【ファーリス】

Last-modified: 2024-02-26 (月) 00:31:30

DQ11

【サマディー王国】【王子】で、【サマディー王】のひとり息子。
「ファーリス」とはアラビア語で「騎士」を意味する言葉で、英語版での名前はFaris。
DQ11Sの声優は島崎信長(DQ10の【ヒューザ】も担当)。
 
年齢は16歳。【主人公(DQ11)】より少し遅い生まれ(主人公が16年前の自身が出生した直後のユグノア城に行くイベントで、サマディー王から子供が間もなく産まれる話を聞けるほか、本編開始時に16歳の誕生日を迎えた主人公が後にサマディー初訪問時に行われた「ファーリス杯」がファーリスの16歳を祝うレースであるとわかる)。
タレ目と華奢な体つきが特徴の優男。作品内では容姿端麗とされていて若い女性のファンが何人かおり、公式ガイドブックの紹介文では「美青年」と書かれている。
 
王国内では馬術と剣術に長けた将来有望な王子と評判で人気も高いという余りにも露骨な前評判で察したプレイヤーも多いだろうが、案の定DQ6の【ホルス】やDQ8の【チャゴス】に続くヘタレ王子枠だった。
実際は臆病な性格で剣技や乗馬の腕前ももからっきし。全ての訓練をサボっており、一部の側近の兵士だけがそれを知っていて全力を上げて陰からフォローしていた。
 
極端な親バカの両親にずっと甘やかされて育ってきたためプレッシャーに非常に弱く、期待する両親に対して嘘とごまかしを重ねた結果、上辺だけの評価が独り歩きして身の丈に合わぬ評判が広まり後に引けない状況に陥ったため、評判通りの人物であることを押し通すためにさらに嘘とごまかしを重ね続けて追い込まれているという、なんとも情けない人物である。
呆れられたり咎められたり軽蔑されたりと、パーティメンバーからの評価もさんざんだが、セーニャやシルビア等は彼の背負う王族としてのプレッシャーや、親バカの両親を始めとした周囲の環境を察して擁護していたりもする。
 
臆病者な一方、非常に気さくで楽天的な性格。主人公を親友と呼ぶなど、少々馴れ馴れしいところもある。
また、意外に機転が利いたり目の付け所は良く、長きに渡って両親や国民を騙し続けてこれている辺り、それなりに頭は切れるらしい。思い付きの行動の実践を他人に丸投げする悪癖が玉に瑕。
出会った当初は主人公の仲間にも呆れられ国の将来を心配される。尤も、サマディー王もサマディー王で結構問題が見えるので王子が無事に国王の座にちゃんとつけるか心配しなくてはならないのだが…
 
しかし騎士道を重んじる国の生まれゆえか、「騎士道三の誓い」はしっかり頭に叩き込んでいる他、他人に対する礼節は一介の旅人相手であってもしっかりわきまえ決して傲慢に接することはない等、王族としての自覚がないわけではない。シルビアから指摘された際には感情をむき出しにして「好きでやっている訳じゃない、みんなの期待を裏切らないためにはこうするしかない」と、自分でも自分の行いが決してよいものではないことを自覚している。
シルビアもそんな彼を見て、きっかけさえあれば、化けるかもしれないと評している。
 
【グレイグ】の騎士団に入ることを目標としており、異変後にグレイグが仲間に加入すると言葉を交わすシーンがある。

キャラクタープロフィール

職業サマディー王国王子
ねんれい16歳
しゅっしんサマディー王国
しんちょう170cmくらい
たいじゅう60Kgくらい
すきな食べ物サボテンステーキ
たいせつなアイテム自慢のマント
好みのタイプ一緒にいて安心できる人
座右の銘今日できることは明日やる

DQ11開発・広報チーム監修のキャラクターブックより引用。主人公とほぼ同じの平均的な体格。

初遭遇

物語序盤、主人公一行が初めてサマディー王国に行った際、毎年行われる【ウマレース】の一大イベント「ファーリス杯」の開催直前だった。
ファーリス自身が初めて出場することになっており、王国内では優勝候補と前評判が高い。
王に謁見に来た主人公を見て、背格好が似ているのに加え、馬術に長けていることを不思議な勘で見抜き、密会という扱いではあるものの主人公一行をサーカスに誘ってくれる。
ここまでは仲間達も好印象だったのだが、サーカスでの話の内容がファーリス自身は馬に乗ったことすらないという告白と、国宝の【虹色の枝】と引き換えにレースの影武者を依頼するというものだったので一同がドン引き。
さらにこの時のファーリスの対応が、最初は頭を下げて頼んでいたものの【ベロニカ】がズルだと指摘して頼みを断ろうとした直後、一転して「あれ?そんなこと言っていいの?」と虹色の枝を盾にしてきたため、ベロニカに「うわぁ……サイテー……」とまで酷評されるも「なんとでも言うがいい。手段を選んでる場合じゃないのだ」とあからさまに開き直ってのける。
なおいくら断ろうとしても【無限ループ】が発生して断れない仕組みになっており、「サーカスの歓声でかき消されて返事が聞こえなかった」とあしらわれて結局、引き受けることになる。
ちなみに影武者については、王族は安全のために顔を隠した甲冑を装備するため正体はバレないようになっている。
主人公は無事に影武者を務めるが、控室で入れ替わっているところを【シルビア】に目撃される。
 
レースの直後、毎年この時期に現れる砂漠の化け物【デスコピオン】の出現が報告される。
王がファーリスに活躍の場を与えようとデスコピオンの討伐を命じるが、3DS版では表面を取り繕っているもののPS4版では生まれたての小鹿以上に全身をガクガク震わせ、明らかにビビっている様子。
そしてファーリスは主人公達を人目のない自室に招くと、王子とは思えない見事な土下座で協力を依頼。
3DS版2Dモードでも専用グラフィックが用意されており、PS4版・3DS版3Dモードはどちらも派手な効果音と共にカメラ3台によるアングル切り替え付き。
この時3DS版では部屋に入ると既に両膝を地面に付けているが、PS4版に至ってはジャンピング土下座を披露している。
ネタバレイトショーにおいても、
ダン!(PS4版) ダン!(3DS版3Dモード) ダン!(3DS版2Dモード)
と効果音に合わせて全て紹介されていた。
 
ちなみに、ここの選択肢で「いいえ」を選ぶと何回でも土下座させることが可能
DQ11Sでは土下座のボイスにも複数のパターンがあり、「いいえ」で土下座をさせる毎に違ったボイスが聞けるというチカラの入れっぷりである。
彼のこのダイナミックで見事な土下座見たさに何度も「いいえ」を選択した勇者は決して少なくないだろう。
事実、ネタバレイトショーのために実施されたアンケートの「ファーリスに土下座させた回数」の項目では、
男性は68%、女性は77%が、土下座を2回以上させたことが明らかにされている。我々の世界でも問題になった「土下座強要」すら可愛く見える。
 
その後、任せっきりというわけではなく自身もなんだかんだで討伐に赴くことになるが、その際は側近の兵士に本気で心配されており、行くか行くまいか口論になっていた。この兵士達は劣勢となっても腰を抜かした王子を置いて逃げることはなく、日頃から信頼関係を築いてきた様子が伺える。
特に3DS版3Dモードでデスコピオンと対峙した時は、ファーリスを守るために動くシーンがある。
そして主人公一行と入口で合流した後、ファーリス一行が先行して赴く。この時「何かのきっかけで変われるかも」と気にかけたシルビアが強引についてくる。
ちなみにこの時点でカミュとベロニカは「ヘボ王子」呼ばわりしている。
 
主人公達とシルビア(NPC枠)によりデスコピオンを倒し、トドメを刺さずに持ち帰る。
討伐報告の途中、意識が戻ったデスコピオンが城下町で暴れ出し、王はファーリスに始末を命じるが、当然そんな力はないため彼は震え出して手も足も出ない。
そこに颯爽と現れたシルビアが騎士道三の誓いを唱えさせて鼓舞する。ファーリスにしばらく応戦させた後、剣が折れて絶体絶命の危機に陥った所でシルビアがデスコピオンにトドメを刺し、ファーリスを救う。
真相を知って「等身大のお前を見ていなかった」とファーリスに過大なプレッシャーを与えていたと反省する王だったが、親バカは治らなかった。16年前デルカダール王女やユグノア王子が死亡したと言われていたため、普通よりも息子に愛情を注いだ結果かもしれない。
 
イベント後は約束通り虹色の枝を渡そうとするが、なんとサマディー王はファーリス祭の資金調達の為に虹色の枝を売っぱらってしまっており、知らなかったとはいえ約束を守れなくなったためまた土下座することになる。虹色の枝を探す旅を続ける主人公達に、PS4版では【ボウガン】、3DS版では【まもの呼びのベル】、DQ11Sでは【まもの呼びのボウガン】を渡して見送る。
一連の出来事の後は心を入れ替え、騎士達に手加減無用で訓練に励んでいる様子が見られる。
なお「訓練のクの字もやったことがない」と言う割に、手負いとはいえデスコピオンの攻撃をしばらく凌ぐなど中々の戦闘力を示す描写がある。
もしかしたら闘いの才能があるのかもしれない。因みに、PS4版のグラフィックは地味に筋肉質である。
また、後に町中の看板にはデスコピオン捕獲だけでなくファーリス杯での替え玉も発覚してニュースになっているが「王子のくじけずに戦う姿に国民は感動」と書かれている。
 
この後仲間に加入するシルビアの活躍(と、彼の正体に関する伏線)が強調されたイベント。ファーリスは引き立て役だが強いインパクトを残している。

世界に異変が起きた後

サマディー上空で【勇者の星】の落下が迫ってきていた。学者が怖がって調査に及び腰になる中、ファーリスが自ら調査に向かう。
この時期は異変前とは違ってヘタレな要素は少なく、その果敢な姿は兵士達や城下町の人達から掛け値なしで称賛されるほど。
間近に迫る勇者の星を「滅多にあるもんじゃない」と寝転がって見上げるなど、度胸の方は相当鍛えられたようだ。
結局、勇者の星は謎の剣士(正体は【魔王ウルノーガ】)が叩き斬り惨事は回避される。この時発生した砂嵐に主人公たちは堪えたが、ファーリスのみ画面外に吹っ飛ばされている。
剣士は明らかに禍々しいオーラを放っていたが、ファーリスは救世主だと讃え、魔王が倒されるまでの間は街角で救世主の活躍を語る演説を行っている。これがあながち間違ってない事実なのだから皮肉なものである。
 
この頃から主人公を親友のように扱っており、母親であるサマディー王妃には「魔王を倒そうとしているスゴイ奴」と紹介しているようだ。
ちなみにサマディー王妃は生まれたばかりの主人公を見たことがあり、この頃にはその面影から主人公をユグノアの王子と気づき【エレノア】についても言及するが、ファーリスは主人公を勇者と扱うことはあってもユグノア王家の話題を出すことは無い。
魔王を倒し命の大樹が復活した後は、夜は城の外に立って民に演説する姿が見られ、「ロトゼタシアが救われたのはすべて○○さんのおかげだ!」「さあ皆の者、彼に感謝するのだ!」と熱弁してくれている。
これによってサマディー国内は子供が勇者の真似ごとをするぐらいまで主人公の名前が広まっており、また自国の王子が世界を救った勇者と親交があるということで王国やファーリスに対しての評価にも繋がっている節がある。
 
なお、一連のイベントの中で他国の騎士階級であるグレイグから「お前」呼ばわりの上から目線で話しかけられるが、この時はむしろファーリスのほうが敬語を使っている。
上述の通り、憧れの存在という部分が大きいのだろうが、他国の王族に対しての尊大な振る舞いは本来は国家間の摩擦に発展しかねないので、大人な対応ができるファーリスは何気に器がデカい。
なお主人公に対しては相変わらずの身分にこだわらないフレンドリーな対応で答えているが、一方で知らなかったとはいえ、元【ユグノア】国王である【ロウ】に対してはタメ口でじいさん呼ばわりしている。
基本的に身分を明かすことを極力避けている事もあってか、ロウがそれを気にする様子はないが、父のサマディー王がこれを知ったら親子で土下座して謝罪しそうな非礼である。
なお、ロウを着せ替えで王族の姿にしていても彼の態度は変わらない。少しは察した様子があってもよさそうなものだが…。
本来の身分関係からすると全体的にシュールな会話イベントである。

過ぎ去りし時を求めた後

勇者の星から復活した【邪神ニズゼルファ】【黒い太陽】と呼ばれ最も近いサマディーの人々に不安を与えているが、サマディーでのイベントは特段発生しない。しかしファーリスからはクエスト【王子のミラクル強兵計画】を受注できる。
彼なりに兵士の役に立とうと苦心していることが分かるが、回収は主人公に、研究は専門家に一任と他人任せなのは相変わらず。
まぁ無理して自分だけでやるより専門家と協力した方がいいのは確かであるし、本人が言うには仮に失敗しようものなら再び主人公に取りに行かせることになるから、それを避けるためのリスク管理の側面もあるようだが。

総評

上述のとおり「他人任せ」「ヘタレ」などの欠点が目立つシリーズ伝統のダメ王子であるが、言動面では軽さや馴れ馴れしさこそ目立つものの、身分を持ち出したりはせず「尊大」「傲慢」とは縁遠い。虹色の枝を盾にウマレースの依頼をしたりと狡い面はあったものの約束はきちんと果たそうとし、国宝を売っぱらったサマディー王の不始末で約束を反故にしてしまった際には主人公たちに(土下座して)謝罪するなど、王族としての最低限の礼節は弁えている(この点は、甘やかしが過ぎつつも両親の教育がきちんと行き届いていたことの証とも言えよう)。
 
また、一連の行動の原因についても虚栄心やプライドではなく国民の求心力の低下を恐れてのことである。求心力の低下は国家への信頼と国力の低下に繋がってしまうため、やり方が間違っていただけでそれを防ごうとしていたこと自体は正しい。未熟なりに精いっぱい皆の期待に応えたいという意思があったからこその行動でもあり、その点、自分の立場はちゃんと自覚できている。
自分自身の行動が間違っていることを自覚していることに加え、シルビアに「彼は今の自分に満足していない」と評されたことからも、自分の至らなさ・情けなさもしっかり自覚しつつ、そんな自分を変えたいと強く願っていたのだろう。事態が終息したのちは心を入れ替えて修行に励むようになった点からも、根は真面目な一面が伺える。
また、これまた前述のとおり機転の利く部分があることなどフォローも入っている。勇者の星の表面の古代文字に気付いたり強兵計画の発想等、経験こそ浅いが頭を使うことに関してはかなりのものである。シルビアの激励を受けて力及ばないながらもデスコピオンに立ち向かうなど、根性も見られた。結果的に歯が立たなかったものの、勇気を垣間見た国民からはさして失望されることはなく済んでいる。
むしろ、勇者一行をデスコピオン討伐に同行させることで(単に藁にもすがる思いだっただけかも知れないが…)、幾多の騎士が失敗してきた困難な任務をひとりの犠牲者も出さずに成功させた点などは肯定的に評価できる。
また異変後の世界では、勇者の星騒動に対して果敢に挑むファーリスの姿勢が兵士達には高く評価されており、中にはファーリスの姿勢に習って職務に励む兵士も見受けられたりと、国の頂点に立つものとしてあるべき理想の姿を徐々に学びつつある。
 
人任せな点が目立つと言っても、実際の政治で何から何まで一人で受け持っていては身が持たず、その道の分野の熟達者に判断を仰ぐなどした方がよい結果を生む場合も多くありファーリス自身の成長にも繋がる。
求心力の低下を恐れて嘘をつき続けていたとは言え、その時に培った「誰かに頼る力」は今後政務を執る際も大きな武器になるだろう。必要な時には優れた者に頭を下げてでも国を守るというのもまた、国王として必要な心の強さと言えよう。もちろん失態が原因で頭を下げてばかりいるのでは求心力を失いかねないが、失態をしないだけの力量は王になるまでに身につければよいのである。
現状イベントのために家宝を売っぱらってしまうなど主に財政面で国の行く末が心配なので、彼には財務に明るい人物を是非とも起用していただきたいものである。
ゆくゆくはその王者として風格が国を動かし、最終的に【イシス】王家の前身になるのかもしれない。
 
総評すると、なんだかんだで憎めない奴、少しはまともな性格になった、そして土下座が面白い等の理由でプレイヤーから嫌われることは少ないキャラ。
歴代シリーズのヘタレ王子たちの中では、主人公一行との触れ合いで徐々に成長してゆくという点でホルスに近いタイプであるが、色々違いもあるので比較してみるのも面白いかもしれない。

ライバルズ

第9弾カードパック「再会と誓いのロトゼタシア」にて実装。
戦士専用レジェンドレアで、CVはDQ11Sと同じ島崎信長。

2/1/2 冒険者
自分のターン終了時、このユニットがブロックされているなら味方リーダーのテンション+1、カードを1枚引く

ブロックとは他のユニットの後ろにいて攻撃対象にならない状態、つまり「守られている時」のみ効果を発揮するデザイン。本人は貧弱で死にやすいが効果はかなり強力なので、におうだちも併用して長く場に残したいところ。
掛け合い含む各ボイスの怯えっぷりや天狗っぷりは必聴。
召喚時にはしっかり(?)土下座するうえ、よく見ると脚も震えている。