黄昏のネちょ学Ⅱ ~さようなら教頭先生~ 3

Last-modified: 2009-07-30 (木) 19:46:49

目次

注意書き



このSSはネちょwikiでの設定、他の方々のSSの設定、自分独自で考えた設定などが含まれております。
あらかじめご了承ください・・・・・。


もし嫌な表現が気になった方は、こちらにお知らせください。
次から気をつけるか、訂正などさせていただきます。



本編



            【5】~転勤阻止上等~




 空が黄昏に染まる頃。




 今日が彼を止める最後の時間。




 明日になれば、とめる暇もなくいってしまう。




 昼に終業式。夜には宴会。




 人がいる中、止めることなどできやしない。




 止めるなら、多分何もない今日が最後の日。




 私は止めてみせる。




 沢山の仲間を操ってでも。




 彼を止めてみせる。






                 ~@~






 さて……
 今日も教頭としての仕事を終えようとしていた。
 既に、時計の針は4時を指し示している。


 もうそろそろ俺も、家に帰る時間である。
 今日で仕事終わり。
 転勤するため、引越しの準備もしなければならない。
 さて、明日の終業式で何言おうかねぇ……


 この学園は、過去に転勤した先生が存在しない。
 急遽、俺が転勤する羽目になったため、終業式と共に辞任式もするらしい。
 今まで転勤した先生がいないっていうのもねぇ……


 ありがとうネちょ学!
 さらばネちょ学!
 俺は旅立つぜネちょ学!


 そうやって、俺は明日。
 ネちょ学を背にかっこよくクールにさっていくぜ!








 ドゴォーン!!




 「!?」




 俺は、とっさに空を飛んで攻撃を避けた。
 何故空を飛んだのか……空を飛びたかったからだよ。
 嘘です。なんか知らないけど、後ろから殺気がプンプンしたからです。
 何だろう……めっちゃ今避けないと死ぬ気がした……




 「きょーとー……」




 俺は恐る恐る、背後を振り返り、上空から声の主を見下ろした。


 …………見なければ良かったかもしれない。


 鬼の形相をしたせっちゃんがそこにいた。
 いや、あれは吸血鬼の形相か? それとも吸血姫の形相か?
 あぁ、分かった。
 これは冥王時の形相だ。うん。
 これは怖い。恐ろしい。ごめんなさい。
 俺が悪かったです。てんこぬが悪かったです。
 てか、俺何したっけ?


 しかも、せっちゃんだけではない。


 当身さんに、れみうーさん。
 ぽきさんもいて、更にはさばさんがいた。




 …………なんだこのルナ級以上のメンバーは。




 「こらああああきょおおおとおおお! 今すぐ転勤をやめなさああああい!!」




 ちょ? え?
 また!?
 またなのかよおい!?
 どんだけ転勤させたくないんだ俺を!?


 いやさ! 俺もここいたいよ!?
 でもさ、校長だぜ! 校長!!
 このチャンス逃すわけにはいかないだろ!?
 諦めるために、校長の靴を舐める訳にもいかないだろ!?
 てか、校長そんな人じゃないし!!




 「やめないと……俺達が相手します」
 「ちょ!? 当身さん!?」
 「悪いが、カレーのためだ。やられてください!」
 「だが断る!!」
 「校長なんて……許さん!!」
 「俺、そんなになっちゃ駄目なのかよ!?」




 うがああああああああ!!
 なんなんだおいいいぃぃぃぃぃぃ!!


 イライラがつのってきた俺。
 ストレスを溜めさせない下さい。
 はげてしまったら、どうするんですか?
 え、もうはげてるって?
 はげてねーよ!!


 頭の中で、一人コントする俺に向かって、さばさんはナイフを大量に投げてきた。
 いきなり攻撃かあああああああ!!




 俺は、目の前に霊力の壁を作り出す。
 青く光り輝く霊力の壁は、俺へのナイフの攻撃を遮る。


 その瞬間、当身さんの持っている刀が青白く光る。
 うおおぉぉぉ!?
 それって、グレイズ不可の……




 断迷剣『迷津慈航斬(めいしんじこうざん)』




 「ぐおおおおおおおお!?」




 瞬時にもっと空高く飛んで、ぎりぎり避けた。
 ガードしても良かった気もするけど、まぁいいや。
 ここまで来れば、相手の攻撃も……




 「――って、唐辛子きてるううううううううううう!!」
 「唐辛子っていうなあああああああああ!!」




 れみうーさんは、唐辛子……
 というか、レミリアの射撃を繰り出し、俺を打ち落とそうとする。
 それをひょいひょいと避ける避ける、華麗に避ける。
 馬鹿め!
 そんな攻撃当たると思ったか!?
 53万年早いわ!! 馬鹿め!!


 そう思っていて、避けに集中していると、誰かがいることに気づく。
 ……ってあれ?
 ここ大空なのに、何で人の気配が……




 「はろ~」
 「あら? あぁ、ぽきさんですか。こんばん……あるぇぇぇぇえええ!?」




 ぽきさんが、俺の隣でふよふよ浮かんでいた。
 彼女はくるりと体を縦回転させ、妖気を纏った蝶々が俺のビューティフルボディに直撃した。
 ガッっという音と共に、地上に落下していく。
 地面に叩きつけられ、俺の体が、ビキビキと痙攣をする。




 「いったぁ~……」




 ザッザッザッ




 誰かが、俺に近づいてくる足音が聞こえる。
 そして、俺の首に鎌が備えられた。
 ぎゃーーー!! やめてくれーーー!!




 「さぁ、どうするんだい? きょーとー?」
 「く……仕方ない」




 こうなったら、諦めるしかないか。
 俺は諦めることにした……さすがに5対1はねぇよ……








 「と、諦めるかと思ったか馬鹿め!!」








 俺は手に持っている霊撃を使い、せっちゃんを吹き飛ばした。
 ふはは! いくぞ!! 俺の戦闘力底上げ!!




 「ふぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!」




 第一、第二形態!!




 上半身の服が破れ、筋肉がムキムキになる。




 第三形態!!




 俺の素敵な笑顔が姿を現す。




 最終形態!!




 「これが俺の最終形態です……」




 スタイルがよくなり……イケメンてんこぬが現れた。




 「ぐわあああああ! 誰だあんたああああ!?」
 「失礼な! 俺ですよ!!」
 「イケメンオーラがががががががががが!!」
 「そんなに俺、この状態と違うのか……?」




 うん、いや。
 イケメンてんこぬはその……まぁ、俺らしくはないと思うけどさ。
 てか、通常でもイケメンだよ。
 なんでそんな反応するんだ!!




 「勝てる気がしねぇ……」
 「なんかきょーとーらしくなくて、攻撃できないのです~……」




 あれ……戦う前に戦意喪失してしまった。
 なんか助かったけど、なんか嫌な気分でいっぱいなんだが!!


 なんかいきなり戦意喪失させられたので、普通の姿に戻ることにした。
 あぁ、分かった。
 通常時はキュートで可愛いってことですね。
 さすが俺だ。




 「さぁて、せっちゃーん」
 「うがぁ……」
 「そこまで俺を止めたいんですか……」
 「……いやぁー。頼まれたって言うのもあるかねぇ」




 ん~?
 あれ~、頼まれたってなんだ……




 「きょーとー……あの脅迫状見て、分からないのかい」




 あの手紙って。
 俺はポケットの中から、さっきの脅迫状を読み返した。




 ――あぁ、そういうことか。




 「ごめん。あたい達も、教頭がこの学園から出て行ってもらうの嫌だからさ……」




 弱々しい声で、そうせっちゃんは呟いた。
 他の、4人もどうやら、同じ気持ちだそうだ。
 そして、多分この脅迫状の主も。




 今読み返して、分かった。
 てか、なんですぐに気づかなかったのだろうか。
 頼まれたってことは、近くにいるはず……




 ――そう、彼女が






 「マイハニー。もうでてきなさいな」






 すると、俺の背後の草むらから、ざわざわっと葉がこすれる音がした。
 振り返ると大江戸さん……マイハニーがそこにいた。
 しかめっ面で、こっちをみようとしなかった。




 「ここではなんですか、屋上で話しましょうか」
 「……ぉぅ」




 マイハニーは、いつもより覇気のない声でそう呟いた。
 やれやれ……困ったものだ。


 俺達は、二人っきりで屋上へ歩を進めた。






 空は――黄昏に染まっていた――











感想スペース(後書きは書き終えた後に)

コメント欄:

  • うん。誤字ありました。てか、靴と口の間違いってひどい・・・w 訂正しましたー。 -- 酒飲みスーさん【筆者】? 2009-04-07 (火) 15:55:18
  • 黒幕は大江戸先生だったのかぁ…。 直接言わないで、周りを使って転勤阻止の状況を作り出そうとするやり方…分かるんだけど、スゴク気持ち分かるんだけど… やっぱり素直にならないとね、うん。(←何を偉そうに 大江戸さん × てんぬさんのやりとりを勝手に想像してニヨニヨしつつ、続きにいきますね (^_- -- オワタ☆残骸? 2009-04-24 (金) 10:36:59
  • あー、うん、黒幕は大江戸さんかー(棒読み) 誰だろうねー(棒読み) 最初にてんこぬさん×大江戸さんなんてものを考えたの(棒読み) しかし、てんこぬさん、フリーザか何かですか。しかも、イケメン化するだけで、戦意喪失するって……。どれだけ衝撃的なんだ……。 -- ドックンドール? 2009-07-30 (木) 19:46:49