の体を冷たい風の様なモノが通り過ぎていく。
振り向くと先ほど馬鹿妖精の手に有ったカエルの一回り大きそうなカエルが凍っていた。
・・・うん・・・よし・・・
諏訪子「ぶっ飛ばす!!話はそれからだ!!」





・・・少女戦闘中・・・




諏訪子「てぇえええい!!」
チルノ「あいたぁ!?」
バシャーン!!
勢いよく湖に叩きつけられたチルノを見て思わずガッツポーズをとって・・・
諏訪子「っああ!?湖に叩き付けちゃだめだったぁあああ!?」
急いで辺りを見回す、カエルが辺りに吹っ飛んでいた、幸い潰れてピチューンは居ないようだ。
諏訪子「・・・よかったぁ・・・」
安堵のため息をはいた。
自分で犠牲を増やしてはただの間抜けだ。
チルノ「・・・だぁ~ずぅ~げぇ~でぇ~・・・」
諏訪子「ん?」
おかしな声に湖に視線を戻すと・・・
チルノ「だすけてぇえええーーー!!」
チルノが湖の大ガマに下半身を咥えられていた。
諏訪子「おや?起こしちゃったかな?・・・ごめんね」
敢えてチルノを無視しながら大ガマに謝った。
ここの蛙の長がこの大ガマなのだが、基本的に湖底で眠っている。
滅多なことでは出て来ないのだが、水音の衝撃で起きたらしい。
チルノ「たっけてえぇぇええ~」
半分泣きでそう言うチルノを更に無視。
諏訪子「ちょっとその妖精の悪戯が過ぎたからお仕置きしてたんだよ」
笑顔で大ガマに「もっとやれ」の指示。
大ガマ・・・喜んで続行。
チルノ「ぎゃああああ!!」
チルノ、全力で暴れだす。
その様子を見ながらなんとなく。
諏訪子(仮にも妖精の叫び声が「ぎゃあああ」って・・・)
死の概念が無いのを忘れているのだろうかこの馬鹿は?
あと少しは助けるのを遅らせよう・・・見てて面白いから。

青空にチルノの悲鳴が響き渡った。

今日もいい天気だ。




~守矢神社~




妖精を懲らしめていたら少し時間をくい過ぎた。
大ガマには適当に終わらせるように頼むと私は家に帰る事にする。
いい加減あの二人も落ち着いた頃だろう。
ゆっくり石段を登りきる。
と、なにやら言い争う声が聞こえる。
??「大丈夫ですから・・・神奈子様はここに居てください」
この声は・・・早苗か?
??「バカ言うな!!今日は大人しくしているとさっき言ったばかりじゃないか!!」
神奈子の声・・・あ~・・・うん、なんか痴話喧嘩っぽいな。
クルリと背を向けて逃げようと石段に振り返った。
早苗「・・・あっ!?諏訪子様!!」
・・・なんてタイミングで・・・
神奈子「む、諏訪子か?」
その声に振り向かざる得なくなる。
諏訪子「あ~・・・ただいま・・・」
とりあえず振り返る。
と、いきなり二人から
早苗「諏訪子様、神奈子様を説得していただけませんか?」
神奈子「諏訪子、早苗に大人しくしてる様に言ってくれ」
・・・おまえら私を巻き込むな。
ため息を吐いて、私は帽子を外しながら二人の間を抜け家に入る。
諏訪子「とりあえず話しを聞かせて、なにかを決めるのはその後で、それと」
そこで私は二人を振り返って「にこり」と笑った。
諏訪子「朝の延長の痴話喧嘩なら二人纏めて叩き出すからね?」
神奈子・早苗「!?」
私の一言に二人は顔を赤くしながら口をパクパクさせている。
とりあずこれ位やってもいいと思う。
貧乏くじを引くのは何時だって私なんだから。

注意・追記   ~ ここからは見なくても余り不便はありません ~



チルノは(冷気を操る程度の能力です)


諏訪子は( 坤(こん)を創造する程度の能力です)


追記 Ⅰ
坤創造について・・・諸説ありますがここでは「地」を操る関係程度にとどめてます
占いの坤などとは多少毛並みが違いますが元々諏訪子自身が(ミシャグジ)様
として崇められていますから個人的には此方のほうが合いますね^^


追記 Ⅱ 
チルノの能力に関して
本文中では「私の体を・・・」となっていますが実際チルノは視界に在る物なら
「その空間」単位で凍らせます
つまり冷気が発生するのは凍らせた後ですね^^;
ここらへんはわかりやすく書かせていただきました^^;



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コメント欄:

  • チルノの⑨っぷりがいいですねw元気な笑顔が想像できます! -- B.B.? 2008-08-26 (火) 00:27:19
  • 会話のテンポが良くてスイスイ読めていい感じ!私も見習わないとw -- ぬーぶら長? 2008-08-26 (火) 03:45:54
  • 俺より巧いと思うし、会話のテンポも良いと思う。後心理描写って言うのかな?それが巧いよ! (^^) -- シャンハーイ? 2008-08-26 (火) 06:49:44
  • チルノwww 蛙が無事で良かったねー。諏訪子様。軽い気持ちで読める、正にショート・ショートの鏡のような作品だ。 -- ドックンドール? 2008-09-01 (月) 15:22:15
  • 守矢神社の大黒柱で旦那はケロちゃんやなwwウチもこれぐらいのサクっと読める文が書きたいわ~ -- ぬーぶら長? 2008-09-13 (土) 17:43:32
  • 諏訪子が優しいですねぇ・・・チルノはなんか悲惨なことになってますけれどもw -- 酒飲みスーさん? 2008-10-27 (月) 16:54:07
  • 諏訪子様は苦労人のようですね~。 チルノがイメージ通りでイイ! 守矢神社は今日も平和そうですねw(?) -- オワタ☆残骸? 2008-10-28 (火) 09:33:33
  • チルノじゃなくてルーミアにしてやれよ チルノと諏訪子が闘ったら諏訪子が凍死する姿しか浮かばねえよ -- ああ? 2014-05-06 (火) 14:51:29