概要
2018年2月28日よりTwitterアカウントを開設*10、同年3月16日よりYouTubeチャンネル「さなちゃんねる」での活動を開始したバーチャルYouTuber。バーチャルYouTuberは動画ではなく生放送主体の活動、いわゆる「ストリーマー」的な活動をする者が多数を占めており、名取さな(以下「名取」)もこの例にもれず、YouTubeチャンネルで雑談やゲーム実況をはじめ、自身が得意とするお絵かき配信や歌配信等の活動を行っている。企業等に所属していない、いわゆる個人勢のバーチャルYouTuber。
配信頻度は週1~3回程度。平日・休日とも20時か21時からの開始が多いが、休日は昼過ぎや夕方から始める場合もある。配信時間は雑談やお絵かきだと平均して1~2時間ほどで、ゲームだと3時間を超える長時間に及ぶことも。配信を行う際は事前にTwitterで告知がされて配信枠も立てられ、ゲリラ配信や深夜配信はほとんどない。
経歴
デビュー~活動初期
Twitterアカウントの開設当初は、いわゆる「VTuber準備中*11」の状態にあり、設置されている「質問箱」および「マシュマロ」*12に寄せられたお便りに回答を続け、初動画投稿までの基盤を固めていた。
キズナアイから端を発したとされる「バーチャルYouTuber」は、2017年12月から急速に発展を遂げ、名取のデビュー前後は徐々に「文化」として成立し始めていた時期であった。そのため、まだ1本も動画が上がっていない段階でもさなちゃんねるは500人のチャンネル登録者数を抱えていた*13。
3月16日に自己紹介動画「はじめまして!名取さなです!!!!!!!!!#01」が投稿され、さなちゃんねる上での活動が開始されると、その翌日にはチャンネル登録者数が1,000人に、その1ヶ月後には初の生放送が実施され、同日10,000人に到達と、この当時のバーチャルYouTuber界隈の勢いに乗る形で名取も知名度を向上させていった。
「バーチャルYouTuberランキング2018」1位を獲得
名取はその特徴的な声質や、インターネットミームに強い芸風、視聴者⇔名取の独特な距離感が生み出す配信の空気などが人気を博し、その流れに乗ったままバーチャルYouTuberという文化の黎明期を駆け抜けた。2018年7月には「Vティーク」の創刊号にて、同号に掲載されている個人のバーチャルYouTuberとしては最も多い4ページに渡る特集が掲載、爆発的に増加したバーチャルYouTuberに埋没することなく「個人勢バーチャルYouTuber」の先頭を走る者として頭角を現していた。11月4日には東洋大学情報連携学部の学園祭に出演、その活動の幅を徐々に広げ始めた。
こうした名取の着実な活動は確実にファン層を拡大させ、11月9日はYouTubeチャンネルの登録者が10万人に到達*14、更には同日に初の「歌ってみた」動画である「【せんせえ10万人!】惑星ループうたったよ/名取さな」が投稿される。この動画は執筆現在200万再生を記録しており、「さなちゃんねる」の中で最も視聴されたコンテンツとなっている。
2018年末にバーチャルYouTuberという文化の先駆者であり「親分」という愛称で呼ばれるキズナアイがパーソナリティを務める番組「のばん組」の年末特番「のとく番」が放送される。この中で視聴者による人気投票企画「バーチャルYouTuberランキング2018」が企画されるが、この中で名取は1位を獲得した。もちろん同番組の視聴者の人気投票であるため、この称号の価値については測ることはできないものの、この出来事は名取のファンのみならずバーチャルYouTuberファン全体で話題となり(この番組そのものの注目度が当時高かった)、名取の人気を示す、ある種象徴的な出来事となった。
3Dモデルのお披露目~イベントの中止
2019年に入るとこれまで以上に数々のタイアップやイベント出演等の案件が舞い込むようになり、2月15日には「VTuberおしゃべりフェス on バレンタイン」で長蛇の列を成し、27日には公式同人誌(書籍)「薄そうで薄くない本」が発行された。4月28日には「ニコニコ超会議2019」内のステージ「VTuber Fes Japan 2019」で行われた「バーチャルさんがいっぱい スペシャルバーチャライブ」にて名取の3Dモデルがお披露目、それと同時に名取初のライブ公演が行われた。
この3Dモデルは5月4日に改めてお披露目配信がなされた。元々3Dモデル自体はファンメイドのものでかねてより存在したが、そのモデルをさえきやひろの手によってブラッシュアップされ、クオリティが向上したものが正式に名取の3Dモデルとして誕生した。これにより3Dモデルが求められる現場に名取が参加することが可能となり、活動の幅が大きく向上していくこととなる。この3Dモデルを伴って5月16日には「超人女子戦士 ガリベンガーV」に出演し、これがスタジオ収録のテレビ番組での初出演となった。
9月3日にはファンメイドの初のオリジナルソング「さなのおうた。」のミュージックビデオが公開された。このミュージックビデオは、PCメーカー「マウスコンピューター」の協力によって製作され、以降の名取の活動においてマウスコンピューターの協力が継続していくこととなり、その一環として2020年1月18日にはかねてより告知されていた*15名取初の単独リアルイベント「さなのばくたん。-バースデイ・サナトリウム- Powered by mouse*16」が同年3月7日に開催されることを同日の生放送にて発表する。しかし、同イベントの開催時期に近づくと、この当時流行の兆しを見せ始めていた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が徐々に拡大を見せ始めていた。また、現在とは異なり同感染症について官民共にその実態の把握もできていなかったことから、感染拡大予防を徹底しての開催という選択肢もこの当時は存在し得ず、その結果イベント開催2日前の3月5日に「さなのばくたん。」は会場の要請により中止になることが報告された*17。しかし、イベントが行われるはずだった7日に名取は生放送「さなのばくさん。」を実施、本来イベントにてお披露目となる予定だった新3Dモデルのお披露目及び、桃井はるこ提供のオリジナル楽曲「PINK,ALL,PINK!」をこの放送内で公開した。
「名取市」とのコラボレーション~「さなのばくたん。」開催
2020年の「さなのばくたん。」は中止となったものの、3月30日には「PINK,ALL,PINK!」のオリジナルMV公開、6月18日には初のフィギュア発売、7月27日には公式同人誌第二弾「そこまで薄くはない本」の発売など精力的な活動を継続し、6月25日にはYouTubeチャンネル登録者数が20万人に到達した*18。
8月30日には名取市献血推進協議会の事業の一環として、名取つながりでのコラボレーションが発表された。宮城県名取市の会場で献血を行うと名取のポスターが受け取れるキャンペーンで、当初の想定以上に多くの献血協力者が集まることとなった。感染症の影響のために輸血用の献血が全国的に不足していた状況でのキャンペーンだったため反響も大きく、ネットニュースだけでなく地方新聞社やテレビ、ラジオなどの複数メディアで取り上げられた。名取の「バーチャルナース」らしさが存分に活かされたこのコラボはその後も2021年度、2022年度と続けて開催され、名取の影響力の大きさを示すエピソードの一つとなったと言えるだろう。
12月26日の生放送ではついに、誕生日イベント「さなのばくたん。-ていねいなお誕生日会- Powered by mouse」が2021年3月7日に開催されることが発表された。同日の生放送ではイベントに向けて、やしきん提供のオリジナル新曲「エッビーナースデイ」が製作されることも発表された。感染症が収束しない中で開催が近づく状況ではあったが、2021年に入ってからはさらに「ローソンとのプリントコラボ」、「さなのばくたんCAFE in ELOISE's Cafe」、「タワーレコードとのコラボ」など、多くのタイアップが発表、実施された。イベント開催予定の映画館・チネチッタ周辺を舞台にした「さな歩き」など、イベント当日だけでなくその前後でも施設全体を使ったライブ感のある催しも進められた。詳細は単独記事にまとめられている。さらに1月30日にはライブイベント「VTuber Fes Japan 2021」に出演し、これが2回目のステージイベントとなった。
そして3月7日、「さなのばくたん。 -ていねいなお誕生日会- Powered by mouse」が開催された。公演直前まで大喜利のアンケートなどの追加の催しが発表され、公演内では初披露の「エッビーナースデイ」やカバー曲、これまでのオリジナルソングの歌唱だけでなく、さらにはオリジナル新曲「アマカミサマ」の初公開もなされた。名取自身がやりたいことをすべてやることで前年の雪辱を果たし、名取さなとしての3年間の活動に一区切りをつける形で「さなのばくたん。」は成功に終わった。
数々のタイアップ実施~2度目の「さなのばくたん。」開催
2021年は2-3月が「さなのばくたん。」で慌ただしく過ぎていった後、4月21日には2作目のスケールフィギュアの販売、25日からは初の公式コミカライズ「名取さなのもぐもぐごほうびごはん」の連載が開始された。これを皮切りに名取としては新しい形での活動が多く実施された。
他のVTuberとのコラボ配信もより頻繁に行い、特にVWWの面々との多数のコラボ配信が行われ、11月7日には初めて多人数での3D配信企画に主催のひとりとして出演した。また、大好きなアニメ『プリパラ』の主人公・真中らぁらと共演を果たした6月27日の「KURO-OBI VIRTUAL IDOL POWER 2021」、7月2日の「NUTS TO YOU! -PeanutsKun 1st Live-」、12月25日には「名取とやひろのサンタクロース大作戦 ~プレゼント届くかな?~」と、例年以上に多くのライブイベントにも出演した。
加えて10月29日からのタイトーオンラインクレーンとのコラボ、11月4日からはオンゲキ brightとのコラボイベント、11月27日以降前年に続いての名取市との献血コラボ第2弾、11月30日には以前からおすすめしていたマンガ「うめともものふつうの暮らし」の宣伝配信など、数々のタイアップもこなしていった。
一方で通常配信のぺースも継続し、7月17日には3年に渡って使用されてきた通常衣装も更新した。多くのイベントやタイアップでも描き下ろしのイラストを多数用意するなどイラストレーターとしての活躍も目覚ましく、また、これまでに積み重ねた人脈や以前から進めていた企画が花開いた一年だったと言える。
12月12日の生放送にて、新3Dモデルのお披露目とともに、「さなのばくたん。-メチャ・ハッピー・ショー- Powered by mouse」の開催が発表された。この配信ではさらに新曲「だじゃれくりえぃしょん」の製作と前述の「名取とやひろのサンタクロース大作戦 ~プレゼント届くかな?~」の開催告知もなされた。名取の3Dモデルの作者であるさえきやひろと共演の「名取とやひろのサンタクロース大作戦 ~プレゼント届くかな?~」は12月25日に「さなのばくたん。」を配信予定のプラットフォームであるZ-aNでオンラインイベントとして配信され、「さなのばくたん。」に向けてアンケート機能の試験的な運用もなされた。
これに加えて年が明けて2022年に入ってからは「サンリオキャラクターズコラボ」、「さなのばくたん。レストラン」、「HillValleyコラボキャンペーン」など、前年以上に規模の拡大したタイアップ企画が発表、実施された(詳細は個別記事を参照)。
2022年3月7日、「さなのばくたん。-メチャ・ハッピー・ショー- Powered by mouse」が開催された。同イベント内では歌唱された7曲の楽曲のうち、「だじゃれくりえぃしょん」、「モンダイナイトリッパー!」、「メチャ・ハッピー・ショー」の3曲が初公開となった。特に「メチャ・ハッピー・ショー」はこれからも活動を続けていくことや応援してくれるファンへの想いが込められた、初の名取さな作詞の楽曲としてイベント終盤で披露された。本イベントは前年に引き続いてTRIBALCON.およびflapper3 Inc.により演出面やステージ構成が担当され、そのメイキング動画も協力のマウスコンピューターのYouTubeチャンネルにて公開されている(楽曲「メチャ・ハッピー・ショー」を披露した際の様子も動画内で一部見ることができる)。
前回の「ばくたん。」から変わった点として、名取が特に力を入れたのはダンスパフォーマンスであった。バーチャルYouTuberのライブイベントもよくチェックしている名取にはライブでのダンスが業界全体で増えてきているという実感があり*19、初披露の曲にオリジナルの振り付けをつけてもらいそれを踊るというチャレンジをするに至った。名取のダンスへの挑戦はこれ以降も続いていくこととなる。また今回のばくたん。に関して特筆すべき点として、イベント中に映像や音声トラブルが何度か発生し名取本人は焦っていたものの、会場のファンは『草』を表す緑色のペンライトを振り続けるなどどこ吹く風で遊び続けたこともしばしば挙げられる*20。
活発な音楽活動~5年の集大成としての「さなのばくたん。」開催
2022年の「さなのばくたん。」終了後の特筆すべき活動としては、前年より連載を開始した「名取さなのもぐもぐごほうびごはん」が8月に単行本1巻が発売となり、名取の念願叶ってのコミカライズ企画が一つの形を見せた。そしてそれを記念したオンラインリリースイベント「名取さなのもぐもぐごほうびパーティ」、「さなのばくたん。」の会場であったチネチッタを再度舞台として開催したハロウィンイベント「名取とやひろのHELLO&WIN! ~ゆりかごから墓場まで~」、にじさんじの月ノ美兎と共催した無料クリスマスライブ「インターネット女クリスマス」と、これまで「さなのばくたん。」を手掛けてきたTRIBALCON.の制作によるライブイベントを精力的に行い、またこれらイベントの中でも引き続きダンスに挑戦してきた。その他にも、「さなのばくたん。」で披露した楽曲「モンダイナイトリッパー!」と「だじゃれくりえぃしょん」のMV制作、2018年に投稿した「惑星ループ」以来4年ぶりとなる歌ってみた動画「ゾンビ / 名取さな(cover)」の投稿など、総じて音楽活動に意欲的に取り組んできた期間であった。
また、アプリゲーム「ブルーアーカイブ」はこの時期の名取には欠かせない話題であろう。時系列は少し遡るが、名取は2021年2月のアプリリリース以来継続してプレイしており、配信やTwitterでもその魅力をよく語っていたのだが、2021年12月にはついに運営会社であるYostar提供の案件配信が実現することとなる。好きが高じて企業案件に繋がるというYouTuberドリームを結実させた稀有な例であるが、その後も案件配信は大型の新規イベントの折に行われ、この間の「ブルーアーカイブ」自体の人気の高まりとも相まって名取への注目度をも高める結果となった。
活動を続ける中、10月10日にはチャンネル登録者数が30万人に到達*21。そして12月17日の生放送では、3度目の開催となる誕生日イベント「さなのばくたん。-ハロー・マイ・バースデイ- Powered by mouse」が発表された*22。また同配信では「【 #インターネット女クリスマス 】3Dで歌ってはしゃぐインターネットの女たち【月ノ美兎/名取さな】」も発表され、名取主催としては初のYouTubeでの無料ライブイベントとして翌週12月23日に配信された。その後、前年以上にラ チッタデッラとのタイアップも大々的に行われ、施設公式のホームページやTwitterでも宣伝が行われた。詳細は個別記事を参照。また、イベント直前でありながら通常配信の頻度も落とさず、精力的な活動を継続していった。
そして2023年3月7日のイベント当日、「さなのばくたん。-ハロー・マイ・バースデイ-」が実施された。これまでのイベントに続き、2曲の新曲楽曲が公開され、今回は「パラレルサーチライト」と「ゆびきりをつたえて」が初披露となった。初公開の楽曲も含めて一貫した構成で、これまでは表立って語られることが無かった名取さなの人生や悩みに初めて焦点を当てる内容であった。2021年のお誕生日会や2022年のショーをテーマにしたものとは大きく毛色が異なり、前日の雑談配信で本人が称したように「5年の集大成*23」としての側面が非常に強いイベントとなった。
なお余談ではあるが、イベント終盤での「ゆびきりをつたえて」の歌唱・演出の衝撃のあまり、終了後もTwitterでは名取への感情が溢れたファンからのツイートが数日間続き、その後の振り返り雑談配信で「みんなけっこうヘラってて*24」と本人に評される有様であった。
新しい形での活動の開始
活動開始6年目となった2023年は、これまで以上に新しい形での活動やコラボレーションが実施された。雑談配信でのネタから生まれた「名取さなの毒にも薬にもならないラジオ」が7月から地上波ラジオで開始となった。これまではコメントとリアルタイムでのやり取りを主としていたが、お便り形式での視聴者とのやり取りも始めることとなった。さらに公式TikTokアカウントも開設し、ダンス動画を定期的にアップロードするなど活動の幅を広げていった。
特筆すべき新たな活動として、「名取と行く!那須どうぶつ王国」の実施が挙げられる。特製グッズの販売だけでなく、園内での名取による音声ガイドの収録、さらには「名取と行く!那須どうぶつ王国日帰りバスツアー」が実施された。これに加え、那須どうぶつ王国監修のもとでテレビCM「名取さなのどうぶつどうなっとりますか?」が地上波・全国ネットで放送された。
2022年末に2023年の活動の目標として、お便り企画の実施、動画投稿、動物に関する企画の実施を挙げていたが、これをすべて達成する形となった。
また、10月のドン・キホーテとのコラボなど新しいコラボレーションも実施された他、これまでにもタイアップしてきたセガとの「CHUNITHM SUN」での実装や「オンゲキ bright MEMORY」でのコラボイベントのリバイバル開催、名取市献血推進協議会との4年目のコラボ、サンリオキャラクターズとの3度目となるコラボなど、昨年までに引き続いてのコラボ活動も実施された。
名取個人の継続した活動としても、「名取さなのもぐもぐごほうびごはん」の単行本第2巻の発売と「名取さなのもぐもぐごほうびパーティ2」の開催、オンラインイベント「さなちゃんねる夏祭り2023」や上述の「名取さなの毒にも薬にもならないラジオ」のYouTube上でのイベント「出張版どくラジ*25」の開催、さらにはそれぞれのイベントに合わせた楽曲として「おしりぷり音頭」、「ごほうびトキメキモード」、「弱酸性ラジオブレイク」のリリースなど、精力的な活動が続いた。名取さなのもぐもぐごほうびパーティ2ではさなちゃんねるキャラクターズの西郷・R・いろりとの歌唱共演など、イベントとしても新しい形での演出も盛り込まれた。また「さなのばくたん。ARCHIVES」により、アーカイブ期間後は視聴不可となっていたこれまでのイベントがレンタル視聴できる体制となった。公式ホームページも開設され、安定した活動のための体制も整えられていった。
そして12月8日の配信にて、翌年3月7日にチネチッタ全スクリーン貸切での「さなのばくたん。-王国からの招待状- Powered by mouse」の開催、さらには9日に初の公式主催後夜祭として「Vの宴 feat.さなのばくたん。」の開催が発表された*26。前年度以上にさらに会場周辺施設とのコラボ規模が大きく、コラボレストランなどだけでなく、3月7日, 9日の2日間は名取の楽曲とイベントに関する名取のアナウンスが施設内放送で流れるといった、施設全体を活かした形での開催となった*27。詳細は個別記事を参照。
2024年3月7日、「さなのばくたん。-王国からの招待状- Powered by mouse」が開催された。「さなのばくたん。」としては初の観客声出し可での実施であり、名取念願のコールアンドレスポンスを含んでの歌唱が披露され、昨年度とはまた別の意味合いでの集大成としてのイベントとなった*28。新曲として「デビルの証明」と「いっかい書いてさようなら」の2曲が披露されるととともに、公演の最後には「名取さな1st Live」の9月19日開催が発表された*29。後日の振り返り配信でも今後の意気込みとしてさらなる精力的な音楽活動の継続が語られた。
続く3月9日に「Vの宴 feat.さなのばくたん。」がCLUB CITTA'にて開催された。クラブDJとして西郷・DJ・いろりやこれまでの楽曲制作で縁のある複数の作曲家が出演した他、名取のオリジナル楽曲を盛り込んだセットリストでのクラブイベントとなった*30。クラブイベント初参加のファンも多かったものの、大成功のうちに幕を下ろした。
編集中(加筆歓迎)
活動スタイル
編集中(加筆歓迎)
名取の活動はいわゆる「ストリーマー」「生主」と形容される活動が主軸であり、配信ジャンルとしては大きく分けて①雑談配信、②お絵かき配信、③ゲーム実況の3つが主であり、バーチャルYouTuberとして比較的オーソドックスな活動を行っている。
それでいて名取が人気を集める理由は、主に彼女の「芸風」に拠るところが大きいと考えられる。
「丁寧なインターネット生活」
2020年6月頃から名取がTwitterプロフィールに記載している言葉。ニコニコ生放送公式での出演の際に概要欄での名取の紹介文としても採用され、その後は頻繁に使っている*31。
名取のキャラクター性としては単に「ネットミームに詳しい元気のいいナース」と捉えられることが多いが、権利関係や情報の出所、インターネットにおける多様な思想などに対して非常に気を回した、ネットリテラシーに配慮した発言や振る舞いをしていることでも知られる。例えばネットミームを使う際にも、元ネタが何であるかを調べ、それを踏まえて自分が茶化して使ってもよいものかどうかを悩んでいることもある*32。自身の活動規約も2018年の活動初期から作成しており、二次創作における注意点などについて明記している。楽曲「いっかい書いてさようなら」はそういったインターネットとの向き合い方をテーマとしている。
また一方でただ配慮を欠かさないだけでなく、「バーチャルあるいはインターネットにおける存在」としての自らの性質を念頭に置いて、Twitterや配信上でもある種生活感に欠けたスタイルをとっており、コンテンツとしての自分の姿を意識していることも名取の魅力のひとつと思われる。
視聴者とのプロレス
配信上での視聴者との距離感としては気安い友人関係のようなものとなっており、いわゆるインターネットプロレスをすることが多い。単なるプロレスだけでなく雑談配信では話題が広がるきっかけとなることも多く、本人も視聴者とのやり取りを重視している*33。リアルイベント「さなのばくたん。-ていねいなお誕生日会-Powered by mouse」では無発声イベントながらそのやり取りが拍手やサイリウムで再現された*34。
コラボ配信などでは他配信者のファンが名取へのコメントのプロレス具合に戸惑う一幕もしばしば見られ、そういった視聴者とのやり取りを楽曲「アマカミサマ」では歌詞として扱っている。
一方でプロレスコメントが単なる荒らしや自身以外への揶揄、伝書鳩行為や他配信者への迷惑とならないよう視聴者には呼びかけている。また新規の視聴者が配信を視聴しづらくならないよう、特定の視聴者が『常連さん』のようになることや配信上で視聴者間だけでの交流が行き過ぎることは推奨していない(事あるごとに『馴れ合うな!』と呼びかけている)。
なお、配信中のお決まりのやり取りとしては以下のようなものが挙げられる。
- 名取がダジャレやあまりにも見ていられないオタクのような発言をした際には「は?」「え?」「ワハハ…」といったコメントが並ぶ
- 名取が視聴者をおちょくる発言や無茶振りをした際には咎めるコメントが飛び交う(言論統制、独裁、圧政、唐傘連判状など)
- 視聴者参加型ゲーム配信において名取との対戦要素が含まれる際は徹底的に名取への妨害が起きる
(逆に名取との協力要素が強い場合は迅速な連携が見られることも) - 配信中に名取のひと言から荒唐無稽な話や大喜利がコメントで生じる
特技
おえかき
名取は配信・動画サムネイルやグッズ、イベント用に自身が描いたイラストを使用することが多い。また配信中やTwitter、pixivFANBOX上で、現在見ているコンテンツの説明などにもしばしばイラストを用いている(説明を言葉ではなくイラストに頼りすぎるあまり、『視覚優位』とコメントされることも)。
活動初期は配信中に話をしながらイラストを描くことは難しいとして配信におけるメインコンテンツでは無かったが、2018年7月のおえかきテスト配信から始まり2024年04月時点でお絵かき配信は36回に渡っている*35。配信中でもイラストを描く速さ、精度は年々非常に高くなっているが、本人曰くほとんど雑談になっているとのこと。2022年5月頃からは毎朝のツイートにイラストを付けて投稿している(『#名取がおはようする時絵がついてくる』タグ参照)。名取のイラスト技能は非常に高いものの、稀に独特のセンスが発揮されることでユニークな外見の動物などのイラストが描かれ、これによって生まれたさなちゃんねるキャラクターズも多い。
イラストの上手なVTuberとして、他チャンネルでのコラボに出演したこともある*36。また、イラストレーターとして自分以外のVTuberのグッズ製作などにも複数携わっている(グッズ/第三者のグッズへの参加)。
声真似
活動初期からアニメやゲームのキャラクター、他のVTuberなどの声真似を頻繁に配信中のネタとして披露している。声真似のクオリティ自体は真似る対象によっては非常に高く、ニュース記事にも取り上げられ、『声帯模写の鬼才』と評された際には本人もまんざらではないリアクションをしていた*37。
なお、本人としては似ているつもりの声真似ほど配信中のコメントでは不評になることが多い(雑きらりなど)。
趣味・趣向
- グルメマンガ
- グルメマンガをこよなく愛し、隙あらば最近読んだグルメマンガの話を雑談中に挟むことがある。特に『ラーメン発見伝』シリーズの話題を出すことが多い。
- グルメマンガに限らずネットミームの元になったものを中心に、マンガやアニメは好んで読書・視聴している(以下はマンガの例)。
- ラーメン発見伝・ラーメン才遊記・ラーメン再遊記:芹沢サンがお気に入り
- DEATH NOTE:2021年に入ってからDEATH NOTE熱が再燃したらしくたとえ話に出すことが多い。隙あらばDEATH NOTEの話をするため『隙デ』とコメントされることもある
- 土山しげる作品:荒野のグルメなど、絶筆となってしまった作品があることを無念に思っている
- シャドーハウス:アニメ化前からおすすめしていた。作者のソウマトウ先生には2021年の『さなのばくたん。』の際に公式ヌォンタートを描いてもらった縁も
- トリコ:アニメ版で登場したオリジナル玩具「グルメスパイザー」が2020年9月頃からネットで流行した際、「アニメオリジナル玩具の販促のために原作の展開が変えられている」という話を聞き、その面白さを最大限に味わうためにマンガ全43巻を読破した
- MMR マガジンミステリー調査班:「な、なんだってー!!」などのミームで有名であるため名取も読んでおり、このミームを全て名取で表現した模写イラストがサムネイルとなった配信回もある*38
- 鋼の錬金術師:配信中にたとえ話などに出すことが多いマンガのひとつ。頻繁に出すネタとして『視聴者全員集めて(特に意味もなく)賢者の石を錬成する』など
編集中(加筆歓迎)
- そのあまりのグルメマンガ愛は、2021年4月よりpixivFANBOXにて「名取さなのもぐもぐごほうびごはん」をスタートさせるほど。これについては個別ページ「名取さなのもぐもぐごほうびごはん」を参照。
- 動画視聴
- 作業の合間に動画配信サービスで映画やドキュメンタリー番組など、多岐に渡るジャンルの動画を視聴していることを度々語っており、その趣向についてもしばしば雑談で話す機会がある。
- ドキュメンタリー番組としては動物の生態に関するものや工場見学系統の動画などを好んで視聴している。
- 好きな映画として『スタンド・バイ・ミー』、『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』、『インターステラー』*39、『TENET テネット』、『トゥルーマン・ショー』などを挙げている*40。さなのばくたん。は映画館のチネチッタで開催されることもあり、映画パロディポスターの掲示も行っている*41。
- 2021年後半からはハリー・ポッターシリーズにハマっており、頻繁に話題に出すため言及した配信回をまとめた再生リストを作っている*42。
- 本人曰くホラー耐性があるため、2021年に入ってからはホラー映画やYouTubeでのホラー専門チャンネルを見ていることも多い*43。
- 動物が酷い目に遭う映画は見れないため、鑑賞前に"Does the Dog Die?"などのサイトでその有無を確認している*44。
- ライブカメラ映像もしばしば見ており、オーロラを静止画と気づかず見ていた、歌舞伎町のライブカメラに現れた露出狂を友人の月ノ美兎に教えて一緒に見たなどのエピソードがある。
- 動物と動物園
- インターネットで流れてくる動物の画像や動画、動物園の情報を大量に見ており、動物の生態や動物園に非常に詳しい。
- 動物好きを公言していたこともあり、ニコニコ生放送公式番組『名取さなとお出かけ!~どうぶつえんとゆうえんち~』に出演した際には動物知識を披露していた。
- 2023年には名取の好きな動物園とのコラボレーション企画、『名取と行く!那須どうぶつ王国』が開催され、念願の動物園とのコラボとなった。
- 動物愛からお絵描き配信の題材に動物のイラストを大量に描く配信をしたこともある*45。
- 動物全般が好きだが、公言している苦手な動物はワニ。ワニが捕食の際に行うデスロールが怖いため*46。
- ゲーム
- ドット絵のゲームを好んでおり、しばしば配信でもプレイ実況を行っている*47。
- 配信上ではノベル要素の多いゲームをプレイすることが多く、キャラクターや場面に合わせたテキストの読み上げのクオリティには定評がある。特にアプリゲーム「ブルーアーカイブ」は前述のようにリリース以来プレイしており、布教に余念がない*48。配信やTwitterでは名取によるイラストを見ることもできる。ブルーアーカイブ好きの配信者としての案件配信も複数回受けており、その縁から2023年と2024年の「さなのばくたん。」では運営会社のYostarからフラワースタンドを贈られたことも*49。またブルーアーカイブ本編や公式生放送に出演する声優陣による“微”公式番組「ブルアカ同好会」にもゲストとして複数回出演している。
- 活動初期はゲーム自体への経験が少なく、アクションゲームは苦手としていたが2022年頃からは「Ghostwire: Tokyo」なども配信でプレイしている*50。
- クイズが好きなため、配信外では雑学クイズのゲーム「みんなで早押しクイズ(みんはや)」をしている*51。知識欲が高じて雑学を知る配信をしたこともある(ハンムラビ法典について2時間かけて読む配信など)。
- 一方でパズル要素は苦手としており、ゲーム実況中にそういった要素が入ると「あっ」「まずい」などのコメントが並ぶことも多い。
- ネットで話題のゲーム(例:EXILEの音ゲーこと「EXtreme LIVES」*52、マツケンの乙女ゲーこと「健さんとおうちでアリマ」*53、「すみっコぐらし 農園つくるんです」*54など)や怪しい広告のゲーム(例:試験管の液を入れ替えて色を揃えるもの*55)など、普段はしないジャンルのアプリゲームを好奇心から配信外でプレイしている。
エピソード
- 雑談配信では頻繁に話題が右往左往する。無軌道雑談と呼ぶことも。
- 開始10分で話題が五転したことがある*56。
どんぶりのグッズ化予約日→リマインドのために告知をしすぎてしまう話→動物園のクラウドファンディングのリマインドの話→動物園のクラウドファンディングの返礼品の話(トラによるダメージジーンズ)→トラの話→山月記→名人伝(同じく中島敦 著)の話 - あまりにも話題が散らかって何の話をしている配信か分からなくなり、終了後にタイトルが異常に長くなる配信が2021年以降多発している*57。
- 2021年になってからは右往左往した末に無い話に落ち着くことも増えている。以下のような例がある(配信ネタバレ要素含む)。
- 墓のフォントとお経を決められるとしたら(【雑談】8月の霊圧が消えかかっててワロタ)
- 名取の国にキノが来たら Twitter編(【雑談】プイプイプイプイプイプイ…)
- 名取の国にキノが来たら ニシンのパイ編(【雑談】ブクク【名取さな】)
- Uber Eatsがモンハンだったら(【雑談】うんちを流すな気軽にミストをすすめるなニシンのパイは笑顔で受け取れ魔女には優しくしろ…ニャン【名取さな】)
- ひぐらしのなく頃にのキャラクターがYouTuberになったら(【雑談】次に来るマンガ大賞2021や好きな漫画について、ひぐらしの沙都子は学校辞めてYouTuberとして大成してくれ頼むから、な配信【名取さな】)
- 魔法学校がアキバにあったら(「ハリー・ポッターの交換留学先、アキバの魔法学校"オタクトコロ"」「同居動物の名前を原形なく呼ぶ」など。)
- デスノートのキャラクターが配信者だったら(サナトリウム直販 雑談ロボ「さな」)
- ドネルケバブとバームクーヘンの秘密(【雑談】この世は何が起こるかわからない【名取さな】)
- 世にも奇妙なサブスクの話(※珍しくホラーテイスト)(はえ~ワイ雑談するんか~)
- 文明が滅ぶとしたらオタクを集めて古墳を作りたい(EXILEの音ゲーがすごかった話、wordle、全員で無人島を買って、死の間際はオタクを集めて古墳を作る)
- 特にやる予定のないメンバーシップの内容を考える(やる予定も無いメンバーシップの特典を無駄に考える配信。)
- 架空のラジオの内容を考える(ポタクなのでアニメをみまつた!&架空のラジオ「どくラジ」&ぼくぁイベントをがんばる!)
- 幽霊を募集するバイトの求人内容を考える(オカルト雑談~9割の心霊写真は幽霊にギャラを払って撮影するヤラセ~)
- やる予定のない重大発表のサムネイルを作る(6月雑談ですニャンねえ…w)
- さなちゃんねるキャラクターズで文房具や小学生向けの物を作る(来た、7月!あちあちサマー雑談)
- 生前から来世までを考えた結果、産声がパスワードになる(良いもの見せびらかす!雑談と新情報お届け!)
- ウソの都市伝説「エニグマチャイルド」を作る(【雑談】無軌道雑談・秋)
- 開始10分で話題が五転したことがある*56。
- 収録現場ではお菓子やジュースを人からもらうなど子ども扱いを受けることがある*58。
- 本人曰く実は手先が不器用(折り紙でツルを折ると頭が出てこない、知恵の輪が力の輪になる*59、エコバッグを畳めない*60など)。
- 2023年6月現在のPCモニターの枚数は液タブを含めると4枚*61。なお2021年の『さなのばくたん。』でこの枚数をクイズにした際、会場の回答は2枚であったが、名取はPCモニター2枚に液タブ1枚を含めて答えは3枚と当時発表したため、液タブをPCモニターと認めないせんせえからは悲しみを表す青のペンライトを振られた*62。
- またPCモニターの枚数に続いて「名取が好きなTwitterクライアント」をクイズにしたところ、名取が頻繁に使っているTweetDeckが会場からの回答であったが答えはTwitter Web Appであった(理由はリプライが返しやすいため)。「よく使う」ではなく「好きな」Twitterクライアントが問題内容だったと名取は主張したが、これに対して会場からは怒りを表す赤のペンライトが振られた*63。これ以降のイベントではペンライトによる感情表現が自然と行われるようになった。
- ヘッドホンはKOSSのPORTAPROにYAXIのイヤーパッドをつけた物のような外見のものを使っている*64。
- Twitterなどの画面をすべてダークモードに設定しているため急な光に弱い*65。
- 足つぼマットが効かない*66。
- 瓦割りができる*67。
- 口笛が吹けないため、名取さなのもぐもぐごほうびパーティ2でのカバー曲披露の際には音源の口笛を使用した*68。
- PC中の画像ファイルの命名規則が基本的に無い*69。例外として朝イラストは日付で命名している*70。
- スマホの画面はバキバキに割れている*71。
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