シナリオ/世界移動シナリオ-黄金艦隊編のイベント。
オセアニア補給路確保
- 神子
- 「未確認の新型艦、か」
解放軍第一艦隊司令官、豊聡耳神子大将は、椅子に埋まりながらそう呟いた。
その場には第二艦隊司令の古明地さとり中将、第三艦隊司令シド大将、第四艦隊司令バッシュ中将…解放軍のトップが揃い踏みだった。
第一艦隊戦艦、長門艦内の作戦会議室である。
- さとり
- 「南方の不審な艦影の正体は、それですか」
- バッシュ
- 「はい。こちらからの応答には全く答えず攻撃してきたため、反撃したとのことです。搭乗員も確認されなかったと」
- シド
- 「無人艦だと? 帝国どもめ、そんなものも投入してきやがったのか」
- 神子
- 「どうだろうな……"彼"を連れてきて以来、八雲は動く気が無いようだけど……」
- バッシュ
- 「大和の分の燃料と弾薬には手が回せませんので……」
きっ、と姿勢を正し、神子が話を切り替えた。
- 神子
- 「帝国の攻勢が鈍くなっている」
- シド
- 「? そりゃ、敵さんの方が戦力が上とは言っても、本土まで攻めるのは性急すぎるだけだろ」
- 神子
- 「そう、原因はそれだけではないと思っているが、とにかく、帝国の攻撃は今までと比べれば緩くなっている」
- さとり
- 「……大将さんは、第三勢力がいると考えているんですか」
- 神子
- 「というより、第四勢力ね」
- バッシュ
- 「……"霧"の艦隊ですか。帝国と言えど、あの艦隊には迂闊に手が出せないと見えます」
霧の艦隊とは、ある時から現れた超兵器群のことである。
目的は不明だが明確な自我を持ち、その上で解放軍にも帝国軍にも敵対的な存在だった。
圧倒的な戦力差に、両軍とも敗退せざるを得なかったのである。
- シド
- 「あいつらにも戦力を割かなくちゃなんねぇのは分かるぜ。で、あいつらみてぇなのがまだ増えるってのか?」
- 神子
- 「あまり喜ばしい事態とは言えないが、それで帝国に隙が出来れば突くべきね」
- バッシュ
- 「具体的には?」
- 神子
- 「ヴィルベルヴィントは南へ逃げた……」
- さとり
- 「南方に補給を受ける基地があるということですね」
- バッシュ
- 「ヴィルベルヴィントの大きさを考えれば、小さな島では無理でしょう」
- シド
- 「てぇことは……オーストラリア?」
- バッシュ
- 「いくら快速とは言え、オーストラリアからここまで出撃するのは非効率だと思いますが……」
- さとり
- 「本格的な修理は大陸だとして、燃料と弾薬の補給だけなら、小さな基地や補給艦だけで済ますことは可能でしょう」
- シド
- 「あいつ、大ダメージを受ける前に逃げてるよな。だったら補給だけで十分だろ。けどよ、それなら海上のどこでもいいってことにならねぇか?」
- 神子
- 「そうね、本格的な修理が必要でないなら、どこでも補給は出来る。だけど……ヴィルベルヴィントは超兵器だ」
- バッシュ
- 「普通の兵器より燃料弾薬は大量に必要になる……」
- 神子
- 「帝国軍の補給路の寸断は、そのまま解放軍の補給路の確保に繋がるわ。大掛かりな作戦になるけど、決して無駄にはならない」
トントン拍子に会議は進み、次の作戦が決まった。
- 日本~オセアニア近海の帝国の補給路の寸断(確保)、それによる超兵器ヴィルベルヴィントの燃料枯渇
解放軍の他の艦隊と共に、日本からオセアニアまでの海軍基地の制圧を行う。
具体的には、トラック泊地、ブイン基地、ショートランド泊地、ラバウル基地、バラオ泊地、ブインブイン泊地、ブルネイ泊地、リンガ泊地の制圧が目標。
大掛かりな作戦方針なので、1日2日で終わる事柄ではない。長期間に渡って進めていく必要がある。
途中、ヴィルベルヴィントの妨害を幾度と無く受けるだろうが、以前と同様に撃退しよう。