【イシの村】

Last-modified: 2023-12-17 (日) 21:35:08

DQ11

【デルカダール地方】南端部の山奥にある【村】
【主人公】が育った村にして今作の【スタート地点】
名前の由来は、イシを漢字にすると「石」、そしてそれを90度横から見ると「ト」と「口」すなわち【ロト】という文字に見える、という考察が発売前から出されていた。
DQ1ではロトの洞窟が置かれていたことから、攻略本などで「ロト」と「石」の文字を見比べる機会は多く、両者の字体が似ていることに気付いていた者は古くからいたと思われる。
発音は医師と同様のアクセントとのこと。
なおDQ9の【石の町】との関連は無い。
英語版での地名はCobblestoneといい、石畳に使う丸みを帯びた石のこと。英語版では村人の何名かは鉱物に関連した名前が付けられている。欧米版は他言語も石に関係した村名になっている。
一方で中国語版と韓国語版は音訳の伊希村と이시 마을(イシ村)で、同音である石との関連性がなくなっている。
 
【村長】【ダン】
山岳地帯にある平凡な農村で、平和を絵に描いたような村である。
辺境なのか、当初は【カミュ】にすら存在を知られてない。
 
【ウルノーガ】の襲撃を受けた【ユグノア王国】から母【エレノア】【マルティナ】の手で守られた主人公は、村の近くのイシの大滝に流れ着いたところを、村の老人【テオ】に拾われる。
村では【ペルラ】が母代わりとなり、誕生日が同じである女の子【エマ】とともに育っていく。幼少期の主人公は相当なイタズラ好きで、村人たちに散々迷惑をかけていたようだ。
 
そして主人公が16歳になった日から、DQ11の本編が始まる。このときのBGMは【山奥の隠れ里】
村独自の風習として、16歳になった者は裏手にある【神の岩】に登る成人の儀を行うことになっており、主人公と【エマ】が成人の儀に臨む。
なお、成人の儀を終えた直後の時点では、自由に歩き回れるのは村の北半分のみで、南半分には入れない。
そして主人公は勇者の生まれ変わりであることをペルラから告げられ、翌朝【デルカダール城】に向かって旅立つ。
イベントでイシの村を出た後に戻って来れば、村の南半分を歩けるようになり、アイテムの取得もできる。
最初の【クエスト】である【みんなに やさしく】の受注もできるが、ここで受注や報告を逃すと、なんと次のチャンスは過ぎ去りし時を求めた後の復興後になってしまう。
 
その後、【デルカダール王】になりきったウルノーガに捕えられカミュと共に脱獄するものの、主人公は村の存在を教えてしまったことを思い出し、二人はイシの村へ駆けつける。
なんとかイシの村に帰ってみれば、一見村は綺麗で村人も無事のように見える。
だけど、いざ村人達に話しかけてみると、よその旅人扱いされたり、主人公はまだ6歳だと言われる等、どうも話が食い違う。
しばらく村を散策してみれば、ここが現在より10年前の世界だということにプレイヤーは気づくだろう。
要は大樹の根の力によって10年前の村の光景が映っており、そこで幼年時代の自分やエマに会い、在りし日の【テオ】に状況を伝える。これによってイシの大滝で【まほうの石】を入手できるようになる。
 
回想が終わり、カミュに声を掛けられ気が付いてみれば、そこにあるのは無残にも【廃墟】と化した村の姿。
悪魔の子を育てた罪深き村を、裁きの炎によって浄化する」という名目のもと、【ホメロス】率いる軍勢に焼き払われていたのだ。
教会がかろうじて残っているだけで、母親や幼馴染をはじめとした村人達は何処に行ったか、どうなったかは不明。
無事に故郷に帰り安堵した主人公とプレイヤーを絶望のドン底に叩き落とす辛いイベントとなっている。
DQ4前作に引き続き、主人公は出発の村を襲撃されてしまった。
 
ちなみに廃墟状態でも主人公のベッドは無事なので、【タダ宿】として利用可能。PS4版では教会のベッドも利用できるので、狭い範囲に2ヶ所もタダ宿があるという状態に。
また、宝箱の中身が変わっているので取り逃がしに注意。
廃墟状態でのBGMは【黄昏の荒野】
 
過去に戻って幼少の自分自身と話をする、魔物が化けた王族の命令によって焼き討ちにされる、教会だけが焼かれずに残る、「本当は滅ぼしたくなかった」と証言する兵士がいる、後に復興されるなど、DQ5の【サンタローズ】と共通する点が多い。
 
【旅立ちのほこら】から【ホムスビ山地】へ行くと【船】を入手するまで戻れなくなる。正確にはまほうの石と【レッドオーブ】を持っている状態で【デルカコスタ地方】【デルカダール神殿】東側の隘路に侵入した時点でイベントが進行して自動的にホムスビ山地に行って戻れなくなる。レッドオーブだけなら問題ない。
【まほうのカギ】の扉があり、カギを手に入れれば取れなかった宝箱を回収できるようになる。
 
外界から隔離された閉鎖的な村であるにも関わらず、よそ者に冷たく当たるような描写は特にない(10年前の回想で主人公が家に帰った際、ペルラから「息子はまだ6歳だ」と言われ追い出されるくらい)。

世界に異変が起きた後

焼き討ちで殺されたと思われていた住民は、長い間城に囚われていたものの、実は【グレイグ】の計らいによって命だけは救われていたことが判明する。
【命の大樹】崩壊後はイシの村人が戻ってきているほか、デルカダール王をはじめ、廃墟化したデルカダールから逃げ出した人々が集まっており、「最後の砦」と化している。
詳細は【最後の砦】を参照。

過ぎ去りし時を求めた後

命の大樹で【勇者のつるぎ・真】を手に入れてデルカダールに戻ってきたとき、ウルノーガの策略によってイシの村人たちは牢獄から開放され、城内で村人たちに会える。
そして【魔道士ウルノーガ】を倒して【邪神ニズゼルファ】の復活後、【ケトス】の再入手イベントを終えると村人はイシの村に戻っている。
村人総出で復興作業に当たっているが、「(主人公)が悪いわけではない」「あなた(主人公)が無事でさえいてくれたらそれでいい」と、村が焼き打ちにあう原因となった主人公に恨み言を言わなかった。
デルカダール王がウルノーガに取り憑かれていたことを知らなかったとはいえ、主人公を城へ送り出したのは村人たちなので、村人たちにも結果責任があることを自覚しているのだろう。
 
また、エマからは復興に必要な人を集めて欲しいという依頼を受ける。
募集しているのは「復興に必要なものを調達する商人」「村の用心棒(コワモテな覆面レスラーを希望)」「物知りな情報屋」「村のマスコット(ゆるキャラ聖獣)」の4つ。
以下の全員をイシの村に向かわせると元通り復興される。

このイベントの経緯で戦うボスはどれも強力だが、復興後の道具屋のラインナップが超強力であり、また各イベントクリアの際の報酬もどれもいいものであり、クリアする価値は十分にある。
さらにエマからも【エマのおまもり・真】がもらえるので忘れずに話しかけておこう。
また、【ネルセンの最終試練】の「エマと結婚したい!」を叶えるための条件でもあるので、エマとの【結婚】や最強武器のレシピを望むなら忘れないように。
もし最初のクエスト【みんなに やさしく】をやり忘れていた場合も、前述のように復興後に行えるようになる。
 
DQ7、リメイクDQ4で用いられた【移民の町】に近いものがあり、実際にイシの村を紹介するくだりの部分は移民システムそのままである。
実際にデク以外はイシの村へ移住してきたようなものであり、特にルコやべロリンマンはイシの村をとても気に入っている。
 
ちなみに、商人以外は村の復興に余り関係無さそうな人物ばかりなのをネタにされることもある。
が、イシの村がどういう場所にあるかを考えると、意外と協力者たちは皆大事なピースであることがわかるだろう。
村を守るための用心棒はかつて村が焼き払われたことを考えると必要になる。
また、建材の運搬や瓦礫の除去などの肉体労働でも活躍できる。
情報屋も外敵や周囲の情報、世から隔離された村からすれば彼の情報網は世界情勢にも大きく対応できる。
つまり村が経済や外交をこれから深く考えていくつもりなら商人とセットで必要になる。
聖獣はその何も知らない人からしたら強烈な見た目が印象に残るだろう。結果村の印象を強く来訪者に残すことにも貢献する。村の存在をアピールするには必要不可欠ということだ。
と、考察するには深いが、実際は彼らがどういう意図でチョイスされたのかは不明。
 
復興後のイシの村は旅立ち前の時と比べると見た目はほぼ一緒だが、拾えるアイテムに微妙な違いがある。
自宅2階の自室から【イシの村人服】が拾えるのはもちろんのこと、例えば、南側エリアの【神の岩】手前の空き家にあるタルの配置が一部変わっており、壊すと【せかいじゅのは】【特やくそう】などが出て来ることがある他、その空き家の裏にあるタルからは【ちいさなメダル】が拾え、そのすぐ近くでは世界に異変が起きた後の最後の砦で拾えた【あんこくの樹木】が落ちていたりする。
今作では時期によって拾えるアイテムがこっそり追加されることが多いのだが、イシの村は特に開始時、焼き打ち後、最後の砦、過ぎ去りし時を求めた後、復興後と何度も村の形が変わり、そのつど段階を追うごとにアイテムが増えてくるため、完全復興後にルパスのお宝メモを使用してみて、残るお宝が10個や20個もあるというのはよくある話。
 
「エマと結婚したい!」の願いを叶えると、式などのイベントは起こらず絵画が飾られるのみではあるが、主人公とエマは結婚した状態になる。
以降、実家にそれまでいたペルラはダンの家に移って暮らすことになる。
 
【エンディング】でも登場し、平和になった村を歩き回れる他、ここから【ベロニカ】【セーニャ】に誘われて、勇者のつるぎ・真を奉納する為に【命の大樹】へと向かう。
前述の一連のイベントをやっていなくても、この時は村はしっかり復興してたりする。
この時もゲーム序盤と同様、自由に動き回れるのは村の北半分のみ。南半分には行けず、村の外にも出られず、【ルーラ】も使えない。その為、初回エンディング時と違い、平和になった世界を見回ると言ったことはできない。
また、この時村の中でツボやタルを壊すと何故かアイテムを入手可能。真エンディングのフラグデータがセーブできる3DS版では、エンディング後にセーブすれば入手したアイテムがそのまま残る。この点を利用すれば、村を一切復興せずにイシの村人服を入手できたりもする。
ちなみに、上記の復興イベントの途中で真エンディングを迎えた場合、村に移民として呼んだキャラはいるが、呼んでいないキャラは当然いない。特に、デクを呼んでいないと、その後のカミュの消息が不明になってしまうので注意。
 
過ぎ去りし時を求めた後におけるBGMの使われ方はハードによって違う。PS4版では、復興前は廃墟曲の【黄昏の荒野】、復興すると元の【山奥の隠れ里】に戻る。3DS版では村の汎用BGMである【穏やかな村】に変わっている。
 
主人公にとって16年間育って来た故郷であり、最終的に主人公はエマと結婚し、エンディングでも勇者の使命を果たした主人公はイシの村に戻って来るなど、非常に思い入れ深い場所となっている。
しかしゲーム上は、最初のイベントの後、主人公のいない所で一旦滅んでしまう。その後のイベントにしても、最後の砦のイベントはグレイグやデルカダール兵などが中心で、イシの村の人々はあまり関わってこない。復興も人を連れて来るのみでプレイヤーが介入できる要素が小さい。と言うように、プレイヤーが思い入れを抱くイベントに欠けているため、主人公のこの村への思い入れに共感しにくい構造になってしまっている。
この乖離に違和感を抱くプレイヤーや、両親や祖父が登場して劇的なイベントをこなすユグノアの方に感情移入したプレイヤーも多い。
故郷を象徴する存在であるエマがネタキャラ扱いされている、大きな原因の一つとも言える。
 
なお、滞在期間がさほど長くない、預かり知らぬ所で滅び、いつの間にか復興する、といった点はDQ5の【サンタローズ】と同じであり、こちらもオマージュ元の一つであると考えられる。
ただあちらは、1つだけではなくいくつかのイベントをこなす上に、【パパス】の重要な思い出も有り、また奴隷として大人になると言う時代変化と村の滅びが連動している、などの工夫がされており、思い入れが持ちやすくなっている。
何より、プレイヤーとキャラクターの滞在期間がほぼ一致しているので「プレイヤーの知らない所で思い入れを持つ」と言う感情移入の乖離がほぼない。

DQ11S

【ネルセンの最終試練】の願いが「エマと結婚したい!」から「幸せになりたい!」に変更されたことに伴い、エマ以外を選んだ場合の仲間会話と村人たちの反応が追加。パートナーに選んだ仲間は、村に入ると自動的に自宅に待機することになる。この場合もペルラは村長宅で暮らしている。
詳しくはこちらを参照。
 
また、【トロデーン城】【冒険の書の合言葉】を持つ青いヨッチ族が村長の家に現れる。復興前にもいることはいるのだが瓦礫が邪魔で話し掛けられないので、【ヨッチ村】関連イベントを完遂するには村の復興が必須となった。