サヨナラレフトフライ

Last-modified: 2023-07-14 (金) 11:45:35

2019年9月15日、西武対ロッテ(メットライフドーム)で起こった出来事。
犠牲フライでのサヨナラ勝ちとは異なり、ランナーなしの状態で起こっているということに注意。


概要

11回裏、ロッテのマウンドには大谷智久が登板*1
簡単に2アウトを取り、ランナーなしで木村文紀を迎える。
木村はフライを打ち上げ、攻撃終了…と思われたが、
レフトの加藤翔平がボールを見失い、落下地点でセンターの荻野貴司ぶつかって落球(記録は加藤のエラー)。
これを見ていた木村は一気に本塁に生還。サヨナラとなり、これで西武にマジック9が点灯した*2
大谷は西武打線を3者凡退に打ち取ったはずがWHIP0.00で敗戦投手になってしまった。


ランニングホームラン未遂

この試合では、サヨナラとなったプレーと対照的なプレーも起こっている。
1-1で迎えた6回表。2死無走者の場面で、

  • 清田育宏がセンターへのフライを放つ。
  • これを前進して取りに行った秋山翔吾が後逸。
  • これを見た三塁コーチャーの大塚明は、三塁で止まりかけていた清田を本塁に突入させる
  • ところが清田はクロスプレーにすらならず本塁手前でタッチアウト(記録は三塁打)となり攻撃が終了。

また、11回表には、荻野がレフト前ヒットで一塁から三塁を狙って走塁死というプレーも起きており、大塚には批判の声が相次いだ。
一方で、木村を本塁に突入させ、サヨナラ勝ちを呼び込んだ西武三塁コーチャー・黒田哲史には称賛の声が上がった。

前日には

前日の同カードでも延長戦になっているが、この試合も10回裏にメヒアのセンターフライをセンターの岡大海が突っ込んで後逸(記録上は二塁打)しサヨナラとなり、ロッテは2日連続で外野フライと思われた打球でサヨナラ負けという結果に終わった*3
ロッテは24日のシーズン最終戦でも西武相手にやらかし、西武の優勝をアシストしてしまった。

余談

実はこの年のロッテは、ソフトバンク相手に大きく勝ち越して、西武に大きく負け越したため、「ロッテが西武の優勝をアシストした」という表現はシーズン単位でみても正しいことになる。


資料

スポナビ速報
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木村のサヨナラフライ

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清田の本塁憤死

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その翌年(サヨナラライトフライ)

2020年10月20日、西武対ロッテ(メットライフドーム)で似たような事態が発生する。
西武は1点リードで迎えた9回表、西武は守護神・増田達至田村龍弘のヒットと金子侑司のエラーで1点を失い同点に追いつかれてしまう。
しかし9回裏、

  • 2アウトの場面で外崎修汰が二塁打で出塁。
  • 次打者の山野辺翔は2球目をライト方向に打ち上げてしまう。フライアウトで延長戦に突入かと思いきや、
  • 本来捕球する筈だったライトのレオニス・マーティンに、(一応アピールはしていたが)セカンドの西巻賢二が横から入ってしまいまさかの交錯。*4
  • グラブでボールを弾いて落下した際には外崎は三塁を回っており、そのままサヨナラ*5

「メットライフドームで」「シーズンの終盤に」「2アウトから」「そこまで難しくないフライ性の打球を」「交錯で落球しサヨナラ」と、去年のサヨナラレフトフライと似ている点が非常に多く、ネタにされることとなった。

さらにその翌日の2020年10月21日の試合も

  • 9回裏で1-1の同点、益田が登板
  • 外崎が出塁し、2塁に進む
  • 山野辺が2アウトのカウント0-1からライトへサヨナラ打*6を放つ
  • 外崎がサヨナラのホームイン
  • 勝利投手は増田、敗戦投手は益田*7
  • ヒーローインタビューには山野辺が呼ばれる

と、再放送を疑うレベルの前日と全く同じ展開で西武が勝利した。またこの2日間の間で、ソフトバンクが日本ハムに連勝したことで、ロッテの自力優勝が消滅(=ソフトバンクに優勝マジック8が点灯)している。

極めつけに、益田は次の登板となる10月29日のソフトバンク戦でワイルドピッチによって痛恨の逆転サヨナラ負け。自身3連敗を喫する事態となってしまった。

上記のプレーや過去のフェン直ゲッツー押し出しスリーベースの件もあり、シーズン終盤のロッテはとんでもないプレーをやらかすという風潮が根付いてしまった*8

さらに、この試合以降ロッテは大失速。22日からソフトバンクの優勝決定(28日)までの6試合は1勝5敗。その後も負けが続き、最大9ゲーム差つけていた西武にも追い抜かれて自力CSまでも消滅*9、危うくCS出場を逃しかけた。最終的には再びロッテが西武を追い抜き、11月8日の直接対決に勝利したロッテが2位となった。

2020年版資料

第一夜(西巻マーティン交錯落球)

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第一夜の画像
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第二夜(再放送)

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2022年には

2022年4月6日の北海道日本ハムファイターズ対千葉ロッテマリーンズ(札幌ドーム)でも似たプレーが発生。同点で迎えた9回裏、日本ハムは死球とヒットでノーアウト一・三塁というサヨナラの大チャンスを作る。ここで打席に立った宇佐見真吾の打球は犠飛にはならなさそうなレフトライン際への浅いフライとなる……のだが、なんとこれをレフト・高部瑛斗が取れず*10、三塁ランナーが生還。ロッテとしてはまさかの形でBIGBOSSの2勝目を献上してしまうこととなった。

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関連項目


*1 怪我の影響でこの日がシーズン初登板となった。
*2 首位のソフトバンクが日本ハムに敗れたため。
*3 この試合でも、フェンス直撃の打球で2塁を狙った角中勝也が走塁死というプレーが起こっている。
*4 通常は内野と外野の間に上がったフライは野手の交錯やお見合いによるポテンヒットを防ぐことと、捕球後の送球の兼ね合いで外野手に捕球の優先権がある場合がほとんどである。
*5 勝利投手は増田、敗戦投手は益田直也。
*6 今回はさすがに落球ではなく普通のライト前タイムリー。
*7 このシーズン、益田の4敗目までは全て西武戦だった。メットライフドームでは4登板で3敗1S。
*8 なお、ロッテは翌2021年もシーズン終盤の9月24日に、これまたメットライフドームで2死走者無しから四球→盗塁+パスボール→パスボールで決勝点を献上というプレーをやらかしている(同時に西武・田村伊知郎にプロ初勝利も献上)。さらにこの後の対西武2戦は連勝したが、直後のオリックス3連戦で3連敗し、その後首位陥落。
*9 2020年のパ・リーグCSは1位と2位の2チーム。セ・リーグCSは行われていない。
*10 ライン際に上がったことで「ファウルフライの場合は取ってしまうと三塁ランナーのタッチアップが可能になるため、取らない方がよい」ということで高部が一瞬ラインを確認=ボールから目線を切り、そのせいでボールを見失ってしまったとみられる。記録は高部がボールに触れずに落下したためヒット。