Last-modified: 2009-07-30 (木) 19:48:37

目次

注意書き



このSSはネちょwikiでの設定、他の方々のSSの設定、自分独自で考えた設定などが含まれております。
あらかじめご了承ください・・・・・。


もし嫌な表現が気になった方は、こちらにお知らせください。
次から気をつけるか、訂正などさせていただきます。

本編



                   【3】~地上に在る星~




「サイン、コサイン、タンジェント。そしてこの問題ですが――」




 あれから数日後。
 ここはネちょ学。
 既に4時間目の授業であり、私は2年⑨組で数学を教えていた。
 私は数学に関しては色々と博識だったためか、学園についてすぐ採用される。
 そして今、生徒に数学を教えているのだが……。


 やはり数学は難しいものなのだろう。
 欠伸をする生徒、居眠りをする生徒、コソコソと話をする生徒などなど少数いた。
 あまりにも酷い時は注意するが、そこまでない時は授業のリズムを崩したくはないため、無視して教え続ける。




「ではゆか眠さん。これはなんですか?」
「……ふぇ?」




 わざと居眠りをしていたゆか眠さんを私は指名した。
 さて、どう答えるか……?




「あいらいくいんぐりっしゅ~?」




 うん。
 まず教科からちげぇよ!
 何で数学してるのに英語で答えたし!




「ゆか眠さん。まず頭のベクトルの向きを変えなさい。教科は数学です。英語じゃありませんよ?」
「ふぁ~ぃ……」




 どっと教室に笑いが溢れた。
 まったく……教えてる身にもなってほしいものです。
 楽しくていいとは思いますけれどもね……。


 キーンコーンカーンコーン……。


 っと。
 そんなこと言っている合間に、授業終了のお知らせ。
 チャイムがネちょ学に響き渡った。




「今日はここまで。皆さんおつかれさまでしたー」
「「「「「ありがとうございましたーッ」」」」」




 生徒が皆声をそろえて挨拶をする。
 うん、元気でいいことだ。
 私は教材を取って、2年⑨組の教室からでていった。
 その瞬間。




「おっしゃああああああああ飯だああああああああ!!」




 と、誰かの声が聞こえてきたのはいつものこと。
 今日もネちょ学は平和である。




                       ~@~




 昼食時間。
 私は食堂でとんかつ定食を頼んで食べることにした。
 食堂には私以外にも、沢山の生徒や数人の先生方がいる。
 特に目に付く人は……。




「カレーまじうめぇ!!」




 と言いながら、凄く美味しそうにカレーを食べているさばさんの姿。
 本当に美味しそうに食べている。
 不思議とカレー食いたくなった……が、今日はとんかつ定食。
 目の前に美味しそうなとんかつ。
 白いご飯に、味噌汁に漬物。
 早速食べようと、割り箸を割った。




「おー。びーびーさん。とんかつかぁー」




 いただきますといって、とんかつ食べようと思った時。
 いきなりれみうーさんがやってきて、こっちに近寄ってきた。




「ウチもここで食べてもいいー?」
「あぁ、いいですよー」




 そういうとれみうーさんは、私の前の席に座った。
 れみうーさんの昼食は……ハンバーガー3個。
 それに紙パックの紅茶だった。




「体に悪そうなもの食べますねー……」
「ぇー。おいしいじゃん♪」
「まぁ、そうですけれども。ちゃんとしたものも食べないと、栄養バランスが崩れますよ?」
「それはそうだけどさー。美味しいの食べると幸せになれる~」
「……まぁ、それはそうとして」




 私は今の会話した中で、れみうーさんのした行動に対して指をさした。
 それは……れみうーさんが飲もうとしている紅茶の紙パック。
 飲み口の入り口に入れているもの。




「ストロー……逆ですよ」
「……ぁ」




 れみうーさんは、ストローを逆さに紙パックに差し込んでいたのである。
 相変わらずのドジっ子っぷりだ。




「ドジっ子っていうなあああああああああああ!!」




 誰も口に出していっていないのですが……。
 そう突っ込もうと思ったが止めた。
 私が微笑んでるのを見て、うぼぁー……っとれみうーさんは呟く。
 相変わらず不思議な力を持った子だ。
 皆を和ましてくれる。




「ところでびびさんー」
「なんですか?」
「――星。見つかった?」




 私はそれを聞いた瞬間、箸の動きが止まった。
 ……あれからずっと星を見続けている。
 ずっと探し続けている。
 でも……。




「まだ……見つかってません」
「……そーなんだ」
「まぁ、こんなことしてる私って……やっぱりおかしいですかね?」




 死んでしまった人は星になる事を信じ、そして星になってしまった人を探し続ける。
 正直、常人ではない行動かもしれない。
 虚偽に近い言い伝えみたいなものなのに、それでも私は探し続けている。
 答えは……本当に見つかるのだろうか?




「おかしくないと思うよ」




 れみうーさんが、そう私に言う。
 彼女にしては何時にも増して、真面目な声に聞こえた。
 そして、私を真剣な表情で見つめてくる。




「そうですかね……?」
「もし、おかしいって笑ってくる人がいたら、ウチがその人をぶん殴ってやるっ」
「いやいや……そこまでしなくても」
「人が真剣にやっていることを、馬鹿にできるわけないじゃんっ」




 …………。
 ありがとうれみうーさん。
 彼女なりに、私を慰めてくれたのだろう。
 私、まだ頑張れる気がしてきたよ。


 今夜も探そう、私の求めている星を。
 何かが、見つかる気がするから。




 地上には、こんなにも立派に輝く星が在った。
 ネちょ学の生徒、ネちょ学の先生。


 地上で輝き続ける星。
 私はもうそれは見つけていた。
 暖かい星。ずっと手放しくない星だ。


 だから、探そう。
 私の求めている星を探そう。
 愛すべき父さんと母さんを探そう。




 ――今、父さんと母さんはどこにいるのですか?







感想スペース

コメント欄:

  • ………れみうー嬢に………今………カリスマが………! -- ファンネル@漏斗? 2009-05-30 (土) 01:32:46
  • B.B.先生…、なにもおかしくなんかないさ~。 たとえ他人から見たら無意味なんじゃないかと思える行動でも、自分を保つ為に必要な事もあるよね、うん……(主に精神的な意味で  現実、常識だけを直視してたら、壊れちゃうのぜ…(何  いや、本当に何か見つかるといいね…。 そして、れみうーさんのドジっ子ぶりはもう反則だと思うんだw でもちょっとカリスマを垣間見た気がする…! -- オワタ☆残骸? 2009-06-17 (水) 22:00:11
  • うーむ、れみうーさん。何か絵本にでてくる人物っぽいなぁ。というか、全体的に絵本っぽいかも。 -- ドックンドール? 2009-07-30 (木) 19:48:37