【くさったにく】

Last-modified: 2024-02-17 (土) 09:26:08

概要

モンスターズシリーズ等に登場するアイテム。
なに一つ捻りのない腐った【肉】であり、公式イラストは【ほねつきにく】が腐った感じ。
どうみても食べてはいけない代物である。似たような効果の【くさったパン】とは共演していない。
 
ドラクエ三大「くさった食べ物」としては、これ、くさったパン、【くさりきったパン】が存在するが、くさったにくは不思議のダンジョンシリーズに輸入されず、腐ったパンはダンジョンから輸出されない事から3つとも揃った事はない。

DQM1、2

戦闘中に使うと敵を【毒】状態にする。
フィールドで拾えたり、ランダム宝箱から入手することができる。
しかし【毒の沼地】に落ちている肉がこれになるとは限らない……なぜだろう?
敵味方を問わず、おそるおそる口にすることになる。その結果、渋い顔で【テリー】の方を見て来る。
流石に店では売っていないが、こんなもん販売してたら即刻営業停止になるだろう。
だが他国マスターに勝ったときにもらえる肉のひとつになっている。いくらただとはいえこんなものをよこすとはひどいやつである。「どうせ食えないし誰かにやるか」とでも思ってるのだろうか…?
もちろん買い取り不可。
別段仲間になりやすくなる効果は無いが、毒状態の敵モンスターに【どくけしそう】を使用すると、仲間になる可能性が出る。特にGB版では何故か【ほねつきにく】並に仲間になりやすくなる。
仲間モンスターに使うと、野生値を5下げるが、毒状態になる。
本来ならばご主人にこんな物をもらったら毒状態になるだけではなく、主人の元から離れて(野生に帰って)しまってもおかしくないだろう。
ちなみに【タイジュの国】で与えた場合も毒になるが、タイジュの国の中ではHPは下がらない。
どくけしそうはもちろん、タイジュの国の中で【キメラのつばさ】を使い、大臣に治して貰うこともできる。
どうでもいいことだが、DQM1の説明文は他の肉同様に「まものをなれさせる」だが、DQM2では「まものをこまらせる」と微妙に改変されている。まあ効果が効果だけに他の肉と同じ文だと不自然だったので当然かもしれないが。
因みに毒が効かないモンスターが食べても、毒状態にはならない。
 
フィールドでの入手は比較的レアで、入手はもっぱら他国マスターの商人からとなる。
毒消し草との組み合わせで勧誘にも利用できるが、同等・それ以上の効果を持つほねつきにく・しもふりにくが同時にもらえるため、1手余分にかかるこちらをわざわざ使用する意義は薄い。
 
PS版では削除されたが内部データには残っている。
しかし効果が設定されていないらしく、【チート】で入手してモンスターに与えてみるとGB版と同じメッセージが表示されるものの毒状態にはならない。

テリワン3D

なんと【まもののエサ】と同じく野生モンスターを仲間にしやすくなる効果がついた。
腐ってるのに効果は魔物のエサと同じ。その上敵をたまに毒状態にできる(それぞれ個別に判定がある)ので、ほとんど同じような使い方ができる。
魔物のエサの節約といえば聞こえはいいが、正直これを与えるのは少々良心が痛むという人もいるだろう。
仕様上、幸いにして(?)味方に使うことはできなくなった。
 
なお牧場の【ビックアイ】は「イエーイエー。 くさったにくはくさってる! 食べたら毒になっちまう。 でもくさっても肉は肉!食べればちょっとはうれしいぜ。イエー。」なんて歌っており、仲間にしやすくなる効果はもしかすると「毒でも旨い」からなのかも知れない(GB版でも口調が違い、歌っていないものの、同じことを言う)。
 
他の肉とは異なりバザーの肉屋には売っていないので基本的には旅の扉内で拾うしかないが、【他国マスター】の商人がこの肉を販売しているので、会えれば購入することが可能。基本的に100ゴールド(勝てば50ゴールド。魔物のエサは250ゴールド)で、10Gで売ることもできる。
この商人には【しもふりにく】以外の肉の所持数が5個以下の時に旅の扉内で会えるが……このご時世、肉に飢えている旅人に腐った肉を売りつけ、カネを取ろうとは酷いヤツもいたもんだ。

イルルカ

効果は前作テリワン3Dと同じで、売値は10G。
当然店では買えないが、【砂漠の世界】から【雪と氷の世界】まで、
まもののエサと半々の確率で入手してしまいやすい。野ざらしだから腐りやすいのか?
暑さが激しい砂漠の世界や、雨が降り湿気の多い【水の世界】ならともかく、天然の冷凍庫のような場所である雪と氷の世界では腐りやすそうな印象はないが。
 
他国マスターの商人から買えるのも前作と同様。他国マスターの出現方法の関係上、前作よりは楽に会えるだろう。

ビルダーズ2

表記は「くさった肉」。【破壊天体シドー】にて、闇に染まった【キラーリカント】【ガニラス】からのドロップで入手するほか、【マガマガ島】【だいまどう】からのドロップや、【まきつくホホびれ】の錬成でも手に入る。
 
魔物が好みそうな料理を作ることが出来るものの、なんと人間である【主人公】達でも料理すれば普通に食べることも可能。
説明文によると「べちょっとした食感」とのことで、想像するだけで気持ち悪いが、特段食べた事によるデメリットはない。
ただしペットの【犬】【猫】の餌にはならない。現実でもそんなことしたら虐待なのでやめよう。
 
くさった肉単独で料理すると【くさくさグリル】が、【うごめくツル】と一緒に料理すると【ドロドロ炒め】が、うごめくツル、ニガキノコと一緒に料理すると【メガモリまもの飯】が作れる。
ゲテモノな見た目、不味そうな説明に反していずれも回復量に優れる優秀な料理で、腐っても肉ということで攻撃力も上がる。むしろ普通の生肉よりも何故か効果が高い。くさった肉と名前がついているがまさかこれは腐敗ではなく発酵された肉…?
高性能な食材だが、基本的にそざい島の敵からのドロップでの入手になる為、量産には向いていない。使う時はよく考えよう。

余談

一般的に「肉は腐りかけがうまい」と言われるが半分正解で半分間違い。
これはたんぱく質を分解しアミノ酸に変える酵素の活動によって、死後硬直によって固まった肉が柔らかくなり旨味成分のアミノ酸等が増加することが理由。(実際に売られている食肉のほとんどは少し冷蔵庫で寝かせた物で、例え隣に農場、加工施設があったとしてもシメたてホヤホヤの肉は死後硬直が酷いため固すぎて人気がないのでほぼ置いていない。)
熟成肉はこれを数ヵ月にわたって行うのだが、かなり繊細な条件を維持しないと肉はすぐに傷んで腐敗してしまう。
家庭の冷蔵庫で真似しようとしても、品質保持ができないのでほとんどは数日で腐敗する。
運良く腐敗を回避しても凍結か乾燥によって水分の飛んだパサパサの肉になり、干し肉のでき損ないのようなおいしくない物体ができるだけ。ほぼ確実に失敗する。
腐敗が始まった肉はタンパク質の変性による有害物質が含まれ、火を通しても毒素は浄化できないので焼いても食中毒を起こす。同じことはくさったパンを焼いたものにも言える。
なので厳密には腐りかけではなく腐る前、が正しいと言える。
 
モンスターズではあげたモンスターを毒にしたり、使用できても肉の効果は最下級として扱われるなど一貫して魔物にも不評な肉として扱われるが、一方で【小説ドラゴンクエスト】の「DQ4 天空夢幻」の巻やビルダーズ2等の作中ではむしろ腐った肉の方が魔物の好物とも取れる描写がある。
これらの作品では魔物と人の味覚はかなり異なっており、むしろ人が忌避する食べ物や汚れた水を好むかのように描写されている。
その人が忌避する食べ物の代表例としてくさったにくが登場しているのだろう。
 
動物などでもハゲワシやハイエナなどが代表される様に腐肉食の動物が存在し、彼らはイメージに反して自然界の掃除屋としてスカヴェンジャーと称され生態系の重要な役割を担っている。
が、彼らとて別に腐肉を優先して食べる訳ではない。
元々普通の肉食動物だった連中から内臓や顎の進化により腐肉や骨を食べても平気なやつらが現れ、それで他者との食の競合を避けられたために生き残ったというだけの単なる生存戦略である。新鮮な肉があればそっちを食べ、自力で狩りができる技量もある。
 
つまりもし魔物連中が普通の肉より好き好んでくさったにくを食すならば、自然界の動物とは違った生態を持つ生物であることを示しているのかもしれない。