【リック】

Last-modified: 2024-02-12 (月) 01:22:20

DQ4

【エンドール】の北に位置する軍事国家【ボンモール】【王子】
野心的な父【ボンモール王】【トルネコ】をなじる気の強そうな世話役の女やらとは正反対に気弱ながら良識的な好青年。
英語版での名前はNES版ではReed、DS版以降ではRegan。
 
エンドール王女の【モニカ】とは密かな恋仲にある。
ボンモール王はエンドールに攻め込むつもりであったが、【トルネコ】の活躍によりリックとモニカ姫の恋仲が発覚。
2人が結婚することになったために、エンドールとボンモールは同盟国となり戦争は避けられた。
5章では武闘大会が行われた会場にて毎日結婚式が行われている。
 
彼の書いた【おうじのてがみ】を見たトルネコ曰く「字が汚い」らしい。
 
「エンドールの【武術大会】に出場していた謎の甲冑戦士【サイモン】の中身」という説が囁かれていたが、リメイク版以降ではサイモン自身が移民として普通に登場するため否定された。
 
上述の通り、彼の侍女は気が強いを通り越してかなり傲慢な性格の持ち主であり、トルネコに対して「下賤の者」と直接的に侮辱してくる。前作にも主人公一行を田舎者呼ばわりしてくる無礼な連中はいたが、それに輪をかけて無礼である。
なお、リック王子は日中は自室を左右に往復する固定移動パターンを持っているのだが、トルネコが話しかけると侍女が走り寄ってきて上記の侮辱発言をするイベントが発生し、この「侍女が移動する間」にもリック王子の移動モーションが発動するため、侍女が来た瞬間に王子がトルネコからサッと離れる(もしくは進行方向にいれば重なる)ような挙動になる。
まるで侍女に見咎められて焦った王子がとっさに塩対応を取り繕ったかのように見えなくもない。
リック王子は一度トルネコと会話した後は、夜に城外の北東の一画でトルネコを待っているのだが、この侍女は城の前で王子を必死に探している。毎晩のようにあっさりと王子を見失い、自力で見つけられずにいるあたり、城下町の地理にはかなり疎いようだ。
また、この侍女は第五章にエンドールに移住した王子に同行しておらず、連日開催されているリック王子とモニカ姫の結婚式にも出席していない。
ではどこにいるのかというと、ボンモール城の王子の部屋で留守番しており、王子が立派な王になることを祈ってすごしている。どうにもぞんざいに扱われている気がしなくもないが、本人の王子への忠誠は本物のようだ。
 
ドラクエシリーズでNPCとして登場した王子は彼が初めての存在となる。(王子自体はDQ2のローレシアサマルトリアなどがいる)
外見は詩人であるが、リメイク版ではDQ7以降に統一された王子や若い王と同じ外見になっている。

知られざる伝説

【ボンモール】の宮廷詩人だった【ロレンス】が王の不興を買い、宮廷詩人の職をクビにされて投獄の話を聞き、ロレンスを救うために出奔の手引きを行うなど、やはり良識的な好青年。

DQ9

【ルイーダの酒場に最初からいる人たち】の男【戦士】の名前として使われている。

ビルダーズ2

【ムーンブルク島】編に登場するNPC。
【ムーンブルク】の兵士長を務める爽やかで心優しい好青年で、将軍【アネッサ】をも超える剣術を誇るという完璧超人。アネッサ、【ミト】とは幼なじみ。
【ハーゴン教団】との闘いで肉親を全て失っている。DQ4に登場する王子と名前が被っているが王国絡みである以外関係は無い。
 
教団員ではあるものの、その正義感と身の上から「永遠の戦い」というシステム自体に最初から見切りを付けており、【ビルダー】が現れたことを好機とし、【主人公】【少年シドー】と協力して仕組みを打ち壊そうと画策する。
教義に固執するアネッサとは対称的に、ビルダーである主人公&ルールを破壊しようとするシドーにも初対面から好意的に接してくるので、物分かりの良い良識派という印象を受ける。
以後、アネッサと共に冒険に同行するので、ムーンブルク島編でのパートナーポジションである。シドーや主人公とも度々パーティを組み戦う強さはかの【ムーンブルクの兵士】を彷彿させる。
 
暗殺されていく城民、シドーとアネッサの確執、城に紛れ込んでいるスパイの捜索。数々の問題に心を痛めながらも主人公を補助する。
【ラーの鏡】の一件でアネッサがスパイであると見切りをつけ、時を見計らい真相を明らかにする事にした。
 
しかし……実は数々の問題は、全て彼の仕業であった。
肉親を失った事で「死」に対して異常なまでの恐怖心を持っていたリックだったが、さらにこの世界が幻であることを偶然知ってしまう。恐怖の中、【アトラス】の参謀である【あくましんかん】からうまく動けば仲間として救うと唆され、死の運命から逃れる為に魔物の仲間になるという契約を交わす。疑心暗鬼を駆り立てる為に「人に化けた魔物」を装い次々と住民を暗殺し、永遠の戦いの立役者となっていた。
 
ビルダー(主人公)並びにシドーが現れた事は想定外だったが逆に教団に取り入るチャンスと考え二人に接近、主人公とシドーに巧みに取り入り、教団に密かに反旗を翻していたアネッサの心象を悪化させる事で、見事アネッサと2人の間に軋轢を作る事に成功。
シドーのコンプレックスも上手くくすぐり、「アネッサの命令」と印象付けて主人公に作らせた牢獄にシドーを投獄し、「主人公はアネッサに従った」と流布する事で強力な戦闘力を持つシドーを戦線から隔離させつつ、主人公との絆も裂いた。同時期に【ハーゴン】自身もシドーの闇堕ちを後押ししている。
 
今後教団が使えるように【ミナデイン砲】を作らせた後は計画の仕上げとして、ムーンブルク兵全てを【ロンダルキア】に誘い込み、もぬけの殻となった城を一網打尽にする策を弄する。
その際に兼ねてより協力していたあくましんかんに功績を評価され、その場で【シルバーデビル】と化して主人公達に襲いかかるが、【勇者のはた】による兵士達の奮戦により撃破され、自分の本心を吐露、ハーゴンへの信仰を叫んで死亡した。
彼の死に様はアネッサや【ムーンブルク王】たちに多大な衝撃を与えた。
 
改めて見れば、スパイがいる状況下で最初から疑いもせず主人公を全面的に支援する完璧超人という時点で怪しい要素は目白押しであり、他にも彼がスパイであることの伏線は幾つも張られている。ミナデイン砲作成の際には「人でも魔物でも誰でも使える」等とうっかり喋ってしまっている。
また、常に柔らかな笑顔こそ湛えているが、良く表情を見てみると瞳が何処と無く虚ろで、全てを知った後だと貼り付けたかのような不自然かつ不気味な笑顔に見える。
ちなみにこの顔自体は彼固有というわけではなく訳ではなく、【ヒース】を始め、【ビルダー100景】住人にもそっくりな顔の者が出る場合もある。
 
世界の秘密を知って人に救いがないと考えながらほぼ立場の変わらない魔物に取り入り、ムーンブルク兵全てを呼び込みその隙にムーンブルク城を襲わせる=ムーンブルク兵全てと戦う自分は実質捨て駒と分かった上で事を進め、剣術が得意なのに剣を持たないシルバーデビルになって歓喜し、死を異常なまでに恐れていたのに今際には笑いながらハーゴン様万歳と叫んで死ぬなど、既に当初の目的を忘れた狂信者になっていることがわかる。
 
永遠の戦いに縛られる狂気に満ちた島に産まれ、喪うものが多く世界が滅びゆくという救いのない人生を強いられたリック。
だが同じように世界の真実の片鱗に触れたムーンブルク王は彼のように狂気に苛まれることはなく王としての責務を全うしてみせた。アネッサも幼い頃に生まれたビルダーへの憧れの中に自らの信念を見つけ、それを貫き通すべく気丈に振る舞った。
苦難の中でも己を持って生きる道を見失わなかった彼らに囲まれて過ごしてきた彼の胸中は誰も知る由もない。
或いはどんな劣悪な状況でも希望を捨てることのなかった彼らの存在こそが彼を最期まで道化として振る舞わせるに至ったか。
 
「最初から味方のように見せかけておいて、実は最初から敵方の人物」という立ち位置は「主人公たちに懐疑的と見せかけておいて、実は最初から味方の人物」であるアネッサと対照的。
【伝説のビルダー】という、自分が信じ続ける限りは消えることの無い偶像を拠り所にした彼女と異なり、肉親や自分の命、そして土台となる世界という確かに存在していたはずの心の支えをことごとく喪ってしまったのがリックの不幸だった。
そして何より、そんな彼が絶望の果てに縋った教団ですら最期は世界もろとも破滅する運命であったのは皮肉極まりない。