イベント/ここに楽園は無い

Last-modified: 2011-11-24 (木) 07:45:44

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


ここに楽園は無い

怒闘

根の国の逆さ五重塔。
言葉の響きから想像し辛かったが、それは文字通りの外見だった。
黄泉平坂を通り根の国に辿り着いた一行が見たのは、天井から逆さまに生える異様な五重塔。
唯一の道は最上階……いや最下層?に続いていたため、そこから侵入することに。

 

五重塔の各階では今まで倒した四神が亡霊兵士と一緒に出迎えてくれるが、これまでの経験を十分に生かせば突破は難しくないはず。

 

そして……最下層(最上階?)。
黒いもやのようなもので包まれた人型は、そこに悠然と待ち構えていた。

 

「ようやく来たか……。褒めてつかわす。ここまで朕の戯れに応えられるとは思いもよらなんだ」

 

「……戯れ?」

 

「朕が用意した、壮大な戯れだ」

 

神を名乗る人型は、そんなことを言った。一同は混乱を隠し切れない。
「どういうことよ?」

 

「朕の力を持ってすれば、斯様な小さき国を平定するのは容易いこと。それをしなかったのは、朕が退屈していたからだ。そこで死者の軍勢と四神を従えさせたのだ」

 

「何を考えているのでござるか!」

 

「死者と四神らは世を乱し朕を楽しませてくれた。だが、それも束の間のこと。すぐに朕は退屈を覚えた」

 

「……そこで戯れ……か?」

 

「そう!その通りだ!朕は絶望を打ち破る勇者を所望したのだ!」

 

「何もかも、あなたが書いた筋書き通りだったというわけですね」

 

「理解が早いな。多くの者が勇者になれず死者の軍勢に組み込まれていった……。死すべき運命を背負った存在が必死に生きていく姿は、朕さえも感動させるものがあった。朕にこの感動を与えてくれたうぬらに褒美をつかわそう」

 

「戯言を申すな!拙者たちは御主のためにここまで推参したのではござらぬ!」
「よくも……よくも私たちみんなを玩具にしてくれたな!」

 

「それがどうかしたか?全ては神たる朕の掌の上にある」

 

「……私たちは、モノじゃない……!」

 

「神に楯突くとは……どこまでも愉快な人間たちだ!」

 

「主人公さん……」
麟?
「私に勇気を下さい」
お安い御用。
「ついでに……ありったけの怒りも」
うむ、ここはそれしかにいよな。

 
 
 

「俺/私たちの怒りが有頂天になった!!」

  • vs.闇神
    シーモアバトル!
    勝利条件:闇神の撃破
    敗北条件:主人公の戦闘不能
     
    闇神は3ターン毎に四神を召喚してくる。
    一度倒した四神は二度は召喚しないので、まずは四神の撃破に専念しよう。
    闇神は状態異常を与える技を多用するため、回復手段を多めに用意しておきたい。
    また、MPを一瞬で空にしてしまう「無の指先」を避けるため、魔道士系は近づかないように。
    闇神を倒すと、続けて黒麒麟戦に以降する。
  • vs.黒麒麟
    我ら来たれり
    勝利条件:黒麒麟の撃破
    敗北条件:主人公の戦闘不能
     
    戦闘開始時に既に四神が勢揃いしているので、黒麒麟の前にこれを全滅させよう。
    幸い、HPは大幅にダウンしている。
    黒麒麟は状態異常の使用頻度は低くなっているので戦い易いが、代わりに攻撃力が大幅に上がっている。
    土属性の魔法を多用し、リジェネも搭載している。
    ヨシカとゲッショーの2枚盾で慎重に攻撃しよう。
    レベルの高い麟とゲッショーが戦闘の要となる。
    「これも、生ける者のサガか……」

「……人間よ、天晴れであった」

 

崩れ行く巨体が、確かに呟いた。

 

「朕は礼を言わねばなるまい……。お陰でこの忌まわしき『穢れ』より解き放たれるのだからな」

 

それだけ言って、神を名乗った存在が霞に消えた。

休戦条約

神を名乗る者は倒れた。
その霊力で動かされていた死者たちも、また。

 

輝夜姫の持ってきた『アトルガン皇国との休戦条約締結』の朗報は瞬く間に国中を駆け抜け、日が沈んでもお祭り騒ぎは続いた。

 

明くる日、若干の筋肉痛を感じつつ、主人公は永遠亭に呼ばれた。
そこには、死者の軍勢と戦い抜いた仲間たちも集まっていた。

 

「まずはお礼を言うべきなんでしょうね。……だと言うのに、姫様は……」
姫様は今日も留守だったらしい。
ま、鈴仙の居場所が分かっただけでも良しとするか……と永淋が呟いたように聞こえたが、多分気のせいだろう。

 

「アトルガンを通じて中の国からこんな情報提供があったの」
ユメミが数枚の羊皮紙を取り出す。
「闇の王の軍団……宣戦布告からの初戦はほぼ完全な奇襲だった。にも関わらず、各国の主力に致命的な打撃はまずない。……変だと思わない?」
確かに……奇襲に失敗したってことか。
「中の国の兵は強者揃いだと聞き申す。それ故ではござらぬか?」
「もちろん、それもあるでしょうね。でも、末端の兵士から話を聞いてるのよ。……獣人の軍勢を押し留めた亀や竜や虎や鳥の話をね」
……それって、もしかして?

 

「これはあくまでも私の仮説なんだけど……あいつ、消える間際に『穢れ』がどうの言ってたでしょ?」
「『穢れ』……霊獣たちの神性を貶めるとされる概念のことよ。基本的に、生物の生き死に関わると発生するといわれているわ」
「もし……もしもよ。人間たちを守るために麒麟たちが獣人と戦って、『穢れ』てしまったんだとしたら……」

 

「……経緯はどうあれ、連中が人間を害し、死者を冒涜したのは事実だろう」
妹紅の発言に、ユメミは言葉を詰まらせてしまった。そもそもがもしもの上に成り立っている仮説なのだから、それ以上の反論ができなかったのだ。

 

「とにかく、貴方たちのおかげで、この国は平穏な生活を取り戻すことが出来たのです。ありがとう」
釈然としないモノを感じるみなにとっては、永淋の言葉はせめてもの慰めだった。

 
 
 

「あ、もう行っちゃうの?」
町を出る途中で、例の彼女に話しかけられた。
「私がこうして安心して外出できるのも貴方のおかげだと思うと、感謝しても仕切れないわね」
以前の問題を解決する前から笑顔で出歩いてた気もするんですがねぇ?
「あはは。いいんだって。こういうのは気持ちの問題なんだから。そうねぇ……それじゃあ、ウチで保管されてた刀を持っていくといいわ」
いいんでうsか?
「いいの。持ってくるから、ちょっと待っててね」

 

「はい、これ。由緒ある物なんだから、粗末に扱っちゃ駄目よ」
うむ……見るからに名刀って感じだしな。
「さて、引き止めてごめんなさいね。気が向いたら、またこの国に遊びに来てね」
hai!

 

彼女に見送られ、清々しい気分で町を発った。
そういえば……結局、輝夜姫とは直接会ってないなぁ。話に聞くだけでも色々と奔走していたのは分かっているのだが。

 

……また今度来た時に会えればいいか。


  • イベントクリア後の影響
    ひんがしの国とアトルガン皇国の戦争が休戦し、両国の関係が改善されるようになる。
    以後、妹紅、セーガ、ヨシカ、ゲッショー、カイエン、ユメミをPTに誘えるようになる。
    (そうとは知らず)姫から渡された刀

    小鴉丸
    ミシックウェポンが一。
    刀身の先端部分が両刃を成し、東方の刀と西方の剣、双方の特性を兼ね備えた異形の太刀。
    かつて、太陽神の使いである『八汰烏』によってもたらされ、その刀は八汰烏の翼から現れたと云う。