old devil moon

Last-modified: 2009-03-05 (木) 00:31:35

目次

注意書き



当SSはネちょ学SSです。
出演者のお叱りを受けた場合、謝罪と共に削除させていただきます。


また、このSSはthe rain comes falling down.という作品と話がリンクしております。
先にそちらを読んでからの方がお楽しみ戴けると思います。
以上の点を踏まえてお楽しみください。

犯行予告





 寒空の下。
 学園の屋上。
 夜闇を切裂くように浮かんだ三日月を思わせる、冷たい金属音が響く。
 互いの得物を挟み、れみうーと八雲零奈がまた一合、二合とぶつかり合う。
 れみうーが左手に握る武器はトンファー。何故か、ここネちょ学ではメジャーとなってしまった武器だ。
 方や、八雲零奈が握るのは使い慣れた鉈だ。
 金属音、金属音、金属音。
 零奈の渾身の薙ぎ。肉厚の刀身が唸るような風切り音をあげる。
 それに応えるように、れみうーがトンファーでその一撃を受け止め、すかさずに鉈を蹴り上げる。
 宙を舞う鉈。
 獲物を失う零奈。
 だが、そんな事は関係ない。
 開かれる隙間。そこから覗くのは鉈の柄。
 鉈を抜き放ち、再度、強烈な薙ぎ。剣閃を潜り、れみうーの水面蹴りが零奈の足下を襲うが、零奈は跳んで避ける。
 だが、跳んで避けたのはまずかった。零奈がそう思う頃には、れみうーの水面蹴りを変形させた後ろ回し蹴りから、紅い閃光の弾が放たれていた。れみうーは普段のドジッ子っぷりが邪魔をして、そうである事を忘れられているが、緋想式弾幕戦科目にて天人という最高レベルの成績を修めている。このくらいできて当たり前だ。
 周囲の天文学部の部員である叉槻彌美咲とそれに誘われてきた犬耳が危ない、と目を逸らす。
 同じく、天文学部部員である零奈に誘われてきた酒飲みスーさんが零奈を庇うべく、走り出す。
 しかし、それは徒労に終わった。
 零奈が咄嗟に開いた隙間が紅い閃光を飲み込む。それと同時に出口である隙間をれみうーの左斜め後ろに開く。弾速の速い閃光がれみうーを撃った。


「……終り、かな? うーちゃんに化けてるみたいだけど、ばればれだよ? 早く正体を顕わしてくれないかな? かな?」


 そう、零奈の言葉の通りこの場にいる誰もが、目の前のれみうーを偽者だと思っていた。
 皆が思うれみうーとは類稀なるドジッ子というものだ。そんな人間が零奈相手にここまで善戦できる筈がない。加えて、ここネちょ学は普通ではない生徒や教員を抱えている。その為か、いや、その認識の穴を突いて、れみうーは素顔で現れ、天文学部部長にして生徒会長であるドックンドールの後頭部を堂々と要石で殴り誘拐する事に成功したのだった。
 仲間であり、ドックンドールの後頭部を襲った美化委員の要石は既に気絶したドックンドールを校庭に運び出している頃だろう。そして、その要石にしても普段は人間の姿をしている為、要石時の姿はその姿を人間とした泥酔☆萃香以外は誰であるかわからない。
 もう、時間稼ぎもいい頃だろうと、れみうーが起き上がる。その体には傷一つない。


「ふふ、私の正体?」


 薄く笑うれみうー。
 コートを靡かせ、屋上のフェンスに跳び乗る。


「逃げる――」
「少し口を噤んでもらおうか?」


 れみうーの言葉と眼力がその場の全てを黙らせる。
 その他を圧倒するような雰囲気が何か、次第に周囲の人間が理解し始める。


「私は怪盗。怪盗れみうー。盗めるものなら、星から運命まで、全てを盗む怪盗さ」


 風に靡くコート。そこからネちょ学指定の制服が覗く。特徴的なツインテールと阿呆毛がれみうーである事を強調するが、やはり、誰もがれみうーである事を信じられない。
 それは、れみうーから発散される雰囲気の正体が彼女のイメージからは最も遠いものであったからだ。
 発散されている雰囲気の名はカリスマ。
 それがれみうーの目の前の人間達を魅惑し、敵対する気すら失せさせる。


「昔はDevil moonなんて呼ばれたけど、その名前は捨ててしまったからね。……そうだな。どうしても信じられないのなら、Old devil moonとでも呼ぶといいよ」


 そう言って、何時ものれみうーといった感じに屈託なく微笑みかける。
 どうしても信じられないのなら、と言われても、やはり信じられない。
 そもそも、れみうーの日頃のドジは印象操作の為だ。ネちょ学には盗み甲斐のある珍品名品が多々ある。それらを盗む為に彼女はこの学園に入学し、学園を知り、生活する為に長く印象操作を行ってきた。今回はそれの成果を確める意味もあった。れみうーであれば、何か適当にドジをしたふりをすれば、誤魔化せるであろうし、零奈相手にあそこまで立ち回れるのも天人という戦闘分野における成績が保証してくれている。ならば、ばれようがないのだ。
 その成果の表れに満足したれみうーは最後に自らの名を名乗った。この学園に来る以前の通り名までも名乗ってしまった。
 それは怪盗としての矜持だ。己が名を名乗らずに、己が狙いを示さずに、ただ盗んでいくのならば、それはただの泥棒だ。名乗りを上げ、正体を顕わし、それで尚且つ捕まらず、日常での正体はばれない。そこまでして、ようやく怪盗の名を名乗れると、れみうーは考えている。だからこそ、れみうーは名乗った。自らが怪盗である為に。


「おっと、最後にこれを上げますよー」


 れみうーの手から紙飛行機が二つ投げられる。
 一つは零奈、一つはスーさんの手に辿り着く。
 先にスーさんが紙飛行機を開く。
 そこには、貴方達の心、確かに戴きました、という文。
 これは領収書のようなものなのだろう。
 確かに、もうれみうーの邪魔をする気すら起きないスーさん含む一同は納得してしまった。
 そして、零奈が紙飛行機を開く。
 こちらは犯行予告だった。






 ――雨に歌う恋物語、空想の向こう側、ソウゾウノイサン戴きます。







 要石が目を覚ますと、そこに見慣れた世界はなかった。
 はて、と疑問符を浮かべる要石。それから、気を失う以前の事を思い出す。
 ドックンドールの後頭部目掛けてれみうーに投げられ、見事に命中し、気を失ったドックンドールを誘拐。取り敢えず、ドックンドールを事前にれみうーに聞いていた場所へ置いて、れみうーを迎えに行った。丁度、れみうーが屋上から飛び降りるところに間に合ったのか、れみうーの足場となるべく、宙に浮き、二階辺りで、れみうーと合流した。
 ここまでは良かった気がする。
 次に思い出したのはれみうーに蹴られて、少し体が欠けてしまった事実だった。原因は飛び降りて要石の上に着地する際に制服の間から、何とも素敵な布切れが見えてしまった事だが、これは事故である。しかし、要石のもっと大人な成熟したものが見たかったという余計な一言により、思い切り蹴られてしまったのだった。
 それから、ドックンドールを置いてきた場所へ移動し、現在に至る。
 要石が思い出したのはそれだけだった。何か大事な事をれみうーに言われた気がするが、思い出せるのは、今までの経過と同じ美化委員であるさばのシーフードカレーを無断で食してしまい、それをネタに脅されて、こんな事をやらされているという事だけだった。カレーを食してしまったのも事故であるが、今はそんな事は関係ない。


「あれ? 変な石がある」


 突然した声に驚く要石。同時にれみうーに言われた重大な事を思い出した。
 それはここが幻想郷で、尚且つ、地霊殿であるという事だった。
 いや、正確にはドックンドールの想像の中の地霊殿だ。れみうーが行使した特殊な術によって、ドックンドールが想像する地霊殿、というよりも完成前の物語の世界へと入りこんだのだった。
 何故、そうしなければならないのか。要石は理解できなかったが、一つ確実な事は声の主が地霊殿に住む妖怪であるという事だけだった。


「何か浮いてるし、変な石ー」


 要石が何処であるかを思い出しているうちに、声の主が要石を突付いたりして、観察を始めていた。
 その幼げな行動から察するに要石にはその正体が誰であるか推測できた。
 そして、その答えを得る為に要石の何処にあるのかわからない視覚器官でその姿を見る。
 そこにいたのは、東方地霊殿のExボス、古明地こいしだった。
 ここが地霊殿である以上は東方地霊殿、四面以降のボスと遭遇する事は考えられたが、よりによって、Exボスである。いや、ニュークリア・フュージョンで融解させられないだけ、マシかもしれないと要石は無理矢理、思考を明るい方向へ持っていった。


「まぁ、いいや。高さも丁度良いし、新しい椅子にでも使お。浮いてるから、色々と遊べそうだしねー」


 遊べそうの一言に戦慄を覚える要石。
 そんな事は露知らず、こいしが要石に腰掛ける。
 要石に伝わる柔らかく、温かい感触。


「ス、スパシーバ!」
「え?」
「この、阿呆要石ー!」


 思わず叫ぶ要石。
 その声に驚くこいし。
 そして、何処からともなく現れ、要石を全力で蹴り飛ばすれみうー。
 幸せ半分、痛み半分の悲鳴を上げつつ、要石が壁にぶつかる。
 全く関係のない話だが、要石が後に言うには、どこぞの肉付きの薄い天人とは違って成長すれば瀟洒! 先生に並ぶ感触だったそうな。


「砕けたら、どうするんじゃー!」
「うるさい、阿呆要石! 女の敵! 何人の人を手にかけてきたんですか!」
「ふはははは、聞いて驚け! 委員会は顧問を含めて全てコンプリートじゃー!」
「……脅すネタが増えましたね」
「しまった!」


 そんなれみうーと要石のやり取りを眺めながら、こいしは両者の心を読み終わっていた。
 その様子を目の端で確認していたれみうーはすかさず、こいしに声をかける。


「それで、協力してもらえないですか?」


 れみうーの計画にて、こいしの存在はとても大事だった。
 だからこそ、れみうーは要石とのやり取りの間にも、自分達の目的とそれを達成するまでの計画を読み易いように意識していた。


「……それだけでいいの?」


 れみうーがこいしにやってもらいたい事、それは、こいしの姉、古明地さとりに引きあわせてもらう事だった。


「んー、それがお姉ちゃんの為にもなるんだよね。……それなら、いいよ」
「ありがとうなのですよ」


 お互いに笑い合うれみうーとこいし。
 それから、こいしがれみうーと要石を姉の部屋へ案内しようと動くが、置いてけぼりを食らっていた要石がここぞとばかりに声を上げる。


「ちょっと待った! 二人で納得してるみたいだけど、全然、話が見えないぞ!」


 要石の言葉に呆れるれみうー。
 とはいえ、言葉で説明された要石よりも、心を読み、その思考を正確に理解したこいしと比べるのは些か酷だろう。
 言葉は伝える為のものだが、言葉の選び方によっては不正確になる上に、そもそもその全てを完全に伝え切れるものでもないのだ。


「仕方ないのです。もう一度説明するのです」
「宜しく」
「まず、今回の目的。ソウゾウノイサン」
「そうそう、まずそれから全然、わからん」
「生徒会長から盗むのはソウゾウノイサン。ソウゾウは空想とかの想像です。遺産はそのまま過去の遺産とかに使われる意味の遺産なのです」
「ふーん、で、それは何よ?」
「想像の遺産というのは、想像を形にした物。小説や絵画、音楽などの創作物の事なのですよ」
「はー、なるほど。なら、その形になった小説なり何なりを盗めば良いんじゃないのか?」
「それだと、簡単過ぎます。盗む必要すらないのです」
「じゃあ、こんな事する必要もないじゃんよ」
「あるのです。これはウチからのネちょ学に対する挑戦状でもあるのですよ。その為にあんなに派手な方法で生徒会長を攫ったのです」
「……撒き込まれた方はいい迷惑だけどな」
「まぁ、簡単に言えば、ソウゾウノイサンを盗む過程を作品として書いてもらおうという事なのです」
「……それだと、さっきの委員会コンプリートとか……書かれる?」
「まぁ、ネタ神様と生徒会長の気分次第だと思うのですよ」
「……オワタ。要石オワタ」
「まぁ、制裁が必要だと思うので、是非とも書いて欲しいところですね」
「酷ぇ。しかし、要石に人の法を適用はされないのさ!」
「それ以前に創作物での話としか受け取られないと思いますけどね」
「そうなる事を祈ろう……」
「どうでもいいけど、話ずれてるよ」


 こいしの言葉にれみうーが急いで話を戻す。


「で、この現在進行しているこの計画を書かせる事によって、想像の遺産を盗むのです」
「物語の中に入る必要とかないじゃんよ。普通にリクエストすればいいじゃんよ……」
「だって、あの人、リクエスト受付とかしてませんし」
「ああ……そういえば」
「それにリクエストじゃ、盗んだ事にならないのです」
「我が侭だ」
「それで、物語の中に入る必要があったのは、生徒会長のネタの根源であるネタ神に協力を仰ぐ事なのです」
「……変な神様出てきたなぁ」
「生徒会長の作品は書いてる最中に思いついた内容をどんどん入れているみたいなので、ネタ神が常駐している可能性が高いのですよ。だから、物語に入る必要性があったのです」
「はー、なるほどなぁー」
「納得できたところで、早速、行くのですよ」
「待った待った! 最後に一つだけ。何で、俺、巻き込まれたの?」
「使い勝手が良さそうだったからです」
「……いや、俺、地震を鎮める為の石だからね! 誰かに投げたり、そんな用途ないからね!」
「うるさいのです」


 それだけ言うと、れみうーは要石の言葉を無視した。
 要石は身の危険を感じているのか、かなりの剣幕で捲くし立てたが、結局、それきりれみうーの反応はなかった。


「あ、お話は終り?」
「終わったのですよ」
「じゃあ、案内するね」


 こいしが自分の部屋を出て、姉の部屋へ向かう。
 れみうーと要石はそれについていく。
 文句ばかりを言っていた要石だが、流石にここで迷子になりたくはないのか、道中は大人しくなっていた。
 そして、歩く事、数分。要石をペットにするかどうかと言う論争が行われたが、遂には決着はつかず、古明地さとりの部屋まで辿り着いた。
 こいしがドアを開け、部屋の中へ入る。れみうーも要石も部屋の中に入ろうとしたが、何故か入れなかった。


「おい、入れない……ていうか、部屋の中に俺達がいないか?」


 要石が言うように、部屋に入れなかった似も関わらず、れみうーと要石の姿が部屋の中にあった。
 そして、聞こえてくる、こいしのお姉ちゃんという台詞。


「おいおい、何だよこれ。というか、ドッペルゲンガーとかじゃないよな」
「違うのです。どうやら、生徒会長の筆がここまで来たみたいですね」
「どういう事よ」
「つまり、想像の内で練られていた話が形を為して、固定されてしまったのです。元から物語の登場人物だったこいしはすんなり入れるけど、イレギュラーのウチ達は入れなかった見たいですね」
「……えー、じゃあ、部屋の中にいる俺達は?」
「ウチ達が物語に干渉した証として登場しているのですよ」
「干渉……?」
「物語に描写される前のこいしに頼んだのですよ」
「何を?」
「こいしちゃんの能力は?」
「無意識を操る程度の能力……」
「無意識は?」
「意識しない事」
「閃きは?」
「思い付き」
「つまりはそういう事なのです」
「いや、わからんから」
「じゃあ、ユング的な話をします?」
「いきなり、セカイ系!?」
「まぁ、簡単に言えば、こいしの能力でウチ達を物語に持ちこんでもらったのですよ」
「……それ、物語の登場人物ができるの?」
「作者の意図しない行動をするキャラもいると言う事です。所謂、キャラが勝手に動いた、というあれなのですよ。そして、ウチ達は生徒会長の空想の中にいるのです。物語と言う表面にはああいう形でしか参加できませんけど、確かに生徒会長の思考に影響を与えているのです」
「……なるほど」


 要石が納得したところで、また部屋を覗くとさとりが机に向かい、何かを書いている様子が見えた。
 そして、何かを書き終えたと思った瞬間に突然、周囲にノイズが混じり出した。


「お、おい、何だこれ」
「場面が跳ぶみたいです」
「え、じゃあ、次はどこに行くんだ?」
「生徒会長が言うには、さと×パチェのカップリングSSらしいですから、紅魔館かヴワル図書館のどっちかだと思うのですよ」
「ちょ、まだ心の準備が……!」
「跳びますよ……!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁ……」


 真っ黒になる視界。
 周囲の音が消える。
 姿を現すヴワル図書館内部の風景。
 だが、れみうーと要石は何か強い力に弾かれてしまった。


「……いてて。て、ここ何処だよ」


 周囲は相変わらずの闇。
 目前に見えたヴワル図書館の影すらない。


「……弾かれたみたいなのです」
「どういう事よ」
「ネタ神に干渉されたんだと思うのです。ネタ神の方がウチ達よりも干渉できる範囲が強いみたいです」
「うぇ、じゃあ、ネタ神に会いたくても会えなくないか?」
「まぁ、方法は考えてあるのですよ。そちらに行きましょう」
「……この真っ暗な中を?」
「すぐに着くと思うから、文句を言わずについてくるのです!」
「うぇーい」


 うんざりした、と言わんばかりの要石の変事を無視して進むれみうー。
 仕方なくついていく要石。
 相変わらず、視界は暗い。
 そんな状況にも関わらず、れみうーの歩は迷いなく進む。
 要石はその歩き方に頼もしいものを感じ、今はれみうーに従うしかないと判断せざるを得なかった。
 そして、しばらく進むと、暗闇の中にぽっかりと浮いた場所があった。


「……分社?」
「守矢神社の分社なのです」
「会長の頭の中に何でそんなものが……」
「真に正しき信仰とは、心の中に社を持つ事なのです」
「……会長、信仰心とかあったんだ」
「いや、多分、無いと思いますよ」
「じゃあ、なんであるんだよ……」
「さっきの場面で分社を建てるように頼みましたからね」
「へー。でも、場面じゃないところはこんな状態なのに、なんであれだけ浮いてるんだ?」
「神は分社さえあれば、空想上でも何処でも存在できるのですよ」
「……という事は……どういう事よ」
「八坂神奈子と洩矢諏訪子の二神もウチ達と同じイレギュラー的行動を取れるという事なのです。それと同時に物語の登場人物という側面も持つのですよ」
「えーっと、という事は……?」
「物語の描写に影響を与えられる存在だという事です」
「なるほど! つまりは切り札だ」
「いえーっす。という訳で、早速、お祈りするのです」


 分社の前に行き、れみうーは祈りを奉げる。
 その祈りに応えるように、八坂神奈子、洩矢諏訪子の二神が分社から姿を現す。


「また随分と、変なところで呼び出されたねぇ」
「まぁ、いいんじゃない? 人の心の中で呼び出されるとか、こっちでも信仰がまだ集められてるって事だし」
「まぁ、そういう意味では悪い気はしないけど……。なんで、この分社、あんたと一緒に出てこられるんだろうね」
「さぁ?」
「まぁ、いいけどさ。で、人間。我ら二神に何用だ?」


 思い出したかの様にれみうーに言葉を向ける神奈子。
 幻想郷にて相当な信仰を得ているのだろう。その姿には確かな貫禄が覗えた。


「えっと、まず最初に、ネタ神という神様を知ってます?」
「ネタ神……? また、碌でもない名前の神が出てきたもんだ。新しい神か何かかね。それとも土着神か何か?」


 神奈子が首を捻る。
 れみうーが諏訪子の方を見ると、こちらは何か知っていそうな様子だった。


「あー、ネタ神。ネタ神ね。知ってるよ。祟り神の一種だよ」
「祟り神なの!?」


 祟り神という言葉に声を出して驚く要石。
 ネタ神は閃きを与え、創造を助ける神だと思われがちだが、その実態は違うのだ。


「あー、ネタ神はね。確かに閃きを与えてくれるんだけど……。そのネタを溜めていくとネタはあるけど形にできないという、苦しみを与えて祟ってくるんだよ。だから、祟り神」
「……意外と物騒だ」


 諏訪子の説明に納得する要石と神奈子。


「で、そのネタ神をどうしたいの?」


 本題に移る諏訪子。
 諏訪子に話した方が早いと判断したれみうーが諏訪子に向き直る。


「や、捕まえたいなー、と思ってですね」
「それで、こんなところまで来たんだ。でも、物語の上ではネタ神が一番、強いんじゃないかな」
「そこで、貴方達の出番なのですよ!」
「……私達がネタ神の力に干渉しろ、て事?」
「そうです!」
「でも、せっかくここに分社を作ってもらってなんだけど……この空想の主が私達を書いてしまったら、それで固定されちゃうと思うんだけど」
「そこは大丈夫なのです。キャラを一人出さないように干渉してくれるだけでいいのです。幸い、そのキャラはまだ出てきてないのです」
「それくらいなら、大丈夫かな……。登場してないなら、登場を予定されてる私達より強い干渉を生み出せないだろうから……」
「それじゃあ、協力してもらうのです。干渉して欲しいキャラはレミリア・スカーレットなのですよ」
「わかったけど……私達の出番がちょっと、少ない気がする……」


 諏訪子が笑う。
 神奈子がその笑いが何の笑いか理解し、それに倣う。
 れみうーも諏訪子が何を要求しているのか理解した。
 諏訪子の要求はドックンドールの新作SSでの出番、もしくは目立つ事だ。
 目立つ事により、そのSSを読んだ人間に対して良い宣伝になる。それが信仰を得る事に繋がる。
 つまりはそういう事だ。
 その見た目とは裏腹に抜け目のない神様だった。
 だからこそ、この二神を頼ったのだった。


「わかったのです。ネタ神を捕まえたら、目立つようにネタを提供するように言っておくのです」
「交渉成立。それじゃ、私達は私達で頑張るから、よろしくねー」
「信仰はあるに越した事はないからね……。頼んだよ」


 それだけ言い残して、神奈子と諏訪子は姿を消した。
 れみうーは最後に分社に向かい一礼すると、要石の方に向き直った。


「じゃ、いよいよ、本番なのですよ!」









 紅魔館。
 門番の目を盗み、れみうー達が忍び込む。
 こうも楽に侵入できるのは、神奈子と諏訪子の努力があったからだろう。
 こことは違う場面から伝わって来る神通力や妖力、霊力から魔力まで異常な量の力が相当な余波を呼び、それを打ち消すのでネタ神は必死になっているようだ。
 れみうーはここまで計画通りに事が進み満足そうな笑みを浮かべる。
 しかし、その横で未だに疑問を浮かべている要石の姿があった。


「なんでレミリアに会う必要があるんだ?」


 そう、れみうー達はレミリアを探していた。
 だが、要石にはレミリアを探す意図がわからない。


「結論から言ってしまえば、レミリアがネタ神なのですよ。正確にはレミリアに化けていると考えるべきですね」
「……なんで?」
「まず第一に、物語に影響を与えるには空想の中にいる必要があるのですよ。次に空想の中にいるという事は物語の登場人物であるという事なのです。そして、最後に二次創作である以上、オリジナル作品で明言されているものは必ず、反映されるのですよ」
「なるほど……。という事は、ネタ神は不自然じゃないように、尚且つ、物語を回す上で、便利な能力を持った登場人物になってるって事か」
「そうなのです。で、要石が地霊殿で寝ている間に登場予定の人物を生徒会長の空想を先読みして来たのですよ。登場予定だったのは、さとり、パチュリー、こいし、紫、レミリアの五人だったのです」
「その条件で言えば……紫かレミリアだなぁ」


 要石の言う通り、紫の境界を操る程度の能力とレミリアの運命を操る程度の能力が最も、物語に影響を与えやすく、便利屋として、様々な役割を担える事が考えられる。
 他の登場人物の能力は物語に影響を与えるには無理があるだろう。
 さとりの心を読む程度の能力は色々と便利に使えると思うが、キャラの設定を考えれば、行動範囲が狭すぎる上、その能力が遠くにまで及ばない事は既に原作の会話にて明らかにされている。
 パチュリーの七曜を操る程度の能力は物語に影響を与えられない。
 こいしの無意識を操る程度の能力はフロイトやユングなどのハッタリを利かせれば、幾らでも使い方があると思うが、全てを無意識に行ってしまえば、物語に理由付けをする意味がなくなってしまう。ギャグSSならそれでも良いかもしれないが、このSSはカップリングSSであり、互いが惹かれる理由付けを必要とするSSだ。ならば、こいしの能力は不用である。


「二人に絞れたところで、なんでレミリアなんだ? 紫の設定を考えれば、紫の方が自由度が高いと思うんだが」
「レミリアの方が直接的に影響を与え易いからなのです」
「運命を操る程度の能力か……」
「ぶっちゃけ、原作の東方シリーズでは使っているような描写を見受けられないから、幾らでも拡大解釈できるのですよ」
「紫の能力も幾らでも拡大解釈……というか、それする必要すらないな」
「でも、紫の能力には何かと何かの境界という物が必要なのですよ。その点を考えれば、レミリアの方が物語に影響を与え易い筈なのです」
「なるほど。物語に影響を与えるという観点で言えば、レミリアが一番だな」
「それに、生徒会長はレミリアのとあるスペルカードでカップリングSSでの恋が実るか実らないかを決めてるみたいなのですよ」
「……そんなのあったけ?」
「スピア・ザ・グングニルなのです」
「……え?」


 要石が疑問に思うのも無理はないだろう。
 スピア・ザ・グングニルが出てきたのはアリフラ三部作と傷心「マイハートブレイク」の二作品だ。確かにこの二作はカップリングSSだが、ドックンドールが書いたカップリングSSは後一作品ある。そのSSにはスピア・ザ・グングニルを使う場面がない。


「輝く望月、咲く十六夜の前編だとレミリアが出ている時点ではカップリングされてる二人に恋心がなかったのですよ。後編では咲夜が得たものを失う恐怖を感じてる描写があるから、既に前編の直後に付き合ってたんだと思いますよ。だから、実る事を予告するスピア・ザ・グングニルが使われなかったんだと思います」
「よく読んでるんだなぁ……」
「今回の計画の為に、かなり読みこみましたからね」
「というか、付き合ってるとか、そういうところはちゃんと、描写しようよ……」
「全くです。ウチも見落としかかったのですよ……」
「でも、なんで、スピア・ザ・グングニルなんだ?」
「グングニルは投げれば、必ず相手を射抜く槍だからなんじゃないんですか?」
「ああ、ハートを射抜く、ね。そういえば、そんな台詞あったなぁ……」
「で、今回の予定では紫がさとりを止めに来る場面で、撃つ予定だったのですよ。このSSでは地底の妖怪が地上に出る事は基本的にできないと設定されているから、紫がさとりを止めに来るのは自然な事なのですよ。でも、それでは物語は回らない。さとりは戦闘が苦手だと原作で明言されてますしね」
「なるほど。だから、レミリアか」
「パチュリーという友人の為に、更には今までのカップリングSSが繋がっているように、このSSも繋がっているのです。それなら、今までのカップリングSSで培ってきたレミリアのイメージぴったりなのですよ」
「そうかそうか、それならぴったりだ」


 話しているうちに、れみうーと要石は紅魔館のパーティなどに使われる大広間に辿り着いていた。
 れみうー達は様々な部屋を確認しつつ、レミリアを探すつもりであったが、どの部屋を確認せずに真っ直ぐ、ここに辿り着いてしまった。
 どういう事か考えるまでもなく、何者かの干渉によって、ここに案内されたようだ。
 れみうーがそう思うまでもなく、ここに招いたものが現れる。


「やれやれ、少々、穴が多い推理だが、正解という事にしておいてやろうかの」


 大広間の奥から現れたものの姿は幼女だった。
 この幼女が件のネタ神であろう事は要石にもわかった。


「……何故に幼女。何故に婆口調」
「萌えじゃ、萌え。ロリ婆という需要があるのじゃ!」
「うわぁ……」
「じゅ、需要がないというのか! い、犬耳とやらが、需要があると言っていた!」


 犬耳と聞いて要石が思い浮かべたものは、犬耳が虐められて喜んでいる姿だった。


「いや、あの子はドMだから、ちょっと、嗜好が特殊なだけだと思う……。思いたい」
「なんと! ……むぅ、騙されたのか」


 一人で落ちこむネタ神。
 その姿に神の名を冠する程のカリスマは感じられない。
 それ以前に、カリスマという概念がネタ神に適用されるかどうかすら危うい。


「なぁ、あれがネタ神? カリスマなくないか?」
「ないですねぇ」


 ネタ神が回復するまで、凡そ二分。
 そのカリスマのなさにれみうーも要石も捕獲する事すら忘れてしまっていた。
 そして、ネタ神が復活する。


「ふ、ふふふ、これで出てしまったものは仕方ないのじゃ……。このやり切れなさは汝らで解消してくれるわ!」
「すっごい、八つ当りだー!」


 カリスマを感じさせない態度とは裏腹に、ネタ神が呼び出した数百本に及ぶ、スピア・ザ・グングニルが襲いかかる。


「ちょ! 洒落になら――」


 驚きながら、れみうーに蹴り上げられる要石。
 それから、れみうーがスピア・ザ・グングニルの間を抜ける。


「ほほう、これを抜けよるか!」
「緋想のグングニルはグレイズできるのですよ! 面で来るだけなら、怖くないのです!」
「ぬ、そうなのか……。ならば、これはどうじゃ!」


 次にネタ神が展開したのは一枚のスペルカードだった。
 そのスペルカードにれみうーが驚く。
 スペルカードの名は時符「時のない世界」だった。
 あのスペルカードは瀟洒! の持つ奥の手とも言えるスペルカードだ。
 その効果は周囲の時間の停滞と使用者の時間の加速。効果は一瞬にも満たないが、その一瞬にも満たない時間があれば、回避不可の攻撃を繰り出せる、恐ろしいスペルだ。
 これには流石のれみうーもまずいと思ったのか、ネタ神の宣言を阻止すべく、全力を持って駆ける。


「遅いの――」


 スペルを宣言した瞬間に、要石がネタ神の頭を直撃した。


「必殺、シーリング要石なのです」
「いや、天井に当たって、落ちただけだからさ! というか、欠けたんだけど!」
「案外、丈夫なのです」
「何で、そんなに残念そうなの!? 俺、要石よ? 地震を鎮める、ありがたーい石よ?」
「そんな事知った事じゃないのです」


 等と二人が喧嘩している間に、ネタ神が起き上がる。
 まだ戦う気かと、要石が身構えるが、どうにもネタ神の様子がおかしい。


「……痛い、痛いのじゃ。こんなにもネタを提供して、皆を楽しませておるわらわが、何をしたというのじゃ……。何故に、こんな扱いを受けねばならんのじゃ……」


 そう言って、泣き出すネタ神。
 その姿はカリスマがないを通り越して、万人が可哀想と思えるものだった。


「……ネタ神様。信仰が足りない身で、ここまで良く頑張ったね」


 れみうーがネタ神の頭を撫でる。
 そう、ネタ神はその名こそ、知られてはいるが、信仰を集められてはいない神だった。
 ネタ神ネタ神と呼ばれはするが、その神が存在は名ばかりで、誰もが存在しているとは思ってもいなかったのだ。
 だからこそ、ネタ神は信仰を得る為に、様々な人間に閃きを与えた。
 だが、それは悉く、思い付きや閃きで片付けられてしまう。
 そして、それによって生み出された創作物も見るものから見れば、作者が作ったもの、という認識しか得られないのである。
 それでもネタ神は諦めずにネタを提供し続ける。その名を呼ばれる内は、まだ存在し続けられるからだ。存在し続ける為にもネタを提供しなければならない。ネタ神は誰にも感謝されずに人に尽くし続ける神なのだ。
 その寂しさは計り知れないものである。


「わらわも……わらわも、信仰が得られるのならば、欲しいのじゃ。だが、得られぬ。どんなに尽くしても、感謝もされぬ……。この空想の主だけじゃ、わらわの名を後書きに書いて、わらわの存在を広めてくれるのは……。じゃから、書いている最中にも使えるネタを提供していたのじゃ……」
「……大丈夫。これは信仰を得る最大のチャンスだよ。この空想を補完するにはもう一つ書かなければならなくなっている筈だから」


 れみうーが言う通り、この「the rain comes falling down.」と名付けられた物語を完全に補完するにはもう一つの物語が必要となっていた。
 れみうー達の干渉により、物語にそれだけ読んでも理解し得ない要素が入ってしまった為だ。その要素こそ、れみうーと要石だった。
 つまり、ドックンドールは必然的にもう一つの物語を書かなければならない。
 それは今現在、行われている、ノンフィクションのやり取りだった。


「……そうか。そうじゃな。だが、読者にも伝わるだろうか。わらわのこの苦しみが、寂しさが、悲しみが」
「伝わるよ」
「わらわに信仰が集まるだろうか?」
「集まるよ。だって、この物語に貴方を奉る神社ができるのだから」
「……わらわが作りたかったもの。わらわが作れなかったもの。わらわの神社……。物語にも後書きにもどこにもいれる要素が作れなかったそれができるのか」
「だって、これはソウゾウノイサンを盗む物語。その根源である貴方が強く関わる物語。貴方が願えば、作れるよ」
「そうか……。わかった。ならば、わらわは空想の主を祟り、この物語を書かせよう」


 そう言って、ネタ神が笑う。
 これがネタ神が初めて見せる満面の笑みだろう。
 報われなかった今までを思えば、その笑顔は眩しすぎた。


「さて、それでは帰るのですよ。……と、忘れてました」


 れみうーが紙を取りだし、ネタ神に渡す。
 ネタ神はそれを受け取り、その内容を読んだ。






 ――想像の遺産、確かに戴きました。






 その文を読み終える頃には、れみうーと要石の姿は消えていた。






後書き





えー、お久しぶりです。現生徒会会長のドックンドールです。
今回は久々に文芸部への寄稿という事で、ちょっとだけ頑張りました。
生徒会長になってから文芸部を辞めたので、結構なブランクがあったりして、拙い部分が多いかと思いますが、笑って見逃していただけると有難く思います。


それで、今作ですが、良くわからない内にこんなネタが思い浮かんだんですよね。
そして、気がついたら、寄稿用のさと×パチェSSに影響を及ぼして……。
ネタ神様のお導き……なんでしょうけど、よくわかりませんね。
書いている本人も良くわかりませんし。
因みに、れみうー君の口調が変るのは仕様です。
やはり、何時もの口調の方が落ちつくと思うので、カリスマ発揮時以外は口調はそのままです。


あ、でも、流石にソウゾウノイサンはわかってますよ。
というか、僕が書いているんだから当然ですが……。
因みに、想像の遺産と書かずにソウゾウノイサンと片仮名で表記されているのは、わざとです。
実はソウゾウノイサンにはもう一つの意味があります。
まぁ、それは内緒ですが。
わかった方は、ニヨニヨとしてくださいね。


では、最後にご出演者の皆様と!
お付き合いいただいた読者様に最大限の感謝を!
ありがとうございました!





犯行予告2





 ――空想の向こう側。
 ――創造の向こう側。
 ――空気を伝い、光の速度で撃ちぬく弾丸。
 ――撃ちぬかれた弾痕。
 ――ソウゾウノイサン、戴きます。





ネタ神様神社





ここはネタ神様が奉られている神社です。
参拝すれば、何かネタが思い浮かぶかもしれません。
お暇でしたらどうぞ。

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感想スペース

  • すごく・・・欠けた気がします・・・、でも面白かったよ! コレくらいの文才がほしいッス -- 要石? 2009-02-14 (土) 21:13:58
  • な・・・なんという・・・なんか・・・言葉にできないけどぐっとくるものが・・・。特に↓の文で全てがつながっているっていうか・・・なんかもう、あれだぜ、れみうーかっこいいじゃないかちくしょう!w -- きつね? 2009-02-19 (木) 22:48:27
  • 要石さんがなんかもう苦労人ってイメージが‥w それにしてもれみうーさんって凄い強かったんですね(今さら) カリスマ溢れるうーさんカッコイイ… でも、もしいつもカリスマ全開だったら、うーさんの魅力が半減(ry 今回も面白く読ませていただきましたー -- オワタ☆残骸? 2009-02-28 (土) 13:43:57
  • ネタ神様が遂に降臨されたと思ったらロリ婆だったとは…w (・∀・)ニヤニヤしながら読んでしまったではありませんか、こんちきしょうw -- てんこあいしてぬ? 2009-03-05 (木) 00:31:35






 作品を読み終わり、感想を書こうかと迷っていると、後ろから声が聞こえてきた。
 どうやら、後ろの人間も同じ物を読んでいたようだ。
 その感想が気になり、耳を澄ませてみる。


「れみうーって、あの二年⑨組のドジッ子だよなぁ」
「だろ。会長も何を考えて、こんなの書いたんだかなぁ……」
「ありえねーよな」
「でも、俺、そのれみうーと同じ緋想式弾幕戦科目取ってるんだよな」
「へー、やっぱり、ドジって弱いんだろ?」
「いや、普通に天人クラス」
「は? じゃあ、風紀委員の零奈さんと渡り合ってるあの辺は結構、リアルなのか?」
「まぁ、多分……」
「はー、一応、会長、見てるところは見てるんだなぁ……」
「会長と言えば、知ってるか? こないだ、天文学部の活動の最中に襲われたらしいぜ。後頭部に見事な瘤ができてたし」
「そりゃないだろ。天文学部と言えば、零奈さんが所属してるんだぞ?」
「いや、でも、これの最初の状況と同じだったら、と思うと、さ」
「ははは、まさか、な」


 それだけ言って、二人組は本を戻して、どこかに行ってしまった。
 ……まさか、ね。