黄昏のネちょ学Ⅰ ~始まりの最終生徒~ 3

Last-modified: 2009-02-28 (土) 12:01:37

目次

注意書き



このSSはネちょwikiでの設定、他の方々のSSの設定、自分独自で考えた設定などが含まれております。
あらかじめご了承ください・・・・・。




もし嫌な表現が気になった方は、こちらにお知らせください。
次から気をつけるか、訂正などさせていただきます。

本編



【12】




~風香が来て一週間~




「で、夏になんでこんなことを・・・。」
「皆授業やりたいからですよ!」


熱い夏の日・・・。
普通の学校やらなんやらは休みになっているはずなんだが・・・。
何故か、生徒から授業して欲しいと言われた。
主に風香さんから。
私・・・ばんじろうは国語担当のため、国語の授業をすることになった。


「おらぁ!なんでもこいやぁ!」
「なんでも解いてみせるよぉー!」


ろりこnさんとぽきさんが叫んでいる。
なんでそんなやる気があるのだろうか・・・。
まぁ、それもこの学園のせいなのだろうか。
・・・いいかそんなこと。授業をさせるか。


「授業なんだが・・・突然言われたからなぁ。これを読んで感想かいてもらいましょうか。後、漢字勉強かねぇ。」
「全て当身してみせるッ!」
「いや、跳ね返さないでください。」


ということで、本当は夏が終わってから始めようと思っていた走れメロスの感想でも書かせることにした。
学校始まってから何させようか・・・。


「メロスは走ったー・・・」


私は、皆に走れメロスを聞かせることにしたが・・・。
ぶっちゃけいうと、この話を聞いたことある人は多いと思う。
今更聞かせてもなぁ・・・っと言っても、授業なのだから仕方ないのである。


「というわけで、これの感想を考えてください。先生はマグナムの手入れが終わったら、感想聞かせてくださいね。」
「先生ー物騒なことしないでくださいー!」
「いや、大丈夫ですよ・・・。」


AAAさんがそう言ってきたが、お構いなしに私は手入れしていた。
まぁ、使い慣れているから暴発なんかはしないから大丈夫なはずだ。
そんな感じで静かに時間が過ぎていく・・・。
生徒が一生懸命になってる姿を見るのは、いつ見ても微笑ましいものだ。






「じゃあ、聞かせてもらおうか。まずはれみうーさんから。」
「くっくっく・・・いいわよ。」


そういって、れみうーさんは席から立ち上がった。
別に立たなくてもよかったが、何も言わないことにした。


「そうね・・・メロスの血はおいしいのかしら?」
「なんだって?」
「いや、だからメロスの血は・・・。」
「んなこと知るか!」


まともじゃない感想を考えていた。
てか、吸血鬼じゃなかったんじゃなかったか・・・。


「次、ろりこnさん。」


ろりこnさんは感想を言い始める。


「友人を助けに行くところが感動しました。人質となった友人を助けるという友情はすばらしいです。」
「うん。そうですね。」


ろりこnさんはまともな回答をしてきた。
うん・・・いい生徒だ。


「ただし、人質は幼女がいいです。」


前言撤回。
やっぱり、こういう人だった・・・。
まぁ、うん。いい人なんだけどねぇ・・・。


「次、ぽきさん。」


ぽきさんは感想を言い始める。


「はーい!ずっと走り続けられるアルティメットな足と体力がうらやましかったです!」
「よし、校庭100周して来い。」


ぶっちゃけ、メロス途中で疲れてたけどな。
うん、まともな感想なさそうだ。


「次、当身さん。」


当身さんはうつむいてぶつぶつ何か言っていた。
・・・何か様子がおかしいようだ。


「はい・・・。」
「・・・どうかしました?」
「妬ましい・・・妬ましい・・・妹が結婚とかその相手の男性が妬ましい・・・ッ!!」
「もう、とことんパルスィしなさい。」


彼は、妬ましいことがあると性格が変わってしまう。
うん・・・将来が不安だ・・・。


「次、AAAさん。」


AAAさんは感想を言い始める


「はい・・・えっとですね。まずメロスがどうして王様のところにいくのに何も対策をたてずにいったのか、そこが一番疑問に思いました。よくよく考えれば、もっといい方法があったのかもしれないのに、彼はそのまま突っ込んでいた・・・そこに僕は疑問に思いましたね、次にどうして妹の結婚式があるのに・・・。」


・・・なんか小難しいことを言い始めた。
えっと・・・なんだろうか、この状況・・・。
彼はこの話に対して、とことん疑問点をのべてきた・・・。
その時間、約10分間。
結局、感想らしきところはなかった・・・。
いい生徒なんだけど・・・いい生徒なんだけどな・・・。


「次、オワタさん。」


オワタさんは感想を言い始める。


「はい、えっと・・・その・・・。メロスが諦めずに友人を助けに行く姿に感動しました。そして、王様の心を取り戻しに行くという勇気に憧れました。私もあんな風になれたらいいなぁと思いました・・・。」


まとも・・・だと・・・?


「オワタさん。」
「はい?」
「後でジュースを奢ってあげましょう。」
「え?え?ありがとうございます・・・?」


・・・何を私は言ってるのだろうか。
まぁ、まともな生徒もいるようで良かった。
病弱らしいですけどねぇ・・・。


「最後に・・・風香さん。」


風香さんは感想を言い始める。


「めでたしめでたしで良かったと思います!メロスかっこいいです!」


全力で風香さんはそう答えてきた。
うん・・・真っ直ぐなのはいいことだが、もう少しなんか欲しかったかな。
全員の感想を聞いて思った私の感想は・・・。


この学校に・・・まともな生徒はいないだろうな。


そうただただ思うだけだった。




ちなみにその後の漢字の勉強もひどかった。


「漢と書いて『かん』っていうでしょうが!」
「違う!『おとこ』っていうのが正解なんだ!」
「紫は!?『むらさき』っていうでしょう!?」
「いいや・・・普通は『ゆかり』っていうのが正解だ!」


もうどうでもよくなった。




今日もネちょ学は平和である・・・。






しかし・・・




「今日はおつかれさまです!ばんじろう先生!」
「あぁ、おつかれさまです。」


既にあたりは黄昏に染まる夕がたになっていた。
屋上で煙草を吸っていた私の元に風香さんはやってきて、笑顔でそういった。


「授業楽しかったですよ!」
「そうですかねぇ?」


普通の生徒なら授業なんて嫌がるものだと思ったが、そう言われると私は少し嬉しい気持ちになった。
黄昏に染まる空を風香さんは見ながら語る。


「いつまでもこんな日々が続けばいいのになー。」


風香さんはそんなことをつぶやいた。


「これからですよ。ネちょ学は今から生徒がどんどん増えていって・・・やがてどの学園よりも騒がしい学園になるんでしょうねぇ。」
「あはは!楽しそう!」
「そうですねぇ、大変そうでもありますが。」


あははははっと私達は笑っていた。












「本当に・・・ずっとこんな日々が続けばいいのに・・・。」












「・・・え?」
「なんでもないです!さようなら!」


そういって、彼女は走って屋上からでていった。
屋上には私だけが残った。
今一瞬、彼女から笑顔が消えていた気がするが・・・


「・・・どうしたんだろうか?」


そう独り言を呟いても、誰からも返事はこなかった。




黄昏に染まる夕日が、私を寂しく照らしつけていた・・・。
私の影が、屋上の地面にくっきりとうつしだされていた。






【13】




~風香が来て9日目~




「で・・・なんで体育をしろと?」
「楽しそうだからです!」


今日も授業をしてくれと頼んできた生徒達。
体育の授業がしたいらしい。
授業したいなんて、相当物好きですねぇ・・・。
今回の授業の体育の担当は、私とB.B.先生とグリーン先生ですることになった。


「・・・体育担当じゃないんですけどねぇ私達。」


何故、私達で体育の担当をしないといけないかというと・・・。
この学園に、まだ体育の先生がきていないからである。
校長先生がいろいろしているらしいが、しばらく時間がかかるらしい。
本当に自由な学園である・・・。


「協力おねがいしますよ。私は慣れているので、ハンデが欲しいですから。」
「まぁ、ばんじろう先生の頼みならいいでしょう。」


二人の先生に承諾ももらって、今回は特殊な体育の授業をすることになった。


「では皆さん。銃を持ちましたかー?」
「ちょ!先生!銃でなにするんですか!?」
「なにって・・・チーム対抗サバイバルバトルですが?」
「人を殺す気ですか!?」


AAAさんが凄い勢いでそうつっこんできた。
まぁ、最初はそう思うかもしれませんねぇ。


「大丈夫ですよ。中身は実弾じゃありません。ペイント弾ですよ。」


そういって、私は一発地面に向かって撃った。


ドォォォン!!


「あ、しまった。私のマグナム・・・実弾のままだった。」
「あぶねええええええええええ!?」


皆がそう叫んだ。
いかんいかん・・・生徒を殺す気か私・・・。


そう思いながら、ペイント弾を装弾した。


ドォン!!
ベシャ!


地面に赤色のペイントが飛び散った。
血の色とかけてみたが・・・まぁいいでしょう。


「これに当たった人は負け、そこで失格で見学&応援しましょう。範囲はこの校舎と校庭までです。室内に入ってはいけませんよー。チームは・・・。」


チームはこのようになった。




赤チーム:B.B. ろりこn AAA 当身 グリーン
白チーム:私(ばんじろう) 風香 オワタ ぽき れみうー




赤チームに二人先生をいれて、平等の力になるように設定した。
まぁ、平等なのかどうかは不明だが・・・。


「そして、リロード・・・つまりペイント弾の補充できるところは、この校舎と校庭に二つ設置してあります。そこからペイント弾を取るようにしてください。開始時刻は今から5分後です。」




一通り説明をおえ、質問がないか聞いてみたところ、味方が撃った弾が味方に弾が当たったらどうなるのかとオワタさんが聞いてきた。
その場合もアウトにすることにした。リアル感が少し上がった気がする。


「頑張りましょうね!ばんじろう先生!」
「くっくっく・・・私にまかせなさい・・・。」


風香さんとれみうーさんは既にやる気満々であった。
相手チームをみると、ろりこnさんとグリーン先生が薄ら笑いをしていて、殺気を向けていた気がする。


・・・私が考えたとはいえ、無事にすむといいですねぇ。






【14】




そして、ゲームが始まった。




「お・・・B.B.先生との連携チャンス!」
「行きますよ・・・AAAさん・・・。」


校庭でAAAとB.B.は偶然にも出会い、連携を組むことにした。
そこにいたオワタとぽきを狙うことにしたのだ。
AAAとB.B.は二人の周りをぐるぐると回り始めた。


「これは・・・。」
「囲まれましたねぇ・・・二人程度に。オワタさん・・・気をつけてくださ・・・。」


そういった瞬間にオワタの肩に向かって、B.B.からの射撃攻撃が放たれた。
すかさず、オワタの肩を押して弾を避けさせた。
しかし・・・。


「これがAとBのパワーだッ!」


などと意味不明な言葉をAAAが叫び、オワタに向かってすかさず射撃。
オワタの腰にペイント弾が当たってしまった。


「あぅ・・・。」
「ちぃ、オワタさんやられたか・・・。」


二人ともファファファっといいながら、ぽき達の周りをぐるぐる回っていた。
なんでこんなに息が合っているのかは不明・・・。


「アルティメットをなめるなよ・・・ッ」


ぽきさんは、身体をひねらせ・・・幽々子のようにくるくると華麗に回転し始めた。
そしてその状態から銃連射し始めた。


「ちょ!おま!?」
「おららららららららららら!!」
「無茶苦茶なことするな・・・っと。」


B.B.はいろんな経験を積んでいるためか、攻撃をぎりぎりでかわしていた・・・が、AAAはぎりぎり肩に命中していた。どこに飛ぶか分からないため、避けきれなかったのだろう。
B.B.が弾をしゃがんで避けた・・・その時。


「よぉーチェックメイトだ・・・。」


ぽきがB.B.に向けて銃口を向けていた。
回転していたはずなのに、すぐに追い詰める様は、まさしくアルティメットなのだろう。


「降参しますかー?」
「・・・まだだね。」


そういうと、B.B.は手に持っていたものをぽきに振りかけた。
砂である。


「くッ・・・!」


ぽきの射撃から逃れるために、B.B.は一度逃げ出した。
退散するのも一つの策である・・・。
だが、この判断は少しミスであった。
なぜなら・・・


「ふぅ・・・上手く逃げてくれたな。」


ぽきの銃は既に弾切れであったからである。
威嚇作戦は成功し、見事自分は生き残ることができた。


「ということで、オワタさんとAAAさんは失格ー。」
「残念・・・。」
「ちくしょおおおお!B.B.先生となら無敵だと思ったのにいいいいッ。」


残念がるオワタとAAAは失格になったのである。






【15】




校舎の範囲内の体育館近く・・・。
れみうーと当身が戦闘を繰り広げていた。
れみうーは、羽を羽ばたかせ空を飛んでいた。


「てめー!空飛ぶなんて卑怯だー!」
「くっくっく・・・悔しければ飛べばいいじゃない・・・。」


怪しげに笑うれみうーは、当身に向かって突撃しながらの射撃攻撃を開始した。
当身はそれをかわすことができなかったのか、あっけなくペイント弾に当たる。


「くっくっく、雑魚ね・・・。」
「・・・甘いな。甘すぎる。」
「負け犬の遠吠えは見苦しいわよ?」
「お前の周りは当身の世界だぜ・・・?」




ズババババン!!
ベッシャシャシャシャ!!




れみうーは大量のペイント弾を浴びていた。


「な・・・なにが・・・!?」


確かにれみうーは当身に対してペイント弾を命中させた・・・。
しかも、相手が射撃を行った記憶はない・・・。
あったのは・・・射撃が当たる前の当身ポーズ・・・。


「・・・はッ」
「うふふふ・・・そうさ・・・避けられなかったんじゃない・・・俺は当身したんだよ!!」
「な、なんだってー!?」


れみうーは再びカリスマブレイクした。
そう、当身はれみうーの攻撃を当身して、大量のペイント弾をお見舞いしていたのだ。


「く・・・完敗だわ・・・。次あったら汚名挽回してやるわよ・・・ッ」
「名誉挽回でしょうが・・・そして、完敗じゃない。おあいこさ。」
「・・・何故よ?」
「いや、俺もペイント弾当たってるから失格なんだが・・・。」


当身の足に、ペイント弾が命中しているのが見えた。
当身する際に当たったのだろう・・・。


「・・・なんで当たるの分かってて当身しようと思ったのかしら?」


そのことを当身に聞くと・・・


「俺の信念だから。」


そうかっこよく言い返したのである・・・。






【16】




「あー草刈りだるい・・・。」


あたい・・・刹那は今日も草刈りをしていた。
熱い日の中・・・ヒュンヒュンと鎖鎌が飛び交い草を刈っていた。
そんな中、とある草むらから誰かの気配を刹那は感知した。
一体誰だろうねぇ・・・。


「そこにいるのは誰だい?」
「しーーーッ」


聞き覚えのある声・・・。
ふーちゃんだねこりゃ・・・。
あたいは草むらの中にいるふーちゃんを覗いた。
ビックリした表情でこっちをふーちゃんは見ていた。


「ねぇさん!」
「ふーちゃん何してるの?」
「今、体育の授業でサバイバルバトルしてるのです!」
「・・・なにそれ?」


あたいがそう聞くと、ふーちゃんはルールの説明を楽しそうにし始めた。
・・・なかなか面白いことしてるねぇ。


「で、ふーちゃんはここに隠れてたってことねぇ・・・。」
「そうです!ステレス状態からの射撃作戦です!」


何そのスネークがやりそうな戦法・・・。
まぁ、ふーちゃんが楽しそうにしているのを見ていたら和んだから、このままにしておくことにした。


「ふーちゃん楽しそうだねぇ。」
「楽しいです!人生で一番!」
「そーなのかー・・・。」
「今までは・・・。」


そういうとふーちゃんは口ごもってしまった。
そういや、ばんじろう先生がなんか言ってたっけ。
あの話が本当だとすると、この子親がいないはずになる・・・。
いろいろ苦労してきたんだろうねぇ。


「大丈夫。これからはあたいも皆も仲良くしてくれるからねぇ。」
「・・・ありがとうございます!」
「あっはっは!」


ふーちゃんと一緒にいると楽しかった。
なんか、自分に妹ができた感覚がしたから。
いつもニコニコして楽しそうにしている姿を見ると、あたいも楽しくなったからねぇ。
これからもきっと、楽しくなるだろう。


あたいはそう思いながら、高らかに笑っていた。
今日もあたいの日常は平和である。






【17】




「あれか・・・。」


ぽきが見ていたのは、一つのダンボール箱。
そのダンボール箱はペイント弾が入っている・・・弾が補充できるようになっているのだが・・・。


「誰もいないよねぇ・・・?」


そう。
こういう場所こそ待ち伏せしている可能性があるのだ。
それを恐れ、ぽきは警戒していた・・・。
しかし、補充しないと何もできないため・・・。


「走るぞおおおおおおおおッ。」


ぽきは全力疾走でペイント弾を取りにいった。
ダンボール箱の弾を取った瞬間・・・。


「俺の実りをくらえええええええええええええええ!!」


いきなり木からグリーンが飛び出てきた。
すると、いきなり導火線らしきものがぽきの目の前にうっすらと現れた。
危険を察したのか・・・ぽきは左にステップして避ける。
そして、導火線の場所から・・・光速の速さでペイント弾が発射された。
めちゃくちゃ早い弾だった。
遥か向こう側にあった木にべちゃッっと命中した。


「ちくしょおおおおおおッ!またはずしたあああああああああッ!」
「・・・・・リロード完了。」
「あ。」




ドォン!
ベシャ!!




悔しがっているグリーンにペイント弾が命中した。
見事、ぽきはグリーンを仕留めたのであった。


「グリーン先生、仕留めたぞーッ!」


しかし・・・。


「・・・まぁ、ぽきさんもやられたからいいか。」
「ぇ?」
「背中を見なさいなー。」


ぽきが、背中を一生懸命見る・・・。
かすかにピンク色の模様が見えた。
背中には、べっちゃりとペイント弾が付着していたのである。
しかし・・・グリーンにやられたわけではなかった。


「な、馬鹿な!?なんで!?」
「そろそろでてきてもいいんじゃないかー?」


そうグリーンがいうと、後ろからザバァ!という砂が飛び散るような音が聞こえた。
ぽきが振り返ると・・・土だらけになってるろりこnがそこにいた。
ダンボール箱の近くに大きな穴があいていた・・・。


「ちょ!地面に隠れていたんですか!?」
「ふっふっふ・・・この発想はなかっただろう?」
「確かにリアルにそれされると、その発想はできねぇ!!」


グリーンとろりこnの連携により、ぽきは失格になったのであった。
ただし、グリーンも失格になってしまったのである・・・。


「すまんなぁー。私があの時仕留められたら良かったのになぁー。」
「大丈夫ですよ。実りはあてにしてませんから。」
「ありがとうよー・・・ってひどいッ!!」


暑い日の中、彼らは白熱した体育を過ごしていたのであった・・・。






【18】




「さて・・・クライマックスに近くなってきましたねぇ・・・。」


私・・・ばんじろうは、そう呟いた。
現在の生き残りは・・・。


赤チーム:B.B. ろりこn
白チーム:ばんじろう 風香


これだけになっていた。
失格者は、離れた場所から私たちの様子を見ていた。


「ばんじろーせんせーがんばれー。」


近くで草刈りしていた刹那さんも休憩してこちらの様子を見ていた。
しかし現在の状況は最悪・・・。


「さぁ・・・追い詰めましたよー。」
「ふっふっふ・・・ばんじろう先生を仕留める時が来たか・・・。」


私のマグナムは既に弾切れ・・・しかも、ろりこnさんとB.B.先生に追い詰められていた。
・・・まぁ、こっちにも作戦がありますけどね。


「さぁ!覚悟!」


ろりこnさんが銃を構えた。
きた・・・ッ!


「今だ!風香さん!」
「はい!」


刹那さんのいる近くの草むらから、風香さんが飛び出てきた。
そして、風香はそのままろりこnさんに向けて発砲した。
ベチャ!!という音と共に、ろりこnさんの手にペイント弾は命中した。
B.B.先生にも発砲したが、さすがに彼はそれを上手くかわした。


「な!?」
「くッ!!」


ろりこnさんはそのまま失格になったが、B.B.先生は風香に向かってに銃口を向けた。
しかし、私はそこで・・・。


「風香さんに攻撃はさせませんよッ!」


マグナムをB.B.先生に向けて投げた。
B.B.さんは驚いてそのまま発砲してしまったが、その弾の軌道は風香ではなく、全然違う方向に飛んでいってしまった。


「ばんじろう先生!」
「了解!」


風香が私に向かって、銃を投げてきた。
それを私は側転しながら受け取り・・・




ドォンドォンドォン!!
ベシャ!!




そのままB.B.先生に向かって三発連続発砲した。
B.B.先生は避けきれず、一発肩に当たってしまった。




私たちのチームの勝ちである。




「おっしゃあああああああ!!勝ったああああああああ!!」


ぽきさんがそう叫んだ。
れみうーさんとオワタさんも喜んでいるようだ。
私は風香さんの元に近寄った。


「よーし!よくやったねぇーふーちゃん!」
「風香さん、お手柄です。」
「えへへ・・・ばんじろう先生かっこよかったです!」


そう言った風香さんに、刹那さんと私で一緒に頭をなでなでしてあげた。
刹那さんは少し乱暴そうにして、私は優しくなでてあげた。
少し恥ずかしそうに風香さんは笑っていた。


「いやぁ・・・風香さんが隠れてるとは思わなかった・・・。」
「ちくしょおおおおおおッ!ばんじろう先生を倒せると思ったのにいいいいいッ!」


B.B.先生とろりこnさんは悔しそうにそう言っていた。
B.B.先生に対しては、私一人だったら正直勝てていたか分からないくらいの実力者であったため、今回勝てたことは私としてもうれしかったのである。


「ばんじろう先生!今日もありがとうございました!楽しかったです!」
「はい。ありがとうございます。」
「あははー!ばんじろう先生が笑ってるー!」


いつの間にか、私は自然と微笑んでいたようだ。
・・・なんか不思議な気分だった。


「あっはっは!ふーちゃんは元気だねぇー!」
「ねぇさんだってそうじゃないですかー!」


私達はずっと笑っていた。
楽しそうにずっと・・・ずっと・・・。












皆・・・・・ねぇさん・・・・・ばんじろう先生・・・・・














どうして・・・こうなっちゃったんだろうね・・・・・
















本当に・・・いつまでもこんな日が続けばよかったのに・・・・・・




















嫌だよ・・・嫌だよ・・・まだ・・・一緒にいたいよ・・・・・
















【19】




~風香が来て12日目~




うぅ・・・えっぐ・・・・・ひっく・・・ぁぐぅっく・・・




どこからか・・・泣き声が聞こえていた・・・。


私・・・ばんじろうは、その声が気になりどこから聞こえるのか探索し始めた。




ぅっぐ・・・えっぐぇっぐ・・・・うぅぅ・・・・・




既に時刻は空が黄昏に染まる時間・・・夕方である。
学校に誰もいないか、私は確認していた時だった。
そんな時・・・泣き声が聞こえてきた。
嗚咽を漏らす声が聞こえてくる・・・。




ひっく・・・ぇっぐ・・・ぁぅっぐ・・・・・・




どうやら教室からのようだ。
私は扉を静かに開けた・・・。




そこには・・・・・




「・・・風香・・・さん?」
「・・・ばんじろう・・・先生・・・・・。」




彼女はいきなり私に抱きついてきた。
そして・・・大きな声で叫び泣き始めた。








うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!








彼女に何が起こっているのか・・・私には分からなかったのである。




結局彼女は何も話さず、泣き止むと笑顔でさようならといい、帰っていった。
彼女を支えてあげられない自分に悔しさを覚えていた。


「・・・一体・・・何があったんだろうか・・・。」




誰もいなくなった教室で、私はそう呟いた。






空は・・・黄昏に染まっていた・・・。





後書き



はいー後書き大好き。後書きです。
なんか、今回長くなったねぇ・・・だけど気にしないッ!


だんだんとクライマックスに近づいています。
一体どうなってしまうのか・・・。


今回の後書きは短くここまで、あまりお喋りをするのは最後にね。
それでは次もお楽しみに・・・。




萃まる楽しき炎:酒飲みスーさん

感想スペース

コメント欄:

  • ふむ、何があったのだろう。気になりますな。しかし、ぽきさんのアルティメットは口癖なのかw 物凄い、アルティメットと言っている気がする……。そして、れみうーさん……着々とカリスマブレイクを重ねてますなw 当身さんはやたらと格好良いし。グリーンさん……どんなに弾速速くても当てられないんじゃないかと……。そういう運命なんだよとしか言えないぜ……。面白かったよ! 更新に期待! -- ドックンドール? 2009-02-19 (木) 01:22:16
  • まともな生徒に書いてくれてありがとうw ばん先生のマグナム危なすぎる…! もうどの人達もキャラ濃くて(?)すごく面白かったw そしてなんて気になる終わり方なんだろう… 続きに期待してますね。 今回も楽しく読ませていただきましたー! -- オワタ☆残骸? 2009-02-28 (土) 12:00:48