プレイヤーの攻撃を受けてのけぞったりしている敵が、特定の条件で強制的にその状態から復帰して、何らかの反撃行動を行うこと。
主に人型のボスが行う。
プレイヤーの攻撃で永久にのけぞり続けたりしないように、ハメ防止のための仕様と思われる。
強制反撃の仕組みを理解することで、より戦略性の高い戦い方が可能になる。
当記事に記載があるKHI,KHIIのものが研究が進んでいることもありよく知られているが、BbSやKH0.2にも似たような強制反撃のシステムは存在するようだ。BbSFMの謎の男が怯み時に時を戻してくるのがわかりやすいだろう。
3Dに関してはリアクション値の仕様上延々と怯ませ続けることがそもそも不可能になっているためか存在しない。
システムが特殊なCOMや、開発元が外部企業であるDaysやRe:codedにも存在しない。
意外にも、KHシリーズのように一定以上連続で攻撃すると強制的に反撃されるといったシステムを持つゲームは珍しい。
KHシリーズでは基本的に操作キャラのアクションの硬直が短く、強制反撃を考慮しなければ攻撃チャンスに延々攻撃し続けることが可能だが、
他のゲームでは操作キャラの硬直が長く連続で攻撃し続けることができなかったり、3Dのような怯みにくさを示すパラメータがあったり……など、
もっと根本的なシステムレベルの調整で怯みハメに対策を取ってあるものの方が多数派なのである。
このことから、強制反撃は爽快感のある戦闘と引き換えに用意されている、ある意味ではKHシリーズ特有の仕様であるといえる。
KH
「怯んだ回数」をカウントし、累計で(コンボを切ってもリセットされない)一定数を超えると強制反撃をしてくる仕様となっている。
仲間の攻撃もカウントされるため、仲間がいる戦闘でのパターン化は召喚で仲間を消したり敵に倒してもらったり(もちろんハイパーヒーリングは外しておく)するなど、一工夫必要。
また、怯みがキャンセルされ即座に反撃してくる。無敵になる技での対処ができると心強い。
回数は敵によって変わり、たとえばリクの場合は4回ひるむと強制反撃を行ってくる。
「たたかう」による弾きでもカウンターが発動できる本作では、あえて強制反撃を出させその攻撃を持続の長いコンボフィニッシュで弾きさらにカウンター……なんてループに持ち込むことが可能な敵も存在している。
クラウドには強制反撃が設定されておらず、背後から怯ませフィニッシュを出さずひたすら殴り続けているだけでHPによる反撃ラインまで持って行けてしまっていた。アルティマニアにも掲載されていた戦法である。
なお、レオンなど、上記の法則に従わないタイプの反撃をしてくる敵も多々存在する。敵に背後から攻撃した場合と正面から攻撃した場合でパターンが変わる敵も存在する(クラウドも正面からだとガードしてきたりする)。
KHFM
クラウドに修正が入り、途中でガードされるようになった。
FM版追加のボスである謎の男やセフィロスにも実装されている。謎の男は8回、セフィロスは7回怯むと反撃してくる。
謎の男はグラビデで動けなくしてから攻撃する(敵は行動不能だが怯むわけではない=怯み回数は蓄積されない)のが基本であるのでそこまで気にする必要はないが、セフィロスについては把握していないとまともに戦闘するのもままならない。
KHII
XIII機関やセフィロス、FM版で追加された留まりし思念辺りの敵が強制反撃を行う。
- 本作ではボス敵固有の能力ではなく雑魚敵の中にも強制反撃を行うものが相当数存在している。
ただし雑魚敵の場合は飛行していない敵(空中技を持たない)は空中に浮かせば反撃を行わなかったり、反撃技の予備動作が長いために攻撃開始前にフィニッシュ技で再び怯ませる事が出来たり、といったケースが多いため、存在感があるのはソーサラーなどの極一部。
強制反撃は、敵の内部パラメータである「反撃値」が一定値を越えると行う。
反撃値は敵を攻撃すると蓄積されていく。
反撃値がどのくらい溜まると強制反撃を行うかは、敵によって異なる。
ソラの全ての攻撃には、敵の反撃値をどのくらい増加させるか、という値がそれぞれ設定されている。
基本的には、強力な攻撃や、敵を打ち上げたり吹き飛ばす攻撃ほど、敵の反撃値が大きく蓄積される。
敵が行動中は蓄積された反撃値が高速で減少し続ける。
基本的には相手のターンを1回挟めばそれ以前の反撃値はリセットされるため、「敵が怯み始めてから行動を再開するまでに当てた攻撃のみが反撃の発動タイミングに影響する」という認識で大抵は問題ない。
ただし蓄積された反撃値に対して相手のターンが短すぎると反撃値のリセットが追いつかず、通常よりも早いタイミングで強制反撃を使われることもあるので注意が必要。
特に下記の「反撃値を超えても強制反撃されない攻撃」を多用すると蓄積反撃値が膨大になるため、多少の行動時間ではリセットされなくなる。
下手をすると相手のターンを挟んでもまだ蓄積量が反撃発動値以上(=怯ませたら即反撃)という事態も有り得る。
コンボプラスを多く付けた長いコンボで攻撃した方が良いかと言えば必ずしもそうではないし、ストライドブレイクなどの強力な技で攻撃した方が良いとも限らない。
敵に合わせて、より効率的なコンボを組み立てるのが望ましい。
コンボの途中で強制反撃で抜け出されると、素早い攻撃を食らってしまったりして危険な場合が多い。
コンボフィニッシュなどで敵を吹き飛ばせば、強制反撃されても距離が離れているので安全に対処しやすい。
強制反撃させない方が良いか、強制反撃させた方が良いかは、敵や戦法によって異なる。
敵によっては、強制反撃後の隙を突いて攻撃し、更に強制反撃させて、更にその強制反撃後の隙を突いて攻撃……といったパターンでハメられるケースもある。
- 実はストライドブレイクの反撃値蓄積量は通常のコンボフィニッシュと変わらない。
反撃値の蓄積量が高いのはエクスプロージョンの方である。
ただし、下記の通り通常の縦振りコンボフィニッシュは強制反撃をされなくなるため、
そういう意味ではストライドブレイクのほうが反撃されやすい。
非常に短い間隔で連続攻撃する?と、強制反撃させる間もなく敵をのけぞらせ続けることができる模様。
有名なのはチャージバーサク状態でエアサイドスラッシュを連発し続けるハメ技。
ウィズダムフォームやファイナルフォームのファイア系も、場合によっては強制反撃されないことが確認されている。
- KHIのものと異なり、怯んでから強制反撃となるため、高速で攻撃し続けるとハメ技が成立する。
なお、一部の技は反撃値を超えても強制反撃されないという特性を持っている模様。その技で反撃値を超えても、即座に反撃をされることはない。
例としては、
- 通常の地上、空中コンボフィニッシュ(縦回転振り)
- ブリザガフィニッシュ(ブリザドやブリザラではダメ)
- ウィズダムフォームのファイガ(フィニッシュはダメ)
といったものがある。
上記の技には通常通りの反撃値が設定されており、単に反撃値がゼロである技とは一線を画する。
- 縦振りフィニッシュは反撃されないため、コンボマイナスを二つ装備しジャンプ→フィニッシュ→ジャンプ……とハメ殺せる。
- ただ、フェンリルのウェポンアビリティとレベル上げによる入手が必要なため、オリジナル版では使える相手がいない。FMでもレベル制限プレイでは不可能かつ、本編ロクサスやクリア後の再現データ達ぐらいしか相手がいない。
- FM限定だが留まりし思念には極めて有効である。
- 敵によっては上記の技でも強制反撃されることがある。ゼムナス(1戦目)やヴィクセン(FM版)あたりが代表的。理由は不明だが、両者とも強制反撃時に攻撃以外の行動を挟むという要素を持っている*1。
特にヴィクセンは、この仕様に加えて残りHPによる強制反撃も持っているため、こちらが延々と攻めを継続するのは非常に難しい。 - 他には各種フィニッシュアビリティをそもそも習得できていない序盤にも、通常フィニッシュからでも普通に強制反撃を行うボスがかなり多い。こちらは単純にハメ防止とフィニッシュで距離が離れてから強制反撃した方がプレイヤーにとって対処しやすいという救済措置の両方を兼ねているものと思われる。
つまり上述の強制反撃されない技、というのはシステム的に一律で設定されているわけではなく、ボスごとにちゃんと個別に設定されたものであると見られる。
敵によっては強制反撃の内容は1種類だけではなく、反撃発動時のソラとの距離や、接地しているか否かといった条件により変化する他、これらの条件が同じでもランダムで複数の反撃を使い分けてくるケースもある。
また、強制反撃が出る前に攻撃をやめた場合、当然敵は怯みから復帰次第行動を再開するが、この時の行動は「通常反撃」と呼ばれる。
通常反撃もソラとの距離や、敵の怯んだ回数(≠ヒットした回数なのでスーパーアーマー中への攻撃回数は含めない)といった要素により内容が変化することもある。
本作の人型ボス(FM版追加ボスも含む)は、強制反撃か通常反撃のいずれかに「慣れれば防御や回避が比較的簡単な上に、終わり際の隙に再び怯ませる事が可能な技」が含まれているものが大半。
なので、どの条件でどの反撃技が来るのかを把握すれば、敵の行動を対処が容易な行動のみにほぼ固定することも可能。
- 例を挙げると、留まりし思念の第三段階。
怯み回数10以上の通常反撃は超乱舞で確定なので、「超乱舞を防御&回避→終わり際の隙に攻撃して10回以上怯ませ、強制反撃が出る前に攻撃をやめる」と行動すれば相手の行動を超乱舞のみに固定可能。
超乱舞の対処さえ安定できていれば、第三段階に突入した時点でほぼ勝利が確定する。
FM版追加ボスの大半が慣れればLV1プレイでも安定勝ちが可能なバランスに仕上がっているのは、この「敵の行動をある程度コントロールできる」という性質によるところが大きい。
ただしもちろんこれが通用しない(反撃行動がいずれも対処or終わり際への攻撃が困難)敵も中にはいる。
そういった敵は制限プレイでは他とは一線を画した強さを持つ事が多い。
KHIIFM
再現データのヴィクセンや留まりし思念は、反撃値による強制反撃とは別に、HPが一定値を下回ることでも強制的に復帰して何らかの行動を行う。
このHP規定値を覚えておかないと、予想外の反撃を食らって一瞬で死んだり瀕死に陥りやすい。
また、このHP規定値は行動パターン変化の条件でもあり、敵のHPが規定値を下回ると行動パターンが次の段階に移行する。
- 留まりし思念の場合は上記の「非常に短い間隔で連続攻撃」や「反撃値を超えても強制反撃されない攻撃」ならばHP量による強制反撃も防ぐことが可能。ただしヴィクセンの場合はどちらでも防げない。
KH0.2
主にミラージュアクア、デビルズタワー戦で顕著だが、一定以上攻撃したら反撃するという動作をしていると思われる。
実際にKHIIIの同様の敵にもアルティマニアを見ると反撃値が設定されていることがわかる。
ミラージュアクアの場合、ファイガを当てると蓄積した反撃値が減少するため強制反撃の発生を遅らせることができる。
KHIII
今作では3Dに導入されているリアクション耐久値を持つ敵と反撃値を持つ敵が両方存在する。両方持っている敵もいれば両方とも持っていない敵もいる。また、アルティマニアでは敵の反撃値の上限にはリベンジ発動値、プレイヤー側の攻撃による反撃値の上昇値・反撃値本体にはリベンジ値という正式名称が初めてついた。強制反撃はリベンジ行動と呼称される。
アンチ・アクア戦では、KH0.2のミラージュアクアと同様にファイア属性の攻撃でリベンジ値を減少させることが出来る。
真XIII機関などの人型ボスのリベンジ行動は「ワープなどでプレイヤーから強制的に距離を離す」というものが多く、過去作に比べると反撃技で攻撃してくるケースは少なくなっている。