洋上の対決 ~バルト海の名宰相~

Last-modified: 2017-09-22 (金) 00:12:04

プロローグ

 (ストックホルム・謁見の間)
  
グスタフ・アドルフ
 先のロシア神聖ローマ帝国との
 小競り合いが落ち着いてからというもの、
 バルト海は平穏になってしまったな。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 陛下。
 民が平和に航海できるのは、
 国にとって良いことではありませんか。
 
グスタフ・アドルフ
 その通りだ。
 だが、つまらんではないか。
 
 この際、はっきりとバルト海の制海権が
 どちらに帰属するものか、ロシアと決着を
 つけるというのはどうだ?
 
アクセル・オクセンシェルナ
 なりませぬ。
 
グスタフ・アドルフ
 では、従兄のポーランドはどうだ?
 以前煮え湯を飲まされたからな。
 今度はそうはいかん!
 
アクセル・オクセンシェルナ
 なりませぬ。
 
グスタフ・アドルフ
 ならば、神聖ローマ帝国だな。
 傭兵隊長が出てくるだろうが、望むところだ。
 我が国の強さを見せつけてくれる!
 
アクセル・オクセンシェルナ
 なりませぬ。
 
グスタフ・アドルフ
 なぜだ!
 お前は余に戦うな、というのか。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 大国相手に戦端を開き、陣頭指揮を執った結果、
 神聖ローマ帝国の傭兵隊長、ヴァレンシュタインに
 殺されでもしたら、どうするのです。
 
 今、陛下を失うわけには参りませぬ。
 
グスタフ・アドルフ
 おい、オクセンシェルナ
 物騒なことを申すな。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 それに、小競り合いも含め、戦争続きでしたから、
 現在の我が国は、力を蓄える時期です。
 来るべき大きな戦いが先延ばしになりますぞ。
 
グスタフ・アドルフ
 いや、それは困る!
 ………………やむをえんか。
 
 (オクセンシェルナの執務室)
 
アクセル・オクセンシェルナ
 陛下のご気性の粗さ、そして戦いを求める性分。
 まったくもって、困ったものだ。
 
 このままでは、私に隠れて
 海賊退治の陣頭指揮などやりかねん…。
 
部下
 このバルト海の海賊で、
 陛下とまともに渡り合えるほどの者がいるとは、
 到底思えませんが…。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 私もそう思う。
 だが、万が一ということもある。
 
 陛下が後方で指揮を執られるような方なら、
 そのような不慮の事態も起きづらいだろうが…。
 
部下
 我らが王は、間違いなく前線に立ち、
 自ら兵を鼓舞して戦われるでしょう。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 そういうことだ。
 そして、前線に出ればその分危険度は増す。
 
 そのような事態を防ぐためには、
 陛下を満足させ、かつ富国強兵を推進できる策…。
 
部下
 そんな都合の良い策があるのでしょうか。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 ふむ………………。
 方々に迷惑をかけることになるが、
 この手ならば…。
 
 (ストックホルム・謁見の間)
 
グスタフ・アドルフ
 海事訓練?
 
アクセル・オクセンシェルナ
 左様でございます。
 
グスタフ・アドルフ
 訓練なら今も行っているではないか。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 そうではなく、プレイヤー殿など
 広く名の知れた提督・傭兵の参加を募り、
 より効率の良い訓練を行うのです。
 
 彼らの戦いを観戦し、時には我らが艦隊を率い、
 直接模擬戦を行うことで、
 急速な練度向上を図るのです。
 
グスタフ・アドルフ
 プレイヤー提督か!
 その時は、俺も出撃してよいのだな?
 
アクセル・オクセンシェルナ
 構いません。
 あくまで模擬戦ですので、
 死ぬことはないでしょう。
 
グスタフ・アドルフ
 よし、やろう!
 オクセンシェルナよ、すぐに準備せよ!
 プレイヤー提督の招待も忘れるな。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 畏まりました。
 
 (後日・謁見の間)
 
グスタフ・アドルフ
 よく来てくれたな、プレイヤー提督。
 待っていたぞ!
 
ニーナ
 お召しにより参上いたしました。
 
グスタフ・アドルフ
 手紙でも伝えたとおり、大規模な海事訓練を行う。
 多く貢献してくれた者には、
 より多くの報酬を用意している。
 
 是非参加し、スウェーデン海軍の練度向上に
 一役買ってもらいたい。
 よろしく頼むぞ!
 
 (オクセンシェルナの執務室)
 
アクセル・オクセンシェルナ
 プレイヤー殿を巻き込んでしまい、
 申し訳ありませんでしたな。
 今回の海事訓練には裏があるのです。
 
 先のロシアとの小競り合いが一段落し、
 バルト海が平和になったことで、
 陛下は新たな戦いを求められているのです。
 
 このままでは自ら海賊討伐などに出撃しかねない。
 それを防ぐために、模擬戦という形で戦闘参加して
 いただく、というのがもう一つの狙いです。
 
ロッコ・アレムケル
 確かに、指揮官として心強いが、
 王様のやることじゃねぇなぁ。
 
ニーナ
 それで、オクセンシェルナさんは、
 私たちにどうせよ、と仰るのですか?
 
アクセル・オクセンシェルナ
 全力で陛下と戦っていただきたい。
 
ニーナ
 えっ?
 
アクセル・オクセンシェルナ
 陛下に満足していただくために、
 全力で陛下のお相手を務めていただきたい。
 
 そして、強敵との戦いは兵を強くする。
 提督たちも活躍すればするほど、陛下は満足し、
 報酬もその分上乗せされるでしょう。
 
 特に大きな働きが見受けられたならば、
 私が提督たちにご助力致しましょう。
 
 くれぐれもお願い致しますぞ。

本日の支給品

アクセル・オクセンシェルナ
 プレイヤー提督。
 これが今日の援助物資です。
 引き続き訓練にご協力ください。

エピローグ

1 ~ 999999

1000000 ~

 (旗艦甲板)
 
アクセル・オクセンシェルナ
 プレイヤー殿の采配は見事でしたな。
 陛下、ご満足いただけましたかな?
 
グスタフ・アドルフ
 うむ。
 素晴らしかったぞ、オクセンシェルナ
 海事訓練は大成功だ。
 
 プレイヤー提督!
 さすがに提督は強いな!
 久しぶりに楽しい戦いができたぞ。
 
ニーナ
 ありがとうございます。
 ご期待に沿うことができて良かったです。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 陛下。
 富国強兵は国を支える基礎。
 
 戦いたいお気持ちはわかりますが、
 頻繁に他国と事を構えるのは良策ではありません。
 
 闘志が昂ぶられた時には、此度のように大々的な
 海事訓練を催し、発散なされませ。
 
グスタフ・アドルフ
 むぅ。
 余に軽々しく動くな、と言うのだな。
 止むをえんだろう。
 
 プレイヤー提督なら
 余の昂ぶりを満足させてもらえるだろうしな!
 
ニーナ
 えっ………………?
 
アクセル・オクセンシェルナ
 陛下。
 
 プレイヤー殿は広い大洋を東に西に、
 各地を冒険されているのです。
 毎回参加していただく訳にはいきますまい。
 
 世界にはプレイヤー殿と
 互角以上の実力を持つ手練れもおりましょう。
 彼らで満足なされませ。
 
ニーナ
 そ、そうですね。
 もし、また参加せよ、ということがありましたら、
 ご連絡ください。
 
グスタフ・アドルフ
 そうだな!
 しばらくはそれで満足するとしよう。
 
 プレイヤー提督!
 また余と全力で戦おうぞ!
 次に戦うときは、必ず勝ってみせるぞ!
 
ロッコ・アレムケル
 こりゃ、あっしらも負けないよう
 腕を磨かなきゃいけやせんな。
 
アクセル・オクセンシェルナ
 プレイヤー殿。
 今回は海事訓練への参加、ならびに
 陛下を満足させていただき、感謝いたしますぞ。
 
 報酬はふんだんに用意しておりますので、
 港に着いたらお受け取り下され。
 
 それと、今後は私がプレイヤー殿に
 協力させていただくこともありましょう。
 
グスタフ・アドルフ
 なんだ、オクセンシェルナ
 プレイヤー提督に力を貸すのか?
 
アクセル・オクセンシェルナ
 陛下が、お忍びで助力していることは
 承知しております。
 その陛下を止められるのは、私くらいでしょう。
 
 烈火と凍氷、と対比させられているようですし、
 荒ぶる陛下を止める役は、
 このオクセンシェルナにお任せくだされ。
 
ニーナ
 プレイヤーさん。
 今回はお疲れ様でした。
 期待以上の働きができて良かったですね!
 
ロッコ・アレムケル
 あの北方の獅子相手に、全力で戦うってのは、
 あまり何度もやりたくはありやせんが、
 次の機会にも、積極的に参加しやしょう。
 
ニーナ
 それでは、報酬を受け取りましたら、
 私たちの旅を再開しましょう。
 
ロッコ・アレムケル
 出港準備はできてやす。
 目的地の指示をお願いしやす!

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