友わしその2だよ~

Last-modified: 2017-07-10 (月) 10:10:12

「暑いねぇ須美ちゃん」
そう言って胸元を団扇で扇ぐ友奈さん。
鎖骨の辺りがチラチラと見えてしまうし、袖口から腋が見えて目のやり場に困ってしまう。
「もう、だらしないですよ友奈さん。麦茶、飲みますか?」
「ちょうだい!」
食いつきの良さに吹き出すのをこらえつつ、よく冷えた麦茶を注いで渡す。
「ありがとー!んー冷たくて美味しい!」
音を立てて麦茶を飲む友奈さんの、うっすら汗の浮かんだ喉が上下する様は、なんだか扇情的。
本当に目のやり場に困る人だ…。
内心の動揺を隠して、額に浮かんだ汗を拭いてあげれば、ありがとうと頭を撫でて貰えた。
嬉しさを覚えながら、話を切り出す。
「友奈さん、その…海、行きませんか」
以前から考えていたことで、前回はバーテックス退治が主だった目的だったが、今回は友奈さんと遊ぶのを目的としたものだ。
「海?いいねー!じゃあまた皆を」
「あの!そうじゃなくて!」
友奈さんの言葉を遮る。
そうではない。そうではないのだ。
「あの、ええと…」
皆で行けば、きっと楽しいだろうけれど。
友奈さんは、誘われれば断らず、皆と遊んでしまうだろう。
それは、ダメ。
恥ずかしさに顔を見れないけど、勇気を振り絞る。
「その…二人きり、ダメですか?」
きっと私の顔は真っ赤だろう。
でも、二人きりがいいのだ。
他の皆に邪魔されず、二人きりで過ごしたい。
友奈さんの水着を見たい。
私の水着を見て欲しい。
二人で、二人だけの、思い出を作りたいのだ。
「いいよ、須美ちゃんは可愛いねぇ…」
抜け駆けをしているという後ろめたさは確かに有る。
けれど、他の誰にも――特に、未来の私には――絶対に、負けてなんてあげないのだ。