【オトギリ姫】

Last-modified: 2021-11-24 (水) 01:35:47

勇者アバンと獄炎の魔王

【ウルス村】付近の【海底宮殿】に住む【人魚】で、悪女ヅラながらなかなかの美人。一人称は姫らしく「私(わたくし)」。
 
婚活が趣味だが見かけとは裏腹に非常に強い力を持っていて同族は皆オトギリ姫の力に耐え切れず引きちぎれたので、強ければ人間でもいいかなという結論に至ったらしい。
村に送り込んだ巨大【ガニラス】を倒した勇者こと【アバン】に目を付けて村の漁師達を拉致していた。
アバンを宮殿に連れ去り結婚を迫ったが、部下の【ぐんたいガニ】に苦戦する姿を見て、これまでの男達と同じように幽閉する。
無論アバンは牢屋に潜り込む目的で弱いフリをしていたのだが、実は姫の方もこれを見抜いていた。
アバンについては腕力や体力、頭脳に加えて容姿も美形と過去最高得点と評している。
 
外見とは不釣り合いな怪力や魔物特有の思想からも察することができるが、この手の敵のお約束というべきか、残念ながらその正体は【マーマン】系の中でも特に強力な「クイーンマーマン」と呼ばれる特殊な個体。
普段の姿は魔力による擬態・変装みたいなものであり、本来の姿はその容貌や並外れた力ゆえに「深海の大魔獣」と呼ばれ、同族からも恐れられるアリサマだったとか。
なお怒りで満ちると元の姿に戻ってしまうらしいが、平静を保っていないと維持できないということなのだろうか。
ちなみにアバンと【マトリフ】は正体を明かす前から「ただの美人」ではないと見抜いており、魔力に長ける人間には効果は薄いようだ。
 
海を含んだ全世界の征服を目論んでいるが、支配者の理論で「下等な人間には生存権は無い」として無造作に殺そうとするなど本性の方も冷酷。
戦闘では魔力を込めた攻防一体の水の羽衣【スプラッシュベール】という魔技を操り、伸縮自在の髪の毛から電撃を流すことも可能。
正体を顕にしてからは口から冷気を放つ攻撃も見せた。
 
アバンと対峙し、他の男達を手にかけようとした所を妨害されると冷酷な本性を表す。さらに駆け付けた【レイラ】【ロカ】【マトリフ】に髪を切られ、部下も倒されたことを知って怒り狂い、怒りから化けの皮が剥がれて本来の姿を露にし一同を追い詰める。
しかし、修行のためマトリフにかけさせていた【ベタン】の重力を解除され身軽になったアバンには敵わず、完成した【海波斬】で一閃され敗北。潔く負けを認めた。
 
そして傷口から泡となり消えていく中、醜い姿を晒した事が心残りだと悔やむオトギリ姫だったが、アバンは決して蔑むことなく「その姿でも美しい」と評しつつ「心も美しければ戦わずに済んだ」と憐れみの言葉を掛ける。
最期の瞬間にようやく「心から敬愛できる殿方に出会えたこと」に涙を流しながらアバンを勇者と称え、その名を忘れないと言い残し死亡、泡となって消えていった。
身勝手で傲慢な敵役ではあるが、厳つい容姿を気にしたり手下の死に涙を流して怒ったりと意外と人間味のある性格で、敗北と死も潔く受け入れたりと、決して悪人一辺倒というわけでもなかった。弱者の命を軽んじたため敵対したものの、ありのままの彼女を否定することなくまっすぐ見たアバンの人柄がうかがえる名場面である。
 
ダイ大の魔物で「普段は美人だが正体が怪物」というと、過去には妖魔将軍【メネロ】が登場していた(時系列で見るとオトギリ姫の方が先)。