【偽造クヴェル】

Last-modified: 2024-04-23 (火) 21:55:41

SF2

【ハン帝国】の末期~崩壊期にて、【東大陸】から【南大陸】へ流入した人々によって持ち込まれた【クヴェル】の偽物。
南大陸では原則的にクヴェルが発掘されておらず、当時は術文明も存在しなかったので、必然的にクヴェルの流入は術文明の流入と同義であった。
しかしその中に粗悪なものが混じっており、これが偽造クヴェルである。
 
ただの粗悪品で片付けられたならそこまでなのだが、ここからが南大陸・ひいては東大陸をも巻き込んでの術文明の大革命の始まりである。
偽造品ということで南大陸の人々は術を使えないことからすぐに気づいた。
しかし東大陸からの渡来人は、これを普通のクヴェルと同様に使いこなしていたのである。
 
そこで大胆な仮説が唱えられた。
「術を行使するのに、必ずしもクヴェルは必須とは限らないのでは?」
クヴェルならありえない、術の発現に個人差があることも大きな疑問点であったからだ。
 
もちろん術文明利権だらけの東大陸へ持ち込めば大揉め間違いなしの案件なのだが、それらのしがらみがない南大陸では研究が大きく進められた。
そこに、ナ国成立以前から鉄器などの加工技術が発達していた【フォーゲラング】にて【感応石】が発掘され、「技術」と「材料」が揃ったことで、クヴェルの持つ術発現性能を手にしたい欲求を人の手で叶えるための道具が生まれた。
これが、人が自分の手で術を使う道具である【ツール】であり、その発明がひいては【一般術】の発明に至る。
やがて東大陸へ逆輸入されると、当時は禁止された動きもあったが、歯止めは効かずクヴェル文明に取って代わるようになる。
ただそれは、「術至上主義」という新たな火種の発生をも意味しており、その煽りを大きく受けたのが、本作の主人公【ギュスターヴ13世】である。