イベント/あばよ訓練宜しく配備

Last-modified: 2012-10-07 (日) 12:24:03

シナリオ/世界移動シナリオ-Shoot the Bullet編のイベント

あばよ訓練宜しく配備

この世界の地球に向かう傍ら、イメージファイトシステムによるインスタント訓練を受けるPC。
到達する頃にはデータ内の話ではあるが操縦、戦闘を一端にこなせるようになっていた。
そしていよいよ軍属となる。

 

Chapter:1「王」

夢美達と共にこの世界のネ実市にある宇宙港に降り立つPC。
「悪いけど観光は後にしてくれない?あなたのことを司令に話さないといけないし」
司令?
「ラオグリム元帥、このネ実市方面基地の司令で、この辺りの統率者。けっこうエグい手草も使うんで闇王なんて影口も叩かれてるわね」
元帥といえば最高クラスの階級、いくら凄腕であっても技官でしか無い夢美が会えるのか?
「元帥はウチ(震天)の設立者だし、何よりあなたのことを教えたら会うってさ。戸籍の改ざんとかには手を借りないと不味いしね」
おい、可能性空間移動船の事バラしたのか。
「別にここじゃあ時空移動の技術は確立してるしパラダイムシフトの心配なら要らないわよ?」
そういうことを言っているのでは無いのだが、そうこうしている内に基地内の総司令室に到着した。

 

司令室の中身は、よく言えば独創的で、悪く言えば悪趣味だった。
全体的に黒を基調としており、ドクロとか水晶とか、まるでファンタジーの悪役だ。
自分の知るラオグリム先生からは考えられない光景、戦場とはここまで人の心を疲弊させるのか。

 

そう思考している内にドクロっぽい椅子にどっかり座った黒っぽくなってるラオグリム司令が夢美と話し始めた。
「フォールド通信で送られたデータは見た。イメージファイトにおいても最低基準は満たしている」
「ならば問題ありませんね?」
「本来ならば大有りだ。この程度ならいくらでもいる、何より正規の訓練を受けていないパイロットを軍に特例で入れ、あまつさえ新型を与えるなど、決して有り得ないことだ」
「しかしながら司令もこの一件に期待していなさる。小さな水滴も大きな波紋にを生むかもしれない、蝶の羽ばたきが嵐を生むかもしれないと」
「期待と呼べるほどの物ではない。だが現状が行き詰まっているのも確かだ。突破口になるはずもないが、取っ掛かり程度にはなってくれると思いたい」
「ではよろしいですわね」
「ああ」
PCには余り意味の通じぬ会話をしばし2人で交わした後、ラオグリム司令が話しかけてきた。

 

「君の来歴はこちらで作らせてもらった『反政府テロリストが軍のパイロットのDNAを入手して作り上げたクローン人間。それを極秘任務中の震天が回収して再利用』だ。無論表沙汰ではなく、各部隊の司令レベルしか知らない話にはしておく。後は向こうが上手く誤魔化すだろう」
突拍子も無いっすね……。
「異世界から来たよりは信憑性がある。それに君の外見と類似している人物が存在する事を説明するには、ちょうどいい嘘だ」
あ、そうだ。可能性空間移動船はどうなるんですか?
「私のラボにおいてあるわ(いざとなったら勝手に帰りなさい。そのほうが私の言い訳も立つから)。で、どこの部隊に行きたいの?」

Chapter:2「選択」

 

PCは考えた。

 
G

PCは天使と呼ばれる存在と、その愛機たるRVに興味を抱いている。
だから秘密時空組織「G」への配属を希望した・

 

「岡崎、彼に『素質』は?」
「ありません、しかし『零』のロールアウトは間近と聞いています。そのパイロットとしてねじ込んで下さい」
「解った、少し待て」
そう言うと手元のコンソールを操作して、どこかと通話を始めた。

 

「俺だ、八雲学園長を出せ。昼寝中?叩き起こせ!……なに、そうか、解った」
「直接こちらに来るそうだ」
しばし後、スキマが開きこちらの世界の八雲紫が姿を見せた。
少なくとも、外見的にはさほど変化は無いみたいだ。
「ご用と伺いましたわ元帥……それに岡崎技官も」
ラオグリムはPCの捏造された来歴、そしてGに配属する話をした。
「お断り申し上げますわ」
断られた。
「常日頃から申し上げておりますようにGは飽くまでも対バクテリアンの組織であり、この世界における軍事協力もそれだけが目的です
ベルサーやバイドとの戦闘もバクテリアンが関わらなければ、可能な限り許可を出しておりません、よもや我々が善意の協力者であり、軍属では無いという事をお忘れか?」
「理解している、だから命令では無く要請をしているのだ」
「ですからお断り致します。クローン兵士などという軍事色の強いものを私の生徒達と関わらせる……!?」
その場にいる全員が驚愕した、ラオグリム司令が目に涙を浮かべて席を立ち、PCの両肩を掴んだのだ。
「……すまない、おじさんは君との約束を守れないみたいだ。学校に行ってみたいって言ってたのにな、今までずっと戦う訓練ばかりして来たから、青春を知ってみたいって言ってたのにな……!」
訳がわからないPCを尻目に司令はPCの(更に捏造された)悲惨な経歴を語りはじめた。
どうやらPCは製造されてからずっと戦闘訓練を受けさせられた悲惨な境遇であり、それで保護されたものの戦うことしか出来ない境遇。
ならばせめて味わえなかった青春を味わいたいとGを希望したことになったようだ。

 

全ての事情を聞いた紫はぶわっと涙を溢れさせてPCを抱きしめ、いいのよいいのよ分かった話と言いながら入隊を許可。
明日以降、学園に通い施設の案内を受けることになった。

 

……いいのか、こんなんで。

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