2013年12月26日にFINAL FANTASY X/X-2HD Remasterと同時発売されたノベライズ。
価格は1470円(税込)。著者はFF-XとFFX-2でシナリオを担当した野島一成。
「BOY'S SIDE」・「GIRL'S SIDE」・「BOY&GIRL」の三章構成で、機械戦争時代のエピソードを交えつつ、
FFX-2のティーダ復活エンディングから真エンディングまでの間に起きた物語を描いている。
- 喜び全開の2人&歓喜に沸き立つ周囲→ザナルカンド遺跡での淋しげな2人。
この光景の真意が判明。意味深なセリフの真実も判明。何とも遣る瀬無い。
「FFX-2.5」という題名が少し気になるところ。
単にボイスドラマへの複線としての題名なのか、それともKHシリーズのように、もしかしたら……。
- ちなみにこれ「2.5」の部分はなんて読めばいいの?
FFX- からだと読みにくい…- 英語読みするなら「ツーポイントファイブ」だが、
ゲーム媒体の続編ではないし別に日本語読みで「にいてんご」でもいいんでは。
要は読む者の好きなようにって事で。
- 英語読みするなら「ツーポイントファイブ」だが、
批評
HD版発売以前からのファンにとって衝撃な展開であり、
賛否両論だったFFX-2以上の問題作扱いされている。早くパラレルワールド扱いして欲しいレベル。
- 人間模様や人物描写に違和感を覚える読者が多く、アルティマニアに掲載されている
ベニー松山が手掛けた小説『キミを呼ぶ指笛』『キミが呼ぶ指笛』より評判は良くない。
アルベド族のルーツや召喚絡みの新設定も判明するため、
考察好きは読んでおいても損は無いかもしれない。 - 性的要素と不幸な事故は蛇足という不満の声が大きい。
to be continuedと続編を匂わせた点も不興を買っている。 - 二人の再会を喜んだファンにとっても至極やり切れない気持ちだっただろうね。
ただ、もし続編があるとすればこの物語への不満や問題を払拭する展開があるかもしれない
という希望も持てるけど……。- これの後に続くのが、HDリマスター版収録のボイスドラマになる。
払拭どころか更に不満や問題を上積みしただけだったが。 - でもなぁ……こんな展開を真に受けると、
また蛇足と言われる事があっても続編を出してほしいと願わずにはいられないよね……。- これを読んだ後は、空虚さに時を忘れて呆然とするか、
意地でもハッピー全開のラブラブカップルに成ってもらわないと!
と思い悶えるかのどちらかだろうねぇ。 - こんなことになるなら、10だけで終わらせてくれれば良かった。10のラストでティーダが目覚めるシーンがあったわけだし…。あとはプレイヤーの想像に委ねますってことで。
- これを読んだ後は、空虚さに時を忘れて呆然とするか、
- これの後に続くのが、HDリマスター版収録のボイスドラマになる。
- まあ、作中でも述べられているのだが、「数週間の付き合い」の二人だった。
ということを惨酷なまでに突き付ける作品である。- 現実なら十分に「電撃的」と呼ばれる期間だな。一応ユウナには2年間の「溜め」があった訳だが。
- ティーダの存在のすべてが、ユウナへの「ご褒美・賞品」である『物扱い』が嫌悪感の根源だろう。
ユウナに相応しくない、という訳ではなく、
ユウナこそが「欲しかったものはこんなことじゃない」と怒って然るべきじゃないだろうか。- かつて自らが否定した「究極召喚」というまやかしの希望。
決して受け付けるべきではないのに、
今度は彼女自身が「ティーダ」というまやかしの希望にとりつかれているわけである。
ナギ節が訪れて心境が変化したのか、
スピラがたどっていた負の螺旋を断ち切ったはずの彼女がそれを繰り返そうとしている。
世界をひっくり返すほどの決断を行った彼女がそういった行動を取るとは何事だ、
というのが無意識に読者の中で不快感となって現れているのではないだろうか。
さらに後付で生々しさと後味の悪さを付与したら誰だって不快だろう。
後付のご都合主義が嫌だった人だって、生々しさと後味の悪さが欲しかったわけじゃないだろうし。
人物描写その他の出来が完璧なほどのクオリティであれば、
たとえ結末が後味の悪いものだとしてもまだ多少は需要あったのかもしれないが……
死なすために頑張って復活EDまでもってった訳じゃないんだ………(泣) - しかも復活してわずか1日程度でだし…
そのままズブズブの関係を続けていくという新しい路線もあるかもしれないが、需要があるかは不明。
下手をするとティーダの思念が再び幻光虫で形成されて偽ティーダと戦うなんて展開も起こりえてしまう。
例えばFF5OVAのように本編から数百年後のスピラで、死んだ恋人の幻を追う召喚士や過去の英雄の血筋を自称する人物達が、何者かによって召喚されたシンに立ち向かうというストーリーであればまた違った評価になったと思うのだが……
こういう病んだ展開は、同社のドラッグオンドラグーン(DOD)でやってほしい。DODは鬱ゲーとして好きなので、むしろ歓迎する。
- かつて自らが否定した「究極召喚」というまやかしの希望。
「たかがゲームだろ。なに熱くなっちゃってんだよw」なんて人は読んでも特に問題ない作品ではある。
FF10とFF10-2を未プレイでも、ある程度その内容を把握できる作りにはなっているので、そういった人はこれを期に両作に触れてみるのも良いかも知れない。