RS2R
ノーマッド(男)のアビリティで、戦闘中に道具を使った際に効果がある。
……といいつつ、戦闘中に使える道具は【傷薬】系のみであるためアビリティの名称のとおり傷薬系にしか影響が出ない。
Ver.1.1.0のアップデートでアビリティの効果が大きく変更され、それに伴い名称も変化した。
Ver.1.0.2以前のアビリティの名称は「傷薬節約術」でVer.1.1.0以降のアビリティの名称は「傷薬全体化」。
ちなみに、ノーマッド(女)の【薬草の知識】についても傷薬系に影響を及ぼすアビリティである。
傷薬節約術(Ver.1.0.2以前)
傷薬系を利用した際に70%で消費されなくなる効果。
消費アイテムが実際に消費される確率が1/3以下になると考えると一見すると破格の性能。
期待値としては1つの傷薬系を3.3回利用できるため、1戦闘で傷薬系がおおよそ6,7回ほど使えるようになる。
ノーマッド(女)の薬草の知識と効果は重複するため、シナジー効果はバッチリ。
……なのだが、残念ながらアビリティとしては使い道がほぼない。
理由としては、アビリティが入手できる頃にわざわざ傷薬系を使うことがないため。
本作の傷薬系は【最高傷薬】でも回復量は500止まりで、この性能では回復手段としてははっきり言ってお話にならない。
薬草の知識を使えば(Ver.1.0.2当時の)回復量は3倍の1,500となるため、回復手段としては1周目なら全快、2周目でも中盤くらいまでは全快が狙える。
……とはいえ、本作では単体回復については回復術でも結構な回復量を出すことができ、最終的に【エリクサー】が使えるようになれば単体全回復ができるようになる。
術の心得がないキャラクターであっても【大地の剣】さえ装備すればエリクサーを使えるため、サブ武器に大地の剣を装備させておけばわざわざアビリティをセットして傷薬系で回復を行う必要もない。
傷薬系が輝く場面としては、回復術もなかなか使えない最序盤が挙げられるが、本アビリティはノーマッドが持っているため必然的に【ステップ地方】の攻略が必須となり、よほど特殊な進め方をしない限りは序盤の入手は困難。
普通にプレイしていれば中盤以降にノーマッドを加入させることになるだろうが、その頃であればたとえ本アビリティで無消費の期待値が上がろうと薬草の知識で効果量が3倍になろうと、傷薬系のお世話になることはまずないだろう。
……といった具合にアビリティを入手した時点で傷薬系そのものが使われることがないため、薬草の知識共々アビリティの利用価値がないと評されることとなった。
シリーズの別作品だが【細工師】の【節約魂】と比較すると、ほぼ確実にコストを落とすというよりは、何度も使って、一定確率で壊れる要素に近い。
傷薬全体化(Ver.1.1.0以降)
Switch2版リリースに伴うVer.1.1.0アップデートではいくつかのアビリティが上方・下方修正されたが、他のアビリティが効果量や確率の調整に留まっているのに対し、唯一「効果が全く別物に変更される」といった形で事実上の上方修正が施された。
効果の変更に伴い名称も変わっているが、名称の変化についてはこのアビリティだけではなく【連携ダメージ1.5倍】も名称が変化している*1。
傷薬系を利用した際に、その効果範囲を味方全体にする、といったもので、回復量はそのままで全員に効果を及ぼすことができる。
本作では強力で比較的使いやすい単体回復手段が色々用意されているのに対し、これ以外の全体回復については
- 使い勝手はいいが、戦闘不能を回復できない【レストレーション】
- 戦闘不能回復はできるが、消費BP99で狂戦士耐性がないとまともに使えない上、回復量も少ない【火龍出水】
- 戦闘不能回復ができ、回復量も多いが、1周で1個しか入手できないリバティスタッフを破壊することでしか使えない【シャッタースタッフ】
の3つしかなく、気軽に使えるレストレーションは戦闘不能が回復できず、戦闘不能回復ができる全体回復はどちらも気軽に使える代物ではない。
一方で、傷薬系は1回の戦闘につき2回までではあるが、本アビリティとの併用により味方全体のHP回復+戦闘不能回復が可能で、入手が容易な市販品な上にBPも消費しないというメリットもある。
ネックとなるのは傷薬系そのものの回復量の低さで、最高傷薬を使ったとしても回復量はたった500であり、ダメージが増えてくるストーリー終盤戦ともなれば心許ないのが難点。
それでも生きているか倒れているかの差は非常に大きく、例えばパーティーが壊滅寸前になっても、これで一気に全員を蘇生した後に、レストレーションで回復して立て直す事もできる。
高難度の強敵の場合、どうせHP満タンからでも即死するというような火力を持つ敵もおり、そういう相手なら(【サヴァイブ】持ち以外は)回復量の低さも問題ない。
さらに、ノーマッド(女)の薬草の知識とも強いシナジーを発揮する。
薬草の知識もVer.1.1.0で効果量が3倍から5倍に増加したため、薬草の知識と傷薬全体化をどちらもセットした状態で最高傷薬を使えば、なんと味方全体のHPを2,500回復+戦闘不能回復という破格の効果を発揮できる。
妥協して高級傷薬でも1,500回復で十分な回復量。
単純な全体回復+蘇生のみなら(狂戦士とBP消費をなんとか出来れば)火龍出水でも可能だが、回復量まで伴うとなるとシャッタースタッフ以外では代用が効かない。
傷薬節約の効果はなくなってしまったため1戦闘中に2回までしか使えないとはいえ、比較的入手しやすい傷薬系でこの性能を発揮できるのは大きい。
最大の欠点はこの用途以外ではほとんど使い道がないアビリティを2つも使ってしまうことになることであるが、それでも半壊したパーティを一気に立て直せることに間違いはなく、ボス戦の戦略として組み込むには十分すぎるものである。
この変更に伴い、旧バージョンでは影が薄かった傷薬系アイテム自体の地位も引き上がることになった。
使い難かったノーマッドの地位も大きく向上させたと言えるが、ノーマッドを両方入れてしまうとこの戦略が採れないので、ノーマッド好きのプレイヤーにとっては二者択一になるという悩ましい話にはなってくる。
結果的に、今回上方修正されたアビリティの中でも(上方修正という言い方が正しいかはさておき)随一の評価変化をもたらしたアビリティと言ってしまっていいだろう。