目次
注意書き
このSSはネちょwikiでの設定、他の方々のSSの設定、自分独自で考えた設定などが含まれております。
あらかじめご了承ください・・・・・。
もし嫌な表現が気になった方は、こちらにお知らせください。
次から気をつけるか、訂正などさせていただきます。
囁く声
――光が遠くへ行きそうで
――光を手で捕まえようとした。
本編
私立ネちょネちょ学園。
・生徒総数不明
・敷地面積不明
・経営体制不明
という謎の教育機関であるが、それは確実にどこかに存在している。
今日もネちょい一日がこの世のどこかで繰り広げられているのだ。
ネちょ学は・・・・黄昏色に染まっていた。
【1】~彼のつぶやき~
「うわー……そーなのか」
私の名前は酒飲みスーさん。
とある噂を聞いて、そんな言葉を口にしていた。
「あの人ともおさらばか……」
その内容とは…………
【2】~いなくなる想い~
「ぎゃあああああああああああ!!」
そういいながら、俺……てんこぬは職員室に駆け込み、勢いよく倒れた。
他の先生方が驚きながら、こっちを見ている。
一部冷たい目をしてこっちを見た先生もいましたけれども。
そして、俺の背中を誰かが思いっきり踏みつけてきた。
「うげぇふぅ!」
「……今日は何があったんだ?」
人形のような姿をした、俺のマイハニー……大江戸ハーマイオニー先生。
彼女のキュートできつめの瞳……そしてきらきらと星のように輝く彼女の髪は、俺の心を一気にゲッチュー。
マイハニー愛して……ぐふぉあ!!
「まさか、ただ踏まれたいんじゃないよな?」
「ち、違うマイハニー! 確かにそれもあるけど……あぁん!」
「じゃあなんだ? 後、気持ち悪い声出すな」
そんなデレッデレ状態な彼女に……言わなくてはならないことがあった。
「マイハニー聞いてくれ」
「なんだ?」
「俺……転勤することになったわ」
「「「「「「はぁぁぁぁああああああああああああああああああ!?」」」」」」
早朝から、職員室は騒がしかった。
もうそろそろ桜が咲く時期のことであった。
『黄昏のネちょ学Ⅱ ~さようなら教頭先生~』
~@~
「……というわけで、てんこぬ先生は今学期、転勤することになった」
「「「「「「はぁぁぁぁああああああああああああああああああ!?」」」」」」
うん。まぁ、そうなるよな。
ここは2年⑨組、担当である私が生徒達にそう伝えると、生徒全員叫んできた。
「ちょ、まじっすか!?」
「あぁ、まじっすよ」
「もう先生踏むことができなくなるんですか!?」
「あぁ、そうだな。てか、仮にも生徒が教頭を踏もうとするな」
「てんこぬ×大江戸はどうなっちゃうんですか!?」
「……そこうるさい」
生徒のさまざまな質問に対して、私は素早く対応する。
こういうことは、日常茶飯事であるからもう慣れてしまった。
それよりも、彼がいなくなる……それの方が気になっていた。
本当にネちょ学からいなくなるのだろうか。
そしたら……私は……
「それでは、出席をとるぞー……」
生徒達は、私の暗く低い声を聞くと黙ってしまった。
今思うと皆、私に配慮してくれたのだろう。
それを思うと……少し悲しくなった。
~@~
なんでこうなったんだろうなぁ……
そう俺、てんこぬは考えていた。
転勤と伝えられた場所は校長室。
もちろん伝えてきたのは、その部屋をもっとも利用している人物……校長の後悔はしていない先生だ。
――今朝、校長室の出来事
「君、今学期で転勤らしいよ」
「……は?」
いきなり俺は校長室に呼ばれ、そう言われた。
「らしいよって……」
「いやねぇ、なんかどっかのお偉いさんから連絡が来てね。今度君をそちらに転勤させろって話で」
「あれぇ~……転勤ってそんなにあやふやなものでしたっけ」
「まぁ、細かいこというとめんどい」
「校長……」
俺は薄笑いを浮かべた。
あれ~これって冗談なのかなぁ~……
俺の頭は既に内容を把握できない、内容データがパンパンになってきて、なんでこうなっているのか理解不能状態ですよ、早く誰か新しいメモリースティックを持ってきてください。
「まぁ兎にも角にも……君、校長に慣れる素質があるからねぇ」
「えぇぇ?」
「つまり、転勤先で校長ってことですよ」
……ポカーン。
なんだと。
待て待て待て待て。
俺が校長?
俺がこうちょう?
俺がKOUCHOU?
おれぇーいがぁーこぉうちょぉうぅー?
「まじっすか」
「えぇ、そのようです」
「……うぅ~ん?」
馬鹿な……本当に?
本当に俺が校長?
いつかこの学園の校長を奪ってみせる、とは思っていましたけど。
いや嘘です。本当のことじゃないよ。
転勤でしかも校長?
やっべぇ。いつから俺こんなに偉くなったんだろう。
あぁ、そうか。
俺が優しいからか!
そうか、ついにその結果がきたのか!
いやほおおおおおおおおおおおおおおおう!!
そんな混乱した俺の頭に向かって、校長先生は冷静に語り続ける。
「今学期の残り日数は一週間……急で悪いが」
「はい! 俺、頑張ります!」
「そうか。これから君の新しい人生が始まるのだ。頑張りたまえ」
「ありがとうございます!」
~@~
「失礼しました!」
そう校長先生に言い、校長室から退出した。
やった……やったぞ!
ついに俺は校長になれるんだ!
俺を校長にしてくれる人愛してる!
ネちょ学の皆愛してる!
これでこの学園とは、おさらばだ!!
――あれ?
待て、おい待てよ。
学園とおさらば?
学園とオサラバ?
学園とOSARABA?
「待て待て待て待て! おい、これってここに入れなくなるってことじゃ……」
……………………
「ぎゃあああああああああああ!!」
俺はそう言いながら、職員室に直行。
そしてさっきの職員室に話は続き、現在にいたる。
俺は、学園の外を適当にぶーらぶらしていた。
あはは……そうかー、俺はここからいなくなることになるのかー。
うわはははー、これは悪夢かー。
もはや、俺は思考はごちゃごちゃになっていた。
まるでTVゲームする時に、沢山のコードが絡まってしまって、ごっちゃごっちゃになってしまう……そんな感じである。
「あらー、きょーとーじゃないかー」
そんな時、いきなり誰かが声をかけてきた。
――刹那さんこと、せっちゃんである。
「せっちゃんー」
「なんだー」
「愛してるー」
「シネー」
そんないつも通りの会話をして、俺は話を続ける。
そういや、まだせっちゃん知らないんだっけ。
「せっちゃんー」
「今度はなんだー」
「俺、転勤することになったー」
「おぉーそーかそーか……はぁ!?」
うん。さすがせっちゃん。
少し反応が遅いところ見ると、少しおとぼけさんだなぁ。
「ぇ……ちょっと、急過ぎやしないかい?」
「んー、そーなんだよねぇ」
「なんで急に……」
「いやー、なんか校長になるとかいってるから」
せっちゃんは肩を落として、俯いてしまった。
肩が小刻みに震えてる様子が、俺の目に映った。
「あれ? せっちゃん?」
「うるせー! きょーとーシネェェェェエエエエエ!!」
「え、ちょっ……ぎゃああああああああああああ!!」
せっちゃんは、いきなり俺の素敵な輝かしい横っ腹に、正拳突き。
吹き飛んだ俺の背後に回って、俺の強靭な肉体の腹に、後ろ回し蹴り。
更に吹き飛んだ俺の背後に回って、俺の素敵な笑顔に、裏拳。
空中に吹き飛び、俺は宙から落ちてきた瞬間、俺の男気溢れる背中に、アッパー。
アッパーは、なんか手が光ってたきがするけど、なんの技だろうか……。
そして最後に掴まれて、俺の素敵な体が地面に叩きつけられてしまっ……グフゥ!!
「うわあああああああああああああああああああああん!!」
「せっちゃ……うぐふぉぉあ!!」
俺は見事なまでに、フルボッコにされ……た……
これだから、ツンデレは困ったものである。
だけど、俺は愛し続ける。
何もかも……な……
結局、俺は怪我が全然なかったのであった。
【3】~俺の愛車~
俺は学園の駐車場を歩いていた。
せっちゃんにやられてから、5日がたった。
終業式まで、後二日……それで俺はこの学園の先生を終える。
「思えばいろいろあったなぁ……ばんじろう先生にマグナムで撃たれ、泥酔先生には腹筋を崩壊させられまくって、瀟洒!先生には、沢山のナイフをもらい、B.B.先生には馬鹿にされて、狐先生は俺が弄って、らいぶらり~先生はなんか仕事手伝ってやって、喘息先生を看病してやって、ルナさんは何度もはめられて、せっちゃんには攻撃されまくって……」
「マイハニーは――」
「てんこぬせんせえええええええええええええええええ!!」
彼女の名前を言ったとたん。
俺の背後から、俺の名が聞こえた。
俺が振り向くと、そこには3人の生徒。
八雲さんと、朧さん。そして、ぱたもふさんが突っ立っていた。
そこまでだったら、まだどうでもよかっただろう。
だが、あの生徒三人の傍にいたのは……
俺の愛車……クレスタ。
「今すぐ、転勤を止めないとクレスタ破壊するよおおお!?」
そう八雲さんが叫んだ。
ま、待て待て待て!
それがいくらするのか分かってるのか?
それがどんだけ俺の相棒になってきたのか、分かってるのか?
それが……何回破壊されてきたのか分かってるのか!?
「ぎゃああああ!! お前らやめろおおお!!」
「うふふ……破壊しちゃうよー?」
「レナお姉ちゃん、やっちゃえー!」
うがああああああああああ!!
まて! 早まるな!
俺の青春! 俺の愛車! 俺の金! 俺の友情! 俺の愛! 俺の脚!
「俺の全てを奪う気かお前達いいいいいいいいいいいいい!!」
「いや、そこまでじゃないでしょうに」
「KA E SE!!」
「I YA DA!!」
やめろー! いやだー! 死にたくないー!
そんな会話と会話のぶつかり合いが、うるさく奏でていた。
ぐわああああ、クレスタあああああ、マイエボリューションクレスタアアアアア!!
「さぁ、どうするですか! てんこぬ先生!」
「ちょ! 待って! 転勤取り消しって、どうすればいいの!」
「校長先生の靴を舐めたりしたら、いいんじゃないでしょうか?」
「そんな校長先生じゃないから! そんなドSな校長先生じゃないから!」
そんなこといってる間に、八雲さんは何かを取り出した。
大江戸爆薬からくり人形……しかも、マイハニーverだと!?
あかん! それはあかん! 火柱が校舎の屋上まで上がる火力!
これはひどい! それを使おうとするなんてずるい!
だけど、マイハニーだから許す!
でも…………
「それで、俺のクレスタを破壊しないでぇぇぇえええ!!」
「ふっふっふ……」
「せめて俺にそれを投げてぇぇぇえええ!!」
「……自分より、クレスタのほうが駄目なんですか」
いたしがたない……
こうなったら、力づくで!!
俺は瞬時に転移し――
『亜空穴』
――八雲さんの持つ、大江戸爆薬からくり人形の上空に強襲する。
「な!?」
「もらったああああああ!!」
俺は手を伸ばし、大江戸爆薬からくり人形を掴み、奪い取ろうとした。
そして、掴んだと思ったその瞬間。
「あ……」
見事に大江戸爆薬からくり人形は、手から滑り落ちた。
やべぇ……!
そう思って、八雲さん達を巻き込まないと、何とかしようと思ったが……既に、八雲さんが皆を連れて、空間を移動。皆どこかへ行ってしまった。
――ただ俺一人を残して。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!」
ドカァーン!!
俺はクレスタとともに、華麗に散っていってしまった。
なんとも……おいしい結末なんだ……うぐふぅっ。
結局、クレスタは購買部のルナさんによって、買うことになった。
どんだけ金をかけさせるつもりなのだろうか……
ため息をつきながら、俺は空を見た。
空は――黄昏に染まっていた――
感想&意見スペース(後書きは全て終わってから) &aname(k1e74d89,super,full);
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