文化祭後の雪にぼだよ~

Last-modified: 2017-09-11 (月) 21:50:58

日課である鍛錬を終えれば、心地よい疲労に身体が満たされる。
時々樹が体力づくりのために混ざるようになったが、基本的には私一人。
思考停止のルーチンワークにならないようにするのも以前はそこそこに大変だった。
ただ、今は若葉を始めとして多くの勇者─真っ当に刃物を用いた近接戦闘をこなす勇者─がいるので、
今までよりも演舞に幅が出来た。
「樹みたいな変わり種相手だとこうはいかないのよね…」
同じくらい読めないのは歌乃だろうか。
あぁ、それから。
「雪花も槍が読めないのよねー…すぐ投げてくるし、かと思えば普通に扱っても強いし」
そこまで考えて、エネルギーを求める身体がぐぅ、と空腹を訴えた。
「…帰るか。雪花も待っているだろうし」

「ただいまー」
扉を開ければ、食欲をそそるいい香りが鼻をくすぐる。
はてさて、今日は何を作ったのだろうか…。
「おかえりなさいませー、ご主人様。
ご飯にしますか?お風呂にしますか?
それとも…わ、た、し?」
同居人がウェイトレスの格好で現れた。
衣装よりも、その発言内容に頭が真っ白になる。
「んなっ!?雪花、あんた何を…!」
「なんてねー、夏凜、顔真っ赤だよ。
何想像したのかにゃー?」
ふふん、といたずらっぽい笑みを浮かべてこちらを見る雪花。
眼鏡を直す動作がしてやったりといった感じ。
それにしても、文化祭のときとは何かが違うような…?

「う、うるさいわね!というか、何よその格好!」
「これ?いやー折角頑張って作ったんだし、文化祭だけで終わりじゃ勿体無いかなって」
言いながら、スカートの裾を軽くつまんで一回転。
「忙しすぎてマトモに見せてあげられなかったし…。
折角だから、夏凜に見せたいなって。
どう?似合う?」
「そりゃ、似合うけど…」
気づいた。
タイツを履いていないので、スカートからは健康的な白い脚が覗いている。
「お、どこ見てるのかなー?」
雪花は惚けたように言いながら、わざとらしくスカートをゆっくりと指先でたくし上げていく。
「どこって…別に…」
我ながら全くごまかせていない。
指先によって動いていく境界線に目が釘付けになってしまっている。
かなり際どいところまで上げられていって、鼓動が早く、うるさくなってしまっている。

「夏凜ちゃんはえっちだなぁ。お姉さん悲しいよ」
冗談めかした物言いで、腕に絡みつくように抱きついてくる雪花。
腕に押し付けられたその感触は随分と柔らかくて…?
「雪花、あんた…」
「さぁえっちな夏凜に問題です」
言葉を遮るように雪花はこちらの唇に指を当てる。
そのまま、首元のタイを掴むと、ゆっくりと抜き取った。
それまで気づかなかったが、ボタンをしていなかったのだろう。
タイが解けたことで、胸元がゆっくりと開けていく。
白く、柔らかなぼた餅が、私の腕で形を変えている。
雪花の息遣いと、私の身動ぎで、容易く形を変え続ける様は、目に毒だ。
うなじも、鎖骨も扇状的。
普段とは違う香水の香りが、嗅覚を蝕んでいく。

「今の私は、下着をしているでしょうか…?」
ゴクリ、と唾を飲み込む。
「そ、れは…」
胸元から覗く光景に、下着らしきものは見当たらない。
雪花の胸も、態とギリギリの部分を見えないように動いている。
感触からもそう想ったけど、まさか…。
抱きつかれていない方の手は雪花の手に導かれ、太腿にあてがわれている。
重ねられた手は、さわ、さわと優しく撫でるように私の手を動かす。
「正解したら、文化祭で沢山頑張った夏凜にご褒美、あげちゃおっかなって。
さぁご主人様、ご飯にする?お風呂にする?それとも…」
その言葉に、私は…。

 

「はいはい、ご主人様の仰せのままに…ってね」