【レイラ】

Last-modified: 2024-02-08 (木) 15:45:16

勇者アバンのパーティ
【アバン】【ロカ】―【レイラ】―【マトリフ】【ブロキーナ】

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。
【マァム】の母親であり、かつて【アバン】と共に【ハドラー】討伐を成功させたメンバーの一人。
旧アニメでの声優は上村典子。新アニメでは折笠愛。
なお新アニメ第82話の回想シーンではアバンの仲間達に一言ずつアニメオリジナルの台詞が追加されており(原作ではアバンが思い浮かべるだけで台詞無し)、エンドクレジットには表記されていないがマァム役の小松未可子が兼役している(【ダイ好きTV】#73で明言)。この際に小松未可子は「勇者アバンと獄炎の魔王のレイラをイメージして演じてほしい」とスタッフから説明を受けたという。
また、89話の回想シーンで出てくるレイラも小松未可子が演じている(【ダイ好きTV】#80で明言)。
 
【ネイル村】出身の僧侶で、魔王討伐を目指すアバンと戦士【ロカ】の二人パーティーが傷つきながら戦っている姿を見兼ね、村を飛び出して三人目の仲間になったという。
やがてロカと恋仲になり、マァムを身籠ったのも旅の最中だった。
このため、一度目のハドラー戦では夫婦揃ってパーティーから外されていたが、二度目のハドラー討伐の際にはマァムを置いて復帰。【地底魔城】での最終決戦にも参戦していた。
本編範囲では旧勇者パーティで唯一、明確な戦闘描写がなかった人物だが、攻撃呪文(らしきもの)を使っている場面が1コマだけ存在する。
 
次代の勇者育成を考えていた「勇者の家庭教師」アバンや、いまだ圧倒的な魔法力を持ちつつ隠棲していた「大魔道士」【マトリフ】とは違い、レイラはダイ大本編の時点では完全に引退したのか「元僧侶」という事になっており、回復呪文などはまだ使えるものの、ネイル村を守る役目は娘に任せて静かに暮らしている。
ネイル村の女の子【ミーナ】からは慕われており、一緒に野草取りをしたり、抱き付かれたりと、さながらもう一人の娘のようでもある。
そのミーナが毒のスライムに噛まれた母親の解毒の為に危険を冒して魔の森で毒消し草を探していたのがダイ達とマァムの出会いのきっかけなのだが、身近な元僧侶のレイラに【キアリー】などでの治療を頼まなかった理由は謎(下記「獄炎の魔王」で毒に侵されたロカをキアリーで治療した様子が描かれ、使えることが確定したため不自然さが増している)。ミーナがキアリーを知らなかったか、安易にレイラに依頼できない状況があったとも考えられなくもないが。
 
詳細は不明だが夫ロカとはかなり速い時期に死別しており、女手一つで苦労してきたためか33歳にしては割と老け顔。ただし連載当時は現在と違って30歳を超えたら露骨な中年扱いされ、今ほど「まだ若者」扱いしてなかった事情もある。それにした所で33歳が当時にしてもそれほどの年とは思えないが。
マトリフの発言によれば、若いころは娘に負けず劣らずのナイスバディだったようだ。事実、後述の外伝作でも相当なスタイルの良さが見て取れる。
娘マァムと同様に優しく慈愛に満ちた女性だが、若い頃はロカから照れ隠しに「こんな女」、(影女としての正体を知らなかったとはいえ)「恰好がハレンチ」と言われて腹を立てたりもしている……後者の格好に関しては言い逃れ出来ないレベルではあるが。
余談だが新アニメでは「こんな女」発言をしている時はロカに後述の嘘をつく時の癖(思っていることと逆のことを言う時に唇の端が少し歪む)が出ている。
 
ちなみに彼女が妊娠したのは現在のマァムとさほど変わらない年齢の頃。
ドラクエ世界ふくむ剣と魔法のファンタジーの舞台になりがちな時代設定だと、十代前半で成人同様の扱いとなるのは珍しくないし、明日をも知れぬ命の危険と隣り合わせの冒険者パーティーで深い男女の関係が生まれるのも致し方の無い所ではあるが、仮にも魔王討伐を目指すパーティーの主力メンバーが旅の真っ最中に子供を授かり、その子を気遣ってとはいえ決戦寸前に夫婦揃って離脱させてしまうというのは、アバン達も中々に思い切った決断をしている。
硬派ぶって色恋に疎かったロカが相手なのを考えると、当時はレイラの方が恋に情熱的な女性だったのだろうか。
 
dq5の小説にも、同名のレイラというオリジナルキャラが登場している。元々エルヘブンの民の一人で、同志のオルトと共に、同地に伝わっていた炎のリングと水のリングを、魔界に与する者の手から守る為に死の火山や滝の洞窟に隠した張本人である事が、彼らに手を貸したというルドマンの口から語られる

勇者アバンと獄炎の魔王

第2話から登場。父はネイル村の神父の【アリアム】で娘である彼女も【僧侶】として治療やお勤めを果たしており、代々の家系であったようだ。
魔の森で毒を受けたロカを治療した後、「武術の神様が住む山」へと教えを請いに向かっていたアバンたちを道案内する形でパーティに加入する。
 
この頃にはすでに僧侶の職を得ているが、なんと本作では【盗賊】技能の持ち主だったことも判明。
村人達が何度も返り討ちに遭いながら、教会の制止も聞かず魔の森の魔物退治に向かってしまうため、レイラは正体を隠して魔物退治に出ていた。また、不審者が村に近づけば追い払い、無謀な村人を脅して村に追い返すなどもしており、その姿から「影女」と恐れられていた。技能を活かしているのみで流石に物盗りには手を染めていないが、娘が僧侶戦士なら母親は「僧侶盗賊」だったのである。

性格については、僧侶の姿の丁寧で心優しい性格が本性だが、小さい頃から魔の森を駆け回っていたお転婆な一面もある。
マァム同様ナイスバディなお色気要員でもあるが、無頓着に色気を振り撒きセクハラを受けては鉄拳制裁していた娘に対し、レイラはマトリフのセクハラ発言にも顔色一つ変えず口八丁で軽くあしらったりと、セクシーな衣装を気にせず着込む一方できっちりとしている。オープンなように見えて結構ガードが固いとはマトリフの評。
なおメタ的に考察すると、ダイ大連載当時に比べて現代ではセクハラ描写への風当たりが強くなっており、新アニメでもこれらの描写はカットされている。よってレイラの性格も、「マトリフの性格を改変せず、セクハラ描写をカットする」ために設定された物とも考えられる。

能力

影女となった際のレイラは普段の丁寧な彼女とうって変わって言動がクールになる。髪と目の色が真紅に変わり、僧侶の法衣の下に着込んだボディーラインも露なクノイチ風装束を纏うため、まるで印象が違う。
アバンは会話の反応からうすうす正体を察していたのだが、この変わり身にロカはまったく気づかず、魔の森の道中、ハドラー4幹部の1人である【キギロ】の襲撃を受け窮地に陥った際に、信頼と約束の上で2人に正体を明かしている。
僧侶姿のレイラを「天使みたい」と形容していたロカは、ギャップに思い切り面喰うこととなった。
影女の服装も「ハレンチな格好」呼ばわりで、目のやり場に困るからと、戦いが終わったら普段の衣装に戻させている。
 
髪色の変化に関しては、「影女に変身する」と決意する事で無意識に発動する【ピオリム】によるものである。
呪文契約自体は幼少期に済ませていたものの、意識的な発動は出来ず、その上特殊な発動であるためか自身にしか効果がない。レイラ自身も、自分がピオリムを使える事・使っている事に全く気づいていなかった。
この事に気づいたアバンの推測と助言によって、魔導図書館で下位呪文である【ピオラ】の呪文契約を行い習得。こちらは意識的な・他者への発動が可能で、ロカに対して使用している。
なお、ダイの大冒険本編では強化系の補助呪文は登場していないため、彼女が初の使用者となる。
 
更にマァムが使っていた【ハンマースピア】は元々レイラの武器であったことも明らかになった。「刃物を持ってはならない」という僧侶の戒律に合わせて槍の部分は刃が潰してあったようだが、かなり重量があるこの武器を使えたあたり、僧侶呪文を一部しか扱えなかったマァムよりもなお「僧侶戦士」っぽいキャラクター付けとなっている。
本来僧侶の身であるため刃物の扱いについては不慣れを装っているが、実際は熟達しており、アバン曰く「カールで1番の怪力無双」であるロカが(不意打ちで重傷を負ったとはいえ)力ずくで破壊出来なかったキギロの根の拘束をあっという間に寸断するなどその技量は高く、ピオリム込みとはいえ優れた身のこなしも見せつけた。
正体を明かさないままでも村の力自慢達をコテンパンにのしてしまうあたり格闘のセンスもあるようで、プロポーションの良さや僧侶の才能だけではなく、接近戦のセンスも娘に受け継がれたということか。それにロカの血も加わった娘マァムがさらなる怪力と武闘家の優れた素養を持っていたのもさもありなんという所。
  
普段の戦闘スタイルは僧侶らしく回復魔法による支援はもちろんのこと、ハンマースピアを使った格闘術と【バギマ】による魔法攻撃を得意としている。強敵との戦闘になれば瞬時に法衣を脱ぎ去り素早さを活かした短剣の二刀流で敵を翻弄する。
  

来歴

故郷での一件が終わった後、意地を張るロカの様子を見かねて村を追放される覚悟で住民に影女であることを明かした。その結果、アリアムの計らいで「僧侶の戒めを破ったから魔王を倒すまで破門する」という形の村を出る後押しを受け、アバン達のパーティーに正式に加入した。
後にレイラ自身、村の守り手としてダイ達への同行を悩んだ娘マァムを送り出してやることになるのは、まだ未来の話。

【海底宮殿】編ではアバンを拉致した【オトギリ姫】の居場所を探るべく海に潜る。その際マトリフから渡された【あぶないみずぎ】を着用。
宮殿を発見した際にだいおうイカに襲われたものの、ロカとマトリフに救出された。
 
ロカの馴れ初め、影女の正体が知られ、ネイル村に帰る最中の語らいで素直に謝意を見せた彼の姿に評価が一転し、旅の中で仲間のために常に自分を二の次でいる彼を意識すると同時に放っておけないと言う思いを募らせていき、【サババ】ではロカに対する自分の気持ちに気づいてもらえず、女嫌いなのかと疑ってしまう。
【悪魔のおおめだま】には触手で縛られた挙句【あまいいき】で眠らされそうになった所をアバンに救われ、彼が海波斬を必中させられるようバギマで敵の動きを止めた。続くハドラー戦では町の人達を避難させ、アバンを援護した。
その戦いで、ロカはレイラとアバンを生かすために捨て石となろうとする彼の姿に、最後の魔法力で回復呪文をアバンにかけながらも生存のための逃走ではなくロカを救うことを懇願する。
戦いの後は重傷を負ったロカを治療するも、魔王から受けた傷に回復の効き目は薄かった。それ故治療を拒まれるが彼の嘘をつく時の癖を見抜き、傷ついたら何度でも治療するので、自分の前では意地を張らないでと文字通り彼に寄り添い、交際が始まった。
 
【地底魔城】での決戦ではハドラーが急ごしらえとして用意した【グランナード】と対峙した際、アバンを先に行かせたうえでバギマで先への道を塞ぎ、グランナードの相手を一人引き受ける。
以前父アリアムからレイラ宛に【聖なる杖】と影女宛に【パワーナックル】を授かっており、今までのイメージとは真逆に本性を向き出しにして大暴れ。
聖なる杖をグランナードの核にぶっ刺し、ハンマースピアで深く喰い込ませて核を破壊。そのまま彼の顔を踏み潰して葬った。
 
前項のようにダイ大では「元僧侶」ということで引退しているような扱いだったが、本作で若い頃の意外な設定が明らかになった今、本編での現在の実力が気になってくるところである。
作中での年齢に関しては外見上老けて見えたが、上述の通り実際の年齢は【アバン】【フローラ】と同年代である33歳程度のはずなので、長年のブランク込みで衰えは来てる可能性はあるがあの世界ではそれ以上に年齢を重ねた戦巧者も多いのでまだまだ戦闘力自体は残っててもおかしくはない。本当に気になってくるところである。