黄昏のネちょ学Ⅱ ~さようなら教頭先生~ 2

Last-modified: 2009-07-30 (木) 19:46:11

目次

注意書き



このSSはネちょwikiでの設定、他の方々のSSの設定、自分独自で考えた設定などが含まれております。
あらかじめご了承ください・・・・・。


もし嫌な表現が気になった方は、こちらにお知らせください。
次から気をつけるか、訂正などさせていただきます。

本編



           【4】~体育館倉庫の牢獄~




 彼女はただひとり泣いていた




 彼がいなくなることが悲しくて




 彼が遠くにいってしまうのが怖くて




 彼の声が聞けなくなると思うと切なくて




 彼に八つ当たりできなくなるのが寂しかった






 私は素直になれない




 なら、私の方法で彼を止めよう




 例えそれが駄目だったとしても




 何もしないよりかは、ましだから






 私は、彼のことが好きだから






 彼女はただひとり泣いていた






 彼女は――彼のことを愛してる






                 ~@~






 「「てんこぬ先生いいいいいいいいいいいいい!!」」




 クレスタが破壊された次の日。
 つまり、俺がこの学園に居られるのは、後2日。
 終業式は明日である。
 生徒達は、今日は今学期最後の授業にだれている頃だろう。
 終業式の準備のため、体育館で準備をしていた。


 そんな様子を、俺は体育館の外から眺めていると、誰か二人が叫んで……いや。発狂して、俺に飛びついてきた。


 狐先生と泥酔先生である。




 「ねぇ! てんこぬ先生本当にいってしまうかーーーー!?」
 「え、えぇ」
 「ちょ! うえぇ! まじですか!?」
 「えぇ……てか、嘘だと思ってたのですか?」




 うん。っと二人とも声をそろえていう。
 相変わらずだなこの二人は……
 しかし――二人とも涙を流していた。
 俺のために、涙を流してくれるなんて、光栄なことだ。
 俺が優しくしてきた結果だね、マジ俺パネェ!




 「まぁ、まだ明日もありますけど……今まで二人ともありがとうございました」
 「ちょ! えぇぇ……いやだー! いくなー! 馬鹿ー!」
 「あははははー! そーだーーーーーいくなーーーー!」
 「そんなこといわれましてもねぇ……」




 そう困ったように言うと、泥酔先生が私の体から離れた。
 真剣な目つきで、こっちを見つめてくる。




 「まぁ、そうだね。てんこぬ先生、あっちでもがんばれよーーーー!」
 「あ、はい。ありがとうございます」
 「うえぇぇ……あーもー! あっちでも頑張ってくださいよ! てんこぬ先生!」
 「分かりました。ちんちくりん。あなたも頑張ってくださいよ」
 「ふぁっく!」




 そういうと、二人とも走り去っていった。
 狐先生はそのまま姿が見えなくなったが、泥酔先生は、どこかの医者の姿をした養護教諭に追いかけられている。
 また何かやらかしたのだろうか……あ、埋められてる。


 そんな様子を眺めていると、誰かに背中をつつかれた感覚。
 振り返ると、誰もいなかった……と思ったら、背が低くて気づかなかっただけだった。
 見下ろすと、ルナさんがそこにいた。




 「あぁ、ルナさん。昨日はクレスタをどーも」
 「にゅふふー。あれぐらい朝飯前ですよー」




 怪しげな笑みを浮かべるルナさん。
 おぉ、こえぇこの幼女……
 そんな怪しげな感じといっても、幼女体系のせいで怪しげ感が少し減少していますぜ、奥さん。




 「ところで、てんこぬ先生」
 「はい?」
 「少し、体育館倉庫にトラップツールを取りに行って欲しいのです」




 トラップツール……
 なーんか、生徒達の話題で聞いたことある気がするな。
 気のせいだろうか?




 「あぁ、分かりました。すぐに取りに行きますよ」
 「はーい、じゃーこれ鍵なのですー」




 そういうと、妙にでかい鍵を渡された。
 なんか、体育館倉庫に勝手に侵入する輩がいたため、大きな錠前に変えたらしい。
 まぁ、この学園の体育館倉庫なら、何入ってるか分からんからなぁ……


 俺は鍵を受け取り、体育館倉庫に向かって、歩を進めた。






                 ~@~






 ガチャン……
 鍵が開く音と共に、俺は体育館倉庫の中に侵入。


 体育館倉庫は、体育館の外のすぐ隣。
 結構大きな建物のことである。


 だが……辺りは狭い。
 というよりも、物が多すぎて全然スペースがないというのが正しいだろう。
 ごっちゃごっちゃ状態で、何がなんやら訳が分かんないことになっている。




 「これは……見つかるかなぁ」




 俺は片っ端から探すことにした。
 仕方ない、頼まれたものは最後までしないといけない。
 それに俺ももうすぐ校長だ。
 人に優しくしないとねぇ。
 俺どんだけ優しいんだ。やっべぇ。


 ガサゴソと俺は探し始める。


 バスケットボール、バット、釣り道具、学園祭で使った棺おけ、瓢箪、アイスソード、銃、ヘルメット、火薬、PAD、白楼剣、お賽銭箱、マーニ・カティ、ヴォルフバイル、Mのマークのついた赤い帽子、マスターソード、リング、麦わら帽子、GTロボ、エクスカリパー……などなど




 あれぇ……なんでこの世に存在しなそうなやつがここにあるんだ?
 まぁ、そんなことは関係ない。
 なんやら、緑の箱らしきものが見えた。
 ご丁寧なことに、箱の外にトラップツールと書かれている。




 「やっとか……疲れた」




 俺はトラップツールを持って、外にでることにした。






 ………………………………






 「あれ?」




 そこで、違和感に気づく。
 一体何があったのかというと……




 ――扉が開かない。




 「え? え? マジで? 閉じ込められた? うそん!?」




 おかしいって、確かに俺は今鍵を持っているのに……
 あ、もしかして鍵なくても閉められるやつだったっけ!?
 錠前、もしかして外に置きっぱなしだったっけ!?




 「やべぇ!! これ閉じ込められた!!」




 おおおおおおおおちつけ俺!
 きっと誰かが助けてきてくれるはずささささささ!




 「誰かあああああああああああああ!!」




 ………………………………




 しーんっと音が聞こえそうなほどの静けさである。
 近くに誰もいなそうである。


 他に脱出できるルートを探してみた。
 すると、一つの窓があった……が、柵がかかっており、出られそうにない。
 こいつはひでぇ……ってあれ?




 「なんだこれ?」




 一つの紙切れが、窓の傍に落ちていた。
 なんか書かれているようだ。
 それを俺は取ると、紙に記された文字を読む。




 「『てんこぬ教頭。これは警告だ。今すぐ転勤を止めろ。さもないと、ここから出すことは許しはしない……』」




 あれ? 脅迫状?
 あれ? そんなに俺転勤しちゃいけないの?
 なんで俺こんなめにあってるの?
 俺そんなに校長になっちゃいけないの?
 超理不尽なんだけど。
 てか、どうやって相手に転勤止めるって報告するの?
 こっからでられないんだぜ?
 あ、やべ、涙でてきた。


 頭の中でこんがらがって、そんなこと考えていたが、ずっと考え込むわけにはいけない。
 どうにかして脱出しなければ……


 普通に脱出することは不可、人間の力で脱出することは不可。
 ん~……せめて、霊夢みたいな技があればなぁ……




 「あ、そうだ。扉ぶっ壊せばいいじゃん。俺頭いいな」




 そうさ、能力があるんならそんなこと楽勝。
 さっそくやろう。喰らえ俺の技。


 俺は扉に向かって構える。
 左手で右手の手首を掴み、右手に力を溜める。
 右手が青く光る。




 「ふぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!」




 宝具『陰陽鬼神玉』




 そして右手を扉に向け、青い大きな玉を発射した。
 メキメキっと、扉は壊れ、体育館倉庫に光が差し込んだ。
 よっしゃー、脱出成功ー!


 うわはははー! と言いながら、俺はルナさんの元にトラップツールを持っていった。






                 ~@~






 「で? 何してるのですかあなたは」
 「すみませんでしたぁぁぁぁぁあああああ!!」




 俺は、瀟洒!先生に得意技の土下座を繰り広げた。
 その土下座は、神をも超越する。完璧な土下座であった。
 この土下座で、修羅場を幾度も乗り越えてきた。
 マジでこれがなかったら、死んでいたかもしれん。


 しかし、怒ってる瀟洒!先生も美しい。
 マジで愛してる!




 「ともかく、修理はすぐにします。あの中のものを生徒が取っていったらどうするんですか?」
 「はい……本当に危険物質の塊でした」
 「分かればよろしい。ちなみに修理費はあなたから払ってください」
 「マジッすか!?」
 「何か文句でも!?」
 「ありません!! すみませんでしたあああああああああ!!」




 また私の生活費が減る。
 まぁ、沢山持ってるからまだよかったけど、結構痛い……


 瀟洒!先生はそういうと、許してくれたのだか、どこかへ行ってしまった。
 さすが俺の土下座。誰にも負ける気がしねぇ。
 てか、あの時。普通に亜空穴で脱出すればよかったなぁ。俺のアホー。でも愛してるー。


 そんなことはどうでもいい。
 俺は再びルナさんの元へ向かう。






                 ~@~






 「え?」




 俺は、今回の犯人であろうと思う人を問いただしていた。




 「だから、この脅迫状。あなたのいたずらでしょう!?」
 「し、知らないですよ!」
 「じゃあ、なんで俺が閉じ込められてるんですか!? ルナさんしか知らないでしょうに!?」
 「でも、教頭は錠前を外に置きっぱなしだったのなら、誰でも犯行は可能です! 私は違うです!」




 アルェ~?
 普段なら、小悪魔のごとく笑いながら、引っかかったのですとかいうと思ったのだが……
 ルナさんじゃないだと?
 じゃあ、一体誰なんだろうか。




 「とにかく私じゃないです! 信じてくださいなのです!」
 「あぁ……うん。分かった。そこまでルナさんが言うなら、違いそうですねぇ」




 じゃあ、誰なのだろうか……?
 謎は深まるばかりである。
 俺は空を見ながら、考えることにした。






 空は――黄昏に染まっていた――









感想&意見スペース(後書きは全てが書き終えた後に) &aname(cdccc170,super,full);

コメント欄:

  • 冒頭のセリフは誰なんだろ…。 てんぬさんらしさ(?)がでてて、良かったですよb セリフと思考が面白くて、ツボってしまうww -- オワタ☆残骸? 2009-04-24 (金) 08:59:06
  • てんこぬさん、愛が溢れ過ぎだぜ……。しかし、あれだなぁ。体育館倉庫、カオス過ぎる。どこから、そんな物を持ってきているんだろう……恐ろしい。ところで、優しくしてきたと言っていたけど、狐さんに関しては弄っていたんじゃなかったのか……。優しく弄っていた……? -- ドックンドール? 2009-07-30 (木) 19:46:11