黄昏のネちょ学Ⅱ ~さようなら教頭先生~ 1

Last-modified: 2009-11-17 (火) 17:26:50

目次

注意書き



このSSはネちょwikiでの設定、他の方々のSSの設定、自分独自で考えた設定などが含まれております。
あらかじめご了承ください・・・・・。


もし嫌な表現が気になった方は、こちらにお知らせください。
次から気をつけるか、訂正などさせていただきます。

囁く声







         ――光が遠くへ行きそうで
                ――光を手で捕まえようとした。





本編



 私立ネちょネちょ学園。


               ・生徒総数不明
               ・敷地面積不明
               ・経営体制不明


 という謎の教育機関であるが、それは確実にどこかに存在している。
 今日もネちょい一日がこの世のどこかで繰り広げられているのだ。




 ネちょ学は・・・・黄昏色に染まっていた。








           【1】~彼のつぶやき~




 「うわー……そーなのか」




 私の名前は酒飲みスーさん。
 とある噂を聞いて、そんな言葉を口にしていた。




 「あの人ともおさらばか……」




 その内容とは…………








           【2】~いなくなる想い~




 「ぎゃあああああああああああ!!」




 そういいながら、俺……てんこぬは職員室に駆け込み、勢いよく倒れた。
 他の先生方が驚きながら、こっちを見ている。
 一部冷たい目をしてこっちを見た先生もいましたけれども。
 そして、俺の背中を誰かが思いっきり踏みつけてきた。




 「うげぇふぅ!」
 「……今日は何があったんだ?」




 人形のような姿をした、俺のマイハニー……大江戸ハーマイオニー先生。
 彼女のキュートできつめの瞳……そしてきらきらと星のように輝く彼女の髪は、俺の心を一気にゲッチュー。
 マイハニー愛して……ぐふぉあ!!




 「まさか、ただ踏まれたいんじゃないよな?」
 「ち、違うマイハニー! 確かにそれもあるけど……あぁん!」
 「じゃあなんだ? 後、気持ち悪い声出すな」




 そんなデレッデレ状態な彼女に……言わなくてはならないことがあった。




 「マイハニー聞いてくれ」
 「なんだ?」








 「俺……転勤することになったわ」








 「「「「「「はぁぁぁぁああああああああああああああああああ!?」」」」」」






 早朝から、職員室は騒がしかった。
 もうそろそろ桜が咲く時期のことであった。












 『黄昏のネちょ学Ⅱ ~さようなら教頭先生~』












                 ~@~






 「……というわけで、てんこぬ先生は今学期、転勤することになった」




 「「「「「「はぁぁぁぁああああああああああああああああああ!?」」」」」」






 うん。まぁ、そうなるよな。
 ここは2年⑨組、担当である私が生徒達にそう伝えると、生徒全員叫んできた。




 「ちょ、まじっすか!?」
 「あぁ、まじっすよ」
 「もう先生踏むことができなくなるんですか!?」
 「あぁ、そうだな。てか、仮にも生徒が教頭を踏もうとするな」
 「てんこぬ×大江戸はどうなっちゃうんですか!?」
 「……そこうるさい」




 生徒のさまざまな質問に対して、私は素早く対応する。
 こういうことは、日常茶飯事であるからもう慣れてしまった。
 それよりも、彼がいなくなる……それの方が気になっていた。
 本当にネちょ学からいなくなるのだろうか。
 そしたら……私は……




 「それでは、出席をとるぞー……」




 生徒達は、私の暗く低い声を聞くと黙ってしまった。
 今思うと皆、私に配慮してくれたのだろう。
 それを思うと……少し悲しくなった。






                 ~@~






 なんでこうなったんだろうなぁ……


 そう俺、てんこぬは考えていた。
 転勤と伝えられた場所は校長室。
 もちろん伝えてきたのは、その部屋をもっとも利用している人物……校長の後悔はしていない先生だ。






 ――今朝、校長室の出来事






 「君、今学期で転勤らしいよ」
 「……は?」




 いきなり俺は校長室に呼ばれ、そう言われた。




 「らしいよって……」
 「いやねぇ、なんかどっかのお偉いさんから連絡が来てね。今度君をそちらに転勤させろって話で」
 「あれぇ~……転勤ってそんなにあやふやなものでしたっけ」
 「まぁ、細かいこというとめんどい」
 「校長……」




 俺は薄笑いを浮かべた。
 あれ~これって冗談なのかなぁ~……
 俺の頭は既に内容を把握できない、内容データがパンパンになってきて、なんでこうなっているのか理解不能状態ですよ、早く誰か新しいメモリースティックを持ってきてください。




 「まぁ兎にも角にも……君、校長に慣れる素質があるからねぇ」
 「えぇぇ?」
 「つまり、転勤先で校長ってことですよ」




 ……ポカーン。
 なんだと。
 待て待て待て待て。


 俺が校長?
 俺がこうちょう?
 俺がKOUCHOU?
 おれぇーいがぁーこぉうちょぉうぅー?




 「まじっすか」
 「えぇ、そのようです」
 「……うぅ~ん?」




 馬鹿な……本当に?


 本当に俺が校長?
 いつかこの学園の校長を奪ってみせる、とは思っていましたけど。


 いや嘘です。本当のことじゃないよ。


 転勤でしかも校長?
 やっべぇ。いつから俺こんなに偉くなったんだろう。


 あぁ、そうか。


 俺が優しいからか!
 そうか、ついにその結果がきたのか!
 いやほおおおおおおおおおおおおおおおう!!




 そんな混乱した俺の頭に向かって、校長先生は冷静に語り続ける。




 「今学期の残り日数は一週間……急で悪いが」
 「はい! 俺、頑張ります!」
 「そうか。これから君の新しい人生が始まるのだ。頑張りたまえ」
 「ありがとうございます!」






                 ~@~






 「失礼しました!」




 そう校長先生に言い、校長室から退出した。


 やった……やったぞ!
 ついに俺は校長になれるんだ!


 俺を校長にしてくれる人愛してる!
 ネちょ学の皆愛してる!
 これでこの学園とは、おさらばだ!!




 ――あれ?




 待て、おい待てよ。
 学園とおさらば?
 学園とオサラバ?
 学園とOSARABA?




 「待て待て待て待て! おい、これってここに入れなくなるってことじゃ……」




 ……………………




 「ぎゃあああああああああああ!!」






 俺はそう言いながら、職員室に直行。
 そしてさっきの職員室に話は続き、現在にいたる。
 俺は、学園の外を適当にぶーらぶらしていた。


 あはは……そうかー、俺はここからいなくなることになるのかー。
 うわはははー、これは悪夢かー。
 もはや、俺は思考はごちゃごちゃになっていた。
 まるでTVゲームする時に、沢山のコードが絡まってしまって、ごっちゃごっちゃになってしまう……そんな感じである。




 「あらー、きょーとーじゃないかー」




 そんな時、いきなり誰かが声をかけてきた。
 ――刹那さんこと、せっちゃんである。




 「せっちゃんー」
 「なんだー」
 「愛してるー」
 「シネー」




 そんないつも通りの会話をして、俺は話を続ける。
 そういや、まだせっちゃん知らないんだっけ。




 「せっちゃんー」
 「今度はなんだー」
 「俺、転勤することになったー」
 「おぉーそーかそーか……はぁ!?」




 うん。さすがせっちゃん。
 少し反応が遅いところ見ると、少しおとぼけさんだなぁ。




 「ぇ……ちょっと、急過ぎやしないかい?」
 「んー、そーなんだよねぇ」
 「なんで急に……」
 「いやー、なんか校長になるとかいってるから」




 せっちゃんは肩を落として、俯いてしまった。
 肩が小刻みに震えてる様子が、俺の目に映った。




 「あれ? せっちゃん?」
 「うるせー! きょーとーシネェェェェエエエエエ!!」
 「え、ちょっ……ぎゃああああああああああああ!!」




 せっちゃんは、いきなり俺の素敵な輝かしい横っ腹に、正拳突き。
 吹き飛んだ俺の背後に回って、俺の強靭な肉体の腹に、後ろ回し蹴り。
 更に吹き飛んだ俺の背後に回って、俺の素敵な笑顔に、裏拳。
 空中に吹き飛び、俺は宙から落ちてきた瞬間、俺の男気溢れる背中に、アッパー。
 アッパーは、なんか手が光ってたきがするけど、なんの技だろうか……。
 そして最後に掴まれて、俺の素敵な体が地面に叩きつけられてしまっ……グフゥ!!




 「うわあああああああああああああああああああああん!!」
 「せっちゃ……うぐふぉぉあ!!」




 俺は見事なまでに、フルボッコにされ……た……
 これだから、ツンデレは困ったものである。
 だけど、俺は愛し続ける。
 何もかも……な……




 結局、俺は怪我が全然なかったのであった。








           【3】~俺の愛車~




 俺は学園の駐車場を歩いていた。
 せっちゃんにやられてから、5日がたった。
 終業式まで、後二日……それで俺はこの学園の先生を終える。




 「思えばいろいろあったなぁ……ばんじろう先生にマグナムで撃たれ、泥酔先生には腹筋を崩壊させられまくって、瀟洒!先生には、沢山のナイフをもらい、B.B.先生には馬鹿にされて、狐先生は俺が弄って、らいぶらり~先生はなんか仕事手伝ってやって、喘息先生を看病してやって、ルナさんは何度もはめられて、せっちゃんには攻撃されまくって……」






 「マイハニーは――」
 「てんこぬせんせえええええええええええええええええ!!」




 彼女の名前を言ったとたん。
 俺の背後から、俺の名が聞こえた。


 俺が振り向くと、そこには3人の生徒。
 八雲さんと、朧さん。そして、ぱたもふさんが突っ立っていた。
 そこまでだったら、まだどうでもよかっただろう。




 だが、あの生徒三人の傍にいたのは……
 俺の愛車……クレスタ。




 「今すぐ、転勤を止めないとクレスタ破壊するよおおお!?」




 そう八雲さんが叫んだ。
 ま、待て待て待て!
 それがいくらするのか分かってるのか?
 それがどんだけ俺の相棒になってきたのか、分かってるのか?
 それが……何回破壊されてきたのか分かってるのか!?




 「ぎゃああああ!! お前らやめろおおお!!」
 「うふふ……破壊しちゃうよー?」
 「レナお姉ちゃん、やっちゃえー!」




 うがああああああああああ!!
 まて! 早まるな!
 俺の青春! 俺の愛車! 俺の金! 俺の友情! 俺の愛! 俺の脚!




 「俺の全てを奪う気かお前達いいいいいいいいいいいいい!!」
 「いや、そこまでじゃないでしょうに」
 「KA E SE!!」
 「I YA DA!!」




 やめろー! いやだー! 死にたくないー!


 そんな会話と会話のぶつかり合いが、うるさく奏でていた。
 ぐわああああ、クレスタあああああ、マイエボリューションクレスタアアアアア!!




 「さぁ、どうするですか! てんこぬ先生!」
 「ちょ! 待って! 転勤取り消しって、どうすればいいの!」
 「校長先生の靴を舐めたりしたら、いいんじゃないでしょうか?」
 「そんな校長先生じゃないから! そんなドSな校長先生じゃないから!」




 そんなこといってる間に、八雲さんは何かを取り出した。


 大江戸爆薬からくり人形……しかも、マイハニーverだと!?
 あかん! それはあかん! 火柱が校舎の屋上まで上がる火力!
 これはひどい! それを使おうとするなんてずるい!
 だけど、マイハニーだから許す!
 でも…………




 「それで、俺のクレスタを破壊しないでぇぇぇえええ!!」
 「ふっふっふ……」
 「せめて俺にそれを投げてぇぇぇえええ!!」
 「……自分より、クレスタのほうが駄目なんですか」




 いたしがたない……
 こうなったら、力づくで!!


 俺は瞬時に転移し――


 『亜空穴』


 ――八雲さんの持つ、大江戸爆薬からくり人形の上空に強襲する。




 「な!?」
 「もらったああああああ!!」




 俺は手を伸ばし、大江戸爆薬からくり人形を掴み、奪い取ろうとした。
 そして、掴んだと思ったその瞬間。




 「あ……」




 見事に大江戸爆薬からくり人形は、手から滑り落ちた。
 やべぇ……!


 そう思って、八雲さん達を巻き込まないと、何とかしようと思ったが……既に、八雲さんが皆を連れて、空間を移動。皆どこかへ行ってしまった。
 ――ただ俺一人を残して。






 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!」






 ドカァーン!!






 俺はクレスタとともに、華麗に散っていってしまった。
 なんとも……おいしい結末なんだ……うぐふぅっ。






 結局、クレスタは購買部のルナさんによって、買うことになった。
 どんだけ金をかけさせるつもりなのだろうか……




 ため息をつきながら、俺は空を見た。






 空は――黄昏に染まっていた――







感想&意見スペース(後書きは全て終わってから) &aname(k1e74d89,super,full);

コメント欄:

  • クレスタ爆破はもう…悲劇じゃなくて、喜劇になってるww そして何気にクレスタを何台も買い替えられる経済力がスゴイ; てんぬさん、みんなに凄く愛されてるなぁっていうのが伝わってきました。(伝え方はどうあれw) -- オワタ☆残骸? 2009-04-24 (金) 08:36:59
  • 車田落ちですね。わかります。というか、車田落ちまでして無傷とか。どれだけ丈夫なの。そして、大江戸さんver.の大江戸人形は……これ出てきたの、絶対、てんこぬさんの感想が原因な気がする。うん、言わせたくなるよね。マイハニーなら許すって。 -- ドックンドール? 2009-07-30 (木) 19:45:37