キーブレード使いが習得できる力の一つで、心を介して閉ざされた世界を開く特殊能力。
主に眠った心を元に戻すのに利用されるため、「眠りし心を解放する力」とも呼ばれる。
この力でポータルを出して眠りについた心に侵入したり、眠りの鍵穴を呼び出して眠りに閉ざされた世界や闇の世界などの閉ざされた空間に自由に出入りすることができるようになる。
7つの眠りの鍵穴を解放することで習得することができる。
この力を習得したことがあるのが判明しているのはソラ、リク、王様の3人である。
- ソラは3Dで習得後一旦失ったが、KHIIIで取り戻した。
- ヴェントゥス曰く実際は眠っていただけで、心から助けたい相手がいれば目覚める状況であった模様。「目覚めの力」が「眠っていた」とは…。
- KHIIIのキーワードグロッサリーにも書いてあるが、王様は3Dで最初リクの代わりにソラを目覚めさせに行こうとしたように、既にこの力を習得済みだった。上記の方法でこの力を習得できるのはKHIの世界修復後となるため、その後に眠りに閉ざされた世界や目覚めの力が研究され、その過程で習得したと考えられる。
禁忌を犯したソラはその代償の一つとしてこの力を失ったため、KHIIIRM以降はリクと王様の2人となっている。
心が眠ってしまった人は精神世界が閉ざされた状態であるため、心を目覚めさせるにはこの力が必須とされる。
例えばソラの心の中で眠っていたヴェントゥスの心を解放した際は、ヴェントゥスの目覚めの園に目覚めの力を使うことで心が解放された。
- KHIIIRMでロクサスが復活する時も同じ描写があったため、この時もソラが目覚めの力を使ったと思われる。
- 「眠りし心を解放する力」と言っても出入り口を作り出せるというだけで、場合によっては、相手の心の中で眠りから目覚めさせる行為が必要。
- KHIIIエンディングでナミネが復活したのも、ソラのまだ残っていた目覚めの力によるものだと思われる。
3Dでイェン・シッドは「悲しみの中で眠る者」を目覚めさせるため、眠りに閉ざされた世界を解放する過程でこの力を習得することを目的として、ソラとリクのマスター承認試験を計画した。
ソラとリクは眠りに閉ざされた世界の鍵穴を解放する旅でこの力を習得したが、ソラはマスター・ゼアノートの器にされかけて闇の深淵に落ちたせいで心が眠ってしまった上、この力を完全には身につけられなかった。
- 夢の世界のトラヴァースタウンにスピリットたちに会いに行くぐらいの力は残って(身について)いた。
- さらに、ゼアノートの器にされかけたことでこれまで身に着けた能力の多くを失ってしまった(KHIIIのレベルリセット)。
リクはソラを助けるためこの力を使ってソラの心にダイブした。
KHIIIの当初のソラの目的は、失われたこの力を取り戻すことであった。しかし、ソラが実際に力を再び使えるようになったのはかなり終盤になってからだった。
それは目覚めの部屋でヴェントゥスの体を庇って倒れたアクアにヴァニタスが止めを刺そうとした時である。それに反応したヴェントゥスの心の要請でソラは目覚めの力を使い、ヴェントゥスの目覚めの園から飛び出した心が体に帰り、眠りから復活した。
キーブレード墓場で光の守護者たちが敗北し皆の心が消えかけるが、カイリに心が消えないよう留められていたソラが目覚めの力を使い、リッチから世界を超え、皆の心を取り戻しさらに時間すら戻した。
- この時意外な人物から「使い方を間違えている」「心を介して世界に入る力であって、実在の世界で心を追って飛び回る力ではない」と指摘を受ける。彼がなぜそのことを知っていてなぜソラの行動を把握していたのかは謎。そして彼は「力の使い方を誤れば大きな代償を払うことになる」とも言い残した。その「代償」が何であるかは、後に判明することになる。
マスター・ゼアノート戦後には、光の守護者たちがソラとの繋がりを辿って、目覚めの力を使ってスカラ・アド・カエルムに現れた。
エンディングでは、ソラはゼアノートによって消滅したカイリを取り戻すため、目覚めの力を使って一人で旅に出た。最後にデスティニーアイランドに2人で戻ってきたかに見えたが──。
ソラが仲間たちの消え行く心を目覚めの力を使って強引に元に戻したことによって、事実の書き換えが起こって全滅の時間軸がなかったことになり、テラ=ゼアノートとの相対前に時間が巻き戻った。
- KHIIIやKHIIIRMの描写を見るに、少なくとも他の光の守護者達の記憶も巻き戻った。しかし、ソラやヤング・ゼアノートの記憶は残っている。また、他のキャラクターの記憶が巻き戻ったかは不明である。
だが、目覚めの力は「人を復活させる能力」ではないにも拘らず、ソラは「実在の世界で心を追って飛び回る」という誤った使い方で仲間を生き返らせたり、結果的に時間を巻き戻したりと、本来の「眠りし心を解放する力」という能力を超えた使い方をしたため、代償としてソラは元の世界から消えてしまった。
- しかしそうしてソラが世界を飛び回ることになった原因として、「奪った心を闇の深淵に運ぶハートレス」であるリッチが出現して仲間達の心を奪い、それをソラが追う、という状況になっていたことを考えると、何者かによって意図的に代償を「払わされた」可能性もある。
- 上記の指摘をしたヤング・ゼアノートによると、闇の深淵に心を運ぶリッチを追ったことによって、ソラの心も闇の深淵に近づいてしまったらしい。また、ソラが払った代償はもう闇の深淵に堕ちたとも語っている。
- 上記の推測といい、世界を飛び回るソラの前に彼がわざわざ姿を現して嘲笑うようにその話をしていったことといい、やはり何となく恣意性を感じさせる気がするのは否めない。
- χブレード完成が目的なのに13の闇と7の光を衝突させる事なく、1人(デビルズウェーブ)で守護者たちを全滅させるという行為そのものが矛盾しているところから、ソラのこの行動が想定の範囲内で、代償を支払わせイレギュラーになりうるソラを始末するのが目的だった可能性はある。ただソラが代償を支払うタイミングは戦いが終わったあとであり、上記の目的があったとしてもそれは失敗だったことになる。
- テラ=ゼアノートが「だが安心しろ χブレードはここで完成する」と言っていることから、根拠は不明だが全員がここで倒れても一応目的は達成できるようである。そのためソラの始末が目的ではなかったのかもしれない。何ならリッチも機関の差し金ではなかったのかもしれない。ただそうなるとヤング・ゼアノートはソラを嘲笑うためだけにソラを追いかけて現れたことになるが…。
- DRでは、光が闇に敗北するという運命を書き換える「運命の子」についての言及がある。だとすれば、「運命の子」が代償を払うことも決まっていたことなのだろうか。それならばゼアノートがこのことを知っていてもおかしくない。
- ちなみに、KHIIIRMでもテラ=ゼアノートやマスター・ゼアノートがソラに「代償」についての覚悟を尋ねている。
- しかしどうもシークレットムービーの描写を見るに、ソラは彼に放り込まれたゲームと繋がりのある世界に辿り着いたようなのでなかなか因果なものである。
- 終わりの世界でのチリシィの言葉から、目覚めの力とは別に人を復活させる事が可能な「心を失った人の心を取り戻す力」があるらしいことが示唆されているが、そちらの詳細は現時点では不明。
- ソラ自身はチリシィが言っているものを目覚めの力のことと解釈したが、チリシィの微妙な反応を見る限りはどうやら別物であると思われる。
- チリシィは「目覚めの力を失うため元の世界に戻れなくなる」と言っているため、目覚めの力さえあれば帰還は可能なのだろうか。
チリシィの説明によれば、KHIIIRMでソラが守護者たちの心を飛び回ったのも「目覚めの力」によるもののようである。この使い方は(比較的)「本来の使い方から大きく外れることはない」ようだが、そもそもソラは既に禁忌を犯しているため、このような使い方をすれば実際に禁忌に触れないかは不明。
余談だが、終わりの世界から出るにも(入るのにも)目覚めの力が必要なようである(ポータルを介して再訪しているほか、KHIIIRMのシークレットエピソードでソラが終わりの世界から出られていないため)。チリシィはソラの残った目覚めの力によってヴェントゥスの元に帰れたと思われる。
MoMでは、リクが目覚めの力を使いソラのいると思われるクァッドラトゥムへと旅立った。
メタ的な観点で考えると、KHIIIにおける「過去の時間に戻って敗北の未来を変える」という行為は、いわゆるゲームの「リトライ(コンティニュー)」機能に「時間を巻き戻してやり直している」という設定的な意味や説得力を持たせたものとも解釈できる。
ゲーム内でプレイヤーが行うリトライ(コンティニュー)という行為も全て、実際に時間を巻き戻してやり直しているとも考えられる。
KHIIIでは一部ボス戦でコンティニューをした際にのみ聞ける戦闘開始時のボイスがあったりする他、特にゼアノートとのラストバトルでは敗北時のリトライを思わせる演出がある。